不動産投資管理

リフォーム会社の選び方と賢く発注する方法

リフォーム会社の選び方と賢く発注する方法

信頼できるリフォーム会社を見極める方法

それではさっそく、リフォーム会社を選ぶために必要なチェックポイントを見ていきましょう。

建設業の免許の有無と保険などのアフターケア

まず確認すべきことは、建設業の免許を持っているかどうかです。一定以上の規模の建設工事を行う場合、建設業法で知事か国土交通大臣の許可を受ける必要があると定められています。小規模な工事では不要ですが、せっかくなら持っている施工業者を選んだ方が確実でしょう。

また、リフォーム工事では、作業中の事故や不具合が発生する可能性があります。建築工事保険や賠償責任保険に入っていることはもちろん、工事後の検査や保証制度、アフターケアの有無も確認しましょう。

次に、会社の得意分野や傾向を知っておくことも必要です。住宅メーカーなら戸建てが、マンションのデベロッパならマンションが得意分野でしょう。またデザイン重視なのか、コストパフォーマンス優先なのか、木を使った建築が得意なのかなど、会社によって特徴が異なることもあります。確実なのは過去の実績を見ることです。WEBサイトに掲載されている写真があれば、それが大きな参考になります。また、社内にどんな資格を持った社員が在籍しているかを紹介している会社もあります。インテリアコーディネーターやキッチンスペシャリストがいれば、内装やデザインに拘りたい人にとってプラスでしょう。他に、実際に発注を行った顧客の声も参考になります。

リフォーム施工業者の担当者の善し悪し

ここまでは、自分で情報収集できる範囲になりますが、リフォーム会社を見極めるためには、社員の対応や能力も大きな評価項目になります。最初にコンタクトを取った時の担当者の電話やメールの受け答え、営業マンがどの程度ちゃんと話を聞いてくれるか、約束を守るかなど、注意深く観察しましょう。会社の都合を優先して、こちらが求める方向と異なる提案をしてくる、質問に対して適当な答えを返すようでは、後々トラブルになってしまう可能性があります。信頼できる人であれば、住む人のことを本気で考え、専門家としてのアドバイスやアイデア、一般の人では気が付けない点などを指摘してくれるはずです。

発注前に確認しておきたい項目

実際にリフォーム会社に発注する前に、しっかり確認しておきたい項目がいくつかあります。一旦工事に入ったら、途中でやり直すことはまずできません。工事が終わってから後悔しないよう、あらかじめ準備をしておきましょう。

契約内容の確認は細やかに

確認項目の多くは工事請負契約書や約款に書かれているので、それらをしっかり読むことは前提です。その上で、書かれていないことについても、必要なことは紙に書いて営業マンに確認するようにしてください。

契約書には、主に工事に関わる費用とその支払い方法が明記されています。その内容で問題ないかを確認します。たとえ最初に出された見積書と金額が違っていても、法的に有効なのは契約書です。金額が増えた場合、支払い方法を変えた方が良い場合もあるでしょう。

見逃しがちなのが工事期間です。工事請負契約書には、工事の開始日と完了日を書く欄があります。そこが空欄になっていると、業者の都合でどうにでもされてしまいます。またリフォームでは、工事中に不具合が見つかり、工期が延びることもあります。そんな時はすぐに状況を説明し、その後の対応を協議するよう、約束してもらいましょう。そうしないと現場の判断で工事を追加され、後から見積もりより高い金額をいきなり請求される危険があります。逆に業者の方に問題があって工事が遅れる場合も想定し、違約金の有無も取り決めておく必要があります。

法的な契約書の他に、実際の工事の内容を示す資料である、明細書や、各種の図面、完成予想図なども大切です。時には、そこに書かれていないことを現場の口約束で交わすことがあるかもしれません。それをそのままにしておくと、後で言った言わないのトラブルになりかねないので注意が必要です。どんなに小さいことでも書類を新しく作り直し、再提出をしてもらいましょう。

床や壁に使われる素材の種類や、設備の機能・数量等も、住んでからの大きな環境要因になります。それらを見積もりや作業指示書に明記してもらう他、見本がある場合は、後で素材や色が違っていた!ということにならないよう、サンプルやカタログを貰っておくと良いでしょう。ドアやドアノブ等も同様です。最近ではトイレや浴室等も高機能化されています。そこでどの程度の機能が必要なのかも吟味しないと、不要な出費が生まれ、逆に欲しい機能が抜けていたということも発生します。行き違いのないよう品番まで確認しましょう

保証の確認

最後にお伝えしたいことは、保証の確認です。業者を選ぶ際にも必要となる項目ですが、実際の工事の詳細に合わせて、どのような保証があるかも細かく決まってきます。基礎が10年、壁紙が6ヶ月など、部所によって決められる期間もありますし、各種のメーカー品などは製造元によって個々に期間が設定されていたりもします。

相見積もりをとって比較

リフォーム会社を選ぶ場合は、特定の会社だけに見積もりを取るのではなく、複数の会社に依頼をするようにしましょう。そうすることで、大まかな相場が分かります。極端に見積もりが高かったり安かったりする会社があったら、その理由を確認する必要があります。明細の中身を見て信頼性の違いを感じることもあるでしょう。なお、正しい比較をするために、全ての会社に対しては、同じ条件で希望を伝えることが必要です。

まとめ

リフォームは一発勝負でやり直しができません。後になって「会社選びを失敗した!」という残念な結果にならないように、この記事で紹介したリフォーム会社の選び方を参考にして、自分の希望によりそう会社や担当者を見つけ、賢い発注をするようにしてください。

高野 友樹(たかの ゆうき)

不動産コンサルティング事務所 Resorz Consulting 代表
(公認 不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士)
不動産会社にて仲介、収益物件管理を経験した後、国内不動産ファンドでAM事業部のマネージャーとして従事。
社団法人GINAとして海外事業にも参画。

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