最近話題になった年金2,000万円問題をきっかけに、資産形成を検討する方は増えたのではないでしょうか。とは言え、いきなり値動きが激しい金融商品を始めるのは、なかなか難しいと思われている方も少なくありません。
株などの金融商品と比較して「不動産投資は安定した家賃収入を得られる」と、安定収入ができる投資商品だと言われています。
そこで今回は、なんで不動産投資は安定収入を得られるのか、その安定収入を得るための条件についてまとめました。これから安定収入をもとめ、不動産投資を検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
不動産投資がほかの投資と比較して安定した収入を得られる理由は、不動産投資の仕組みにあります。
不動産投資には、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」と大きく2つの収益方法があります。
インカムゲインとは、不動産を保有しておくことで得られる収入のことで、家賃収入や配当収入などのことです。
一方、キャピタルゲインとは、不動産を買ったときの金額より高く売却して、その売却益を得ることです。
一般的にはキャピタルゲインは物件を購入タイミングと売却するタイミングを見極める必要があり、初心者の方は狙いにくい手法です。
しかし、きちんと賃貸ニーズが高い物件を購入すれば、毎月安定した家賃収入を得ることができることから、「不動産投資は安定収入ができる投資商品」と言われるのが大きな理由です。
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前項のように、インカムゲインをメインにしている不動産投資は、比較的安定した投資といえます。とは言え、不動産を買えばできるというわけではありません。安定収入を得るには条件が必要です。不動産投資で安定した収入を得るための5つの条件をピックアップしました。
では、それぞれについて見てみましょう。
1つ目の条件は、賃貸ニーズが高い物件であるという点です。というのも、不動産投資は空室・家賃下落リスクがあり、そのリスクへの最も有効な対策は賃貸ニーズが高い物件を取得することだからです。
賃貸ニーズが高い物件を見極めるためには、以下の点をチェックしましょう。
まずは、物件を購入するエリアの人口動態を調べましょう。
全ての行政で出典しているわけではありませんが、たとえば渋谷区であれば行政のホームページで、人口推移や今後の人口予想が記載された資料を確認できます。
また、最寄り駅の鉄道会社のサイトを見れば、その駅の乗降客数が分かります。乗降客数はそのエリアの賃貸ニーズに比例するため、行政のホームページと合わせて確認しておきましょう。
これらの人口動態を調べることで、そのエリアのニーズや将来性が見えてくるので、賃貸ニーズの高い物件の見極めにつながります。
また、前項のようなデータを調べることも大事ですが、やはり現場を確認することも重要です。
特に、周辺環境のチェックは時間帯や曜日を変えることで、以下のようなことに気づけます。
上記のような情報は、「近隣に公園あり」「駅近物件」など文字だけの情報では分かりません。
そのため、上記のような生の情報を知るためにも、周辺環境は時間をかけて入念にチェックすることで、賃貸ニーズの高い物件を選定することができます。
物件のターゲットはファミリー向け、ひとり暮らし向けなどありますが、ご自身が購入する物件があるエリアの入居ターゲットを正確に把握しておく必要があります。
ファミリー層に人気があるエリアにひとり暮らしの物件を持つと、入居者探しで苦労するでしょう。一方、ひとり暮らしに人気なエリアにファミリー向けの物件を持つのもなかなか入居者が決まらないでしょう。
また、住宅ローンの金利がかなり下がっていることから、賃貸と比較してマイホームを購入して持つ層が増えました。
そのため、ファミリー向けの物件より、ひとり暮らしの物件を持つ方が賃貸の入居も決まりやすいというのもあります。そのような賃貸ニーズも認識した上で物件を選ぶといいでしょう。
2つ目の条件は、信頼できる管理会社に管理を依頼することです。「不動産は管理から買いなさい」と言われるほど、物件の資産価値を高く維持していくには、管理のクオリティーは非常に大切だからです。
信頼できる管理会社とは、管理実績が豊富で、かつ自分が保有しようと思っている種類の不動産管理棟数が多いことです。なぜなら、管理実績が豊富であれば、それだけノウハウも豊富だからです。
また、管理会社も得意と不得意があり、得意な物件タイプ、エリアもあれば、不得意とされている場合もあります。
ご自身がお持ちの物件管理が得意とされている管理会社を選ぶことも非常に重要と言えるでしょう。
問い合わせをする際に、管理されている物件タイプも忘れずに確認してください。
3つ目の条件は、万が一の出費に備えて自己資金を所有しておくことです。
なぜなら、不動産投資をしていると以下のように突発的な出費が発生することもあるからです。
つまり、上記のような突発的な出費も想定されるため、自己資金がなく支払えず最終的に自己破産まで追い込まれたオーナーも少なくないです。物件価格の3割前後の自己資金があること安心できるでしょう。
4つ目の条件は、不動産投資のリスクを事前に把握し回避策を立てることです。
投資である以上メリットもあれば、リスクも必ずつきものです。同じく不動産投資にもリスクはありますが、不動産投資の場合は事前に把握できて、回避策を立てることできます。
具体的には、以下のリスクおよび回避策を事前に考えておきましょう。
このように、不動産投資にまつわるリスクはある程度予測できるため、事前に対策することでリスクを軽減することは可能です。
5つ目の条件は、身の丈にあった投資プランでスタートすることです。
その基準としては「ローンの借入額」と言えるでしょう。不動産投資は唯一、金融機関から融資を受けられます。つまり他人の資本を活用して、投資できる商品です。
当然ながら、融資は返済していかなければいけない義務があり、将来の収入と支出の変化を想定せずに、現状を基準に融資枠いっぱいまで融資を受けて、その後返済ができず自己破産になる。という失敗で終わった方も少なくありません。
つまり、ムリして融資枠いっぱいまで融資を受けて、毎月返済に追い込まれるのではなく、本来返済できるプランよりも、余裕のあるプランでスタートすることが重要です。
実際に不動産投資をスタートしてから身につけるノウハウもたくさんあると思いますので、一気にではなく、少しずつ買い増ししていて、資産を増やしていくことが堅実と言えるでしょう。
不動産投資は安定収入が得られると言われても、いきなり不動産投資をスタートするのもなかなか不安と感じる方も多いでしょう。
なぜ不動産投資をするのか、不動産投資ならではのメリットについても、ぜひ知っていただきたいです。不動産投資ならではのメリットは下記3つが挙げられます。
では、それぞれについて見てみましょう。
1つ目のメリットは、融資を活用して他人資本(銀行からの融資金)で資産形成ができる点です。言い換えると、不動産投資は少ない自己資金で高額な資産を保有できるともいえます。
他人資本を活用して、自己資金をおさえることで、レバレッジを最大限に活用できます。
この点においては、他の投資商品には出せない、不動産投資ならではのメリットと言えるでしょう。
2つ目のメリットはインフレ対策に適している点です。インフレとは、お金の価値が下がり物価が上がる現象なので、インフレになれば現金の価値は目減りします。
一方、不動産投資をしていれば、インフレ時には所有している不動産の資産価値(≒売却価格)が上がっている可能性は高いですし、家賃が上がる可能性もあります。
このように、不動産投資は現金と違い、インフレに強い投資商品なのです。
3つ目のメリットは生命保険代わりになるという点です。不動産投資でローンを組むと、団体信用生命保険(団信)に加入することが可能です。
団信は、借入者が亡くなったり高度障害になったりしたときに、その時点の残債が補填されるという生命保険になります。
つまり、残された家族には「借金なしの賃貸物件」を残すことができるので、安心感があるということです。
このように、不動産投資はインカムゲインをメインに、安定収入が得られる投資商品です。
また、賃貸ニーズの高い物件選びや優良な管理会社の選定をすることで、その「安定収入を得られる」可能性は上がるため、これから安定収入が得られる投資商品を検討される際に、ぜひ不動産投資も一つの選択肢に加えていただけますと幸いです。