不動産投資では物件を購入する資金を調達する必要があります。
多くの方は金融機関からの融資を利用するのではないでしょうか。金融機関には不動産投資ローンと呼ばれる投資家向けの融資プランが用意されていて、大きく分けると「アパートローン」と「プロパーローン」の2種類があります。
それぞれ特徴や採用条件が異なるので、ここでは2つのローンの違いや特徴について解説します。
アパートローンとは主に不動産投資収益以外で安定した収入がある方を対象とした金融商品で、利用可否の条件や融資期間、提出書類などがあらかじめ提示されています。
そのため、自分が条件に当てはまっているかどうかが判断しやすいでしょう。銀行側が用意している融資可否を決めるためのチェックリストを満たせば審査を通過するイメージです。
プロパーローンとは資金力や資産状況、物件の評価などから融資の可否が判断される事業向けのローンです。
アパートローンと同じく不動産の融資でも利用でき、事業性、収益性、依頼人の属性が重視されます。プロパーローンは不動産投資に限らず、経営者が事業の運転資金を調達するために利用することもあります。
アパートローンは一般サラリーマンや不動産投資初心者など不動産投資収益以外に家計をまかなうだけの収入がある方や融資経験が少ない方が利用するのに対して、プロパーローンは不動産事業を行う方が利用する傾向があります。
項目 | アパートローン | プロパーローン |
---|---|---|
ローンの用途 | 投資用不動産 (アパート、マンションなど) | 不動産投資を含む事業費用 |
融資対象 | 個人 | 法人 |
金利 | 高い | 低い |
返済期間 | 長期間 | 短期間〜中期間 |
取扱金融機関 | 都市銀行や地方都市など | 都市銀行や地方都市だけでなく、 信用金庫や信用組合など |
審査期間 | 短い | 高い |
審査基準 | 借りやすい | 難易度が高い |
限度額 | 低い | 高い |
融資を受けた場合、金利がかかります。金利には「固定金利」と「変動金利」の2種類があり、それぞれ計算方法が異なります。
固定金利は指定された期間、一定の利率で金利が計算されます。
例えば10年間1.5%の金利で契約を締結すると、10年間は1.5%の金利で固定されます。固定金利の期間が終了すると新たな固定金利(利率)が設定されます。
固定金利は利率が変動しないため、返済計画が立てやすいというメリットがありますが、変動金利に比べると利率が高めに設定されるケースが多いので注意が必要です。
変動金利は銀行側の基準に従って利率が変わります。銀行によって変動金利の計算方法や利率が更新される日が違います。これらの内容は銀行のホームページに記載されているので、事前に確認するようにしましょう。
変動金利を選んだ場合は、利率の変動と同時に返済額が変動します。返済額の見通しを立てるのが難しい反面、固定金利に比べると利率が低く設定されるケースが多く、金利が低い状態が続けば総返済額を大きく軽減できるでしょう。
長期の融資を遠投している場合は金利変動リスクを避けるために固定金利を選ぶ、短期融資の場合は金利が低めに設定されている変動金利を選ぶといった戦略をとることができます。
固定金利と変動金利のいずれを採用するかについては、借入期間や資金計画、市場動向に合わせて選択するとよいでしょう。銀行の担当者に相談するのもおすすめです。
融資の返済方法には「元金均等返済」と「元利均等返済」があります。
元金均等返済は、融資期間で均等に割った元金(借入額)と返済時点の元金を元に計算して計算された利息を合計して返済します。つまり、借入額の返済は一定で、利息は返済するごとに減っていきます。
元金均等返済では元金が早く減るため、元利均等返済より総返済額が小さいというメリットがあります。ただし、返済当初は利息が大きく負担になりがちです。
元利返済方式は、元利(借入額+利息)を融資期間で割る返済方式です。最初に決定した元利を均等に割って返済を続ければよいので、返済額が一定になります。
資金計画を立てやすいものの、返済当初は返済額のうち利息が占める割合が多いため元金がなかなか減りません。
元金返済方式と元利計算方式のどちらを採用するか検討する場合、総返済額や資金計画の見通しが重要になります。
アパートローンは事前に融資条件や提出書類が記載されているため、融資の可否が予想しやすいと言えます。すぐに融資を受けたい場合に利用するとよいでしょう。
一方で、プロパーローンは物件評価や将来性、財政状況、事業計画など色々な角度から審査されます。
不動産投資を事業として行う場合はプロパーローンを選ぶことになります。その場合は返済額が家賃収入を上回らないようにする必要があります。
そして、返済計画の見通しを重視するのであれば固定金利の元利均等返済がおすすめです。返済額をできる限り減らしたいのであれば、変動金利の元金均等返済がよいでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
固定金利 |
|
変動金利 |
|
また、アパートローンを選ぶ場合、銀行ごとに金利の設定が異なるので複数の銀行のアパートローン商品を比較するようにしましょう。
銀行担当者とは長い付き合いとなりますので、担当者の印象も重要なチェックポイントです。以上を加味しながら、目的に合った融資を受けられるように活動しましょう。
また、アパートローンを選ぶ場合、銀行ごとに金利の設定が異なるので複数の銀行のアパートローン商品を比較するようにしましょう。
銀行担当者とは長い付き合いとなりますので、担当者の印象も重要なチェックポイントです。以上を加味しながら、目的に合った融資を受けられるように活動しましょう。