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不動産売却

不動産売却における手数料や費用はどのくらいかかるのか?

八木 チエ
2019/07/172019/12/10

近年諸々の事情で故郷に帰る・地方に移住する・転勤などといった理由で、不動産を売却する件数は以前に比べ増えてきている傾向があります。投資目的で不動産を購入した方も、物件価格が上昇している今、売却益を狙いに売却する方も多くいらっしゃいます。

いざ不動産売却となった場合、基本的に成功報酬として売却手数料が生じます。売る側としては、なるべく売却手数料が安く済みたいと考えるものです。

知り合いに不動産屋さんがいるならともかく、普通の不動産売却でどのようにしたら仲介手数料を安くできるのか知らない方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、仲介手数料の計算方法、安くする方法があるのかなどについて解説していきます。

手数料に関する考え方

一般的に不動産売却において、不動産会社に仲介してもらうことで買主との契約を仲立ちしてくれます。個人売買は不可能ではありませんがいろいろなもめごとが生じる可能性があり、不動産会社に頼むのが無難といえます。

不動産会社は売却にあたって、自社の顧客に当該物件を紹介・ネット上や各種雑誌などに広告を掲載するなどといった営業活動をしてくれます。このような活動の結果購入希望者が現れ、依頼者である持ち主と売買契約が成立したとします。この売買契約成立時に、仲介の成功報酬として不動産会社に支払われるのが仲介手数料です。

仲介手数料が発生する正確な定義とタイミング

仲介手数料は売買契約成立完了時に、請求する権利が発生します。ということは購入希望者が物件を下見する・不動産会社の営業マンがあれやこれやと営業活動を行う、という時点に対しては手数料・持ち主が支払う必要のある費用などは生じません。

ただし一般的に行われる営業範囲を超えて、不動産会社へ追加的な活動依頼を行うとこの持ち主負担で費用が生じ得ます。

業務内容に応じた仲介料

国土交通省宅建業法の「解釈・運用の考え方」にて、具体的な報酬額については仲介業務の内容を考慮して依頼者と協議して決める事項であると考えられています。例えば売り主と買主は決まっていて、直接売買では何となく法的に懸念事項があるといった場合があるとします。

この場合不動産会社が売買契約を依頼される場合がありますが、法的な手続きをするだけで手数は少ないです。この一方で不動産会社が買い手探しをする場合は、骨が折れる手間が予想されます。従って、この対照的な二つの場合で同じ報酬額はおかしくので、きちんと話し合いがなされるべきという考え方もあります。

手数料そのものについて(計算方法含む)

上限

仲介手数料について、宅地建物取引業法で下記のように上限が定められています。

売買価格

報酬額

200万円以下の部分

取引額の5%以内

200万円超400万円以下の部分

取引額の4%以内

400万円超の部分

取引額の3%以内

参照:http://www.fudousan.or.jp/kiso/sale/chukai.html

※売買価格に消費税は含まれず、報酬額には別途消費税がかかります。

計算例

【仲介手数料の上限額の計算例】

売買価格が1,500万円の土地の仲介手数料の上限額

①200万円までの部分

200万円×5%=10万円

②200万円超400万円までの部分

200万円×4%=8万円

③400万円超1,500万円までの部分

1,100万円×3%=33万円

①+②+③=51万円

※この金額に消費税を加えた金額が、仲介手数料の上限額になります。

そして400万円を超える物件について、次の式で仲介手数料の上限額を速算できます。

売買価格×3% + 6万円 + 消費税

「1,500万円☓3%+6万円=51万円」と同じ金額になります。

手数料の発生・支払うタイミング

手数料が発生するタイミング

手数料が発生するタイミングについて詳しくは、まず売主と買主が合意します。そして売買契約書を締結し、宅地建物取引士(以前の宅地建物取引主任者)による記名押印した書面の交付時点で手数料が発生するタイミングとなります。

手数料を支払うタイミング

①本来のタイミング

「土地建物引き渡し時」に全額支払われるのが本来の形であり、タイミングでもあります。

②一般的に行われるタイミング(2回に分けられる)

多くのケースでは上記のような売買契約締結時に半額・引き渡し時に残る半額支払われるという、形とタイミングが多いです。

売買契約締結というのはあくまで契約を結んだということに過ぎず、契約の履行(所有権移転登記・代金決済・物件の引き渡し)は契約後です。ということは売買契約書の締結だけでは取引が完了できておらず、契約時に全額の支払いがあれば何らかのトラブル・もめごとになりかねないという背景があります。

安くなる方法ってあるの?

安くなる方法は基本的にない

不動産仲介会社にとって物件1件仲介する報酬は、ほとんど仲介手数料と言っていいでしょう。よって、仲介手数料を安くしてもらえるというのは基本的にないと思ってください。ムリして手数料の値引き交渉をすると、その分手抜きしてしまうという話を聞いたこともあります。

しかし、下記のように業社が手数料キャンペーンを実施する時期もあります。ご自身の売却タイミングと合えば、ぜひご活用するといいでしょう。

仲介手数料が安くなる・半額・無料になる可能性のケース

  • 決算期や繁忙期などのキャンペーン期間
  • 両手取引の場合

※両手取引:仲介不動産会社が、売り手買い手双方から手数料を受け取れる時です。

※片手取引:仲介不動産会社は売り手か、買い手どちらかからしか仲介料を受け取れません。

特に決算期や繁忙期の時には、集客目的で大々的に宣伝するために仲介手数料の値引きが効果的であると考えられています。

住み替えの場合手数料は2回払うの?

転勤、結婚、出産など今持っている不動産を売却して、新しくマンションなどを買い換えする場合も多いでしょう。この場合、売るときと買う時の2回仲介手数料がかかるのですか?という疑問が生じるかと思われます。

結論として基本的に手数料は2回生じます。不動産会社が同じでも別々でも、2回取引が行われるという考えがあります。ただこれはあくまで基本的な考え方ですので、例えば同じ不動産会社で売却して、更に新しく不動産を買った場合、手数料を安くしてもらうなどの交渉はしやすいと言えます。

一方、全く違う不動産会社を利用する場合、なかなか難しいでしょう。

売買契約が白紙になった場合の手数料について

報酬請求権が発生しない場合

  • 売買契約が無効であった場合
  • 消費者契約法などにより売買契約が取り消された場合
  • 買主が融資の審査を通らず契約の履行ができなかった場合

上記3つのケースは、売買契約自体が未成立・契約が効力を失い始めから存在しなかったことになると解釈されるという考えによります。こうならないように不動産業者の方には不動産取引のプロとして、綿密な事前調査・正確な重要事項説明書と売買契約書作成・細心の注意を伴った契約締結が求められます。

そして天災地変その他売買当事者のいずれの責に帰することのできない事由の時にも、報酬は発生しません。またこの場合は既に受領した報酬がある場合には、返還の必要性まであります。

不動産会社の請求権が有効になる場合

一方、下記のように売主都合により契約解除する場合、不動産会社の請求権は有効になります。

  • 手付解除もしくは契約違反による解除となった時
  • 売り主および買主が暴力団・暴力団関係企業・総会屋もしくは準ずる者又は構成員であることによる契約解除

ただし、2番目の事項に関しては、不動産会社がその事実を知っていたまたは知り得ていた場合は請求権の効力は発生しないと予想されます。

売却時の留意点

見積・相談は複数社に頼む

見積・相談は、複数社にお願いするのがまず挙げられます。これは一般的に一番高く見積もってくれた会社にお願いしたい、という願望があると思いますが、その場合、専任媒介契約を取りたいという目的で、相場よりわざと高く見積もっている業社もあります。従って、1社に限らずに複数社に見積もりを取るようにしてください。

また、その際に、なんでその査定価格になったかの根拠も確認するようにしてください。きちんと根拠を言える会社に売却依頼するといいでしょう。

売却価格がローン残債より下回った場合

ローン残債より高く売れたらいいですが、所有している期間が短ったり、急いで売却したいなど様々な状況によって、ローン残債より売却価格が低くなることもあります。買主に登記ができるようにするには、今自分につけている抵当権を外すことが条件になりますので、きちんとローン残債を支払えるかどうかを確認する必要があります。

査定価格=売却価格とは限らない

不動産会社に査定してもらった価格で売れるだろうと、想定する方も多いでしょう。しかし、査定価格は、あくまでも物件情報などの情報に基づいて算出した価格であって、売却できる価格というわけではありません。

従って、ご希望の売却価格がある場合、査定価格を基準に、値引き交渉を念頭に置きながら少し高めに設定するなど、担当者と話し合うことが大切です。

契約書への注意

契約書等いうのは、双方が納得して交わされるもの・大金を動かす書類となりますので大変重要です。不動産売却において雨漏りなどの欠陥を知らなかった場合、瑕疵担保責任が発生します。この点は簡潔に、売り主の責任となりますので注意が必要です。

売買契約書にはこの瑕疵担保責任について、どれくらいの期間負うのか明記しておくと後々のトラブル防止につながります。明記されていない場合民法適用により、買主が明らかになっていなかった瑕疵を知ってから1年が瑕疵担保責任の期間となっています。

引き渡し時の注意

引き渡しには物件そのものの引き渡しはもちろん、所有権の転移手続義務も生じます。これらの義務が期日までに履行されなければ、債務不履行と解釈され違約金発生の可能性まであります。きちんと契約通りの引き渡しを履行すること注意しましょう。

まとめ

以上不動産売却手数料について述べてきました。参考になりましたでしょうか。いろいろと注意するところはありますが、特に重要なこととして、下記の4つが考えられます。

  • 手数料の計算方法
  • 手数料が生じるタイミング
  • 契約白紙の場合の手数料
  • 売却時の留意点

こちらの記事を参考にしていただけますと幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。