みんかぶ不動産

アパートローンで不動産投資を成功させるには?仕組みや審査基準

筆者: 八木 チエ融資・ローン
2019/10/172019/11/05

「不動産投資を始めてみたいけど、融資を受けられるかどうかがわからない」

「アパートローンを利用するために審査基準や活用するコツを知っておきたい」

不動産に投資するには多額の資金が必要であり、ほとんどの投資家はローンを活用して物件を購入します。融資を活用して少ない資金で高額な不動産に投資できるのが不動産投資の特徴です。

ただし、融資を受けるには審査に合格する必要があり、基準を満たさなければローンを借りられません。本記事では不動産投資に重要なアパートローンの仕組みや審査基準について解説します。


1.不動産投資で活用できるローンの種類

一般的に不動産投資では金融機関からローンを借りて、投資家は投資用物件を購入します。数千万円から億を超える投資用物件が多くあり、手持ちの資金で投資するのはなかなか難しいでしょう。

もちろん、融資を受けた分の返済はありますが、購入した不動産を賃貸として提供することで、投資家は家賃収入を得ることが可能です。毎月の家賃収入からローンを返済することで、残った利益を投資家は受け取れます。


自己資金ではなく他人資本を活用して投資を始められるのは、不動産投資ならではの醍醐味とも言えるでしょう。

不動産投資の融資で利用できる不動産投資ローンは大きく下記2種類があります。

  • (1)アパートローン
  • (2)プロパーローン

それぞれのローンについて詳しく見てみましょう。


(1)アパートローン

アパートやマンションなどの賃貸物件を購入するのに役立つのがアパートローンです。メガバンクや地方銀行、ネット銀行などでアパートローンによる融資を活用できます。

一般的なアパートローンの使用用途は賃貸住宅の建築・購入・リフォームなどです。銀行によっては不動産取得時に発生する諸経費をローンで支払える「オーバーローン」を利用できる場合もありますが、審査基準が厳しく、不動産投資の初心者にはかなりハードルが高いと言えます。


①融資を受ける方法

アパートローンによる融資を活用するには、普段お付き合いがある金融機関がある場合、担当者に相談してみるといいでしょう。

銀行がホームページに公開している金利などの情報はありますが、ご自身の属性によって条件がよくなることもあれば悪くなることもありますので、銀行の担当者に相談することでより詳細な借入条件が分かります。

なお、金融機関によって審査条件が異なりますので、少しでも良い条件で融資を受けたい人は、複数の銀行でアパートローンを相談することがオススメです。

金融機関の審査条件について詳しくは「2.アパートローンの審査基準とは」を参照にしてみてください。


また、不動産投資の初心者がいきなり金融機関に交渉するのはハードルが高い場合も多いので、実際に物件購入予定とされている不動産投資会社の提携ローンを利用するのも一つの選択肢として挙げられます。

提携ローンの場合は、金融機関は提携をされている不動産投資会社を評価する形になりますので、高く評価されている会社であれば有利な条件で融資を受けることができます。

同じ金融機関でも不動産投資会社によって借り入れできる金利が異なるので、より有利な条件で融資を受けるには複数社に相談するといいでしょう。


②金利の相場

マイナス金利実施により、数年前の不動産投資ローンの金利と比較して、今の金利は史上最低と言われているほどかなり低くなっています。

一般的には不動産投資ローンの取り扱いがある金融機関であれば、ホームページにて金利を調べることができます。

例えば三井住友信託銀行のアパートローンにおける金利は、2019年10月1日現在では以下の通りです。


  • ・ローンの金利が変動するプラン:年2.575%
  • ・ローンの金利が3年間固定されるプラン:年3.10%
  • ・ローンの金利が5年間固定されるプラン:年3.10%
  • ・ローンの金利が10年間固定されるプラン:年3.05%

上記にも書きましたが、こちらの金利はホームページ上に公開されている金利であり、実際に借りる人の属性によって上下すること認識しておきましょう。


③アパートローンのメリットとデメリット

アパートローンはプロパーローンと比較して、保証会社の利用ができ団体信用生命保険に加入することによって、万が一返済期間中に名義人が亡くなるなどの事態になった場合、保証会社がローンの返済をしてくれるので、残された遺族には無借金の投資不動産を残すことができるのがメリットです。

一方、デメリットとしてはプロパーローンより金利が高いことが挙げられます。


(2)プロパーローン

保証会社の保証がない住宅ローンとして、一部の金融機関からプロパーローンが提供されています。アパートローンよりも利用条件が厳しく、団体信用生命保険の利用ができず保証人、もしくは連帯保証人をつける条件があるのが特徴です。

土地または住宅の購入、建設やリフォームなどにプロパーローンで借りたお金を利用できます。


①融資を受ける方法

プロパーローンを提供する金融機関は少なく、インターネットで検索しても情報が出てこない場合がよくあります。そのため融資を受ける前に、お近くの銀行にお問い合わせすることがオススメです。


②金利の相場

アパートローンに比べてプロパーローンの審査項目は多く、プロパーローンの金利相場は変動しやすいです。属性が良ければ金利が低くなり、年1%以下で融資を受けられる場合があります。

公表されていないことが多く、詳細な金利情報は金融機関に問い合わせるといいでしょう。


③プロパーローンのメリットとデメリット

プロパーローンは保証会社を利用することができないことから、保証料が発生しないのがメリットとして挙げられます。

また、審査基準は厳しいですが、審査を通ればプロパーローンより安い金利で融資を受けることができるのもメリットと言えます。

一方、デメリットとしては保証会社を利用できないことから、保証人もしくは連帯保証人をつけることが条件です。この場合、万が一名義人が亡くなったなどの場合でも、残された返済は消えることなく、保証人もしくは連帯保証人が返済していく義務が発生します。

なお、配偶者が保証人などになった場合、相続放棄しても相続する前の保証義務が消えないこと注意しておく必要があります。


その他の融資関連は下記カテゴリで解説していますので参照してみてください。

関連記事:不動産投資融資


2.アパートローンの審査基準とは

投資用不動産を購入するのに便利なアパートローンですが、融資を受けるには審査に合格する必要があります。一般的にアパートローンの審査基準は次の4つです。


  • (1)投資家の年収
  • (2)投資家の勤務先や経歴
  • (3)保有している資産
  • (4)不動産投資の計画性

それぞれの基準項目について詳しく解説します。


(1)投資家の年

基本的に借り手の年収が高ければ高いほど、アパートローンの審査は通りやすくなります。本業によって高い年収を得ている投資家であれば、貸し倒れになる可能性が小さくなるためです。

一般的には、区分マンション投資の場合はご年収500万円、一棟投資物件の場合ご年収1,000万円前後が一つの目安と言えるでしょう。


(2)投資家の勤務先や経歴

高額なアパートローンは返済する期間が長く、借り手が返済途中に失業するリスクがあります。そのため金融機関は投資家の勤務先や経歴を確認して、安定して働き続けられるのかチェックするものです。

働いている会社が上場企業であり、長い勤務年数があれば審査に通りやすくなります。上場企業なら財務状態などを確認しやすく、金融機関がリスクや信頼性を判断できるものです。


(3)保有している資産

金融機関は借り手の年収や属性だけでなく、保有している金融資産も審査しています。資産が多いことで負債を返済するハードルが下がり、金融機関の貸し倒れリスクが減るためです。

不動産の価値と保有する金融資産の合計額が借入額を下回ると、融資してくれる金融機関は少なくなります。物件や金融機関の選択肢を増やすためにも、自分の資産を増やしておくことが重要です。


(4)不動産投資の計画性

金融機関は投資家が収益性のある物件を選んでいて、計画的に経営できるのか審査します。家賃収入がアパートローンの返済原資になるため、計画性がなければ貸す側のリスクが大きくなるのです。

空室リスクや修繕計画などを検討して、申込時には不動産投資の計画内容を担当者に伝えることが必要。計画の作り方が分からない人はアドバイザーを探すことがオススメです。


3.アパートローンをうまく活用するには

「リスクを抑えた不動産投資を実現するために、ローンを活用するコツを知りたい」と思う人はいるはず。不動産投資でアパートローンをうまく活用するにはコツが3つあります。


  • (1)物件探しの前に可能額をチェック
  • (2)なるべく低い金利を選ぶ
  • (3)返済期間を長めに設定する

それぞれのコツについて簡単に見てみましょう。


(1)物件探しの前に可能額をチェック

投資家の属性や年収によって融資できる金額はある程度決まっています。一般的には、ご年収の5〜7倍が一つの目安になっています。

例えば、ご年収が500万円の場合、借入金額は2,500〜3,500万円の一つの目安です。


(2)なるべく低い金利を選ぶ

一般的にメガバンクや都市銀行は金利が低く、地方銀行や信用金庫などは金利が高めです。毎月の返済額を少しでも減らすために、できるだけ金利の低い金融機関からローンを借りられるように交渉を進めましょう。

上記にも書きましたが、初心者の方はご自身で交渉することが難しい場合もあるので、不動産投資会社に相談するといいでしょう。


(3)返済期間を長めに設定する

ローンの返済期間は短いと毎月の返済額が増えて、不動産経営で赤字になりやすいです。家賃収入から利益を得るためには、アパートローンの返済期間を長めに設定しましょう。


4.最新のアパートローンの動きは?

一部の銀行による不正融資などが問題になり、従来に比べてアパートローンの審査は厳しい傾向です。区分マンション投資と一棟物件投資における最近の情報について解説します。


(1)区分マンション投資

マンションは都会に建てられていることが多く、融資の金額は一棟物件に比べて低めです。評価の出る物件であれば、不祥事による影響あまり受けておらず融資がおりるケースが多いですが、目安はご年収500万円とハードルをあげた金融機関が増えた傾向があります。


(2)一棟物件投資

一棟物件投資の融資に関しては、昨年から金融庁の介入により審査が非常に厳しくなりました。積算評価が出る物件が前提条件の上に物件価格の3割を頭金として支払う条件付けをされている金融機関がほとんどです。

また、実際に一棟投資物件の融資を取りやめの金融機関も増えているので、かなり厳しい傾向を見せています。


その他のローン関連は下記カテゴリで解説していますので参照してみてください。

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5.まとめ

最近では不正融資などにより審査が厳しくなる傾向ですが、評価が出る物件であれば融資受けられます。

金融機関が評価してくれる物件を選ぶことが大切と言えるでしょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。