不動産投資はローンを組んで物件を取得することがほとんどでしょう。
ただし、はじめて不動産投資ローンを組む人も多いと思うので、そもそもどの金融機関でローンを組むべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産投資ローンを組める金融機関一覧を紹介します。
また、年収別にローンを組みやすい金融機関も紹介するので、不動産投資を検討している方は参考にしてみてください。
不動産投資ローンを借入できる金融機関の種類は以下の通りです。
年収 | 金融機関の種類 |
---|---|
500万円以下 | 日本政策金融公庫 |
ノンバンク系(アサックスや新生インベストメント&ファイナンス) | |
ネット銀行 (住信SBIネット銀行や楽天銀行) | |
500万円~1000万円 | 地方銀行(横浜銀行や千葉銀行) |
信用金庫(巣鴨信用金庫や城南信用金庫 | |
オリックス銀行 | |
1000万円以 | メガバンク(三菱UFJ銀行や三井住友銀行) |
大手銀行(りそな銀行や住友信託銀行) |
なお、この記事で紹介している各金融機関の金利に関しては、借入者によって大きく異なるので参考程度に認識しておきましょう。
「銀行の選び方」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
まずは、年収500万円以下で融資利用ができる金融機関である以下を紹介します。
日本政策金融公庫とは、民間の金融機関ではなく政府系の金融機関です。
日本政策金融公庫は、中小企業の支援や社会的に弱い立場の人を支援することが主な目的です。
日本政策金融公庫は政府系の金融機関なので、民間金融機関のように利益を目的にしているわけではありません。
そのため、年収が低かったり、雇用形態が正社員でなかったり…と、ほかの金融機関では厳しい審査をされる人にも融資をしてくれます。
ただ、もちろん誰でも融資するというわけではなく、返済の見込みがあるか?返済計画はきちんと立てているか?という点はチェックします。
日本政策金融公庫の金利や諸条件は以下の通りです。
特徴としては、女性や若年層・高齢者に優遇があるという点です。
ほかの金融機関と比べて融資額の上限金額が低い点や、借入の最大期間が短い点は認識しておきましょう。
参考:https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html
次に、ノンバンク系を紹介します。
ノンバンク系とは、その名の通り「銀行(バンク)」ではない機関のことであり、具体的にいうと以下のような機関をノンバンク系といいます。
ノンバンク系の特徴は、融資審査が比較的緩いという点です。
しかし、詳細は後述しますが、審査が緩い代わりに金利も高めに設定しています。
そのため、月々返済と総返済をきちんとシミュレーションして、将来に渡ってもキャッシュフローを生み出せるかどうか?を、きちんと見極めなければいけません。
ノンバンク系といっても上述のように色々な機関があるので、今回はアサックスをピックアップして金利や諸条件を紹介します。
このように、最大で金利5.9%になるので、ほかの金融機関と比べるとかなり高めの金利設定といえるでしょう。
また、アサックスは最短3日で融資できるので、融資スピードも非常に早いです。
そして、中途解約(≒繰り上げ返済)すると、最大で返済元金の3%が解約金として発生する点は認識しておきましょう。
次はネット銀行です。
ネット銀行とは、実店舗ではなくネットでやり取りする銀行のことであり、具体的には住信SBIネット銀行や楽天銀行などを指します。
参考:
https://www.netbk.co.jp/contents/lineup/loan/realestate/
https://www.rakuten-bank.co.jp/loan/mortgage-collateral/
ネット銀行の特徴は、やはり対面ではなくネットで審査や契約が完結する点でしょう。
後述しますが、特に地方銀行や信用金庫などは、借入者によっては何度か面談を重ねて融資するかどうかを銀行が決めます。
一方、ネット銀行の場合はそもそも店舗がないので、審査はもちろん契約手続きも担当者と対面することもなく完了する点が特徴です。
今回は、住信SBIネット銀行をピックアップして、金利や諸条件などを紹介していきます。
特徴としては、金利が高めであるという点です。
また、上述のようにネット銀行は対面での判断になるので、年収の推移や過去3年分の年収変動、会社規模や年齢、雇用形態などを機械的に判断します。
ただ、年収に下限を設定していないところを見ると、規定の返済率に達していれば借入できる可能性があるので、審査はやや緩めという印象です。
つづいて、年収500万円~1,000万円で融資利用できる金融機関である、以下を紹介します。
地方銀行とは地域に根付いている銀行で、たとえば関東圏の地方銀行でいうと武蔵野銀行・横浜銀行・千葉銀行・群馬銀行などが挙げられます。
地方銀行の特徴は、「地方」銀行というだけであって地域に根ざした銀行のため、融資できるエリアが限られている点です。
また、地方銀行は「地域を支える」という役割を担うので、大手の金融機関が融資しない人も独自の基準で融資をする…つまり、大手金融機関よりも審査はやや緩い傾向にあります。
その代わり、借入者によっては支店長面談をしたり、過去に取引(たとえば定期預金など)があるか否かなども重視されたりする点が特徴です。
地方銀行は色々とありますが、今回は横浜銀行を紹介します。
他行と違う点は、保証人が必要な点や手数料関係が安いという点です。
なお、上述した金利はあくまで基準であり、実際は借入者によって大きく変動する点は認識しておきましょう。
参考:
https://www.boy.co.jp/kojin/loan/apartment/setsumeisyo_apartment.html
https://www.boy.co.jp/kojin/loan/multi/rate.html
信用金庫は、地方銀行よりもさらに地域に根ざしている機関です。
具体的には、巣鴨信用金庫や城南信用金庫などがあります。
そもそも信用金庫とは、銀行とは経営形態が異なり、利用者(預金者)が出資者となって互いに地域の繁栄を図ることを目的としています。
上述のように、信用金庫は地方よりもさらに地域密着型なので、融資できるエリアも限定的です。
また、利用者と一緒になって地域の繁栄を図ることを目的にしている…という点からも分かるように、その地域に根差した人を応援しているため、大手銀行などよりも審査は緩くなります。
また、地方銀行と同じく面談などを経て融資を実行するケースが多いです。
たとえば、巣鴨信用金庫をピックアップして紹介すると以下の通りです。
このように、融資を受ける信用金庫の営業区域内にあることが条件など、地域に根差していることが分かります。
参考:
https://www.sugamo.co.jp/shared/pdf/manual/l_265.pdf?ver=20190930
https://www.sugamo.co.jp/guide/rate/#PgAnc05
この章のさいごに、オリックス銀行を解説していきます。
オリックス銀行には、ほかの銀行にはない特徴もあるので、その点はしっかりとチェックしておきましょう。
オリックス銀行の最大の特徴は、最長で45年の借入期間という点です。
ほかの金融機関は借入期間35年の中で、それよりも10年長い借入ができるのでキャッシュフローが改善しやすいです。
たとえば、3,000万円を2.5%の金利で借入した場合は、借入期間によって返済額は以下のように変わります。
このように、年間で約18万円もキャッシュフローが改善します。
一方、借入期間が10年延びることによって、総返済額が約447万円増額するので、その点は頭に入れておくことが重要です。
オリックス銀行の金利、および諸条件は以下の通りです。
上記の中で注意点は、エリアが限定されている点と、取扱事務手数料が借入額の1.1%かかるという点です。
エリアが決まっているので、そもそも借入できないケースもあるでしょう。また、手数料はやや高めに設定されているので、ほかの金融機関ときちんと比較することが重要です。
参考:
https://www.orixbank.co.jp/personal/rules/pdf/mansion.pdf
https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
最後に、年収1,000万円以上の人が選ぶべき金融機関はメガバンクや大手金融機関です。
大手金融機関とは、りそな銀行や三井住友信託銀行を指します。
メガバンクや大手金融機関は、借入の審査ハードルが高いです。
たとえば、三菱UFJ銀行だと最低でも1割の自己資金…できれば2~3割の自己資金を推奨しています。
もちろんほかの金融機関でも自己資金ゼロの審査ハードルは高いです。
ただ、メガバンクだと自己資金率・年収・会社規模・雇用形態などについて、さらに厳しい審査になると思っておきましょう。
一方、審査に通るプロフィールの方であれば、1%台で借入ることも可能です。
「融資を受ける上で知っておくべきこと」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
このように、不動産投資ローンを組める金融機関はたくさんありますが、それぞれ特徴があります。
特に、年収別にどのような金融機関でローンを組めるか?は把握しておくと良いでしょう。
その上で、金利や諸条件などを比較し、どの金融機関で不動産投資ローンを組むか判断するようにしましょう。