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不動産バブルは崩壊する?過去のバブル崩壊から学ぶべきこととは


八木 チエ
2020/05/26

五輪オリンピックの開催が決まってから、東京を中心に不動産の価格は値上がりを続けて来ました。

右肩上がりに上昇し続けている不動産の価格は「バブル」を思われている方も多いのではないでしょうか。

また、新型コロナウイルスにより経済の停滞により不動産市場も影響を受けると言われています。これからは不動産バブルが崩壊するのではないかと心配されている方も少なくないでしょう。

こちらの記事では、これからの不動産業界の見通し、実際に影響を受けやすい不動産と受けにくい不動産をカテゴリ分けして、新型コロナウイルスによる影響も踏まえて、これからの不動産市場について書いていきます。ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

不動産バブルってどんなもの?

まずは不動産バブルとは、どのようなものなのかについて把握しておきましょう。

バブルは実需に伴わない値上がり

バブルは「泡」のことであり、はじけたら消し飛んでしまうものです。

不動産バブルも実需に伴わない値上がりのことを「バブル」と呼んでいます。

そもそも不動産の価格は需要にあわせて値上がりしたり値下がりしたりするものであり、実需に伴わない値上がりが一瞬にして失われ価格が暴落することが「バブル崩壊」です。

では、これからは不動産バブルが崩壊するのでしょうか。実際に1980年代~1990年代に起きた不動産バブルの崩壊を見てみましょう。

過去の不動産バブルはどのようなものだった?

1980年代から1990年代にかけて起きた不動産の価格上昇は「バブル」であったと言われています。

その時も不動産より先に価格が下落したのが株式市場です。日本の株式市場の代表的な指標である日経平均株価は、好景気に沸いた1989年12月29日に3万8,915円の市場最高値をつけました。

しかし、その後わずか9カ月後には2万円を割り込み約半分の水準まで落ち込みました。更にその後、後を追うように土地の価格も長期間下落を続けました。

では、なぜバブルは何故起きたのでしょうか。その大きな原因となったのが、企業による土地の購入が「投資」ではなく「投機」になったことであると言われています。

企業の土地「投資」は、店舗や工場を購入するために不動産を購入するという企業活動です。

一方の土地「投機」は不動産の値上がりを狙って後に、転売するために購入するいわゆる「土地転がし」と言われるものです。

日本の土地は値上がり続けるものといういわゆる「土地神話」により、不動産評価は将来の上昇見込みも含めた価値となり、担保評価も現在の土地評価よりも高い値段がついていました。

銀行が実際よりも高い評価で担保評価をつけ、融資をしたため、企業はどんどん土地投機を加速し、その結果として企業や貸し出した銀行は儲かり、株価も上昇していきます。

銀行融資が不動産価格上昇を煽る結果となり、世間の批判が高まりました。これを受けて、当時の大蔵省は不動産融資を規制し、不動産価格を徐々に下落させるソフトランディングを試みました。

しかし、土地投機には融資がつかなくなってしまったため、融資が付かなくなった土地は大蔵省の目論見からは大きく外れてしまい投げ売りされ始めました。

その結果、実際の価格よりも高く評価された担保によって融資された資金が不良債権化(融資を受けた資金を返すことができなくなる)したため、土地投機で儲けていた企業や不良債権により大きなダメージを受けた銀行の株が暴落したのです。

また、ダメージを受けた銀行は融資にはさらに慎重な姿勢となるいわゆる貸し渋りの状態となったため、さらなる不動産価格下落の連鎖へとつながっていきます。

つまり、1980年代~1990年代にかけて発生したバブル崩壊は、実需が伴わない土地投機から起きたと言えるでしょう。

コロナショックの影響で不動産バブルが崩壊する?

不動産の価格が上昇し、「不動産バブルの再到来ではないか」とささやかれる中、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に大きな影響を与えています。コロナショックによるバブル崩壊はあり得るでしょうか。

新築不動産市場はほぼ停止状態

まずは新築不動産市場をみて行きましょう。結論から言うと新築不動産市場はコロナショックの影響でほぼ停止状態です。

トイレなどの備品は中国などの向上で生産されているケースが多く、コロナウイルスの影響で生産が停止し、備品が届かず工事自体に大きく影響が出ていました。

また、マンション販売業者も販売活動を自粛しているため、販売もほぼ停止状態となっています。

中古不動産市場も停滞状態

それでは中古不動産市場はどうなのでしょうか。

こちらもほぼ停止状態となっています。外出自粛により、問い合わせもほとんどない状態が続いています。

先日39都道府県の緊急事態宣言が解除されましたが、一気に問合せが増えることは考えにくいので、通常通りに戻るにはもう少し時間がかかるのではないかと言えます。

低金利政策が続く見込みだが、融資の審査が厳しくなる

それでは不動産投資には重要な要素の一つとなる融資どうなっているのでしょうか。

新型コロナウイルスの経済悪化を受けて、各国の中央銀行は大規模な金融緩和を行っています。金融緩和は金利の低下圧力となるため、しばらく低金利政策は続くでしょう。しかし、融資の審査は今後厳しくなることが予想されます。

企業の業績が悪くなると、自然と社員の給与にも影響が出ます。今まで緩和されていた融資条件も、リーマンショックの二の舞にならないよう、融資の審査が厳しくなる傾向であります。

既に融資の審査が厳しくなり、新規融資に対しては貸し鈍くなっている金融機関が出ています。今はまだ融資を受け付けていますが、この先はストップになる可能性も大きいという見解も出ています。

不動産投資を検討されている方は、早いうちから動き出す必要があると言えるでしょう。


コロナショックで影響が大きい不動産マーケットは?

コロナショックを受けて影響の大きい不動産マーケットは、どのような不動産なのでしょうか。最も大きく影響を受けているのは、営業自粛となる飲食店等のテナントが入っているビルです。

飲食店は新型コロナウイルスによる外出自粛、営業自粛の影響を大きく受けて売り上げが激減しており、既に閉店した店も少なくありません。売上がない中でテナント代を支払うことに非常に厳しい店も多く、家賃交渉によりテナントのオーナーも収入が大きく減少します。

この先は家賃を払えず閉店するテナントも増えることが予想されるため、空室が目立ってしまい、家賃収入に大きなダメージを与えるでしょう。飲食などが入っているテナントの他に、旅館やホテルなどにも大きな影響が出ています。

五輪オリンピックの開催に伴って、訪日外国人の誘致に旅館、ホテル、民泊などに力を入れてきましたが、コロナウイルスの影響でインバウンドの見込みが大きく減少し、既に倒産した旅館やホテルも出てきています。

「新型コロナウイルスによる影響」に関しては下記でも解説していますので参照してみてください。

関連記事

価格が下がりにくい物件とは?

上記に書いたように新型コロナウイルスの影響で、テナント、旅館、ホテル、民泊などは大きくダメージを受けています。

しかし、実はほとんど影響を受けていない不動産カテゴリもあります。それは住居をメインとする不動産です。

マンションや戸建て等の住居

新型コロナウイルスの影響を比較的受けにくいとされているのがマンションや戸建て等の住居です。

なぜならば、我々には「住」に対する需要はなくならないからです。

コロナショックのみならず、住宅市場はオフィスや商業施設に比べると危機に強い不動産であるということは覚えておいた方が良いでしょう。

都心のターミナル駅へのアクセス良好

少子高齢化により日本全体での人口は減少傾向ですが、都市部の人口は増加傾向です。

都市部の人口が増加している傾向の理由の一つは女性の社会進出にあると言われています。

夫が働き、妻が専業主婦という世帯が多かった時代には郊外にマイホームを購入し、夫は通勤に1時間以上かけて会社へ向かうという生活スタイルが主流でした。

しかし、現在では女性の社会進出が増えており、保育園等に子どもを預ける家庭も増えています。夫婦が両方仕事をするとなると、双方の職場に近いエリアで購入することが多くなるため、東京を中心とする都心エリアの人口が流入する一つの要因となっています。

もう一つの理由はシニア世代の就労人口増加です。シニア世代は現役を退いて地方へ移住するということも多くありました。しかし、人生100年時代と言われる超高齢化社会に備えて働き続けるシニア世代が増えています。

そのため、シニア世代も都心に住み続けるケースが多くなり、結果として都心の人口は増加傾向。

女性の社会進出とシニア世代の就労増加は今後も続く可能性が高いため、都心部の人口流入が続く可能性が高いと言えるでしょう。

駅近物件

近年は駅近物件がより好まれる傾向が大きくなっています。

先ほどご説明した女性の社会進出や、シニア世代の就労増加も駅近物件が好まれる一因となっています。

また、昔に比べるとマイカーを保有する人も少なくなっていることも、電車移動に便利な駅近物件が好まれる理由の一つです。

駅から遠い物件は施設の魅力を高める必要があり、建物が老朽化すると駅近物件との競争が厳しくなっていきます。そのため、駅から遠い物件は空室を避けるために家賃を下げざるを得ないことも多く、利回りが低下しやすくなります。

駅近物件であれば、「駅に近い」と言う魅力は古い物件でも継続するため、家賃を下げなくても空室にならない可能性が高いでしょう。

まとめ

過去の不動産バブルから学べることは「バブルは実需が伴わない場合に起きる」ということです。

新型コロナウイルスの影響でテナントや旅館、ホテルの実需は一瞬にして失われました。

この状態が長く続いた場合、実需が伴わない価格となっていることは間違いないため、不動産価格が下落する可能性が高いと言えるでしょう。一方の住宅価格は実需が衰えているわけではありません。

むしろ都心の住宅需要は更に増える見込みです。新型コロナウイルスによる不動産価格の下落は1980年代から1990年代にかけて起こったバブル崩壊のように、全ての不動産価格が下落するのではなく、コロナショックの影響をより受けやすい市場が下落する可能性が高いと言えます。

新型コロナウイルスの影響もよく見極めて、不動産の購入や運営を続ける必要があると言えるでしょう。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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