「不動産投資で役に立つ節税方法を探している」
「ふるさと納税の方法や上限額が気になる」
不動産投資家が所得税や住民税の負担を減らすにはふるさと納税が便利です。地方に寄付することで名産品などの返礼品が貰えて、自分の納税負担を減らせるメリットがあります。
ただ、ふるさと納税には所得に応じた上限額があり、上限額を超えると自己負担になるため注意が必要です。この記事では不動産投資家に向けてふるさと納税の方法や注意点を解説します。
総務省が地方自治体への支援を集めるために始めた制度がふるさと納税。
自分が応援したい自治体に寄付することで返礼品が貰えて、自己負担分を除いた寄付額が控除されるのが特徴です。
例えば1万円をふるさと納税できる自治体に寄付した場合、2,000円を引いた8,000円分が所得税・住民税の控除対象となります。返礼品を貰うことでお得に納税できるのがメリットです。
ふるさと納税の手続きをするには、寄付額を申し立てるために確定申告する必要があります。しかし確定申告が不要な場合はワンストップ特例制度が利用でき、面倒な手続きを避けることが可能です。
家賃収入を得る不動産投資家の場合は既に確定申告が必要なため、ふるさと納税をしても手間はあまり増えません。指定された項目への記載と必要書類を用意するだけで節税できます。
「効果的な節税方法」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
ふるさと納税で控除できるのは所得税と住民税であり、控除可能額を超えると自己負担が増えてしまいます。先に全額控除となる上限額を知ってから、ふるさと納税することがオススメです。
ふるさと納税の上限額は「(住民税の所得割額×0.2)÷(90%-所得税率)+2,000円」により計算できます。計算が難しい場合は収入に対する上限額の目安を確認しましょう。
総務省の「ふるさと納税のしくみ」に給与収入と家族構成に対応した上限額の目安が掲載されています。収入額が増えるほど上限額が上昇し、家族が増えると上限額が少なくなる傾向です。
地方には農業や漁業などによる名産品があり、ふるさと納税することで返礼品として名産物を手に入れられます。
納税者から人気度の高いふるさと納税の返礼品は次の通りです。
従来ではAmazonギフト券などの金券類もありましたが、総務省による規制により返礼品の選択肢は少なくなりました。昔に比べてお得感が失われているデメリットはあります。
ただ、今でも節税しながら魅力的な名産品を手に入れることは可能です。返礼品の詳細は各自治体のホームページや民間のポータルサイトでチェックできます。
税金の負担を少しでも減らしたい人にとって、ふるさと納税は役に立つ制度です。地方自治体に寄付するほど貰える返礼品は増えて、節税メリットが大きくなる利点があります。
ただ、制度内容を詳しくは知らずに、ふるさと納税してしまうと、うまく節税できないリスクが大きいです。これからふるさと納税する人は下記の5つある注意点を知っておきましょう。
①上限額を超えると自己負担
②返礼品は一時所得の対象
③返礼品は寄付額の30%が上限
④本人名義のカードが必要
⑤節税効果はそこまで高くない
それぞれの注意点について詳しく解説します。
ふるさと納税により控除される税金は所得税と個人住民税の2種類です。
2,000円を加えた寄付額が所得税と住民税の合計よりも大きくなると、その分は自己負担となるため注意しましょう。
例えば毎年5万円の所得税・住民税を支払っている人であれば、毎年52,000円までの上限額を得られます。もし52,000円を超えると自己負担が大きくなり、節税メリットは小さくなるのです。
実際には収入の変動や扶養家族などによる所得控除で毎年の上限額は変動します。自分のふるさと納税の上限額を知りたいときはシミュレーターや目安表を参考にすることがオススメです。
ふるさと納税で地方自治体から貰える返礼品は一時所得の対象となります。
もし年間50万円を超える返礼品を受け取ってしまうと、返礼品の一部が課税対象となるため注意しましょう。
例えば60万円分の返礼品を1年間の間に受け取った場合、10万円の一時所得が発生します。そこから半分の5万円が給与所得などと合算されて、所得税や住民税が計算される仕組みです。
また、ふるさと納税の返礼品の他にキャッシュレス還元や懸賞品なども一時所得の対象になります。
2019年からの税制からふるさと納税の規制が強化されて、返礼品の返礼割合は3割以下となりました。
3割を超える返礼品を提供する自治体に寄付しても、基本的に特別控除を受けることはできません。
返礼品の上限が決められた理由は寄付を集めたい自治体が返礼品競争を行ったためです。実際にアマゾンギフト券などで集客し、500億円程度の寄附金を一部の自治体が集めた事例があります。
総務省は地方自治体による返礼品競争をやめさせるために法律を改正。30%の返礼割合により節税メリットは少なくなり、寄付額が大きくなければ恩恵が小さいデメリットがあります。
最近ではキャッシュレス決済を使う人が増えていて、クレジットカードで寄付するケースがよくあります。
もしカードでふるさと納税する場合は本人名義のクレジットカードが必要です。
親戚や家族のカードで寄付してしまうと、申込者と支払人の名義が異なり申し込めない場合があります。もし本人名義でないカードで寄付してしまったときは自治体にお問い合わせしましょう。
ふるさと納税では寄付した金額が控除対象となり、所得税や住民税を軽減できます。
税金の支払先が税務署から地方自治体に変わっただけであり、節税効果はそこまで高くありません。
例えば32,000円分をふるさと納税して、30,000円の控除を受けるとします。もし3万円で所得税、住民税がすべて控除されても、お金を支払っている点は納税と同じです。
そして30%の割合で返礼品を貰った場合、この納税者は7,000円分の節税をできます。ふるさと納税をするときは返礼品をよく検討して、自分が損しない条件で寄付先を選ぶことが重要です。
当サイトのプロデューサーである、八木チエのYou Tubeチャンネル「不動産投資の女神チャンネル」にて、分かりやすく解説する動画も公開しておりますので、ぜひご覧ください。参照:不動産投資の女神チャンネル
不動産から家賃収入を得ている投資家にはふるさと納税以外にも節税する方法があります。
より大きな節税効果を得たい人にオススメの方法は次の3つです。
それぞれの節税方法について詳しく解説します。
不動産を購入して家賃収入を得ている人は経費をしっかりと計上するだけで節税できます。
不動産投資に関わるさまざまな費用は経費の対象となり、経費が増えれば課税所得は減るためです。
例えば不動産投資に関連した書籍やメルマガは新聞図書費となり、経費に加えることができます。セミナーに参加した場合はチケット代や会場までの交通費が経費の対象です。
物件の建物代や管理費だけでなく、家賃収入を得るためのコストも経費にすることで税金を減らせます。支払った費用はできるだけ経費に入れて、所得を減らすことが節税するコツです。
個人事業主として不動産事業を行っている人は青色申告することで節税できます。
最大65万円の青色申告特別控除を受けられるほか、純損失を3年間繰り越せるのがメリットです。
最近ではオンラインで使える会計ソフトが普及していて、あまり知識がなくても青色申告に必要な書類を作成できます。より大きく税金を減らしたい人に青色申告はオススメです。
不動産から多額の利益を得ている人は法人を設立して、税率を抑えることができます。
法人税の税率は800万円以下の所得に15%、800万円超の所得に23.2%であり、所得税よりも上限が低いです。
法人を設立することで融資を受けやすくなったり、より長く損失を繰り越せたりするメリットもあります。数百万円以上の家賃収入がある人に法人化はオススメです。
「不動産投資における法人化」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
ふるさと納税や経費、青色申告など不動産投資家ができる節税は多数あります。
本記事で紹介した節税方法にはリスクもあり、何となく実践してしまうと損する場合も少なくないです。不動産投資でうまく節税したいときは下記にある3つのコツを意識しましょう。
それぞれのコツについて簡単に解説します。
ふるさと納税したり経費を増やしたりするにはお金が必要であり、節税するほど手持ちの資金が少なくなります。
ローンの返済や急な出費に対応できるよう、資金繰りに注意することが重要です。
実際に節税方法を実践するときはリターンを想定して、その方法を実践する意味があるのか意識することもコツの1つ。
リターンが少ないと手間に対して割に合わず、節税メリットが小さくなります。
これから不動産投資する場合は目的を明確にしてから、実際に物件の購入を検討しましょう。
資産価値の大きい不動産は相続税・贈与税を対策するのに役立ちます。
不動産投資家が節税する方法としてオススメなのがふるさと納税です。
地方自治体にお金を寄付することで返礼品が貰えて、寄付した金額のほとんどが税金から控除されるのが特徴。
もし控除上限額を超えてふるさと納税した場合、自己負担額が増えて節税メリットが小さくなるため注意しましょう。前もって所得税・住民税を計算してからふるさと納税を実践することが重要です。