給与だけで老後資金を準備するのはなかなか難しいことから、本業がありながら不労所得を得たいということで、不動産投資にご興味を持たれた方が多いのではないでしょうか。
その中でも「区分マンション投資」は、初期費用も比較的安価なので人気がある投資です。
しかし、区分マンション投資で融資を活用することによって、実際に手取りはさほど残らないことから、不労所得を得るという意味合いでは適していないようにも思える方も少なくないようです。
実際に区分マンション投資を活用した不労所得とはどのようなものでしょうか。
そこでこの記事では、区分マンション投資で不労所得をつくるために知っておくべき3つのポイントを詳しく解説していきます。
不動産投資を検討している人、その中でも特に区分マンション投資を検討している人はぜひ参考にしてください。
まずは、不動産投資は不労所得をつくれるか?という点について、不動産投資の仕組みである以下を解説していきます。
前提として不動産投資のメイン収益は家賃収入です。不労所得をつくる上で、メインの収益が家賃収入という点は非常に大事なポイントです。
この点を理解するために、インカムゲインとキャピタルゲイン、および2つの収益の違いを解説していきます。
インカムゲインとは、保有している資産から得る収益です。不動産投資でいうと家賃収入であり、株式投資でいうと配当収入などがインカムゲインになります。
一方、キャピタルゲインとは、保有している資産を処分(≒売却)することで得る収益です。
不動産投資でいうと不動産の売却益であり、株式投資でいうと株式を売却することで得る利益のことです。
このように、インカムゲインとキャピタルゲインは根本的に違う収益です。
一般的には区分マンション投資の不労所得は、ただ不動産を持っているだけで、毎月入居者から家賃を得ることにあたります。
不労所得をつくるためにはインカムゲインをメイン収益にする必要があり、インカムゲインは不動産投資でいうと家賃収入になります。
しかし、不動産投資をしていると以下の経費がかかってくるので、この経費を加味して収益を算出する必要があります。
つまり、インカムゲインを算出するためには「年間家賃収入-年間経費」という計算が必要であり、この計算式で算出した金額は「不動産所得」と呼ばれます。
上述したように、不動産投資はインカムゲイン(家賃収入)がメインです。
管理会社に管理を委託することによって、オーナーでありながらほとんど手間をかけずに収入を得ることができます。
しかし、賃貸管理を管理会社に依頼することによって、管理費はかかるものの、下記のような作業は賃貸管理会社にて行ってもらうことができます。
そのため、不動産投資をしているときの労力はほぼなく「不労」といえるため、不動産投資は不労所得をつくれるというわけです。
「不動産投資の基礎知識」に関しては下記カテゴリでも解説していますので参照してみてください。
関連記事:→不動産投資入門
次に、実際に区分マンション投資をする時の不労所得は具体的にどのくらいの収益ができるのでしょうか?また、融資を利用する場合のキャッシュフローについて以下を解説していきます。
キャッシュフローとは、最終的に手元に残るお金と、手元にお金が残るまでの「流れ」のことをいいます。
キャッシュフローを理解することは、不労所得をつくる上で非常に重要です。
たとえば、年間家賃収入144万円の物件があり、年間経費が125万円だとします。
年間でみた際に黒字ではありますが、設備が壊れたなど突発的な出費がある月は、他の月より出費が多くなります。そのため、単月で見ると赤字になるケースもあること認識しておく必要があります。
当然ながら不労所得はコンスタントに黒字化しておく必要があります。そのため、10年~20年の長期スパンでキャッシュフローを作るのも大事ですが、数か月~1年スパンでキャッシュフローを作っておくことも重要です。
次に、融資を利用して少ない自己資金でスタートできるのも区分マンション投資ならではのメリットです。では、融資を利用するときのキャッシュフローはどうなるのでしょうか?以下にて解説していきます。
融資を利用するということは、少ない自己資金で不動産投資をスタートできます。
つまり、キャッシュフロー上は「手元資金」を確保できるので、上述した「単月で赤字になる」という状況にも対応できるということです。
融資を受けることで毎月「ローン返済」が発生しますが、そのローン返済には家賃収入をあてることができます。
そのため、キャッシュフロー上ではローン返済という「支出」が発生していますが、家賃という「収入」で補うことが可能です。
ただし、区分マンション投資の収入はマンション「一室」の家賃収入だけなので、収入額自体は、一棟投資などと比べるとそこまで高額にはなりません。
そのため、家賃収入をローン返済にあてることによって、家賃収入が手元にほとんど残らないというデメリットがあります。
言い換えると、区分マンション投資をする場合には家賃収入や空室率・家賃下落率などをきちんと計算し、その上でローンを組む必要があるということです。
前項のように区分マンション投資の場合には、融資を利用していると月々の返済が必要となるため、ほとんど手元に収益が残りません。
不労所得は「不労で収益を得る」ということなので、手元に収益が残らない以上は通常の不労所得の定義とは少々違うといえるでしょう。
区分マンション投資の本質的な不労所得は、「他人資本を活用して不動産という大きな資産を形成すること」といえます。
要は、他人資本という「銀行からの融資」によって、自分の手元資金を極力つかうことなく不動産所得を得るのが、区分マンション投資でいう不労所得です。
最後に、区分マンション投資で成功するために必要な以下の点について解説していきます。
まずは、以下のポイントを抑えて精度の高い収支計算をすることです。
上述したように、短期・長期どちらのスパンでも収支計算することが重要です。
また、「賃借人退去時の原状回復費用」や「設備交換費用」などの、定期的に発生する支出もきちんと加味した計算をします。
さらに、空室率や家賃下落を加味した「家賃収入」をシミュレーションすることで、精度の高い収支計算ができるでしょう。
次に、以下のような入居ニーズが高い物件を選ぶことも重要です。
物件を選定するときには上記について調査し、なるべく入居ニーズが高い物件を選びましょう。
たとえば、人口動態は行政のサイトで公表している市区町村もありますし、乗降客数は鉄道会社のホームページで確認できます。
上述した、精度の高い収支計算や入居ニーズの高いエリアは、ある程度自分で調べることは可能ですが限界があります。
そのため、上述したような情報を得るためには、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。
つまり、実績が豊富な不動産会社をパートナーにすることで、精度の高い収支計算、および入居ニーズの高いマンションを紹介してもらえます。
信頼できるパートナーを見極めるためには、セミナーや個別相談会への参加など、不動産会社と接点を持つことが重要です。
最後に、身の丈に合った投資プランにしましょう。言い換えると、身の丈に合った借入額を設定し、適切な予算の物件を購入することが重要になります。
そのためには、まず金融機関の審査に通ったからといって、その金額が「返済可能金額」だと思わないことです。
プライベートの収支をきちんと考え、いくらの借入額…言い換えると月々のローン返済額はいくらが限界か?を見極めて、身の丈に合った投資プランを組みましょう。
「区分マンションのメリット・デメリット」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
関連記事:→ 区分マンション投資をするメリット・デメリットを徹底解説
このように、区分マンション投資でいう不労所得は、「他人資本で不動産という大きな資産を形成すること」といえるでしょう。
区分マンション投資は労を要さず所得をつくれる投資方法ですが、融資金額や収支シミュレーションは入念に行う必要があります。
区分マンション投資で効率よく不労所得をつくるために、上述したポイントを理解した上で区分マンション投資に臨むようにしましょう。