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会社設立時に株主名簿が必須?司法書士が教える株主名簿の作り方

2019/12/20
会社設立時に株主名簿が必須?司法書士が教える株主名簿の作り方

「株式名簿」という言葉を聞いたことはあるけれど、株主は自分一人だけだった場合、いらないと思われている方は多いのではないでしょうか? 実は、株主名簿の作成は株式会社に義務づけられているのです。 不動産の法人化、副業など様々な理由で資産管理会社を作られて活用なさっている方々は、ぜひこの記事を参考に株主名簿を作ってみてください。

株主名簿は必須?一人株主でも?

株主名簿は、株式会社が作成しなければならない帳簿で、株主・債権者からの閲覧の請求があったら応じられるようにしておくため、会社の本店に備え置く必要があります。 つまり、株主があなた一人でも作成しなければいけません

株主名簿への記載する4つの項目

では、株主名簿に何を記載すればいいのでしょうか? 以下にて、株主名簿に記載する4つの項目をご紹介します。

株主の氏名・名称及び住所

株主の氏名及び住所を記載します。

株式の種類及び数

特に定款で定めていなければ、発行している株式は1種類だと思われますので、数を間違いなく記しましょう。

株式の取得日

株式を取得した日の年月日を記載します。

株券を発行している場合にはその株券の番号

作成した株券に書いた番号を、間違いなく株主名簿に控えるようにしましょう。 その他、質権の登録、信託財産の表示、振替株式についても記載する旨、会社法で定められていますが、一人株主の会社で、株式をそのような状態にしていることは少ないかと思いますので、ここでは説明を省略します。 見本を添付しますので、参考にしてみてください。

見本

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面倒くさがらずに、株主名簿を作るメリットとは?

一人株主で、わざわざ株主名簿を作成するのを手間に思われている方も多いでしょう。 実は、株主名簿を作成することで、以下のようなメリットがあるのです。

登記変更の時に楽

会社の登記を変更しようとして、法務局に株主総会議事録を提出する時に、株主リストを求められます。 株主リストは、株主名簿があればすぐに作成できます

会社に出資したい方が現れた時に必要

会社に出資したい方が現れた場合、株主名簿の開示を求められるかと思います。速やかに応じることができます。

トラブルから守られる

株主をあなたがしっかり把握しておくことで、紛争の予防につながります。 例えば、株主を把握せずに長期間ほったらかしにしていて、ある日突然、知らない人物から「株主の○○が亡くなって相続で今は私が株主です、取引を見直してください」などと言われたら困ります

株主名簿の管理は?

上記の記載事項を株主名簿に記載していれば、任意の書式で管理して構いません。 紙で持っていたり、ノートに書くのもいいですが、エクセル、ワードなどのデータで持つことオススメします。 なお、株主の住所が変わったときや、株式を譲渡等したとき、株主名簿の変更をします。 

上記のように、株主名簿を変更すべき事由が発生しなくとも、一年に一度、事業年度末を過ぎたら、定時株主総会の準備として、株主名簿を見返すのがいいでしょう

株主名簿を作成しなかったら?

一人株主の場合、株主名簿の作成は忘れがちです。 では、作成をしなかったら、どうなるのでしょうか? 会社法上、株主名簿を作成しなかった場合、代表取締役は「過料」、平たくいうと金銭でのペナルティに処される規定があります。 たかが知れてる金額かもしれないですが、上記「3、面倒くさがらずに、株主名簿を作るメリットとは?」で紹介したように、作成しておくことでメリットもありますので、面倒くさがらずに会社設立する際に作成しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 株主名簿に記載する事項は限られており、作成も簡単ですから、もしもまだ株主名簿を作成していないという場合には、今すぐ作成しましょう。 なお、株主名簿やこれまでの株主の異動について疑問が出てきた場合、ぜひ、プロである司法書士に相談してみましょう。

記事提供元:EstateLuv

木宮 瑛子

ベリーベスト法律事務所大阪オフィスにて司法書士をやっています。
不動産の所有権・抵当権の登記からはじめ、不動産投資で法人設立を検討されている方のお手伝いさせていただいます。

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