昨今、不動産投資に関するネガティブなニュースが多いです。
そのため、不動産投資を検討している人の中には、そのようなニュースを見て不動産投資をするかどうか迷っている人もいると思います。
そこでこの記事では、不動産投資に関する問題点は具体的にどの部分なのか?その問題点を解消する方法はあるか?について詳しく解説していきます。
不動産投資を検討している人は参考にしてみてください。
まずは、不動産投資業界において今どのような問題があるのかについて知っておきましょう。
大きく下記4つの問題点が挙げられます。
では、それぞれについて見てみましょう。
昨今、不動産会社による二重契約や融資の不祥事によって、融資を受けることができずに倒産する会社が増えたという問題があります。
二重契約とは、正式な売買契約書とは別の契約書を作成し、その別の契約書には正式な契約書に記載している金額よりも高い金額で契約したことにしておきます。
このように、本来の売買価格よりも高い金額に設定することで、より高額な融資を金融機関から引き出すことを目的にしているのが二重契約です。
しかし、当然ながら金融機関に嘘をついて融資を引き出しているので、二重契約は違法です。このような二重契約が増えたことで金融機関の警戒は強くなりました。
また、昨年話題になったシェアハウス業者の倒産によって、そのシェアハウスを建築するための融資をしていた金融機関の不祥事が明るみに出ました。具体的には、「借入者の資産の水増し」などを行い、無理やり融資の審査を通していたようです。
この不祥事によって金融庁の監視が強まり、多くの金融機関で融資の引き締めが起こり、結果的に融資付けできず倒産する会社が増えています。
前項で解説したような不祥事で引き締めがあったとしても、もちろん投資物件購入時に融資を受けることは可能です。
ただし、融資付けが厳しくなったことは事実なので、従来よりも不動産投資ローンを借り入れるのは難しくなりました。
現に、野村不動産アーバンネットが行っている「不動産投資に関する意識調査(2019年)」によると、金融機関の融資状況について「審査が厳しくなった」という回答は95.1%もありました。
また、前回(2018年)の調査でも「昨年(2017年)から融資の審査が厳しくなった」と回答している人は増えている中で、2019年の調査結果ではさらに増えているという現状です。
上述した「サブリース業者」の倒産を皮切りに、管理会社による不備や不信感を強めている投資家は少なくないでしょう。不動産投資は、物件の管理全般を管理会社に委託するため、以下のような問題も発生します。
上述したような状況を受け、不動産会社は自社の販売物件を売却できなかったり、仲介を成立させることができなかったりと、悪い状況に追い込まれている会社も多いです。
そのため、無理して物件を買わせる悪質業者による詐欺も問題になっています。
たとえば、以下のような営業をしてくれる業者です。
不動産投資は高額な買い物をする必要があるので、収益性の低い物件を買ってしまうと損失も大きくなるリスクがあります。そのため、不動産投資をはじめるときは、まずは上記4つの問題について把握しておくことが重要です。
「不動産投資詐欺」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
上述のような状況を受けて、「不祥事がある」「不動産投資は騙される商品だ」と騒いでいる人もいます。
しかし、なぜこうなったかの本質を理解することができれば、きちんと回避策を立てることで、上述した点は大した問題ではないことが分かります。
たとえば、上記に書いた二重契約の件ですが、金融機関に提出する書類も一通り目を通す。サブリース契約しているからと言って、完全に管理を任せっきりではなく、定期的に入居者の情報を確認する。入居率を確認する。
家賃はきちんと決まって日時に振り込まれているのか確認するなどができていれば、手の施しようがない時になってから自己破産するのではなく、早いタイミングで回避できたとも言えるでしょう。
また、不動産会社にいわれたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、セミナーに参加するなり、他の会社の担当者の話も聞くなど、ご自身で行動を起こすことによって回避できた方法はいくらでもあったと言えます。
従って、不祥事だから信用できない、危ないというよりは、なんでそのよう不祥事が起きたのか、その不祥事になる原因はどこにあるのかを分析しましょう。
本質的な課題を見つけることができれば、同じような失敗を繰り返さずに回避できるでしょう。
前項までで、現在不動産投資を取り巻く問題があるのは事実であるものの、問題の本質をつかむことが重要だと解説しました。
最後に上記の点を踏まえて、不動産投資で成功するための以下4つのポイントをおさえておきましょう。
では、それぞれについて見てみましょう。
1つ目のポイントは、不動産投資をする目的を明確にすることです。
というのも、不動産投資をする目的を明確にしないと、不動産会社に言われるがまま物件を購入してしまうリスクがあるからです。
たとえば、不動産投資をする目的を「年金代わりにする」のか、「不動産投資の収入だけで生活するレベルになりたい」のかで、取得する不動産は変わってきます。
当然ながら、不動産投資には空室・家賃下落リスクや、金利変動リスクなど色々なリスクがあるので、そのリスクをどれだけ許容できるか?も目的によって変わります。
しかし、この目的を定めずに投資物件を探していると、不動産会社が勧めた不動産に魅力を感じてしまうものの、実はその物件は自分には合っていない…ということもあり得ます。
自分に合っていないということは、高額な借入をしてしまったり、本来購入しないような種類の物件を購入してしまったりというリスクがあるのです。
2つ目のポイントは、目的を達成できる投資プランを立てることです。
1つ目のポイントで解説したように、「不動産投資する目的」を定めた後は、目的を達成できる投資プランを立てます。
具体的には、目的に沿って以下のようなプランを立てましょう。
上記のようなプランは、なるべく具体的に立てることが重要です。具体的にプランを立てるほど、不動産会社としても具体的に物件を紹介したり、アドバイスをしたりできます。
また、具体的なプランを立てておけば、仮に悪質な業者を相手にしても「自分の目的に合わない」と根拠を持って断ることもできるでしょう。
3つ目のポイントは、信頼できる担当者を見つけることです。
前項までで、不動産投資の目的とその目的に合った投資プランの重要性が分かったと思いますが、自分だけでプランを立てるのは限界があります。
もちろん、ある程度は自分で考えプランを立てる必要はありますが、最終的には信頼できる担当者を見つけて、相談しながらプランを精査しましょう。
たとえば、「毎月の収益はどのくらい欲しいか?」というプランを立てるためには、以下のような情報が必要です。
上記を自分で調べることも可能ですが、やはり物件ごとに差があるので、プロである不動産会社の担当者に相談するのがベストです。
そのため、セミナーに参加したり、個別相談会に参加したりして、信頼できる担当者を見つけましょう。
信頼できる担当者は、メリットだけでなくデメリット・リスクもきちんと伝えてくれる担当者であり、自分のニーズを良く理解してくれる担当者のことです。
4つ目のポイントは、管理体制を整えることです。
というのも、上述したように投資物件の管理全般は管理会社に委託します。管理会社と仲介会社を分けるケースもありますが、いずれにしろ賃借人の募集・案内・契約までは管理(不動産)会社に委託し、家賃の回収や問い合わせ対応も管理会社の仕事です。
そのため、投資物件の仲介をしてくれる不動産会社と同じくらい管理会社も重要になるので、投資物件探しと並行して管理会社も選定しておきましょう。
管理会社を選ぶコツは、実績が豊富にあることと、大手や地場の管理会社のどちらも問い合わせて比較することです。
まず、管理実績はそのまま管理のノウハウに直結するので重要です。
また、大手の管理会社は社内体制がしっかりしているものの柔軟性に欠けるというデメリットがあるなど、大手と地場の管理会社では違いがあります。
そのため、どちらにも問い合わせをしてみて、自分と相性のある管理会社を探すことが重要というわけです。
このように、昨今の不動産投資業界を取り巻く問題点があるのは事実です。
しかし、重要なのはその問題の本質を理解し、不動産投資に成功するためのポイントを理解しておくことです。
また、不動産投資を成功させるためおさえておくべき4つのポイントもきちんとおさえた上で、不動産投資に臨むことが重要と言えるでしょう。