不動産投資管理

投資用物件のリフォーム費用とは?目安とコストを減らすコツ

2020/03/16
投資用物件のリフォーム費用とは?目安とコストを減らすコツ

「中古物件をリフォームして、空室率をなるべく下げたい」

「リフォームにかかる費用やコストを抑えるコツが気になる」

古くなった物件を綺麗なお部屋に修繕することをリフォームといいます。リフォームにより中古物件の見た目を改善できて、高い家賃を維持したり入居率を高めたりすることが可能です。

この記事では投資用物件のリフォームについて、費用の目安や修繕するコツを解説します。

投資用物件のリフォームについて

不動産投資では入居者を集めることで家賃収入を得られて、投資した資金を回収できます。

空室期間を短くして投資利回りを高めるには、修繕により物件の価値を向上させることが重要です。

物件を修繕する方法の1つとしてリフォームがあります。劣化した物件を奇麗な状態に戻すのがリフォームの目的です。今のトレンドを取り入れることで新築のような見た目を実現できます。

リフォームと似たような修繕方法としてリノベーションがありますが、それぞれの方法における目的は少し異なるもの。リノベーションでは物件を改装して、物件の価値をさらに高めようとします。

物件を改装するには多額の費用がかかるため、空室率を下げることが目的であればリフォームがオススメです。劣化した内装・設備を修復することで入居者を集めやすくなります。

リフォーム費用の目安

一般的に投資用物件のリフォーム費用は家賃の3か月分が目安です。

修繕費用が安いと空室になるリスクが高まる一方、費用が高いと投資資金を回収するのに時間がかかります。

例えば家賃6か月分の資金でリフォームする場合、修繕費用を回収するには6か月間以上誰かに入居してもらうことが必要です。コストパフォーマンスを考慮することが投資家には求められます。

リフォームにより長期的な家賃収入を見込めるのであれば、高い費用を支払うだけの価値はあるもの。しかし、リフォームしても入居者が現れなければ、オーナーの赤字は増えてしまいます。

自分が許容できる空室期間からリフォーム費用の上限を決めて、修繕すべき箇所を判断しましょう。

リフォームする流れ

これから物件に投資してリフォームすることを検討している場合、まずは修繕する価値がある物件を見つけることが重要です。

立地や環境のよい物件であれば、修繕による需要増に期待できます。

条件のよい物件を見つけたら、リフォーム費用を加味した投資額で利回りをシミュレーション。もしリフォームした後に利回りがマイナスになってしまう場合、その物件に投資をするのはやめましょう。

実際に物件を購入したら、後は業者にリフォームを依頼してお部屋を修繕します。設備の設置や修理に慣れている人であれば、自分で物件をリフォームして費用を抑えることが可能です。

リフォーム費用の相場

「物件を修繕するのにどれくらいの費用がかかるのか分からない」と思う人はいるでしょう。

相場を知らないと業者から高く見積もられてしまい、コストが増大するリスクがあります。

なるべく修繕費用を抑えるために、物件の内装や水回りをリフォームする費用の相場を知っておきましょう。

物件の床をリフォームする費用

劣化した床を放置していると、入居希望者からの印象が悪くなり空室になる傾向があります。

購入した物件の床が気になるときは、張り替えリフォームを実施することがオススメです。

一般的には「フロアタイル」「フローリング」「クッションフロア」の3種類もの床材があります。それぞれの床材を張り替えるときに発生する費用を見てみましょう。

①フロアタイルの場合

塩ビ素材によって製造された床材がフロアタイルです。

木目やオニックス、石粒といったデザインを再現できて、デザインにあわせて凹凸を再現できるのがフロアタイルの特徴です。

フロアタイルの相場は1平方メートルあたり5,000円程度です。後述するクッションフロアに比べて費用は高めですが、耐久性や耐水性が強くて長く使えるメリットがあります。

②フローリングの場合

板状の木材を活用した床材がフローリングです。

既存の床を張り替える方法とフローリングを重ね張りする方法があり、それぞれの方法における費用の相場は以下の通りです。

  • 既存の床材を張り替える場合、1畳あたり3万円から6万円
  • 既存の床材に重ね張りする場合、1畳あたり2万円から5万円

本物の木材により温かみや香りがある一方、フローリングはフロアタイルやクッションタイルに比べて費用は高めです。

③クッションフロアの場合

3種類の床材においてもっとも費用が安いのがクッションフロアです。

クッション性のある塩化ビニルシートを活用した床材であり、水濡れに強いメリットがあります。

クッションフロアの費用相場は1平方メートルあたり3,000円程度です。費用が安くて防音性があるため、アパートやマンションなどの賃貸物件をリフォームするのに役立ちます。

壁をリフォームする費用

経年劣化や前の入居者による利用により壁の汚れが気になるときは、クロスを張り替えることで奇麗になります。

クロスをリフォームするのにかかる費用の相場は1平方メートルあたり1,000円から1,500円程度です。

中古物件のクロスを張り替える場合、お部屋全体の壁紙を修繕することを勧めます。一部のクロスだけを張り替えてしまうと、古い壁紙が目立ってしまうため注意しましょう。

お風呂をリフォームする費用

お風呂場の床や浴槽が劣化している場合、それらのパーツを取りかえることで状態を改善できます。

浴室の各パーツを修繕する費用の相場は以下の通りです。

  • 浴槽を取り換える場合、5万円から10万円
  • 浴槽をコーティングする場合、7万円から13万円
  • お風呂場の壁を修繕する場合、約10万円

もしユニットバスをすべて取り替える場合、90万円から100万円以上の費用が発生します。

なるべく少ない費用でリフォームするために、一部分だけリフォームすることがオススメです。

トイレをリフォームする費用

一部の中古物件には和式トイレが残っていたり、汚れが溜まっていたりする場合があります。

清潔感や利便性をもたせるために、古くなったトイレを修繕することが重要です。

例えば和式トイレから洋式トイレに取り替える場合、15万円から20万円程度の費用がかかります。費用を減らしたい場合は簡易洋式トイレを導入することで、1万円以下でトイレを改装することが可能です。

もし洋式トイレにウォッシュレットを取り付けたい場合、ネット通販でパーツを購入することで費用を2万円以下に抑えられます。パーツの取り付け方は動画サイトで確認できるため、経験がない人でもスムーズに取り付けられるのがポイントです。

キッチンをリフォームする費用

古い物件のキッチンは高さが低い場合が多く、入居者が料理しにくいデメリットがあります。

家で自炊する独身者やファミリー層を集客するには、キッチンをリフォームすることがオススメです。

物件のキッチンをシステムキッチンに交換する場合、50万円から100万円程度の費用がかかります。なるべくコストを少なくしたいときは、公団キッチンを導入することで費用を10万円以下に抑えることが可能です。

「リフォーム会社の選び方」に関しては下記で解説していますので参照してみてください。

関連記事:リフォーム会社の選び方と賢く発注する方法

少ないコストでリフォームするコツ

「費用をかけずに中古物件を奇麗にしたい」と思う投資家は多くいるでしょう。

なるべくリフォームにかかる費用を減らすことで、利回りをあまり悪化させずに物件の入居率を高められます。

これから不動産投資する人が少ないコストでリフォームするコツは次の4つです。

  1. 水回りをクリーニングする
  2. 装飾品や小道具で印象を改善
  3. 照明を変更して明るくする
  4. 自分でリフォームする

それぞれのコツについて詳しく解説します。

水回りをクリーニングする

お部屋の衛生状態は入居者にとって重要な要素であり、水回りによって物件の印象は大きく左右されます。

もし古い物件を修繕するときは、水回りを重視してクリーニングすることが重要です。

例えば、キッチンの蛇口が古いものである場合、新品の蛇口に取り替えることで印象を改善できます。蛇口は3万円程度で交換できて、多額のコストをかけずに済むのがメリットです。

また、カビや水垢が気になるときはハウスクリーニングを実施することもオススメです。約3万円の清掃費で水回りを綺麗にできて、入居希望者にプラスの印象を与えます。

装飾品や小道具で印象を改善

お部屋にインテリア用品やカーテンなどを備え付けて、デザイン性をアピールする方法もあります。

入居希望者の目につく装飾品があることで、物件に対する古臭さを抑えることが可能です。

また、鏡やチャイムなどの小道具を新しいものに交換することで物件の第一印象を改善できます。費用が比較的安い装飾品や小道具を活用して、所有する物件の印象を高めましょう。

照明を変更して明るくする

明るいお部屋はマイナスな印象を持たれにくく、入居者を集めやすいメリットがあります。

もし購入した物件の照明が暗いときは、照明を変更してお部屋の明るさや利便性を改善しましょう。

例えば、部屋の照明をシーリング照明に変えることで、LEDにより室内を明るく照らせます。リモコン付きであれば入居者にとって使いやすくなり、物件の需要が高まる傾向です。

また、オーナーがスタンド照明やライティングレールをお部屋に設置して、ターゲットにあわせて室内の雰囲気を調整できます。

自分でリフォームする

不動産会社や専門業者にリフォームを依頼してしまうと、工賃などにより費用が高くなってしまいます。

できるだけリフォーム費用を削減したいときは、自分でリフォームすることを検討しましょう。

設備の交換や照明の変更であれば、業者に頼まなくてもリフォームすることが可能です。自分では修繕するのが難しい箇所のみ、技術力のある専門業者に任せることを勧めます。

「セルフリフォーム」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。

関連記事:セルフリフォームとは?不動産投資の収益性を高めることは可能なのか?

まとめ

中古物件は新築に比べて汚れが目立ちやすく、空室になりやすいデメリットがあります。

入居率を高めて利回りを改善するには、購入した古い物件をリフォームすることが重要です。

細かい部分を変更したり自分で修繕したりすることで、リフォームする費用を減らすことができます。必要な箇所だけリフォームして、早めに投資資金を回収できるよう工夫しましょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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