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不動産投資物件選び

ビルを持つことができる?不動産投資の方法とメリット・デメリットを解説


八木 チエ
2019/11/222019/12/10

こちらの記事をお読みの方の中で「ビル投資」にご興味がある方も多いのではないでしょうか。

不動産投資には区分マンション、アパート経営など投資タイプがいくつもあり、その中でもビル投資は最も金額が高く、ハードルが高い投資タイプと言えます。

もちろん、ビル投資にはメリットがあればデメリットもあります。きちんと自分がビル投資する目的、ビル投資は身の丈にあった投資なのかを明確することが重要です。

こちらの記事では、ビル投資について知っておくべき知識をまとめました、これからビル投資を検討されている方に少しでもお役に立てると幸いです。

不動産投資でビルを持つとは

不動産投資でビルを持つとはどのような投資手法か概要を把握しておきましょう。ビル投資には既に建てられているビルを購入する投資方法と、土地から購入してビルを建てる投資方法があります。

既に建てられているビルを購入することによって、購入後すぐに家賃収入を得ることができるというメリットがあります。一方、ご自身でビルを建てる場合は、初めから設計に携わることができますので、自分の思い通りにビルを建てることができます。

しかし、ビルはやはり物件価格が非常に高くなりますので、初心者の方はいきなりビル投資からスタートするのはやはりハードルが高いと言えるでしょう。

不動産投資でビルを持つことのメリット

では、不動産投資でビルを持つことのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に見てみましょう。

キャッシュフローがよくなる

ビル投資をすることによって、複数の部屋を同時に所有することになりますから、区分マンションと比較してキャッシュフローがよくなります

例えば、20部屋を所有して1部屋の家賃が10万円の場合、月間の家賃収入は200万円になり、年間2,400万円の家賃収入を見込めます。

一方、建物の規模が大きくなるについて、修繕費用、管理費用などの諸経費は区分マンションと比較して大きくなりますので、キャッシュフローを良くするにはこれらの運営コストをおさえることがポイントになります。

土地まで所有することができる

ビル投資の場合は、土地もまとめて所有するケースがほとんどです。鉄筋コンクリート造のビルの法定耐用年数は47年となっており、建物自体も40年前後でほとんど評価がされなくなるケースが多いです。しかし、たとえ建物の評価がでなくても、土地の価値はゼロになることはありません。

また、所有している土地のエリアにもよりますが、長期所有することによって、地価が上昇する可能性も十分に考えられます。

相続税対策になる

ビルを所有することで相続対策にもつながります。相続税対策になる理由は、不動産の場合は時価ではなく、不動産の評価額相続税の課税額になるからです。

現金などの金融商品は1億円を相続した場合には1億円に対しての相続税が課されますが、時価1億円の不動産を相続したとしても必ずしも評価額が1億円ではなく、評価額により課税額を圧縮することができます。

土地は「路線価」と呼ばれる相続税評価をするための指標が使われており、路線価格は一般的に時価の8割程度と言われています

建物は「固定資産税評価額」を基に相続税を計算します。建物は売買価格の5割~7割程度の評価となり土地よりもさらに評価を大きく下げることができます。

さらに、不動産を第三者に賃貸することによって3割程度の評価減が適用でき、合計すると7割~8割程度評価を下げることも可能です。

1億円の現金でビル(土地部分2,000万円・建物部分8,000万円)を購入した場合の計算をしてみましょう。

  • 土地の評価:2,000万円 × 80% = 1,600万円
  • 建物の評価:8,000万円 × 50% = 4,000万円
  • 建物の評価減(第三者に賃貸によるもの):4,000万円×30%=1,200万円
  • 相続税評価の合計:1,600万円 + 4,000万円 - 1,200万円 = 4,400万円

このように、1億円の不動産が、半分以下の4,400万円の評価となります。また、不動産の相続をする際には小規模宅地の特例などを利用できます。

各種特例を利用することで1億円の不動産が2,000万円~3,000万円まで評価が下がることもありますので、とても大きな節税メリットを享受することができます。

では、相続税の課税額を減らすことでどれくらいの節税ができるのか実際に計算してみましょう。相続税の総額を計算する際は以下の2ステップで計算します。

  1. 遺産額から控除額を差し引き、課税遺産総額を算出する
  2. 法定相続分通り遺産分割をしたと仮定して、相続税の速算表にかけわせて相続税の総額を求める

参考:https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/4155.htm

例えば、上記に書いた1億円の不動産が相続税課税額4,400万円となり、相続人が子供二人の場合で計算してみましょう。

相続税の課税額から相続税の基礎控除額を差し引きます。「4,400万円−3,000万円+(600万円☓2人)=200万円」となり、2人の法定相続分半分ずつなので、1人につき100万円の課税額となり、それぞれの相続税は「100万円☓10%=10万円」となります。

一方、同じく金融資産1億円を相続する場合、相続税の課税額が1億円になります。「1億円−3,000万円+(600万円☓2人)=5,800万円」となり、2人の法定相続分半分ずつなので、1人につき2,700万円の課税額となります。それぞれの相続税は「2,700万円☓15%−50万円=355万円」です。

不動産で相続した方が「345万円」も安くおさえることができます。

不動産投資でビルを持つことのデメリット

ここまで不動産投資でビルを持つことのメリットをご紹介しましたが、メリットばかりではありません。不動産投資でビルを持つことによって、どんなデメリットがあるのでしょうか。具体的に見て行きましょう。

物件価格3割前後の自己資金が必要

ビルは一般的に1億円以上するものも多く高価な買い物となります。不動産投資では融資を受けることもできるため、必ずしも購入時に全額用意する必要はありません。しかし、ビルに投資をする場合は住宅ローン等に比べると融資の審査は厳しくなります

一般的に頭金と諸費用で3割前後は用意する必要があります。頭金を用意できなければ買えないというわけではありませんが、ある程度の頭金を用意できなければ、厳しいということは覚えておきましょう。

すぐに現金化できるとは限らない

ビル投資は大きな金額の買い物になりますので、購入できる人は限られています。一般的には不動産の売却は3か月前後かかると言われています。

特に物件価格が大きくなればなるほど、購入できる人が少なくなってしまいますので、更に売却する期間がかかりすぐに現金が欲しい場合はなかなか難しいでしょう。ビルという不動産の他にも、すぐに現金に換金できる金融資産を持つなど、バランスを持つことが重要です。

融資が受けにくい

ビルは事務所やテナントがターゲットになりますので、経済の影響を受けやすく、住宅マンションと比較して安定しない要素が多いと見られます。そのため、金融機関の評価も非常に厳しくなっており、個人での融資ハードルも高くなっています。

金融緩和により不動投資への融資額が多くなりすぎているのも問題視とされており、一棟投資物件への融資の引き締めが厳しくなっています。

3割以上の自己資金や所有している金融資産は審査基準として見られるでしょう。

元手が少なくてもビルに投資をする方法

ここまで読んでいただいた方は、個人でビル投資の厳しさを感じられた方も多いのではないでしょうか。

実際にビル一棟を購入するには、多額な自己資金が必要な上に管理、運営するスキルも必要となりなかなかハードルが高いです。実はシェア所有という形で購入できる小口化商品という選択肢もあります。

そもそも小口化商品とは?

そもそも小口化商品とはどのような商品なのでしょうか。不動産の小口化商品とは複数の投資家がお金を出し合ってひとつの物件を購入する商品です。

たとえば、1億円のビルを一人で購入するためには1億円を用意する必要がありますが、小口化商品の場合は、不動産投資会社がそれを小口化に分割して、1口から購入できるようになっています。

一般的には小口化商品は1口100万円を設定されていて、1口から購入できる会社もあれば5口からと、取り扱っている会社によって異なります。

小口化商品のメリットとデメリット

では、小口化商品にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。順に見てみましょう。

①小口化商品のメリット

1.少額からスタートすることができる

小口化商品の最大のメリットは100万円もしくは、500万円という比較的少額の金額からスタートできるところです。

2.不動産会社というプロが運営してくれる

実際の物件の運営は商品を取り扱っている会社が管理して賃貸運営してくれます。つまり、プロが管理に任せることができるということで、ご自身で運営するより管理の手間は一切かからないというメリットもあります。

3.相続税対策としても有効である

小口化商品は1口ずつとなっていて、相続人の人数に合わせて分割して相続させることができます。相続でのトラブル回避も非常に適している商品と言われています。

4.個人で所有できないような好立地物件のオーナーになれる

小口化商品として開発されている商品は数十億円もするような好立地、大規模な物件が対象物件とされているケースが多いです。通常は個人でなかなか購入できないような物件を所有できるのは、小口化商品ならではのメリットと言えるでしょう。

②小口化商品のデメリット

大きく以下のようなデメリットが挙げられます

1.融資の利用ができない

不動産の小口化商品は持ち分で所有する商品であるため、担保に出すことができないことから融資を利用できません。購入には融資の利用ができないため、自己資金を用意する必要があります。一般的には小口化商品は1口100万円で、1口の100万円からスタートできる商品もあれば、5口の500万円が最低スタート金額の商品もあります。

会社によって取り扱う商品も異なるため、ご興味がある商品とご自身が出せる自己資金で選ばれるといいでしょう。

2.配当は年一回もしくは半年一回になる

ビルを一棟まるごと自己所有される場合、毎月に家賃収入を得ることができます。しかし、不動産小口化商品の場合は年一回もしくは半年に一回の配分と設定されている商品が多く、毎月収入が欲しい形には適していない商品と言えます

なお、小口化商品の配当金の税務上の扱いはビル等の賃料収入と同じく、不動産所得として課税されます。あくまでタイミングの違いのみではありますが、賃料が毎月入ってこないと言う点は留意する必要があります。

3.倒産リスク

もう一つのデメリットは事業会社の倒産リスクです。不動産小口化商品は事業会社が不動産の管理運営を行い、投資家に利益を分配しています。事業会社が倒産すると運営が滞る可能性もありますので、事業会社選びをしっかりと行う事が重要です

小口化商品を紹介

不動産の実物投資ができる小口化商品には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。下記2つの商品を紹介します。

①シェアオフィス

まずご紹介したいのはボルテックスのシェアオフィスです。シェアオフィスとは言葉の通りオフィスをシェアする不動産小口化商品です。ボルテックスは東京都心の区分所有オフィスをワンフロアごとに販売する手法をとっています。

ボルテックスでは一等地のビルをワンフロアで販売しています。ワンフロアをさらに小口化することで最低500万円(一口100万円単位・5口以上)から購入できます。

不動産を小口化することで高い利回りや、相続税評価減等、現物不動産のメリットをいかしながら小口で購入することが可能です。ワンフロアごとの小口化することによって、一等地の高い利回りを維持しつつ投資総額を抑えて投資を行うことができます。また、小口化されていることによって購入できる層が多いため、一般的なビル投資に比べると換金もしやすくなっています。

②アセットシェアリング

二つ目はインテリックスのアセットシェアリングです。インテリックスのアセットシェアリングではオフィスやホテル住居等、様々な不動産を小口化して販売しています。一口100万円から購入できますので、億単位のお金を用意することなく不動産投資ができます。

インテリックスはリノベーションのノウハウがあるため、保有不動産の価値を上げて人に貸すことが出来る状態に仕上げて販売しているため、高い収益性を保つことに成功しており、魅力的な商品となっています。

不動産投資で失敗しないための物件選びのポイント

不動産投資では、まずは失敗しないことが大切です。どのような点に気を付けるべきかご紹介します。

信頼できるパートナー選び

不動産投資は様々なステップにおいてプロからのサポートが必要で、なかなか一人で行うことは難しいと言われています。物件を紹介してくれる不動産会社や税金の申告を手伝ってくれる税理士、融資をしてくれる金融機関の担当等様々な人と関わりながら不動産投資を行う必要があります。

不動産投資は多額の金額と大きな労力がかかりますので信頼できるパートナー無くして成功は難しいでしょう。まずは信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。

立地

安定した家賃収入を得るには立地がとても大切です。鉄道の状況や人通り、不動産は現地に行ってみないと、わからないことがたくさんあります。また、昼と夜で違う顔をもつ街もありますので、時間を変えて足を運んでみると良いでしょう。

設備のメンテナンス状況

外観が綺麗に見えても中の施設が老朽化している場合もあります。不動産は購入する前に中の設備もしっかりと確認する必要があります。物件のメンテナンス状況を把握するためには、目に見えない部分の状況も確認する必要があります。

そのため、現状の管理状況だけでなく、過去の履歴も確認することが重要です。管理会社にメンテナンス履歴を提示してもらうようにしましょう。

物件の管理状況

設備以外にも物件の管理状況をチェックすることが重要です。ビル管理には消防法等の法律に準じて管理する必要があります。法令が順守できていない物件の場合、テナントは入りにくくなってしまいます。

また、清掃や警備状況等もテナントが入居を決める要素となりますので、しっかりと管理を行う必要があります。まず確認すべきは会計業務をしっかり行っているかという点です。物件の会計は物件管理の根幹です。会計がしっかり行えていなければ管理は確実に行き届いていません。

実際にビル投資を始めるには?

実際にビル投資を始める際にはどのように行動をすれば良いのでしょうか。ビル投資までの流れを確認しておきましょう。

セミナーに参加してビル投資について勉強する

まずはセミナーに参加してビル投資の基礎知識について勉強をしましょう。実際のビル一棟投資にしても、小口化商品にしても高い専門知識が必要となります。いきなり物件を選ぶのではなく、セミナーで勉強することから始めるのをオススメします。

投資可能額を把握しておく

金融機関からの融資額はご年収の5〜7倍を一つの目安とされている場合が一般的です。しかし、ご所有されている金融資産、勤続年数など様々な条件によって、本来の融資枠増やすこともできる場合があります。

無駄に物件選びに時間をかけないためには、事前に担当者にはご自身の条件を伝えて、正確な融資額を把握しておくことが重要です。

投資目標など投資プランを決める

投資可能額を把握することができたら、次に目標と投資プランを決めましょう。「いつまでにいくらの資産形成をしたいか」という投資目標を明確に決めて、その目標を達成できるプランを立てましょう。

なお、初心者の方はご自身でプランを立てるのはなかなか難しいので、こちらに関しても担当者に相談することをオススメします。

不動産投資会社に相談しながら物件を提案してもらう

投資プランが決まりましたら、いよいよ物件を選定しておきましょう。物件を選定するときの条件に関しては、こだわりたい気持ちもわかりますが完璧な物件はありません。従って、物件を選ぶときの条件は3つほど優先順位をつけて、それをクリアした物件を購入するという決断力も鍛えておきましょう。

気に入った物件があったら実際に購入手続きを行う

条件をクリアした物件を見つけたら、実際に購入手続きに進めましょう。売買契約書の締結、融資への申し込み、決算・物件の引き渡しなどの作業に関して、基本は不動投資会社の担当者が案内してくれます。案内に従って手続きの対応をしましょう。

物件の管理・メンテナンス

不動産投資は購入すれば終わりではありません。物件の管理・メンテナンスも、引き続き行う必要があります。現在の管理状況を確認した上で、既存の管理会社に継続して管理を依頼するかどうかを判断してください。

なお、新しい管理会社に切り替える場合は、地場で管理ノウハウがある会社にするか、大手管理会社にするかは、問い合わせをして実際に相談するといいでしょう。

まとめ

ビルへの不動産投資についてご紹介しました。ビルに投資をすると聞くと、大金が必要だから自分ではとても無理だと思われた方も多いのではないでしょうか。

しかし、近年では小口化商品が発展するなど、必ずしも大金持ちでなくてもビルへの投資ができるようになっています。利回りも高く魅力の高いビル投資を検討してみてはいかがでしょうか。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。