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不動産投資ファンドとは何か?種類や特徴を詳しく解説

八木 チエ
2019/12/042019/12/10

不動産投資には自分ひとりで投資用物件を購入し、実物投資にて利益を得る方法以外に「不動産投資ファンド」という方法があります。

不動産投資ファンドは、自分ひとりで投資用物件を購入して行う不動産投資とは異なる特徴を持ち、またいくつかの種類があるため、自分に合った方法を見つけることが非常に重要です

不動産投資ファンドにおいてもメリットとデメリットがあるためその点にも注意しなければなりません。こちらの記事では、不動産投資ファンドについて詳しく解説していきます。

不動産投資ファンドとは

ファンドとは、「基金」や「資金」という意味を持つ英語由来の言葉で、金融用語としては多くの投資家から資金を募り、その資金を利用して何らかの運用を行い出た利益を出資者の間で分配する仕組みのことをいいます。

不動産ファンドとは投資家から集めた資金で複数の不動産を運用し、得られた利益を出資した投資家の間で出資した資金の割合に応じて分配するシステムのことをいいます。投資する不動産は、マンションなどの居住用不動産に限らず、それ以外の商業施設やリゾートホテル、商業施設、病院なども含まれます。

不動産ファンドには2つの方法があります。それは不動産投資信託(REIT)と不動産特定事業です。後の章でこの不動産特定事業と不動産投資信託の違いについて解説していきます。

不動産投資ファンドと現物不動産投資の違い

不動産ファンドへの投資は、一般的な不動産の現物投資に比べて少ない資金で始めることができます

ただし、不動産ファンドへの投資を始める場合は、金融機関からの不動産投資用ローンを借り入れることはできないので、現物不動産投資のような借り入れによるレバレッジ効果は期待できません。

以前は金融機関から融資を受けることができたケースもありましたが、現在では不動産ファンドへの投資は自己資金のみによるものになります。

また、現物不動産への投資は得られる利益を自分ひとりの収益とすることができる点に比べて、不動産ファンドへの投資は収益を多数の出資者で分配するシステムであるため、得られる利益は少なくなります

しかし、不動産ファンドへの投資は現物不動産への投資に比べて空室リスクや災害リスクなどによる物件の価値や利回りの低下を受けにくいので、比較的安定した利益を得ることができます

不動産投資ファンドの種類

不動産ファンドには大きく分けて2つの種類があります。ここではその2つの種類の不動産ファンドについて解説していきます。

不動産投資信託(REIT)

不動産投資信託(REIT)は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づいて運用される金融商品の一つです。

不動産投資信託(REIT)はファンド(ここでは投資法人の意味)が投資家から資金を集めて複数の不動産に投資を行い、賃料による収入や物件の売却利益を配当金として投資家に分配します

不動産投資信託(REIT)は、10万円程度の現物不動産への直接投資に比べるとはるかに低い金額から始めることができます。また不動産投資信託(REIT)の最も大きな特徴は、証券化されていて、株のように日々価格が変動し、自由に売買ができ流動性が高いという点にあります

そのため、不動産投資信託(REIT)を所有し配当を得る以外にも、売却益を得ることができるケースもあります。不動産投資信託(REIT)には単一の種類の不動産に投資するものや、複数の種類の不動産に投資するものがあります。

複数の種類の不動産に投資する不動産投資信託のほうがリスクの分散がなされ安全なように思われがちです。しかし、単一の不動産に限って投資を行っている場合でも、数件から時には数百件の物件に対して投資を行っているので、リスク分散という点についてはこの二つにあまり違いはありません

不動産投資信託(REIT)は資金の集め方により、以下の2つの種類に分けることができます。

①私募ファンド

私募ファンドとは、私的な募集によって投資家から資金を集める投資信託、または適格機関投資家といわれる専門知識を持った投資家や事業法人を対象としたファンドのことです。募集人数も2名以上50名未満に限定して投資を募るファンドのことをいいます。この私募ファンドは証券市場に上場されていないため、一般の投資家は私募ファンドに投資することはできません。

ほとんどの私募ファンドは専門知識を持っている投資家を対象としているので、公募ファンドのような運用における制限が少ないのが特徴です。また、公募ファンドのようにインターネットやマスコミを利用した宣伝活動が行われることもありません。

私募ファンドは公募ファンドに比べて一口の購入額が高額で、時には購入に数億円もの資金が必要なこともあります

②公募ファンド

公募ファンドとは、銀行や保険会社、証券会社などで誰でも購入することができる不動産投資信託のことです。この公募ファンドは広く一般に販売されるファンドであるため、公募ファンドを販売している場所の店頭やインターネット、マスコミなどで宣伝活動が行われています。

私募ファンドと異なり誰でも購入でき、価格が数万円程度からと安価であることが魅力ですが、ローリスク・ローリターンの投資法であるといえます

不動産特定共同事業

「不動産特定共同事業法」に基づいて運営される小口の不動産投資のことを、不動産特定共同事業といいます。

この不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業の健全な発達及び不動産の投資に関する投資家保護を目的として平成7年4月に施行され、平成29年に改正されました。REITとの最も大きな違いは、は金融商品であり金融庁の管轄になりますが、不動産特定共同事業は不動産実物投資と同じ扱いで、国土交通省の管轄となります

不動産特定共同事業は、投資家が出資した資金で不動産を購入し、収益を出資額の割合に応じて配分する不動産投資の方法の一つです。契約時に大体の利回りが予想できることから長期的な運用に向いていますが、投資を辞めるときには取得した不動産を新たな買い手に売却する必要があるため、流動性が低くなります

不動産特定共同事業には、「任意型組合」と「匿名型組合」、「賃貸借型」の3つの種類があります。以下にこの3つを解説していきます

①任意型組合

この組合に加盟するすべての投資家と不動産特定共同事業者の間で任意組合契約を結び、すべての投資家と不動産特定共同事業者が組合員となって任意組合を組成し、不動産投資を行う方法です。投資家は任意組合に対して不動産の共有持ち分の現物出資を行います。

一般的に不動産の共有持ち分に関しては、不動産業者から現物出資の直前に不動産特定共同事業者から購入します。それ以外に現金で出資を行うこともあります。

任意組合に出資された不動産や現金は、不動産特定共同事業者が管理・運営を行い、不動産の売却益や賃貸収入などの利益を投資家に出資割合に応じて分配します。

不動産の所有権は出資したすべての投資家が持つのが、この任意型組合の大きな特徴です。

②匿名組合型

全ての投資家と不動産特定共同事業者の間でそれぞれ匿名の組合契約を結び、投資家が匿名組合員、不動産特定共同事業者が営業者となって匿名組合を組成し不動産投資を行います

投資家は現金を不動産特定共同事業者に出資し、不動産特定共同事業者はその出資金を使って不動産の取得、管理、運営などの事業を行い、不動産売却や賃貸収入などの利益を投資家に投資割合に応じて分配します。

不動産の所有権は不動産特定共同事業者が持つため、出資した投資家の名前が不動産登記簿に記載されることはありません。

③賃貸借型

宅地建物取引業者から投資家が不動産を共同で購入するなどして、不動産特定共同事業者にその不動産を賃貸または不動産賃貸を委任する不動産投資の方法です

不動産特定共同事業者は、賃貸またはその委任を受けた不動産を運営、管理し賃貸収入を投資家の投資割合に応じて分配します。不動産の所有権は投資家にあります。

不動産投資ファンドに出資するためにはどうすればよいのか

不動産ファンドに出資する方法は、出資したい不動産ファンドにより異なる方法をとる必要があります。まず、不動産投資信託(REIT)に出資する場合についてですが、公募ファンドであれば証券会社や銀行、保険会社などで簡単に出資を行うことが可能です

しかし、私募ファンドの場合には出資できる投資家が限られているため、一般の投資家が出資できることはまずありません。不動産特定共同自供に出資する場合には、不動産会社が販売していますので、目星をつけた不動産特定共同事業者と契約を結ぶことで出資を行うことができます。

不動産投資ファンドのメリットとデメリット

不動産投資ファンドに出資する場合には、メリットとデメリットがあります。そのメリットとデメリットを以下に解説していきます。

メリット

不動産投資ファンドに出資するメリットを、以下に解説していきます。

①公募ファンドであれば比較的少額から投資が可能

不動産投資信託(REIT)に出資をする場合、数万円程度と比較的少額の自己資金で投資を始めることが可能です。

②分散投資が可能

私募ファンドを除く不動産投資ファンドに投資を行う場合、比較的少額の資金から投資を行うことが可能なことは前述しました。

少額で投資を行うことができるため、余った自己資金を他の方法での投資に回すことができ、分散投資が可能になりリスクヘッジを行うことができます

③時間的にリスクを分散させることができる

不動産投資ファンドは、現物不動産投資のように初回に全額を投資に回す必要はないです。時期をずらして何度も投資を行うことができるため、時間的にリスクを分散させることが可能になります

デメリット

不動産投資ファンドのデメリットを、以下に解説していきます。

①大勢の出資者がいるため利回りが低くなる可能性がある

私募ファンドを除く不動産投資ファンドは、大勢の出資者を募って運用する投資方法です。

そのため、利益が出ても大勢の出資者の間で分配するので、一口当たりの利回りが低くなり、小額の利益しか得ることができなくなる可能性があります

②数あるファンドの中から自分に合ったものを選ぶ必要がある

不動産投資ファンドには膨大な種類のものがあるため、自分に合った不動産投資ファンドを慎重に選択する必要があります。

自分に合わない方法の不動産投資ファンドを選んでしまった場合、得られる利益が少額になったり、時には元本割れしたりしてしまう可能性があります

不動産投資ファンドにクーリングオフ制度は使える?

不動産投資ファンドのクーリングオフは、不動産特定共同事業の契約においてのみ適用されます。つまり、不動産投資信託(REIT)には適用されません

クーリングオフ制度とは、一定の期間内でありかつ法律で定められた契約であれば解約できるという仕組みのことです。

不動産特定共同事業の契約を結んだ場合、やはり契約を解除したいと思ったら、法定の契約書を受け取った日を1日目と計算し、8日以内であればクーリングオフの制度を利用することが可能です。これは、不動産特定共同事業法第26条で定められています。

不動産投資用ファンドの解約方法

不動産投資ファンドの解約方法も、その種類により異なります。不動産投資信託(REIT)の場合には、株などと同様に売ることができるため、簡単に辞めることができます

不動産特定共同事業の解約を行う場合には、不動産特定共同事業者に不動産の自分の持ち分の買取り請求を行う必要があります。

不動産特定共同事業を解約する場合には、利用している不動産特定共同事業者により手続きは異なりますが、一般的には基本的にいつでも最小単位で買い取ってもらうことができます。

しかし、買取り理由を記載した書面が必要だったり、出資金に対して数%の買取手数料が必要になったりします。

このように不動産特定共同事業を解約する場合には、買取手数料の発生などのペナルティーが発生することがあるので注意しましょう

まとめ

ここまで、不動産投資ファンドについて解説してきました。不動産投資ファンドは現物不動産投資とは異なり、融資を受けてレバレッジを効かせることはできず、自己資金のみで行う投資方法です。

その不動産投資ファンドの種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットについてお分かりいただけたと思います。

また、不動産投資ファンドを辞めたい(解約したい)場合には、ある程度のペナルティーが科されることがある点も解説してきました。これらの不動産投資ファンドの特性をよく理解して、資産運用に役立てるようにしましょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。