老後資金を作る目的や不労所得を得る目的など、近年はさまざまな目的で不動産投資を始める方が増えています。
盛り上がりを見せている不動産投資ですが、十分な勉強をせずに始めてしまうと大きな損失を被ってしまう恐れがあります。
そこでこの記事では、不動産投資を勉強すべき理由や勉強法、勉強すべき分野などを詳しくご説明します。
そもそも不動産投資は、資金さえあれば誰でも行うことができます。ではなぜ、不動産投資を始める前に勉強をすべきなのでしょうか?この章では、不動産投資に先駆けて勉強すべき理由を3つご紹介します。
不動産投資では、不動産の基礎知識(物件の種類、リフォームなど)や会計、税務、マーケティングなどあらゆる専門知識が必要になります。
そのため、あまり勉強せずに不動産投資を初めてしまうと、必要な知識がないため上手くいく可能性が小さくなってしまいます。専門知識が求められる上に初期費用も高いため、失敗した場合の損失はとても大きいものです。
難易度の高い不動産投資で少しでも失敗する可能性を減らすために、勉強を徹底的に行う必要があるのです。
不動産投資で勉強すべき二つ目の理由は、安定的に利益を得るのが難しいからです。
不動産投資には、不動産の価格変動や空室率の増加、突発的な地震や火事など、収益率が低下するリスクが数多く存在します。こうしたリスクがあるため、不動産投資で長期的に安定した利益を獲得しつづけるのは簡単ではありません。
しかし、不動産投資の場合は事前にリスクを把握し、リスクの回避策を立てることができれば損失を最小限におさえることができます。そのため勉強することが必要です。
不動産投資を行う際には、投資会社をはじめとして、コンサルティングやリフォームなどあらゆる場面で業者さんの力を借りることになります。ただし不動産投資に携わる業者の中には、悪徳業者と呼ばれる人たちも存在します。
悪徳業者は、知識や経験のない投資家をカモにして利益を得ようとしてきます。こうした不動産業者に騙されてしまうと、多額の費用ばかりかかってしまい、ほとんど利益を得られず失敗に終わります。
こうした不動産業者に騙されないためには、業者が持ちかけてくる案件の良し悪しを判断できるだけの知識が必要です。最低限の専門知識さえ持っていれば、悪徳業者から不利な条件を突きつけられずに済むのです。
「悪質・悪徳業者による詐欺の手口」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
不動産投資を始める前に勉強すべきであることは分かってもらえたでしょうが、具体的に何を勉強すべきなのでしょうか?
不動産投資で勉強すべき分野は、「不動産投資の基礎知識」「簿記(会計)・ファイナンス」「税務」「経営・マーケティング」の4つです。
ここでは、不動産投資で勉強すべき各分野について詳しく説明します。
まず最優先で勉強すべき分野は、不動産投資に関する基礎知識です。
たとえば、区分マンション投資と一棟マンション投資の違いや、物件の構造(RC造や木造など)、不動産投資で生じ得るリスクの種類などは最低限の勉強しておきましょう。
また、不動産を購入してから実際に運用するまでの流れや、各プロセスで必要となる業務や頼りになる業者についても把握しておきましょう。
あらかじめ不動産投資ですべきことを理解しておくと、スムーズに投資を行えます。
不動産投資の基礎知識と同じくらい重要なのが、簿記(会計)やファイナンスの知識です。
日々の帳簿付けのやり方はもちろん、キャッシュフローや利益、利回りの計算方法も不動産投資では必須の知識です。また余裕があれば、投資判断の手法(NPV法など)や経営分析の指標(ROEなど)も覚えておくと役に立ちます。
NPV法は、将来得られるキャッシュフローの合計と初期投資額を比較して投資すべきか判断する手法です。
ROE(自己資本利益率)は自己資本でどれだけ利益を得られたかを示す指標であり、不動産投資の収益性を測る際に役立ちます。
会計やファイナンスに関連して、税務の知識も勉強しておくと便利です。不動産投資で利益を得た場合、確定申告という手続きを行い納税する必要があります。
確定申告で少しでも多くの経費を計上できれば、納税による支出を減らすことができます。税金の知識を持っていれば、もれなく多くの経費を計上することができます。
経費の計上金額次第では、納税額が数十万円〜数百万円変わることもあります。少しでも多くの利益を得るためにも、税務の知識はしっかり身につけましょう。
不動産投資で利益を得るには、競合の物件との競争に打ち勝ち、少しでも多くの入居者を集める必要があります。経営学やマーケティングの知識があると、競合物件(企業)との競争や集客を有利に進めることができます。
たとえばマーケティングの理論を応用すれば、そのエリアに多い顧客のニーズに合った物件を提供できるようになります。
会計や税務の知識は勉強しても、経営やマーケティングまで勉強する不動産投資家は多くありません。だからこそ、経営学やマーケティングまで勉強することで、他の投資家に差をつけることができるのです。
「不動産投資における基礎知識」に関しては下記カテゴリでも解説していますので参照してみてください。
不動産投資の勉強方法には、「本を読む」「セミナーに参加する」「情報メディアにて勉強する」「プロに投資プランを相談する」という4つの方法があります。
ここでは、それぞれの勉強方法について詳しく解説します。
不動産投資をこれから始める方は、まずは本を読んで基礎知識を習得するのがベストです。本で勉強するメリットは、ある分野に関して満遍なく知識を習得できる点です。
たとえば会計であれば、簿記3級の対策本を1冊完成させれば基本的な知識を習得できます。また、同じ分野でも様々な難易度があるため、ご自身のレベルに応じて勉強できる点もメリットです。
次にご紹介する勉強法はセミナーへの参加です。
不動産投資のセミナーは、一般的に「戸建て投資」や「融資を受けるコツ」など、あるテーマに特化して行われるケースが多いです。
そのため、ある特定の分野について深い知識を得たい場合には適しています。
ただし、幅広い知識を満遍なく習得する場合にはあまり適していません。また不動産投資セミナーの中には、高額な費用がかかる割に、大して有益な知識を得られないものもあるので注意です。
手軽に不動産投資を勉強したいならば、企業HPやブログなどの情報メディアを活用するのがオススメです。
情報メディアを活用するメリットは、無料で手軽に勉強できる点です。不動産投資で成功している人などが出している良質な情報を、無料かつ好きなタイミングで学習できる点は非常に魅力的です。
ただし注意していただきたいのは、インターネット上の情報なので、必ずしも100%正しいとは限らない可能性がある点です。あらかじめ著者のプロフィールを確認し、情報を信頼できるか判断しましょう。
最後に紹介するのは、不動産投資のプロに投資プランを相談する方法です。
不動産投資ですでに成功している人や不動産会社の役員などは、不動産投資の知識と経験ともに豊富です。投資プランを相談すれば、的確で質の高いアドバイスを得られるでしょう。
ただしプロに投資を相談する場合、多額の費用がかかる可能性があります。
そのため、用語の意味やインターネットや書籍で調べればわかることを聞くというよりは、基礎知識を持っている前提で、本格的な投資プランを検討する際にオススメの方法です。
不動産投資を成功させるには、ただ単に勉強すれば良いわけではなく、コツを掴んで正しい勉強法を実践する必要があります。
不動産投資を勉強する際には、下記2つのコツを押さえておきましょう。
不動産投資の勉強をこれから行う方は、最初は基礎知識を浅く広く習得することから始めましょう。
なぜなら、ある分野で深い知識を身につけても、他の分野の知識が全くないと不動産投資では通用しないためです。
たとえば簿記一級を持っていても、不動産の投資手法や用語を全く知らないと、不動産投資をスムーズに行うことは困難です。
まずは幅広い分野の知識を最低限身につけて、とりあえず不動産投資の実践に移るのがベストです。実際に運用してより深い知識が必要になった段階で、より専門的な勉強を行うのがもっとも効率的です。
不動産投資に関連した会計や税務、不動産を取り巻く法律、人口動態や需要のトレンドは絶えず変動します。
そのため、最初のうちにちょっと勉強しただけでは、長期的に不動産投資で成功しつづけることは困難です。法改正や街の開発など、絶えず最新の情報をキャッチしつづけて、時代の変化に対応しなくてはいけません。
これから不動産投資を始めたい方は、今後ずっと勉強しつづけるという気概を持っておきましょう。
不動産投資は難易度が高く失敗した時の損失が大きいため、始める前に基礎的な知識を身につける必要があります。
ただし不動産投資に関連した情報は絶えず変化するため、不動産投資を開始した後も勉強を続けなくてはいけません。
常に勉強し続ける姿勢を持っていれば、不動産投資で成功する可能性は高まるでしょう。