みんかぶ不動産

自主管理するメリット・デメリットとは?手間やコストを詳しく解説

筆者: 八木 チエ不動産投資管理
2019/10/152019/11/05

「マンションの管理費を少しでも減らすために、自主管理を検討している」

「自分で物件を管理するメリットやデメリットを理解したい」


不動産管理会社に業務を委託せず、物件の所有者が管理することを自主管理と呼びます。外部に頼らないことで管理費を節約できて、入居者との交流を促せるのがメリットです。

ですが自主管理には面倒な部分も多く、空室や資産価値の低下といったリスクがあるもの。この記事では不動産を自主管理するメリットやデメリットについて詳しく解説します。

1.物件を自主管理する5つのメリット

所有物件の入居者を集めて、家賃収入を貰い続けるためには管理することが必要です。メンテナンスや修繕などの管理により、不動産の快適性や資産価値を損なわずに済みます。

従来では自主管理を選択する所有者が多くいましたが、法律によって管理業務が増えた今では委託管理するのが主流です。


平成30年度マンション総合調査結果によると、全ての業務を不動産管理業者に委託する割合は72.9%。自主管理によって管理事務をするところは6.3%であり、大多数の所有者は業者に管理を委託しています。

参考:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

自分で不動産を管理するのは手間がかかりますが、費用やコミュニティ面でよい効果もあること。物件を自主管理するメリットは主に5つあります。

  • (1)管理費を節約できる
  • (2)住居者との交流が盛んになる
  • (3)住居者の意識が向上する
  • (4)仲介会社に直接客付けを申し込める
  • (5)大家に必要なノウハウが身につく

それぞれのメリットについて見ていきましょう。


(1)管理費を節約できる

物件管理を不動産業者に委託しなければ、管理費用を削減できるという大きなメリットがあります。管理費を減らすことで運用コストが下がり、所有者や入居者の負担を減らすことが可能です。


一般的に不動産管理における費用は家賃収入の3%から8%程度の料金として設定されます。所有する不動産の家賃が高くなるほど、管理を委託する費用も高額になってしまうのです。

例えば毎月の家賃が8万円の物件を4戸保有していて、管理会社に委託する費用を家賃の5%とします。すると毎月の管理費用は16,000円であり、1戸あたりに対する管理費は4,000円です。

入居者がいなくても毎月管理費用を支払い続ける必要があり、空室が続けば損失が増えていくリスクがあります。自主管理によって管理費用を減らすことで、損失が増えにくくなるのが利点です。


(2)住居者との交流が盛んになる

マンションやアパートといった集合住宅の場合、法律によって管理組合を成立させることが必要になります。組合活動によって入居者との交流機会が増えれば、住民の協調性が育まれるのもメリット。

交流によって住民とのコミュニケーションが増えれば、入居者が周りの住民を把握できるようになります。価値観やライフスタイルを知るようになると、互いに不満を持つことが少なくなるものです。


また、普段から住民同士で会話できる状況にすることで、トラブルが発生しにくくなるというメリットもあります。入居者が周りに目を配れることで、孤独死や犯罪といった問題を防ぎやすくなるのです。

自主管理によって入居者のコミュニティを構築できて、トラブルが起こりにくくなる利点もあります。


(3)住居者の意識が向上する

不動産管理会社に業務を委託しないことで、入居者に当事者意識を持たせることが可能です。管理組合の総会などで物件状況を知るようになり、住居者の意識が向上するメリットもあります。

委託管理になると入居者が管理事務を行う必要がなくなり、利用マナーの低下に繋がる可能性もあります。建物や設備を正しく利用してもらう為にも、自主管理することには意味があると言えます。


(4)仲介会社に直接客付けを申し込める

不動産管理会社では物件をインターネット等で宣伝して、入居者を募集するのが一般的です。委託によって簡単に空室を減らせる一方、所有者が直接入居者を集められないデメリットもあります。


不動産仲介会社はサービスの質が悪いところもあり、管理会社に任せると入居者が集まらない場合があります。コスパのよい仲介会社を選べず、仲介手数料が高額になるリスクも大きいです。

自主管理であれば管理組合で仲介会社を選べて、より最適な方法で入居者を募集できるのがポイントです。


(5)大家に必要なノウハウが身につく

物件を自主管理するには所有者が自発的に業務を行うことが必要です。自分で管理事務を担当することで大家に必要なノウハウが身につき、不動産を管理するスキルを得られるtoiuメリットもあります。


2.物件を自主管理する5つのデメリット

上記にて不動産を自主管理することで得られるメリットを5つ紹介しました。不動産管理会社に業務を委託しなければ、費用を削減できて住民との交流機会が増える利点があります。


しかしマンションやアパートなどの集合住宅は管理するのが難しく、不適切な対応によって損失が発生する可能性もあること。続きまして、物件を自主管理するデメリットについて書いていきます。

  • (1)安定した物件管理が難しい
  • (2)面倒な業務が増える
  • (3)管理するのに適切な人材が必要
  • (4)管理不足により物件の資産価値が下がることも
  • (5)深夜早朝に事務対応する手間がある

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。


(1)安定した物件管理が難しい

集合住宅では自主管理するために管理組合が必要であり、管理事務を担当できる人材が求められます。物件を管理できる入居者を確保し続けるのは難しく、不安定な管理となってしまうのがデメリットです。

例えば少子高齢化が進む今では、入居者が高齢となり組合員として活動できなくなる場合がよくあります。若い入居者が少なくなると、物件管理を継続するハードルは高くなるものです。


また、区分所有法によって管理業務が17項目まで増えた現状では仕事量が増えてしまい、組合員不足になりやすい難点もあります。管理組合が活動できなくなれば、物件の保全性は失われていくのです。


(2)面倒な業務が増える

物件所有者が自主管理するためには、さまざまな業務を行うことが必要です。管理業務には「入居者の管理」と「建物の管理」の2項目があり、運営するための負担が増えてしまいます

例えば入居者を管理するためには、家賃を集金したり契約を更新したりする業務があること。トラブルがあれば大家が対応して、入居者の退去時には部屋の修繕などを実施します。


また、建物を管理するには共用部分を清掃したり、不動産の長期修繕計画や管理組合を担当したりすることが必須。分譲マンションであれば、区分所有者同士が集まって管理組合を運営します。

不動産管理会社に委託すれば上記の業務がほとんどなくなり、本業や副業のために時間を使える利点があること。自分の手間やコストを考慮したうえで、管理方法を選ぶことが重要です。


(3)管理するのに適切な人材が必要

不動産の設備管理や法律面の手続きでは、適切な担当者が対応することが求められます。知識や経験がない人材に管理を依頼してしまうと、メンテナンスが正しく実施されないリスクがあります。

もし管理組合で不得意な分野があるときは、会計士や整備士といった専門家の支援を依頼することがオススメです。正しく物件を管理するには、スキルをもった人材が必要です。


(4)管理不足により物件の資産価値が下がることも

自主管理により不動産を管理するのは難しく、場合によっては建物や設備が劣化してしまいます。物件の管理不足によって資産価値が低下してしまうリスクもあります。

例えば管理費や修繕費の滞納が多く、管理規約が曖昧だと物件の売買価格が低下する場合があります。節約した管理費用よりも資産価値の低下が大きければ、自主管理するメリットは少なくなるのです。


(5)深夜早朝に事務対応する手間がある

住民とのトラブルや問題が発生した場合、自主管理では入居者から大家に直接連絡が届きます。早朝や深夜にも入居者対応する必要があり、管理事務によって負担が増えるのもデメリットです。


また、設備等が故障した場合は業者に修理を依頼する必要があり、会社の選定や依頼まで時間がかかるのも難点。急に手間のかかる業務が発生する可能性があり、日常生活に支障をきたしやすくなります。


3.手間と費用を減らして物件を管理するには

「なるべくコストと面倒な仕事を減らして物件を管理したい」と考える人はいるでしょう。手間と費用を削減して所有している物件を管理する方法は主に2つあります。

  • (1)物件の状態を見て購入を判断する
  • (2)委託管理する範囲を絞る

それぞれの方法について詳しく解説します。


(1)物件の状態を見て購入を判断する

管理状態の悪い不動産には資産価値が落ちやすく、手間がかかる欠点があります。自主管理によって物件を取り扱うならば、不動産の管理状態を見てから購入を判断することが重要です。


マンションやアパートにおける管理状態を確認するには、共有部分の清掃記録や修繕状況などを見ましょう。また、管理規約や長期修繕計画、修繕履歴といった書類を確認することも大事です。

他にも建物の錆や欠損、ヒビ割れなどから物件の修繕状態をチェックすることでも管理状態をチェックできます。書類や建物、設備から適切に管理されているか確かめましょう。


(2)委託管理する範囲を絞る

管理会社に委託する管理範囲を絞り、自主管理する範囲を狭めるのも1つの手です。外部に委託する仕事範囲や業務時間を減らすことで、費用を削減しつつ手間を減らせるメリットがあります。

例えば不動産管理会社に日勤管理を依頼して、昼間の間だけ物件を管理してもらうことが可能です。休日や深夜のトラブルには対応してくれませんが、管理費用を通常よりも安くできます。

他にも決められた時間や曜日だけ業者に管理してもらい、入居者対応や建物管理を対応してもらう方法もあること。管理人が滞在する時間が短くなれば、その分管理費用を節約できます。


まとめ

オーナーは物件を自主管理することで、管理費用削減や入居者との交流を実現できるメリットがあります。大家として必要なスキルを学べて、今後に知識を活かせるのもポイント。

ですが自主管理は継続するのが難しく、不適切な管理をしてしまうリスクがあります。間違った方法で管理し続けてしまうと、不動産の資産価値が下がってしまうことも。

専門家や不動産管理会社をうまく活用して、コスパの良い管理方法を選ぶことが重要です。所有している物件の規模に最適な管理方法を検討してみましょう。


「物件の管理方法」については別ページでもさまざまな角度で解説しています。そちらも参照してみてください。

関連記事:→物件の管理運用

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。