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不動産投資物件選び

不動産投資における分散投資とは?メリットや方法を解説

八木 チエ
2020/01/16

株式やFXへの投資では、リスクを軽減する目的で分散投資が重要と言われています。

この「分散」という考え方は、不動産投資でも同様に重要な考え方です。

この記事では、不動産投資における分散について、メリットやデメリット、具体的な分散の方法をくわしく解説します。

不動産投資における分散投資とは

不動産投資における分散投資とは、一般的には複数の不動産に分散する方法を意味します。

たとえば、区分マンション投資を複数のエリアで行うのも分散投資に含まれます。

1物件のみに投資する場合、災害や空室率が増加することで収入が減少してしまいます。仮に殺傷事件などが生じてしまうと、最悪の場合収入がゼロになるリスクもあります。

一方で複数の物件に投資することで、ある物件からの収益がダメになっても、他の物件からの収益を得ることで、全体としての損失を抑えることができます

つまり不動産投資では、リスクを抑える目的で分散投資が行われるのです。

ただし複数の物件に投資したからといって、必ずしもリスクを抑えることができるとは限りません。立地やターゲット顧客などの変数がすべて類似する物件を複数持っていても、リスクの分散効果はほとんど得られません。

不動産投資でリスクを分散するには、物件の立地や対象となる顧客などの要素が異なるように、各物件を保有する必要があるのです。

不動産投資のリスク分散方法とは?

先ほどお伝えした通り、不動産投資でリスクを分散するには、特徴の異なる複数の物件を所有する必要があります。

この章では、不動産投資においてリスクを分散する具体的な方法を4つご紹介します。

物件の立地(エリア)を分ける

不動産投資で最もメジャーな分散投資といえば、物件の立地を分ける方法です。

たとえば、「東京」と「大阪」、「首都圏」と「地方」といった形で運用する不動産の地域を分けます。

立地を分けるメリットは2つあります。

最大のメリットは、地震や台風といった災害に対するリスクを軽減できる点です。

基本的に地震や台風は土地ごとに生じるため、後述する物件のタイプやターゲット顧客を分けてもリスクに対処できません。物件の立地を分ければ、ある物件の収益性が災害により低下しても、他の場所にある物件の収益でカバーできます。

2つ目のメリットは、地域によって異なる需要(人気)変化に対応できる点です。物件の需要は、工場の建設や街の再開発によっても変動します。

ある地域に物件を集中させてしまうと、仮にその土地に対する人気が低下した場合の損失が大きくなります。異なるエリアに物件を分散させれば、ある土地にある物件の人気が低下しても、他の地域でカバーできます。

「エリア選びのコツ」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。

関連記事:不動産投資におけるエリアの選び方とは?コツや注意点を解説

物件のタイプを分ける

不動産投資で運用する物件は、建物の種類(一戸建てや区分マンションなど)や、物件の間取り(1LDKや2LDKなど)によって分けることができます。

物件ごとに種類や間取りといったタイプを変えることで、不動産投資のリスク分散効果を期待できます。

物件のタイプを分けることで、将来的な需要変動に対応できます。

たとえば現時点で単身者が多い地域の場合、1Kや1LDKなどの間取りが人気です。しかし将来的にファミリー層が増えた場合、2LDKや3LDKなどの間取りが人気となります。

このケースで単身者に人気の1kや1LDKの物件ばかり持っていると、ファミリー層の需要が増えた際に対応できません。同じエリアでも、将来的に物件に対するニーズは変わる可能性があります。

将来的なニーズに対応する目的で、物件のタイプを分散させておくのはとても効果的です。

ターゲットとなる顧客(物件の用途)を変える

不動産投資というと、どうしても住居ばかり想定しがちですが、他にもオフィスや工場、駐車場など、物件にはさまざまな用途があります。

物件ごとに異なる用途を持つ顧客をターゲットとすることも、需要変動のリスクを抑える上で効果的です。

とくに商業用と住居用の物件は、需要の変動に相関性が見られないケースが多いです。そのため、単純に物件のタイプを分ける場合と比べて、収益を安定させやすいと言えます。

不動産購入の時期を分ける

ここまでは災害や需要変動のリスクを分散させる方法を紹介しましたが、資金繰りの面では不動産購入の時期を分ける方法が効果的です。

複数の不動産を同時期に取得すると、同時進行で物件が劣化するため、同じ時期に物件のリフォームや修繕が重なってしまいます。同じ時期にリフォームや修繕が重なることで、支出の急増により資金繰りが悪化してしまう恐れがあります。

一方で購入時期を分ければ修繕やリフォームの時期もずれるため、支出の急増による資金繰りが悪化するリスクを抑えることができます

また購入時期をずらすことで、時代によって変わる需要にも対応できます。

前述した通り、時代によってニーズの高い物件やエリア自体の需要の大きさは異なります。同時期に物件を購入すると、ニーズが変化した際にすべての物件で需要が低下し、収益が激減するリスクがあります。

しかし時期をずらすことで、その時期ごとにニーズのある物件を購入できるため、収益が激減するリスクを抑えることができます

不動産投資で分散投資するメリット

不動産投資で分散投資すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか?

一般的には、不動産投資で分散投資すると下記2つのメリットを得られます。

収入が安定する

不動産投資で分散投資する最大のメリットは、家賃収入を安定的に得られる点です。

一つの物件しか持っていない、もしくは似たような性質の物件のみを持っている場合、強いニーズがある時は多額の収入を得られる一方で、ニーズが落ちると一気に収益が減少します。

収入が不安定となるため、資金繰りの計画を立てにくいですし、投資家自身の生活プランについても見通しを立てにくいです。

一方で分散投資を行なった場合、ある物件に対するニーズが低下したとしても、ニーズが大きい他の物件で収益を得られます。

そのため分散投資を行わない場合と比べて、長期的に収益が安定します。収入が安定するため、資金繰りや投資家自身の生活プランも立てやすくなるでしょう。

災害や事件などの突発的なリスクにも対処できる

不動産投資で分散投資を図る2つ目のメリットは、災害や事件などの突発的なリスクに対処できる点です。

不動産投資には空室や価格変動などさまざまなリスクがありますが、その中でも災害と事故は突発的に発生するため対処しにくいリスクです。

分散投資を行なっていないと、ある日突然災害や事件が発生したことで、大幅に収益が減少し、不動産投資の続行が困難となるリスクがあります。

しかし分散投資をしていれば、ある物件が事件や災害によりダメになっても、他の物件が残っていることで引き続き収益を確保できます。事件については物件を複数所有する方法で、災害についてはそれぞれ異なる地域に複数の物件を所有する方法で対処が可能です。

不動産投資で分散投資する時の注意点

メリットが大きい不動産投資ですが、実際に分散する際にはいくつか注意すべき点があります。

この章でお伝えする注意点に意識を向けないと、想像していた不動産投資とは違うものとなったり、予想に反して不動産投資が失敗したりするリスクがあります。

不動産投資を実施するに際しては、下記3つの注意点をかならず知っておきましょう。

利益が大きくなりにくい

不動産投資において、利益が大きくなりにくい点は分散投資の持つ最大のデメリットです。

一つの物件やタイプにのみ集中投資すれば、入居者の増加により利益が大幅に増える可能性があります。また土地の価格上昇などにより、売却して得られる利益も大きくなります。

一方で分散投資を行うと、ある物件での利益は増えるものの、他の物件では利益が減る可能性があります。不動産投資全体で得られる利益は、集中的に投資する場合と比べて、大きくなりにくいです。

また別々の土地に物件を分散している場合、それぞれの土地が異なる値動きを示すことで、トータルで見ると売却時の利益も大きくならない可能性があります。

物件の管理が大変

不動産投資で分散を図る2つ目のデメリットは、物件の管理が大変になる点です。

一つの物件のみに集中投資する場合、当然ながら一つの物件のみを管理すれば良いので、そこまで手間はかかりません。

一方で分散投資の場合は、複数の物件を同時に運営する必要があります。そのため、一棟しか所有していない場合と比べて管理が大変です。

複数の不動産の間でエリアやタイプが異なる場合は、よりいっそう管理が複雑化します。

管理が大変になることで、物件の管理がどれも中途半端になって、かえって空室率の増加などの事態に陥るリスクがあります。

土地や物件に関する深い知識が必要

前述した通り分散の効果を得るには、ただ複数の物件を持つだけでなく、地域やターゲットの顧客などの要素が異なるように物件を運営する必要があります

分散投資を成功させるには、土地や物件に関する深い知識が求められます

たとえば各土地の人口動態開発計画物件構造の種類間取りによって異なるターゲット層商業用物件駐車場に関する知識など、広く深い知識が必要です。

以上のデメリットがあるため、はじめて不動産投資を行う方が最初から分散投資をするのはオススメできません

まとめ

不動産投資では、エリアや物件のタイプ、ターゲット顧客、購入時期などの観点で分散投資を行います。

分散投資を図ることで、収入の安定化や突発的なリスクへの対処が可能です。

ただし不動産投資で分散を図ると、管理が複雑になることや、利益が大きくなりにくいなどのデメリットが生じます。

不動産投資では、メリットとデメリットの双方を考えた上で分散投資を実施するのが重要です。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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