資産形成

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?公認会計士が教える知っておくべき5つのポイント

2019/12/16
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?公認会計士が教える知っておくべき5つのポイント

iDeCo(イデコ)について、自分のために年金として貯金ができて、更に節税効果もあるというざっくりしたイメージを持たれた方が多いのではないでしょうか。 厚生労働省から、つまり国から老後生活に備え、私的年金として「iDeCo」を打ち出し、確定拠出年金法が改正されました。 

しかし、iDeCo(イデコ)について漠然としていて、具体的にはiDeCo(イデコ)はどのように運用して、実際にいくらの節税効果があって、だれでも簡単にできるのかなど、詳しい仕組みについて理解ができていない方も少なくないでしょう。 一見メリットが多くみえますが、デメリットはないのかについても気になるところでしょう。 

そこで今回は、公認会計士の私がおさえておくべきポイントをピックアップし、iDeCo(イデコ)について簡単にまとめましたので、ご興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

iDeCo(イデコ)の仕組みとは?

iDeCoとは、個人の掛金によって運用しながら年金を積立て、公的年金にプラスした私的年金であり、原則60歳以降に受取る仕組みのことです。 職業によって、最大で月68,000円まで拠出可能(年間816,000円)で、老後の資産形成ができます。 

最大拠出額

国民年金 加入状況職業拠出額の上限(円)年間上限額 (円)
1号被保険者自営業者、アルバイト、学生、無職等68,000816,000
2号被保険者会社員(企業型確定拠出年金無の会社)23,000276,000
会社員(企業型確定拠出年金有の会社)20,000240,000
確定給付年金加入者、公務員12,000144,000
3号被保険者専業主婦(夫)、パート23,000276,000

iDeCoの4つのメリット

続いて、iDeCoの4つのメリットを紹介します。

毎年の所得税、住民税を節税できる

拠出金は全額所得控除できます。 例えば、年収500万円の会社員の方が、毎月15,000円をiDeCoに拠出すると、年間で約180,000円の節税が可能です。 投資の性質を持ちつつ、高い節税効果を得ることができます。

運用中に得た利益に税金はかからない

通常の証券口座で運用を行った場合、配当、利子、売却益に対して20.315%の税金が課税されますが、iDeCoは、利益について税金がかかりません。

積立金受け取り時の税金が少ない

60歳になってiDeCoの積立金を受け取る時は、一時金か年金受取が選択できます。   一時金を選択した場合は、「退職所得控除」が受けられ、年金受取を選択した場合は「公的年金等控除」が受けられ、ともに税制の優遇を受ける事が可能です。 長期投資すればするほど、税金面のメリットを受けられるのです。

利用する時の3つの注意点

節税対策としても、資産形成としてもメリットが大きいiDeCoですが、利用するにあたり注意しなければいけない点もあります。 損しないために、事前に把握しておきましょう。

原則60歳まで解約できない

老後の資産形成を目的とした制度のため、原則的に60歳未満での中途解約はできません。 資金が固定化されてしまうので、いざという時に自由に引き出すことは難しいでしょう。ただし、拠出金の金額変更はできるので、資産状況に応じて変更を行うとよいでしょう。

リスク商品による運用なので、元本割れの可能性もある

投資信託による運用のため、拠出額よりも、受け取る金額が少なくなるケースもあります。

定期的に投資配分を見直す必要がある

iDeCoでは投資を行った後に資産配分を変えることができます。 しかし、長期投資のため、つい資産状況の確認を忘れがちになり、意図しない資産配分になることがあります。投資信託のため急激な基準価額の変動は起きにくいですが、年に数回の確認を怠らないようにしましょう。

iDeCoを利用するのに適している方は?

どんなにいい商品でも、万人受けではありません。 iDeCoに適している方をみてみましょう。

これから投資を考えている方

これから資産運用を始めたいと思っている方で、老後の資金確保をしたい方は、選択肢の一つとして検討すると良いでしょう。

長期的に節税のメリットを受けたい人

iDeCoは節税効果が高いことが、最大の魅力の一つです。運用の成果がそこまで高くなくても、毎年数万円の節税効果が得られることがあります。運用成果と節税効果の両方を検討すると良いでしょう。

iDeCoを始めるには?

最後に、iDeCoを始め方について紹介します。 iDeCoを始めるには、運営管理機関経由して加入手続きをする必要があります。 運営管理機関は

  • 都市銀行
  • 地方銀行
  • 信用金庫
  • 証券会社
  • 生命保険会

など、様々な業種が取り扱っています。 運営管理機関によって、運用されている商品も手数料も異なりますので、加入前によく比較するといいでしょう。 なお、iDeCo公式サイトの「運営管理機関一覧」から調べることができますので、ぜひ活用してみてください。

まとめ

iDeCoは、私的年金を貯蓄する商品というイメージを持たれている方は多いと思いますが、実は、iDeCoも投資であります。 つまり、投資である以上リスクはつきものなので、節税効果があるから始めるという軽い気持ちではなく、きちんと投資商品について調べて、本当に自分に合っているかどうかを判断してから始めましょう。


記事提供元:EstateLuv

友部 隆博

エンサイドコンサルティング株式会社 代表取締役。
公認会計士というお金のプロとして、あなたの不動産投資に関わる様々な税金のお悩みを解決します。

関連コラム