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不動産投資を行うと固定資産税はいくらかかる?

筆者: 八木 チエ税金関連
2019/09/24

不動産を所有している場合は毎年固定資産税を支払う必要があります。

不動産投資を行う場合には、所有者に固定資産税は課せられることになります。

ここでは固定資産税が課せられる仕組みや、どのような人が固定資産税を支払う必要があるのか、固定資産税の節税法はあるのかといった点について解説していきます。

最後までお読みになり、不動産投資と固定資産税の関係について理解を深めてください。


1.不動産投資用物件に固定資産税はかかる?

固定資産税は、不動産を所有していることに対して課される税金なので、不動産投資用物件であっても、所有している限りは毎年支払う必要があります。

この投資用不動産物件を購入してから毎年支払う固定資産税は、 確定申告時に経費として計上できるため、所得から差し引くことが可能です。

ですので、支払先で発行された納税証明書は大切に保管するようにしましょう。


2.固定資産税は誰が支払う税金なのか

固定資産税を支払う必要があるのは、毎年1月1日の時点で不動産を所有している人です。しかし、これには例外があります。それは不動産投資用物件を購入した年の固定資産税です。

固定資産税は毎年1月1日の時点の所有者が納付する義務があるため、今年のうちに不動産を購入した場合、その年の固定資産税は前の所有者が支払う必要があります。従って、不動産を購入して決済日を基準に、売主が買主の所有する期間を日割り計算して、売主と買主の間で税金を清算することになります。

その年の確定申告で計上できる金額は全額ではなく、清算金になります。


3.固定資産税の支払い方法

固定資産税の納税通知書は、毎年4月から6月ごろに封書で不動産投資用物件の所有者のもとへ送付されてきます。各市町村により、納税通知書の送付時期が異なるため、通知書が届くに多少の時期ずれが生じます。

なお、固定資産税は、不動産の所有者が居住する市町村ではなく、物件の所在地の市町村に納付するものです。


納税通知書を使用して固定資産税を納めるのですが、以前は役所に直接赴き窓口で支払うか、銀行や郵便局などの金融機関で口座振替により納付することが一般的でした。

しかし近年では、固定資産税をコンビニエンスストアでも納付できる自治体が増えてきています。しかも、現金での支払い以外にクレジットカードや電子マネーを利用することが可能な場合もあります。

クレジットカード支払いをすることによって、ポイントを貯めることができるメリットの反面に、クレジットカード決済により手数料がかかるデメリットもあります。東京都23区の場合、10,000円の税額につき73円の決済手数料がかかりますので、トクなのかどうかはご加入されているクレジットカードを確認するようにしましょう。

また、クレジットカードで固定資産税を支払うことができるのは、固定資産税の税額が100万円以下の場合に限られるという点にも注意しましょう。

クレジットカードのほかに、セブン-イレブンのnanacoでの支払いが利用できる自治体もあります。この場合もnanacoにポイントが付与されます

さらに、Yahoo!JAPANの「Yahoo!公金支払い」というWebサイトからクレジットカードを利用して固定資産税を納付することも可能です。

この「Yahoo!公金支払い」を利用すれば、クレジットカードのポイント以外にTポイントも付与されるため、さらにお得に固定資産税を納めることができます。


上記のように、現金や口座振替以外にも市町村によりクレジットカードや電子マネーを利用して固定資産税を納付することができる場合もあります。該当の市町村ではどのような支払い方法が可能なのか一度調べてみることをお勧めします。


4.不動産投資が赤字になっていても固定資産税を払う必要はある?

不動産投資自体が赤字になっている場合でも、不動産投資用物件の固定資産税を支払う必要はあるのでしょうか。


固定資産税は、所有している不動産の価値に応じて支払うという性質の税金なので、たとえ不動産投資で赤字が出ていても、その不動産の所有者には固定資産税を支払う義務があります。

固定資産税には、不動産投資による赤字が出たからといって減免措置などを取ることはできませんので、必ず定められた金額を期日までに納付しましょう。


5.固定資産税の算定方法

ここでは固定資産税の算定方法について解説していきます。


1)建物の固定資産税

建物の固定資産税評価額は、その建物をもう一度建築した場合にどの程度の費用が掛かるかという再建築価格を基本として計算されます。

さらに、その建物の築年数に応じて固定資産税評価額は減額されます。ですので、建物の固定資産税評価額は、

 再建築価格評価点×減点補正率×床面積×評価1点当たりの価格=固定資産税評価額 

という式で求められます。減点補正率は経年劣化による価値の減少を表す数値で、1年経過で0.82年経過で0.753年経過で0.7というように補正されます。


また、評価1点当たりの価格ですが、木造の場合は0.99それ以外は1.1を掛けるように決まっています

このように導かれた固定資産税評価額の1.4%が、固定資産税額となります。


2)土地の固定資産税

土地の固定資産税評価額は、路線価によって求められます。

路線価とは、土地が面している道路によりきまるその土地の価値です。ですので、土地の固定資産税の税額は、

 土地の路線価×土地の面積×0.7=固定資産税評価額 

という式で計算できます。この固定資産税評価額の1.4%が固定資産税額となります。


6.課税標準額と評価額の違い

ここでは宅地の場合に条件を絞ってこの2つの違いを解説していきます。


宅地に限って言えば、評価額とは実際の売買価格70%程度になります。

課税標準額とは、固定資産税の算出のために決められる建物の価値を金額で表した数値で、この金額の1.4%を固定資産税として毎年納付する必要があります。

この課税標準額は宅地の場合、評価額の65%から70%程度です。


7.固定資産税は家賃収入の何%程度を占めるの?

不動産投資用物件を所有していると、毎年固定資産税を納付しなければなりません。この固定資産税は家賃収入の何%程度と考えればよいのでしょうか?

不動産投資用物件が都市部にある場合には、「都市計画税」も必要となるため、固定資産税と都市計画税を合わせた1.7%を必要な税額として考えていきます。


固定資産税と都市計画税は、不動産投資用の物件の購入価格より低い金額の課税標準額に応じて課せられます。

固定資産税には条件によりさまざまな軽減措置があるため、年間の税額は購入金額の「0.5%から1%」程度が相場です。

この軽減措置には、小規模住宅用地の軽減措置や、新築住宅に対する軽減措置などがあります。

つまり、想定利回りが10%の不動産投資用物件の場合に家賃収入は購入金額の10%という計算になります。したがって年間の固定資産税と都市計画税の合計金額が家賃収入に占める割合は5%から10%程度が相場です。


8.中古物件と新築物件では固定資産税の税額は変わる?

建物の固定資産税額は3年ごとに見直され、築年数が経つにつれて税額が低くなっていきます。これは経年劣化などにより、建物の価値が下がっていくと考えられるためです。

このような考え方から、単純に考えれば中古物件のほうが固定資産税は安いといえます。

しかし、新築物件は3年間または5年間固定資産税の軽減措置を受けることができる制度があるため、一概に中古物件は固定資産税が安いとは言いきれません。

投資用物件に限らず、一般の住宅であっても固定資産税は課税標準額の1.4%が固定資産税額となります。


しかし、下記の条件を満たす住宅であれば新築住宅の軽減措置を受けることができます。

  • ・令和2年3月31日までに新築された住宅であること
  • ・住宅の居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
  • ・共同住宅の場合は居住部分の床面積に、廊下・階段などの共有面積を案分し、合計した床面積が50㎡以上280㎡以下であること
  • ・貸家物件で共同住宅である場合には、一戸につき40㎡以上280㎡以下であること

この条件を満たすことで固定資産税の税額は

 新築住宅の固定資産税額=課税標準額×1.4%×1/2 

の式で導くことができるため、一般的な物件よりお得になる可能性も考えられます

この新築物件に対する軽減措置は、令和元年8月23日現在の情報によると令和2年3月31日まで適用され、軽減される割合は50%です。


9.一戸建てとマンション・アパートの固定資産税の違い

固定資産税の軽減措置の中に、小規模住宅用地の軽減措置というものがあります。小規模住宅用地とは、住宅用地のうち住居一戸当たりの200㎡までの部分を指します。

この小規模住宅用地の減免措置を行うと、200㎡以下の部分の固定資産税の税額が課税標準の6分の1に、200㎡を超える部分の固定資産税の税額が課税標準の3分の1に軽減されます。


1)一戸建て

一戸建ての場合、200㎡までの部分に固定資産税の小規模住宅用地軽減措置が適用されます。

一戸建てを3,000㎡の敷地に建てた場合、3,000㎡のうち200㎡の土地の課税標準額が価格の1/6となり、残りの2,800㎡は課税標準額の1/3が課税標準額となります。


2)マンション・アパート

マンションやアパートの場合は、 200㎡×住戸数 の面積が小規模住宅用地となるため、一棟の物件を所有することで、土地に課せられる固定資産税を大幅に軽減することができます。

この小規模住宅用地に対する固定資産税の軽減措置には、一戸建てとマンション・アパートではその減免される金額に大きな違いがあります。


10戸のアパートを3,000㎡の敷地の上に建築した場合を例にとると、固定資産税の税額は 200㎡×10戸(2,000㎡) までは価格の1/6が課税標準額となり、残りの1,000㎡は価格の1/3が課税標準額となります。

小規模住宅用地に対する固定資産税の軽減措置は、集合住宅の場合非常に有利な働きをします。

このようにしてマンションやアパートを一棟運用する不動産投資を行うことで、土地に課せられる固定資産税を大幅に節税することが可能です。


10.課税ミスがないか調べる

総務省が平成21年度から平成23年度に行った調査で、97%の市町村で課税ミスが発生しているという実態が明らかになりました。

参考:http://www.soumu.go.jp/main_content/000173655.pdf


ほぼすべての市区町村で固定資産税の課税ミスがあったということになるため、自分の固定資産税の課税額に問題はないか、シミュレーターなどを利用して自分で確認してみることをお勧めします。

参考:https://think-prosupport.com/koteishisanzei-keisan-simulation/


まとめ

ここまで、不動産投資を行う際に知っておきたい固定資産税に関する知識を解説してきました。

固定資産税はどのような人に課されるのか、固定資産税の算出方法と支払い方法、物件による固定資産税の金額の違い、固定資産税にはいくつかの軽減措置があり、それにより固定資産税の税額を下げることができるという点についてお判りいただけたと思います。


固定資産税は不動産投資を行う上で、比較的大きなウエイトを占め、毎年必ず必要となる経費です。

軽減措置などを上手に利用して固定資産税の節税に努める以外にも、自分の所有している物件にいくらの固定資産税が課せられるのか正確に把握しておくことが大切です。

「税金」については下記カテゴリにさまざまな記事があります。そちらも参照してみてください。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。