不動産投資で収益を得るのは、その物件から賃料収入が安定的にあり、収支計算がきちんとできていることが重要です。
その収入面・支出面は物件選び次第なので、不動産投資で最も重要なのは物件選びといえるでしょう。
しかし、「物件選び」といっても、不動産には種類があり特徴が異なります。
この記事では、まずその不動産の種類ごとの特徴を解説して、その後に具体的な物件選びのポイントを紹介していきます。
1つ目のポイントは、不動産投資は以下の「種類の違い」によっての特徴を知るという点です。
区分マンション投資とは、一室のマンションを購入して賃貸物件として運用することです。
一棟ではなく一室なので比較的取得費用は安価ですが、その分収益は一棟物件に比べると小さくなりやすいです。
しかし、区分マンション投資は空室リスクの回避策として、物件ごとにエリアを分散することができます。
区分マンション投資のメリットは以下の点です。
一方、区分マンション投資のデメリットは以下です。
アパート一棟投資は、新築アパートを建築して賃貸物件にするか、中古の一棟アパートを購入するかで特徴は異なります。
取得費用や収益は新築アパートの方が高くなりやすいですが、中古でも新築でも修繕はご自身で計画して行う必要があるため、修繕積立プランを立てることが重要です。
アパート一棟投資のメリットは以下です。
一方、アパート一棟投資のデメリットは以下です。
2つ目のポイントは、物件を取得するエリアを決めるという点です。
特に、都心で物件を購入するか、地方で購入するかという点は重要になります。
というのも、都心と地方ではメリット・デメリットが異なるので、自分の投資方針によってどちらで物件を購入すべきかが見えてくるからです。
ここでは、都心と地方のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
一般的には、利回りは地方の方が高い傾向にあります。
そもそも、利回りは「年間家賃収入÷物件取得価格」で算出される指標です。
地方は利回りが高い傾向にありますが、その理由は都心に比べると物件取得価格が安価だからです。
つまり、きちんと空室・家賃下落リスクを抑えて運用できれば、利回りが高い地方の方が効率良く収益を生み出せるというわけです。
都心VS地方といってもエリアによりますが、空室リスクは比較的都心の方が低く、その大きな理由に「人口動態」が挙げられます。
たとえば、東京都の人口は2035年あたりまで横ばいで推移しており、それ以降も下落率は緩やかです。
一方、全国で見ると既に人口減少は進んでおり、今後の下落率予想も東京の比ではありません。
人口と需要は関係性が深いので、空室率がなるべく小さい物件を選びたいのであれば、行政のホームページで、そのエリアの人口推移をチェックしましょう。
また、最寄り駅の鉄道会社で乗降客数をチェックするなど、そのエリアの人口推移や需要の見極めが必須です。
参考:https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/basic-plan/actionplan-for-2020/plan/pdf/honbun4_1.pdf
ポータルサイトには物件情報が掲載されていますが、実は本当にいい物件情報は水面下で取引されていますので、サイトに掲載することもなく売れてしまうのです。
「掘り出し物の格安物件を見つけたい!」実際に良質な物件情報を得たいのであれば、ちゃんと信頼できる担当者を見つけて、自分の投資目的に合った物件を提案してもらうことが重要です。
3つ目のポイントは、物件の選び方には以下4つの要素がある点です。
これらの要素ごとに、具体的にどのような点に注意して物件選びをすれば良いかを解説していきます。
立地に関しては、上述した都心VS地方を参考にしてみてください。
要は、利回りを優先するなら地方ですが、その分「空室リスク」も高いです。
一方、都心の物件は地方ほど高利回りにはなりにくいですが、比較的空室リスクは低いといえます。
つまり、不動産投資をハイリスク・ハイリターンの投資にするか、ローリスク・ローリターンの投資にするか、もしくはミドルリスク・ミドルリターンの投資にするか、自分の投資目的に合わせて立地を変えるということです。
物件価格(予算)を決めるときは以下の点がポイントです。
まず、借入可能額と返済可能額はイコールではありません。
現在の状況で判断せずに、長期に渡り物件運営に関するランニングコストを加味しながらキャッシュフロー表を作成する必要があります。
キャッシュフロー表は、信頼できる担当者にアドバイスをもらいながらつくるべきですが、いずれにしろ予算オーバーは赤字リスクにつながるので慎重に決めなければいけません。
資産価値とは、主に以下で算出される精算価格と原価法を参考にしましょう。
というのも、上記は金融機関が物件の資産価値を算出するときに参考にする評価額であり、それによって融資の受けやすさが変わるからです。
不動産投資において融資は重要なので、物件選びは「融資が下りやすい物件選び」という要素も加味しましょう。
次に家賃相場です。家賃相場は、SUUMOやHOME'Sなどのポータルサイトを活用し、そのエリアの家賃相場を調べます。
というのも、特に空室の投資用不動産を購入するときには、家賃相場を参考に収入面をシミュレーションする必要があるからです。
家賃相場を調べることで収入のシミュレーション精度が上がり、それによって収益を上げられる物件かどうかの見極めができてきます。
このように、自分に合った物件選びのポイントは以下です。
まずは、リスクとリターンのバランスを自分で決め、そこから立地・予算を決めます。融資がおりるからと言って、くれぐれもムリな借り入れのすることのないよう注意してください。
その後に、需要や金融機関の評価の観点から物件選びをするという流れです。
4つ目のポイントは、初心者が注意すべき物件が以下のような物件だという点です。
空室状態が長くつづいている物件は比較的に物件価格が安くなっていて、想定家賃で利回り計算していることから、高利回り物件が多い傾向にあります。
このような物件は、満室になれば非常に効率的に収益をあげられるものの、簡単にできるならみなさんやっているということ忘れないでください。つまり、収益化するまでのハードルが高いと言えます。
そのため、初心者には難しい物件なので避けた方が良いです。
築古物件も高利回りの格安物件であることが多いですが、そのような物件は設備の入れ替えや室内のリフォームをする前提での購入になります。
そのため、以下のような点から初心者には難易度が高い物件といえるでしょう。
たとえば、以下のようにアピールポイントが1つしかない物件もリスクが高いので避けた方が良いでしょう。
上記でいうと、大学や大型商業施設は移転する可能性もありますし、間取りが非常に良くてもそれだけで「住みたい」と思う人は多くないでしょう。
そのため、結果的に空室リスクの高い物件になりやすいです。
また、物件を探すときは、その街の雰囲気を重視する人は多いです。
そのため、「街の雰囲気」が分からない、自分が良く知らないエリアも避けた方が良いです。
とはいえ、知らないエリアの物件を投資する人も多いと思うので、その場合は以下のように隈なく現地確認をして街の雰囲気を熟知してから購入しましょう。
5つ目のポイントは、物件情報を集める以下の4ステップを知ることです。
まずは、ポータルサイトなどのネット検索で、収益物件を色々と見てみましょう。
エリアや物件種類、予算などをある程度絞ることで、自分が購入したいと思っている物件の相場感を養うことができます。
しかし、上述したようにポータルサイトなどの情報だけでは少ないので、次のステップとしてセミナーや個別相談会へ参加します。
そこで信頼できる担当者を見つることができれば、ネット以上の情報を得ることが可能です。
また、収支シミュレーションをはじめとしたアドバイスを受けることも可能なので、自分のブレーンとなる担当者を探しましょう。
ステップ2まで行えば、自分の投資目的も明確になり、具体的な物件種類も見えてくるでしょう。
そのタイミングで、担当者から物件提案をしてもらい、実際に購入を検討する物件を絞ります。
もちろん、キャッシュフローのシミュレーションや、上述した物件選びのポイントを参考にしながら、ある程度物件数を絞らないといけません。
そして、購入を検討する物件を絞ったら物件の現地確認をします。
上述したように、朝・昼・晩、平日・休日と時間帯を変えて現地見学をして、さらに駅や商業施設までは実際に歩いてみましょう。
というのも、昼間と夜で駅前の雰囲気は変わりますし、実際に歩くことで「信号待ち」や「アップダウン」などの歩きやすさなどが分かってきます。
時間はかかりますが、その物件に賃借人が付くかどうかの重要なポイントなので、慎重に現地確認をしてから、最終的に購入する物件を選定しましょう。
不動産投資で、収益を上げられる物件を選ぶポイントを解説していきましたが、参考になりましたでしょうか。
不動産投資には種類があるので、まずは種類ごとの特徴を理解しましょう。
その上で、上述したポイントを押さえ、自分の投資目的に合った収益性の高い物件を慎重に選ぶことが重要です。