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不動産投資で満室を維持するために知っておくべき7つのポイント

筆者: 八木 チエ不動産投資管理
2019/10/10

不動産投資の最大のリスクは「空室になり家賃収入がゼロになる」ということです。空室を確実にゼロにする対策はありませんが、できるだけ満室を維持するポイントはあります。


今回は、満室を維持するポイントを7つ解説していくので、これから不動産投資を検討している方はぜひ参考にしてみてください。なお、見直すべき順番で解説していきます。


1.敷金・礼金・仲介手数料を見直す

不動産投資で満室を維持するための1つ目のポイントは、「敷金・礼金・仲介手数用の見直し」に関する以下の点です。


  • (1)まずは敷金から見直す
  • (2)次に礼金と仲介手数料


敷金・礼金・仲介手数料の設定は物件によって異なります。一般的には、それぞれ「家賃の1か月分」と設定しているケースが多いので、その設定という前提で解説していきます。


結論からいうと、敷金・礼金・仲介手数料を見直すことで、「賃借人が支払う初期費用」の負担を小さくすることができ、それが満室を維持することにつながるのです。


(1)まずは敷金から見直す

はじめに見直すべきは敷金です。というのも、そもそも敷金とは以下の目的で預かるお金だからです。


  • 賃借人が家賃を滞納したときの保証金代わり
  • 退去時の原状回復費用に充てるお金


敷金は上記のような目的で預かるお金なので、そもそもオーナーの収益になるわけではありません。賃借人が家賃を滞納しなかったり、賃借人が原状回復費用を支払う必要がなかったりすると、その敷金は退去後に賃借人へ返還します。


一方、敷金を預かっていなくても原状回復費用を賃借人に請求することは可能です。


敷金を預からないことで、「賃借人が家賃を滞納したときの保証がない」や「原状回復費用を別途請求する必要がある」などのデメリットがありますが、礼金と仲介手数料をもらわないよりもデメリットは小さいのです


(2)次に礼金と仲介手数料

敷金を見直した後に、礼金と仲介手数料の見直しを検討しましょう。というのも、礼金と仲介手数料はオーナーの収益に関係してくるからです。


管理会社との取り決めにもよりますが、仮に賃借人が入居時に支払う礼金を、オーナーが受け取ることになっていたとします。そのときに「礼金1か月→礼金ゼロ」にすると、入居時の収益が下がってしまうということです。


また、賃貸時の仲介手数料を賃借人が支払わないということは、オーナーが仲介手数料を支払うことになるので、こちらも収益が下がる原因です。


このように、礼金と仲介手数料を下げてしまうと収益に直接影響が出るので、まずは敷金を下げることを検討した後に、礼金・仲介手数料を下げることを検討しましょう。


2.レントフリー期間をつける


不動産投資で満室を維持するための2つ目のポイントは、レントフリー期間をつけることに関する以下の点です。


  • (1)レントフリー期間とは?
  • (2)レントフリーをつけるメリット
  • (3)レントフリーをつけるデメリット


(1)レントフリー期間とは?

レントフリー期間とは、その名の通り「賃料が無料である期間」のことです。


たとえば、「レントフリー1か月」にすることで、賃借人は入居時から1か月間は賃料を支払わなくても良いです。レントフリーの期間は自由に決められますが、一般的には1~2か月程度でしょう。


(2)レントフリーをつけるメリット・デメリット

レントフリー期間をつけるメリットは、前項と同じく「賃借人の初期費用負担を下げる」という点です。


賃貸物件の入居時には、敷金・礼金・仲介手数料以外に、「家賃の2か月分」を前払いすることが多いです。レントフリー期間をつけることで、この前払い家賃の負担を減らすことができます。


(3)レントフリーをつけるデメリット

一方、レントフリー期間をつけるデメリットは以下の点です。


  • ・収益が下がる
  • ・インパクトに欠ける


まずは、家賃をもらわない期間ができるので収益が下がる点です。


この点だけだと、「敷金・礼金・仲介手数料を見直す」と同じですが、そもそもレントフリー物件は少ないので「一般的」とはいえません。


そのため、たとえば「礼金・仲介手数料ゼロ!」と「レントフリー期間1か月あり」だと、「礼金・仲介手数料ゼロ!」の方がインパクトは強いです。


3.物件の付加価値を高める

不動産投資で満室を維持するための3つ目のポイントは、物件の付加価値を高めるという点です。具体的には以下の方法があります。


  • (1)リフォーム・リノベーション
  • (2)無料設備の導入


(1)リフォーム・リノベーション

まずは、リフォーム・リノベーションをすることで付加価値を高めます。


リフォーム・リノベーションをすることで物件の印象は良くなりますし、広告に「○○年▲月リフォーム済み!」のような文言を入れることも可能です。


ただし、リフォーム・リノベーション内容によっては費用が高額になるので、見積もりを取った後に費用対効果を検証してから実行しましょう。


(2)無料設備の導入

また、無料設備の導入も物件に対する評価が上がります。


代表的な例でいうと、「インターネット無料」です。物件にネット環境を整えておき、賃借人から費用は徴収せずにネットを利用できる環境を整えます。


そうすることで、賃借人は「ネット費用」を別途支払う必要はありませんし、面倒な手続きも不要です。ただし、設備無料にした分を「共益費」に組み込むか、単純にサービスとして付けることでオーナーの収益を減らすかという二択になります。


4.ターゲットを広くする

不動産投資で満室を維持するための4つ目のポイントは、ターゲットを広くするという点です


賃貸物件の運営をしているオーナーの中には、「外国人はNG」など賃借人を絞っているケースがあります。


それは、家賃の滞納リスクを軽減したり、突然帰国して音信不通になったりするリスクを防ぐためですが、ターゲットを限定することで賃借人の母数を減らしているのは事実です。


そのため、満室を維持することを優先させるのであれば、ターゲットを広くして賃借人の母数を増やした方が良いでしょう。


5.賃貸仲介会社との関係性を深める

不動産投資で満室を維持するための5つ目のポイントは、賃貸仲介会社との関係性を深めることです


具体的には、賃貸仲介会社と以下のことを行いましょう。


  • 担当者とこまめに連絡を取り合う
  • 物件の問い合わせ状況を確認する


賃貸仲介会社もたくさんの物件を扱っており、検討者のニーズによって紹介する物件を変えています。そのため、連絡をこまめに取り合うことで自分の物件を印象に残してもらい、少しでも物件を勧めてくれるように促しましょう。


ただ、検討者のニーズに合わなければ紹介はできないので、前項までと比べて効果は薄いといえます。


6.家賃を見直す

不動産投資で満室を維持するための6つ目のポイントは、家賃を見直すということです。


この点に関しては以下を知っておきましょう。


  • (1)家賃下落は長期スパンでの損失
  • (2)家賃の見直し方


(1)家賃下落は長期スパンでの損失

家賃の見直しは、前項までの対策を行った後の最終手段と思っておきましょう。というのも、家賃を下げるということは、長期スパンで損失を負うということだからです。


たとえば、家賃12万円の区分マンションを運営しているとして、このマンションの家賃を11万円に下げたとします。


そうなると、年間で12万円の収益悪化ということになり、これを2年、3年スパンで見ていくとさらに収益は悪化します。


仮に、「礼金1か月→ゼロ」にしても12万円の収益悪化ですが、2年、3年スパンで見ると一時的な収益悪化に過ぎません。このような事情から、家賃を見直すことは最終手段だと思っておきましょう。


(2)家賃の見直し方

ただし、空室がつづいている状況などは、家賃を下げた方が良いこともあります。


また、建物は経年劣化していくので、築年数が経過すれば家賃を下げざるを得ないときもあるでしょう。


そのようなときは以下の順番で適正家賃を見直しましょう。


  • ①競合物件をピックアップ
  • ②築年数順に並べて適正額をチェック


①競合物件をピックアップ

まずは、自分の物件と競合になりそうな物件をピックアップしましょう。


競合になりそうな物件とは、以下のような条件が似ている物件です。


  • 最寄り駅からの徒歩分数
  • 間取りや広さ
  • 立地条件


そして、ピックアップした物件の賃料情報を、エクセルデータにまとめておきます。


②築年数順に並べて適正額をチェック

前項でまとめたデータを、築年数ごとに並べましょう。そして、㎡単価を計算して、築年数ごとの家賃下落をチェックします。


このように、競合物件の家賃を築年数ごとにチェックすれば、自分の物件に落とし込んで適正家賃を算出することが可能です。


もちろん、そのデータは目安金額ではありますので、実際に家賃を決めるときは不動産会社に適正家賃をアリングしながら決めましょう。


7.空室保証とは?デメリットも知ること

不動産投資で満室を維持するための7つ目のポイントは、空室保証に関するデメリットを知ることです。

というのも、不動産投資で満室稼働を目指すときに、「空室保証」タイプを選択するケースもあるからです。


(1)空室保証とは?

ここでいう空室保証は、「サブリースの空室保証プラン」を指しています。つまり、サブリース会社と賃貸借契約を結んだ後、第三者にまた貸しするという仕組みです。


この仕組みであれば、仮に入居者がいなくてもサブリース会社から賃料(保証家賃)をもらえるため、「空室時も家賃保証がある」という状況です。ただし、保証家賃は相場よりも下落した賃料になります。そのため、空室時に家賃保証はあるものの、相場よりも収益が下がる点はデメリットです。


「サブリース契約」については別ページでも解説しています。そちらも参照してみてください。


関連記事:→不動産投資のサブリース契約とは?メリット・デメリットを徹底解説


(2)保証家賃は下落する

ただ、保証家賃は定期的に下落していきます。


というのも、上述したように建物は経年劣化していく関係で、築年数が立つほど資産価値は下落していくからです。


しかし、サブリースは「30年保証」などと謳っている場合が多く、これを「30年間家賃が保証される」と勘違いする人が多いのです。ただ、実態は定期的に家賃を見直すので、30年間保証家賃が変わらないことはあり得ません


これは、国土交通省も警鐘を鳴らしているほど問題になっているので、空室保証は選択するときには、まず保証家賃は下落していくことを認識しておきましょう。その上で、長期的に収益シミュレーションをして、黒字がつづくときにしか選択してはいけません。


8.まとめ

このように、不動産投資で満室を維持するためには、まず賃借人の初期費用負担を減らしてあげましょう。


その後に、物件の付加価値を高めた上で、それでも空室がつづくようであれば家賃を見直す…という流れです。また、仮に空室保証プランにするなら、上述した点に注意して契約する必要があります


「空室保証」については別ページでも解説しています。そちらも参照してみてください。


関連記事:→不動産投資の空室対策は物件選びから!4つのポイントを解説


八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。