兵庫県は日本のほぼ中央に位置する県で、古くから世界と交流のある国際都市神戸を擁しています。
兵庫県が位置する関西地方は、東京を中心とする関東地方とは異なるもう一つの日本ともいうべき独特の文化を持っています。
このような特徴を持つ兵庫県で不動産投資を行う際には、どのような点に注意が必要なのでしょうか。
ここでは兵庫県で不動産投資を行う際のメリットとデメリット、おススメのエリアなどについて詳しく解説していきます。
不動産投資を始めるにあたって、ターゲットとする地域の現状を把握しておくことは非常に重要です。
ここでは兵庫県の現状を、人口推移やどこに人口が集中しているか、地価や家賃相場の面から解説していきます。
平成27年に実施された国勢調査によると、兵庫県の人口は553万4,800人となっています。
昭和52年以降、阪神淡路大震災のあった平成7年を除いては、増加傾向にありましたが、平成22年以降はわずかずつ減少傾向がみられるようになりました。
このような状態にある兵庫県ですが、21世紀兵庫長期ビジョンによりUターンまたはIターンによる人口増加を目指しているため、今後激しい人口の減少が起こることは少ないと考えられています。
兵庫県の中心となる都市は、神戸市です。
神戸市は世界との玄関口として古くから栄えた港町で、現代でも国際都市として有名な場所。中心となる三宮から、直径5km県内には美しい海や山が広がるコンパクトシティーとなっています。
神戸市はそのブランド力と利便性の高さから、兵庫県全体では人口が減少傾向にあるものの、神戸市だけを見ると現在でも人口は増加傾向にあります。
その理由は産業や雇用面の成長が続いているためです。また神戸市は、神戸空港へのアクセスも良好で、新幹線や市内を縦横に走るJRもあることから、非常に利便性が高い都市であるといった理由も人口増加の理由となっています。
令和二年における兵庫県の地価公示価格は、平均で16万5,721円/㎡、坪単価にすると54万7841円となっています。
前年度に比べて0.53%上昇しており、公示価格は47都道府県中7位となっています。
都道府県の公示価格のトップである東京の地価は116万950円であり、兵庫県と大きく差があることから、東京よりも安価に収益物件の購入を行うことが可能です。
兵庫県の家賃相場はどの程度なのでしょうか。
ここでは単身者用物件とファミリー向け物件、それぞれの人気エリアにおける家賃相場を見ていきます。
単身者に人気の神戸市中央区のワンルームの物件で約5.6万円、1Kまたは1DKの物件で6.1万円程度となっています。
ファミリー層に人気の地域には神戸市の垂水区と中央区があります。
どちらも2LDK・3K・3DKの間取りの場合、垂水区の家賃相場は6.8万円、中央区の家賃相場は11.3万円となっています。
大阪府で不動産投資をお考えの方は下記でも解説していますので参照してみてください。
関連記事:大阪で不動産投資するのはアリ?オススメのエリアと儲けるコツ
ここでは、兵庫県で不動産投資を行う場合のメリットについて解説していきます。
兵庫県では阪神淡路大震災の教訓をもとにして、災害に強いまちづくりが進められています。
その具体的な内容は治水、治山、砂防、海岸整備など県土保対策の徹底と、公共施設などの建築物の耐火性、耐震性の強化や太陽光エネルギー利用システムの導入などです。
それに加えて交通網やライフラインの多重化を進め、さらに災害に強い情報通信ネットワークを構築し、バックアップ機能を確保も進められています。
収益物件自体も耐震性および耐火性に優れた建物にする必要がありますが、万が一大きな災害が起きてもまち自体が正常に機能するよう整備しています。
そのため、大きな災害に強いまちであるというメリットがあります。
神戸には企業や企業の研究拠点が多く存在するため、人口も多く賃貸住宅の需要が高くなっています。
そのため、神戸のように兵庫県の中でも人口が多い地域では、安定した利回りで不動産投資を行うことが可能になります。
不動産投資用ローンの審査を受ける場合、本人の属性だけではなく購入しようとしている収益物件の属性も重要な要素となってきます。
また、金融機関によっては収益物件がどの地域にあるかという条件で融資の可否を決定するところもあります。
オリックス銀行を例にとると、融資の条件に、「借入対象不動産の所在地は、原則、首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市に限る」というものがあります。
それ以外の金融機関でも、借入対象物件の所在地が指定されているケースがあります。しかし、ほとんどの場合兵庫県はその条件に当てはまるため、不動産投資用ローンの融資を受けやすいといったメリットがあります。
参考:https://www.orixbank.co.jp/personal/property/
ここでは兵庫県で不動産投資を行う場合のデメリットについて解説していきます。
兵庫県の住民の県民性として、ブランド性を求めるというものがあります。そのため、安っぽい作りの物件には、入居者が集まりにくいといった特徴があります。
そのため、ハイグレードな物件を購入する必要が出てきますが、そのような物件は当然物件価格が高額になるため、多額の初期費用が必要です。
神戸市を除く兵庫県全体では、特に大阪への人口流出が問題となっています。
このような理由で人口減少が懸念されるため、収益物件を購入する場合には、人口減少の心配が少ないエリアを選ぶ必要があります。
兵庫県で不動産投資を行う場合には、どのエリアを選べばよいのでしょうか。ここでは、兵庫県における不動産投資のおススメエリアを紹介していきます。
神戸市は、兵庫県の中心となる場所で多くの企業などが集まっており、人口が増加していることから、兵庫県の中でも今後の人口減少の心配が最も少ないエリアです。
阪神淡路大震災の復旧債を完済することから、今後大きく再開発に舵を切るエリアでもあります。
この神戸市で特に賃貸住宅の人気が高いのは中央区で、その中でも三宮周辺が最も人気のエリアとなっています。
この三宮にはJR、阪神電鉄、阪急電鉄、神戸市営地下鉄、ポートライナーが乗り入れる神戸市最大のターミナル駅である三ノ宮駅があるため、利便性に非常に優れています。
また、この三ノ宮駅を中心として多くの商業施設が立ち並んでおり、神戸市最大の繁華街でもあります。
また、2020年7月より景観を守るための新たな規制がスタートするためJR神戸駅、元町駅、三宮駅周辺でのタワーマンションの新たな建築が事実上不可能になります。
そのため、既存のタワーマンションに人気が集まることが予想され、区分マンション投資を考えている人にはこのような物件もおススメです。
西宮市は5年連続で2位以下を大きく引き離し、関西圏で住みたいまちナンバーワンに選ばれた、非常に人気のエリアです。阪神甲子園球場や、ららぽーと甲子園などの観光スポットがあるのもこの西宮市。
しかし、基本的にベッドタウンであるため住環境や治安は非常に良いエリアとなっています。ショッピングモールも多く、買い物などにも非常に便利なエリアです。
市が「文教住宅都市」を目指していることと、新築マンションなど住宅供給が多いことも人気のエリアである理由であるといえるでしょう。
市街地は南北に長く、東西に阪急電鉄、JR,阪神電鉄が通っているため、他の場所への移動も非常にスムーズに行うことができます。
六甲山のふもとに沿うような形で住宅街が広がっており、海側に向かうにつれて下町感漂う街並みとなっています。
近年ではこのエリアの人口増加も進んでいることから、賃貸住宅の需要も高くなっているため不動産投資におススメのエリアであるといえるでしょう。
芦屋市は兵庫県の南東部に位置する市で、市としては比較的狭いエリアに中に約9万5,000人の人が居住しています。温和な気候、自然環境と交通の便の良さから、住宅都市として発展してきました。
芦屋と言えば高級住宅街をイメージする人も多いと思いますが、昭和初期に開発された芦屋市東北部の六麓荘街を中心とする一帯がそれにあたります。
芦屋市は関西の要所である大阪の梅田と神戸の三宮のほぼ中間に位置し、JR神戸線、阪急電鉄神戸本線、阪神電気軌道本線の3つの路線が通っているため、非常に利便性が良いエリアです。
このような利便性の高さから、神戸や大阪で働いている人のベッドタウンとなっています。
兵庫県の特徴としてまず挙げられるのが、災害に強いまちづくりが行われているという点です。
これは阪神淡路大震災を教訓としたもので、強固なライフラインや公共の建物の耐震性・耐火性を高めるなどの取り組みが行われています。
また、不動産投資を行う場合には、「兵庫と言えば神戸」と言われるくらい神戸に強いブランド力があるため、神戸市の物件を狙うことをお勧めします。
しかし、神戸市以外のエリアでもハイクオリティーな物件を選び、他との差別化を図ることで不動産投資の成功率を大きく上げることができるようになります。
神戸は在留外国人にも人気の居住スポットとなっているため、彼らのライフスタイルに合った物件を選ぶことも兵庫における不動産投資の成功の秘訣であるといえます。
兵庫の収益物件を、インターネットで探す場合にはどのようなサイトで検索すればよいのでしょうか。
ここでは、兵庫県内の収益物件検索のためのおススメサイトを紹介していきます。
Frontier Houseは、六甲に本店、六甲道に支店を持つ収益物件に特化したサイトです。
居住用物件の掲載もありますが、収益物件の掲載数が非常に多くなっており、一棟物件から区分マンションまで検索が可能です。
会員登録を行うことで、会員限定の物件の閲覧もでき、会員登録は無料。
不動産投資のさまざまなニーズに合わせて収益物件の検索、閲覧を行うことが可能な点がこのFrontier Houseの特徴です。
収益物件の管理業務も請け負っているため、収益物件をFrontier Houseで購入した場合には、管理業務もこの業者に依頼ができます。
不動産博士では不動産一般を取り扱っていますが、収益物件の取り扱いも多数あります。関西の不動産に強い不動産会社なので、関西地区の物件が多いことが特徴の一つです。
また、このサイトには不動産関連のコラムも充実しており、不動産一般や不動産投資についての勉強をしたいというに人にもおススメのサイトです。
不動産を活用する際の用途別に、その道に強い業者を検索することも可能。さらに不動産投資を行う上で力を借りることができる弁護士や建築士などの士業の検索もできるようになっています。
こちらのサイトも会員限定で閲覧できる物件が多数あり、会員登録を行うことで限定の物件を閲覧できるようになります。
参考:https://www.toushi-hakase.com/list/1-26/0-30/
福屋不動産販売は、不動産一般を取り扱う不動産業者ですが、その中でも収益物件の取り扱いが多い不動産業者の一つです。
検索する場合にも細かくエリアを指定して物件を閲覧できるため、不動産投資を行うエリアが決まっている人には非常に利用しやすいサイトとなっています。
兵庫県内に22の実店舗を構えているため、実際に対面して収益物件に関する相談をしやすいという点が大きなメリット。
また、購入を検討している収益物件のリフォームやリノベーションも依頼が可能で、損保代理店業も行っていることから、不動産投資を行う場合に加入する保険に関しての相談や加入も行うことができます。
参考:https://www.fukuya-k.co.jp/kansai/investment/hyogo
ここまで、兵庫県における不動産投資について解説してきました。
兵庫県の特徴や、兵庫県で不動産投資を行う場合のメリットとデメリット、兵庫県の中でも不動産投資に向いているエリアとその特徴などについてお分かりいただけたと思います。
兵庫県では、兵庫県を代表する市である神戸市以外では、やや人口減少の傾向があります。しかし、神戸やその周辺のベッドタウンとなるエリアでは人口の増加を見込むことができたり、人口の維持が期待できたりします。
そのような地域に住みたいと思う人は「神戸」というエリアに対するブランド性に少なからず魅力を感じていることが多いため、選ぶ物件も比較的グレードが高いものになります。
このような入居者の心理を踏まえて、神戸または神戸に近いエリアで、ハイグレードな収益物件を購入することが、兵庫で不動産投資を成功させるためのポイントであるといえます。