不動産売却

投資用不動産を高く売却する|仲介会社選びと付き合い方のコツ

2020/04/03
投資用不動産を高く売却する|仲介会社選びと付き合い方のコツ

不動産売却には仲介会社選びが重要です。投資用不動産の売却となると、そもそも一般の住居不動産と比較してターゲットが一気に減りますので、売却をサポートしてくれる仲介会社選びが最も重要と言えます。信頼できる、ノウハウが豊富な仲介会社を選ぶことができれば、売却スピードと売却価格も大きく変わります。

そして、「優良な仲介会社」を選ぶときには、そもそも仲介会社とどのように付き合うべきか?を知っておくことも重要です。仲介会社といい関係を築くことが、物件売却にプラスに働いてくれるからです。

この記事では、投資用不動産を高く売るために、信頼できる仲介会社の選び方、仲介会社とうまく付き合うコツなどについて解説していきます。投資用不動産の売却を検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

投資系一括査定サイトにて概算を知る

まずは、自分の物件の概算価格を知ることが重要です。そのため、投資系一括査定サイトにて、投資用不動産の概算を知りましょう。不動産売却一括査定サイトは多くありますが、投資用物件の査定サイトとして「RE Guide」をオススメします。

「RE Guide」

 https://www.re-guide.jp/assess/investment/?utm_source=investment&utm_medium=reguidelink&utm_content=global_nav_sell

投資要物件一括査定サイトは、投資物件の売却を得意とされている仲介会社が登録されていますので、一括査定サイトを利用して複数の仲介会社に査定依頼をしましょう。

自分の物件の売却が得意な仲介会社を選ぶ

複数の仲介会社からどのように選んだらいいのかと、悩まれている方もいらっしゃるでしょう。

その1つ目のポイントは、自分の物件の売却が得意な仲介会社を選ぶことです。

というのも、仲介会社も以下のように得意と不得意があるので、自分が所有している物件の販売ノウハウが豊富な仲介会社を選ぶ必要があります。

①得意な物件の種類

たとえば、一棟の収益不動産の売却が得意な仲介会社もいれば、区分マンションの仲介が得意な仲介会社もあります。

これは、主に「過去に仲介したことのある実績」にて確認することができます。

過去の成約事例をヒアリングして、得意としている物件種類を確かめましょう。

②得意なエリア

また、仲介会社によって得意なエリアが分かれます。

たとえば、大手仲介会社であれば各拠点に店舗があるので、広域から顧客を集客することができるでしょう。

一方、地場の仲介会社であれば、そのエリアに特化しているという強みがあります。

たとえば、そのエリアで有力な地主と深い関わりがあれば、その地主自体、もしくは地主から紹介で成約に至ることも考えられます。

つまり、前者の場合は多方面からの集客を期待することができ、後者の場合はエリア限定しますが、「その仲介会社でしか引っ張ってこれない顧客を紹介できる」という強みがあるということです。

どっちもメリット・デメリットがありますが、実際の成約実績で判断されてみるといいでしょう。

信頼できる営業マンを選ぶ

2つ目のポイントは、営業マンのスキルや対応を比較して、信頼できる営業マンを選ぶことです。営業マンは不動産を仲介するときに、以下の業務をこなします。

  • 広告による集客活動
  • 検討者への接客や営業
  • 値引きを含めた検討者への交渉

など。

つまり、営業マンのスキルや交渉能力次第で不動産の売却スピードや売却価格は大きく変わるということです。

特に投資用物件の場合、投資に対するスキルも必要になりますので、その点も忘れずに確認するようにしましょう。

媒介契約は3種類ある!それぞれのメリットとデメリット

前項で解説した投資系一括査定サイトを利用して、優良な仲介会社を選定することができます。

その次のフェーズは、選定した仲介会社と媒介契約を結び、正式に自分が所有する不動産の売却(仲介)を依頼することです。

そんな媒介契約については以下の点を知っておきましょう。

  • 3種類の媒介契約の違い
  • それぞれのメリットとデメリット
  • 効率よく依頼するには?


3種類の媒介契約の違い

媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介の3種類あり、それぞれ以下の項目に違いがあります。

  • 依頼できる不動産会社の数
  • レインズ登録の義務
  • 売却報告義務
  • 自分で買主を見つけた時の取引のルール
  • 依頼できる不動産会社の数

まずは契約形態によって契約できる仲介会社の社数が異なります。依頼できる不動産会社の数は以下の通りです。

  • 専属専任媒介契約:1社のみ
  • 専任媒介契約:1社のみ
  • 一般媒介契約:複数社OK

このように、専属専任媒介契約と専任媒介契約は1社のみとしか媒介契約を結べません。つまり、1社しか自分の不動産売却を担当できないのに対して、一般媒介契約は複数社と契約できるので、複数社が自分の不動産売却を担当します。

  • レインズ登録の義務

2つ目の違いは、レインズ登録の義務です。具体的な違いは以下の通りです。

  • 専属専任媒介契約:媒介契約締結から5日以内
  • 専任媒介契約:媒介契約締結から7日以内
  • 一般媒介契約:義務なし

レインズとは、不動産会社のみ閲覧できるネットワークシステムであり、現在売り出されている物件や過去の成約事例を確認できます。

レインズに登録することで、他社に自分の物件の売却を告知することができるので、他社が検討者を紹介してくれるチャンスが増えます。

  • 売却報告義務

不動産を売却していく中で、仲介会社から売却の経過報告をする義務があります。売却報告義務の違いは以下の通りです。

  • 専属専任媒介契約:1週間に1回以上
  • 専任媒介契約:2週間に1回以上
  • 一般媒介契約:売却報告義務なし

売却報告とは、広告の予定、問い合わせ状況(反響)、検討者の状況など、売却に関する報告全般のことです。一般媒介だと売却の経過報告義務がないのです。

  • 自分で買主を見つけた時の取引のルール

不動産の売却を仲介会社に依頼しつつ、友人など自分で買主を見つける可能性もあるでしょう。

自分で買主を見つけた時の取引のルールは以下の通りです。

  • 専属専任媒介契約:規定通りの仲介手数料を支払う
  • 専任媒介契約:その時点の広告費用などは請求される場合がある
  • 一般媒介契約:自由に行える

一般的にはご自身で買主を見つける可能性は低いとは言え、無駄な費用を払わないようにするため、事前に確認しておくといいでしょう。

それぞれのメリットとデメリット

3種類の媒介契約の違いを把握したところで、続いてそれぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

専属専任媒介契約と専任媒介契約は似ているので、ここでは「専任系媒介契約」としています。

  • 専任系媒介契約媒介のメリット・デメリット

専任系媒介契約のメリット・デメリットは以下の通りです。

−メリット

  • 積極的に広告を投下してくれる
  • 物件案内の優先順位が高い
  • 不動産会社を変えるときも有利

−デメリット

  • 依頼する不動産会社を間違えると売れにくい
  • 両手仲介手数料を得るため、情報を隠す可能性がある

専任系媒介契約の場合は1社としか媒介契約を契約しないので、言い換えると、不動産会社は自社しか不動産を売却する優先権があるので、一般媒介契約を結ぶよりは広告量を投下し物件案内なども優先させることが多いです。

また、専任系媒介契約の場合、売却報告を逐一受けるので、仮に不動産会社を変える場合も引継ぎしやすい点もメリットといえるでしょう。一方、デメリットは1社としか媒介契約を結べないので、依頼する不動産会社を間違えてしまうと売れにくくなってしまう点です。

また、仲介会社は成約報酬として仲介手数料しかもらえないので、売主だけではなく、買主の両方から仲介手数料がほしいと、契約の話が進めていないのにも関わらず、他社からの問合せを断るケースがあること注意しておく必要があります。

その場合、知り合いなどにさぐりの電話を入れてみるといいでしょう。

  • 一般媒介契約のメリット・デメリット

一方、一般媒介契約のメリット・デメリットは前項の逆です。

一般媒介だと、契約されている仲介会社であれば、みなさん同じ立ち位置で売却しますので、他社が先に成約されたら、仲介手数料がもらえません。

従って、一般媒介の場合は積極的に広告を打てず、物件案内などの優先順位も下がってしまいます。

ただし、複数社と媒介契約を結べることによって、多くの方に目に触れるチャンスが増えるのと、両手の仲介手数料欲しさに物件を隠すリスクがなくなります。

効率よく依頼するには?

では、効率よく依頼するにはどうしらいいでしょうか?

これは物件情報、仲介会社の担当者のスキルなど様々な要因で異なりますので、一概に言えないのですが、売り残り物件だと売れにくくなるという傾向を考えた際に、最初は専任系媒介契約を依頼するといいでしょう。

3か月間きちんと広告を投下してもらい、集中して自分の物件売却に力入れてもらってください。

それでもうまく売却が行かなかった場合、一般媒介契約に切り替えましょう。

一般的には、不動産の売却期間は3ヶ月だと言われており、3ヶ月を超えた場合、担当者から価格を下げるなどの提案をしてくると思います。焦る気持ちもわかりますが、たたき売りにならないよう焦らずに気長に構えることも大切です。

仲介会社との上手な付き合い方

媒介契約を結んだら、いよいよ不動産の売却活動をスタートします。

中には自分が依頼主だから偉そうな態度を取る方もいらっしゃいますが、実は、売却活動でうまくいくには、担当者といかにいい関係を築くことが大切です。

以下のポイントを意識して仲介会社と上手に付き合いましょう。

  1. 担当者と売却戦略を立てる
  2. 定期的に報告を受ける
  3. 報告を踏まえて定期的に打ち合わせをする
  4. 内見など購入希望者からの交渉を積極的に受ける姿勢を見せる

担当者と売却戦略を立てる

まずは、担当者に自分の要望を伝えましょう。それを踏まえて優先順位を立てて売却戦略を立てることが大切です。

  • 売却したい時期
  • 売却希望価格
  • 引き渡し時期など細かい条件

これらの戦略を共有しておくことで、担当者も検討者と交渉・駆け引きがしやすくなります。また、詳しくは後述しますが、なかなか売れないときの対策も立てやすいです。

定期的に報告を受ける

また、担当者から以下の報告を定期的に受けましょう。

  • 広告戦略や投下量
  • 問い合わせ数(反響状況)
  • 検討者状況

これらをきちんとヒアリングすることで、仮に一般媒介契約に切り替えたときにも情報が活きてきますし、その不動産が外部からどのような評価を受けているのか?を客観的に知ることができます。

報告を踏まえて定期的に打ち合わせをする

そして、前項までの状況を踏まえて定期的に打ち合わせをしましょう。

「不動産が売れていない」といっても、その原因が重要です。

たとえば、問い合わせ数自体が少ないのであれば、広告量が少なかったり、広告の内容に問題があったりします。

一方、問い合わせはあるものの検討者がいないのであれば、収益性に魅力がなく、価格が高すぎて満足した利回りにならないことが考えられます。いずれにしろ、不動産が売れない原因を分析し、次に取るべき戦略を担当者と考えましょう。

内見など購入希望者からの交渉を積極的に受ける姿勢を見せる

自分の売却要望があるのと同じように、購入希望者もご自身の要望があります。

  • 価格交渉
  • 引渡し時期の交渉
  • 契約時期の交渉

など。先方からの要望を全て受け入れるというわけではなく、可能な限り対応したり、ご自身の要望を出して交渉する姿勢を見せましょう。

まとめ

投資用不動産を高く売るためには、仲介会社選びの重要さについて書きましたが、参考になりましたでしょうか。

仲介会社の選び方、契約形態の活用方法、担当者との付き合い方は全て投資物件の売却に影響しますので、ぜひこちらの記事を参考に、ご満足のできる投資用不動産の売却ができたら幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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