不動産投資の中でも「トランクルーム投資」が注目を集めているのをご存じでしょうか。
トランクルーム投資は賃貸マンション投資と比べても様々なメリットがあります。しかし一方で賃貸マンション投資にはないデメリットもあるため、デメリットもしっかり理解したうえで投資を始めることが重要です。
この記事ではトランクルーム投資のメリットやデメリットを詳しくご紹介します。
トランクルーム投資とはどのような投資なのでしょうか。
まずは概要を把握しましょう。
トランクルーム投資とは、建物の中をパーテーション等で区切って簡易的な個室にして、トランクルームとして貸し出すことで賃料収入を得る投資手法です。
建物さえあれば、多少老朽化した建物でも小規模な改修ですぐにトランクルームとして貸し出すことができます。トランクルーム投資とよく似た投資手法に「コンテナ投資」があります。
コンテナ投資とは、屋外に専用のコンテナを設置して貸し出すことで収益を得る投資手法です。コンテナ投資はバイク等の倉庫としても活用されています。
コンテナ投資はトランクルーム投資と比べるとランニングコストが安く収益率が高い反面、万が一利用が少なかった場合の撤去費用がかかってしまうというデメリットがあります。
また、トランクルーム投資やコンテナ投資には自分で運営する方法とフランチャイズに加盟するという2つの方法があります。
フランチャイズに加盟する方式では、業者に収益の一部を支払う必要があるというデメリットがありますが、募集やメンテナンス等をコンテナ投資のノウハウがある業者が手伝ってくれるので、安心して投資できます。
一方、自分で運営する場合は、フランチャイズに加盟する場合に比べて満室になった際は大きな利益をとることができますが、募集やメンテナンス等を自分で行う必要があります。別の仕事などで忙しい方は、自分で運営することは難しいかもしれません。
トランクルーム投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的に確認していきましょう。
トランクルーム投資は利回りが高いのが特徴です。
トランクルーム投資の利回りが高いのは初期費用が安いためです。
利回りは1年間の収入÷初期費用で計算します。例えば、1年間の収入が50万円で初期費用が500万円の場合は10%(50万円÷500万円)です。
トランクルーム投資は、賃貸マンション投資などに比べると初期費用が少ないため、利回りも高くなります。初期費用が安く利回りが高いということは、投資した資金を回収するまでの期間が短いということになりますので、投資対象としては魅力が高いということです。
また、初期費用が安いということは万が一失敗をしてもリスクが少ないということです。
そのため、不動産投資で安定的な収入は得たいけれど、大きな初期費用はかけたくないと言う方にもトランクルームは有効手段であると言えるでしょう。
トランクルーム投資は人が住んでいるわけではないため、新規の設備を導入したり、退去した際にキッチンの油汚れやタバコの煙によって汚れた壁紙を張り替えたりするなど、入念なハウスクリーニングを行うような必要はありません。
賃貸マンションには小規模な修繕をこまめに繰り返しながら数十年に1回は大規模修繕と呼ばれる大がかりな改修工事を行う必要があります。
しかし、トランクルーム投資にはこのようなランニングコストが比較的少ないため、収益を得やすい投資となっています。
トランクルーム投資は、賃貸マンション投資に比べてトラブルが少ない点も特徴です。
賃貸マンションの投資では人が住んでいるため、様々なトラブルが発生します。例えば、水回りのトラブルや住人間での騒音トラブル、鍵の紛失等です。
このようなトラブルが発生するとオーナーはその都度対処する必要があり、手間も費用もかかってしまいます。人が住まずに物を保管しているトランクルーム投資は、賃貸マンション投資に比べるとトラブルになる可能性が低い点はオーナーにとって大きなメリットとなるでしょう。
トランクルーム投資は住宅に向かない狭小な土地や地型の悪い土地も有効活用できる点もメリットの一つです。
地型とは地面の形のことで、間口や狭い土地や奥行きが長い土地、三角形や不整形の土地は住宅用の建物が立てづらく持っていたとしても利用価値が限定されます。
しかし、トランクルーム投資であれば、多少地型が悪い土地でもあっても有効活用することが可能です。使い道が少ない土地はその分安く手に入れることも可能ですので、安く仕入れて上手に活用することができれば、利益も得やすくなります。
賃貸マンション経営には向かないような土地でも有効活用できる点もトランクルーム投資の大きなメリットです。
メリットも多いトランクルーム投資ですが、デメリットもあります。
トランクルーム投資のデメリットもしっかり確認しておきましょう。
トランクルーム投資は、地型の悪い土地や狭小な土地でも活用して投資ができます。
しかし、用途地域の制限を受けるため、どこでもできるというわけではありません。
用途地域とは地域ごとにふさわしい活用をするために都市計画法で定められた制度です。
例えば、商業系地域と住宅系地域、工業系地域では求められる建物が異なります。地域の特性に合わない建物を建ててしまうと、近隣の住民が困ってしまったり、景観を害したりすることがあるからです。
そのため、都市計画法によってそれぞれの用途地域では建てられる建物が制限されています。
例えば、低層住宅が立ち並ぶ低層住居専用地域では高層ビルを建てることができません。
トランクルーム投資では、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層、住居専用地域、市街化調整区域には建築することができません。
トランクルーム投資を行う際には、保有する土地がトランクルームを建てることができるかも確認して行う必要があります。
初期費用が安く利回りが高いため、満室稼働さえすれば儲かりやすい投資です。
しかし、トランクルームは賃貸マンションに比べて一般的に利用されているわけではありません。そのため、トランクルーム投資を開始した当初は集客が難しいため、収入を得るまで時間がかかる場合もあります。
特にトランクルーム投資初心者はノウハウがないため、集客は難しいと言われています。はじめはフランチャイズ方式等を活用して、専門業者の助けを借りることをオススメします。
トランクルーム投資は初期投資が安く、利回りが高い投資です。
しかし、利回りが高いからと言って必ずしもたくさんの収入が得られるわけではありません。
トランクルーム投資の利回りが高い理由は初期費用が低いからです。トランクルーム投資の収入は1室あたり月1万円程度と決して高くはありません。
賃貸マンション経営は初期費用も高くなるため、利回りは高くありませんが、ワンルームマンションでも1室月数万円、ファミリータイプであれば10万円以上の収入が入ります。利回りは劣る賃貸マンション経営ですが、収入額はトランクルーム投資を大きく上回ります。
一方のトランクルーム投資は初期費用が安いため、利回りは高い投資手法ですが、たくさんの収入が入るわけではないということは理解しておきましょう。
トランクルーム投資は将来性がある投資なのでしょうか。
トランクルーム投資の将来性について見て行きましょう。
実はアメリカでは既に10世帯に1世帯程度がトランクルームを活用しています。
トランクルームが一般的に活用されるようになっています。
しかし、日本ではまだ200世帯に1世帯程度しか利用されておらず、社会に浸透しているとは言えません。まだまだ、潜在的な需要を満たしているとは言えないため、今後は市場規模が拡大する可能性が高いと言えるでしょう。
日本のトランクルームはまだ、浸透しているとは言えませんが、潜在的な需要は高いと言えるでしょう。
その理由は、都心の不動産は値上がり傾向にあることです。日本の経済は東京を中心とする関東圏に一極集中しており、年々価格が上昇しています。
そのため、価格の高騰が原因で希望する間取りよりも手狭な不動産を買わざるを得ない世帯も増えています。
このような場合、アメリカのようにトランクルームを活用して生活に必要なものを保管するということが習慣化する可能性もあります。
その結果、日本でも、トランクルームの需要が伸びていく可能性は高いと言えるでしょう。
トランクルーム投資は初期費用が安く、利回りが高いため魅力的な投資手法です。
また、賃貸マンション等に比べるとトラブル等が発生する可能性は低く、忙しい人でも行いやすい投資です。
一方で賃貸マンションに比べると集客が難しく、大きな利益は得る事ができないと言うデメリットもあります。
アメリカ社会では既にトランクルームが一般的に活用されています。日本ではアメリカに比べても狭い住宅も多く、潜在的な需要は高いと言えるでしょう。
トランクルーム投資は初期費用も安いため、初心者でも行いやすい投資として選択肢の一つです。メリットやデメリットをしっかり理解して投資を検討してみると良いでしょう。