不動産投資をするうえで最も起こる可能性が高いリスク。
それは「空室リスク」ではないでしょうか。
不動産投資は人に貸すことで始めて収入を得ることができます。人に貸すことができていない「空室」の状態では収入を得ることが出来ず、コストだけがかかってしまいます。
空室リスクは天変地異のように一瞬にして大きな損害を被るわけではありませんが、じわじわと赤字を拡大していく、恐ろしいリスクです。
不動産投資における空室リスクを抑えるには、どのような対策を打てば良いのでしょうか。
不動産投資において、空室リスクは最も対策が必要なリスクです。
保有している物件が空室になってしまうと、空室の間は収入が入らず税金や保険、維持・管理のコストがかかってしまいます。
生活を豊かにするために、不動産投資をしているのに、不動産投資を維持するために、自分のお金を払い続けるということはまさに本末転倒。
そのため、空室リスクは最も発生する可能性が高いリスクとして必ず対策を打つ必要があります。
不動産投資における空室リスクは、物件を購入した後にのみできるものではありません。
購入前にできる対策もあります。それは「空室になりにくい物件を購入する」ことです。
まずは空室になりにくい物件とは、どのような物件なのかご紹介します。
不動産は読んで字の如く「動かない財産」です。そのため、どんな場所に購入するかは非常に重要です。エリアにはそのエリアの特徴があり、賃貸ニーズがあります。
そのため、いくらお金をかけて立派な建物を建てたとしても、ニーズにあっていなければ空室となる可能性が高くなってしまいます。
その土地やエリア、住んでいる人や街の特性にあわせた建物でなければ、空室になる可能性は高くなってしまうでしょう。
投資をするうえで物件の利便性は重要な要素の一つです。利便性の一つの尺度となるのが、「最寄り駅から徒歩7分以内」です。
駅から遠い物件は空室となった時に埋まりにくくなります。最寄り駅から徒歩7分以内であれば利便性が高い物件として多くの需要が見込まれます。
駅近は大きな武器となることを覚えておきましょう。
不動産を借りる人によって周辺の住環境は必ず気にされる要素です。
生活に必要となるものの代表例が病院とスーパーです。病院やスーパーが近くにあるかどうかは購入する前に必ずチェックしておくべきポイントです。
交通の便利さを図るためには、ターミナル駅に近いかどうかも重要です。
ターミナル駅そのものが最寄り物件の場合や最寄りの駅がマイナーな沿線であってもターミナル駅まですぐにいける場所であれば需要が高くなります。
特に近年は夫婦共働きの世帯も増えているため、複数の職場へのアクセスが便利なことも求められることが多くなっています。
人口が多い都市部であれば、ターミナル駅までの立地が良いと空室となる確率をかなり抑えることができます。
家を選ぶ時は間取りも重要です。建物の間取りは、購入した不動産の賃貸ニーズに合った間取りである必要があります。
ファミリータイプの間取りとワンルームタイプの間取りでは部屋を探す人が全く違うので、ニーズに合わない間取りになってしまうと空室になるリスクが高くなってしまいます。
間取りはそう簡単に変更することができません。リフォームをして、間取りを変える場合は費用もかかってしまいます。
そのため、不動産を購入する際には自分がターゲットとして考える方のニーズにあっているかどうかをしっかりと見極めておく必要があります。
「購入前の空室対策」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
関連記事:不動産投資の空室対策は物件選びから!4つのポイントを解説
購入前に空室対策を施していても購入後に空室になってしまうリスクをゼロにすることはできません。
そのため、空室になってしまった後に行う対策も非常に重要です。空室になってしまった後にどのような対策を行うべきか確認していきましょう。
空室が埋まらないということは物件のニーズが弱く、その割には家賃が高いということです。
家賃は住宅を借りるうえで非常に、重要な要素です。家賃を下げればどこかのタイミングで部屋は埋まるでしょう。
しかし、空室対策として家賃を下げるのは、あくまで最終手段です。
家賃を下げると収益性が弱まってしまいますし、一度下げた家賃はなかなか上げることができません。家賃を下げることは手っ取り早く空室を埋めることができる方法の一つですが、弊害も大きいので慎重に検討しましょう。
値下げを検討するにあたって指標となるのが、周辺の募集物件の状況です。
同じエリアで、最寄り駅までの距離、築年数、間取りや広さが近い物件を見て周辺相場よりも高い金額を設定しているのであれば、値下げを検討した方が良いかもしれません。
退去の理由は人それぞれです。遠地への転勤が原因で退去するような個別の事情がある場合は、対策を打つことができません。
しかし、設備や騒音、家賃など対策を打てる原因もあります。退去した方に差し支えない範囲で退去理由をヒアリングして、対策を打つことで空室になることを防ぐことができる可能性が高くなります。
空室対策のひとつとして「サブリース」という方法があります。
サブリースとは不動産会社に賃貸不動産を貸して不動産会社からエンドユーザーである借主に貸す方法で、いわゆる「又貸し」のことです。
サブリースの最大の魅力は家賃保証です。不動産会社に貸している間は物件に人が住んでいるか否かに関わらず確実に家賃収入が入ってきます。
その代わり、不動産会社に手数料を支払う必要があり、サブリースで得られる賃料は一般的な相場の8〜9割程度と言われています。
利回りは低くなってしまいますが、空室で賃料収入が0になる可能性は無くなりますので、確実に賃料を得たいという方はサブリースを検討してみても良いでしょう。
「サブリース」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
関連記事:不動産投資のサブリース契約とは?メリット・デメリットを徹底解説
家具を設置しておき、すぐに入居できるようにしておくのも空室対策のひとつです。
特にワンルームマンションなど単身赴任の方や独身の方をターゲットに設定するのであれば家具や家電の設置は有効です。一般的にはカーテンやエアコン、冷蔵庫などが設置されているケースが多くあります。
家具や家電を設置しておくことで、気軽に入居することができるため、入居者の目に止まりやすくなります。賃貸物件の検索サイトでは、家具付き物件限定で検索する方もいますので多くの人の目に触れることもメリットです。
ただし、家具や破損した場合などに借主とトラブルにならないように入居前に責任の所在をしっかりと決めておく必要があります。
賃貸マンションの入居状況は、管理会社によって大きく成否が分かれます。管理会社は賃貸物件の募集や設備の管理などを行います。
管理会社の働きが悪いと、入居者の募集があまりかけられていなかったり、設備が古いままになったりしてしまう可能性があります。管理会社の動きが悪い時は、思い切って変えてしまうのも一つの選択肢となるでしょう。
「管理会社の選び方」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。
関連記事:不動産管理会社の選び方とチェックポイント
物件に自信があるのになかなか入居者が決まらない場合には、フリーレント期間を設けるのも検討してみると良いでしょう。
フリーレント期間とは入居後の1か月〜3か月程度期間を設けて、家賃を無料にするサービスです。
もし気に入らなければフリーレント期間中に退去してしまう可能性もありますが、引っ越しにも費用と手間がかかるため、よっぽど気に入らないことがない限りフリーレント期間に退去することはありません。
フリーレント期間中は収入が入ってきませんが、入居者にもお得感があるため、有効な空室対策のひとつです。
物件が古い場合や設備が老朽化している場合は、物件の魅力が他の物件に比べ魅力が劣りますので、同じ家賃ではなかなか空室が埋まることはないでしょう。
そんな時に検討するのがリノベーションや設備の見直しです。
リノベーションや設備の見直しをすることで物件の魅力が高まりますので、空室が埋まる可能性が高くなります。
ただし、リノベーションや設備の見直しには費用が発生します。空室を埋めてもすぐにかかった費用を取り返せるわけではありません。
リノベーションや設備の見直しは、費用に見合う効果が本当に期待できるのかよく検討して行う必要があります。
不動産投資において空室リスクは必ず対策が必要なリスクの一つです。
不動産投資を成功させるために、まずは空室になりにくい不動産を購入することが非常に重要。空室になりにくい不動産は、エリアや間取り、周辺環境の利便性など様々な要素が複雑に絡み合っていきます。
不動産の購入を検討する際はあらゆる面から物件をみて、空室になりにくい不動産を見極める必要があります。
また、いくら入念に物件のチェックを行っても空室になってしまうことはあるでしょう。
空室になってしまった時でも冷静に対策を施すことが重要です。
空室になってしまった原因や周辺の募集物件との賃料を比較して、場合によっては家賃を下げるなど、保有物件の課題に対して適切な対応を行うことで空室が埋まる可能性はかなり高まるでしょう。