不動産投資するなら収益性の高いエリアで物件を取得したいものです。
その「収益性の高い」エリアの代表格には再開発エリアが挙げられるでしょう。というのも、街を再開発することでそのエリアの魅力が増すので、不動産需要が高まることが期待されるからです。
そこでこの記事では、東京の再開発エリアを9つに厳選して紹介していきます。投資物件を探している人はぜひ参考にしてください。
まず最初に再開発エリアで不動産投資をおすすめする理由を見てみましょう。大きく以下の3つです。
転入人口の増加による賃貸ニーズの増加
地価上昇による不動産価値の上昇
出口戦略が立てやすい
それぞれについて説明していきます。
再開発が行われると、転入人口の増加によって賃貸ニーズが増加します。
大型の商業施設の開業や大規模オフィスビル建設によって、労働人口が増加するうえに周辺の利便性も向上していきます。
中でも、新駅が新設された場合は、今まで駅がないことでまったく発展していなかった場所が一気に開発される可能性が高く、人も顕著に増加するでしょう。
再開発エリアは不動産価値が上昇しやすくなります。なぜなら転入人口の増加などにより不動産の賃貸需要が増加するからです。
ただし、再開発によって人の流れなども大きく変わるので、今まで立地が良く地価が高かった場所の地価が下がる可能性もあります。
そのため、再開発エリアであっても購入する不動産の立地を分析して、その立地の条件が良い立地かどうかを見極めるようにしてください。
3つ目の理由は出口戦略が立てやすいことです。
前述したように、再開発エリアは賃貸需要が高くなり、街は発展していきます。そのため、賃貸需要が増える可能性が高く、他のエリアと比べて購入時より不動産価格が上昇する可能性も高いです。
つまり、出口戦略を立てやすく、キャピタルゲイン狙いの可能性も出てきます。
東京都心部の再開発には以下の計画があります。
虎ノ門付近の再開発
飯田橋駅周辺の再開発
渋谷駅周辺の再開発
八重洲日本橋エリア
詳しく解説します。
はじめに紹介する東京再開発エリアは、虎ノ門付近の再開発エリアになります。
以下より、概要と具体的な開発内容について解説します。
参考:https://www.mori.co.jp/company/press/release/2019/08/20190822110000003927.html
虎ノ門付近の再開発事業は、森ビルが主導している再開発事業です。
再開発が予定されているエリアは虎ノ門駅周辺・溜池山王駅周辺・六本木一丁目駅周辺になります。
虎ノ門付近の再開発事業の目的は、外資系・金融系企業の誘致です。なぜなら、虎ノ門エリアは国家戦略特区プロジェクトにおける「国際的ビジネス拠点」として位置づけられているからです。
虎ノ門付近の具体的な再開発計画は以下の通りです。
上記のほかにも、40階建てを超えるオフィスビルを建築する計画が多数あります。要は、今よりさらにオフィス街としてグレードアップするということです。
このように、虎ノ門駅付近はビジネスの拠点となるので、虎ノ門駅へ通勤しやすいエリアの賃貸需要は期待できるでしょう。
次に紹介する東京再開発エリアは、飯田橋駅周辺の再開発エリアです。
飯田橋駅周辺の再開発は、具体的に飯田橋駅東口で計画されています。
具体的には、飯田橋駅東口からすぐの「飯田橋四丁目」と「富士見二丁目」にまたがる、1ヘクタールを対象とした再開発です。
この再開発で、オフィス・住宅・ショッピング施設を併設したビルが誕生する予定。また、JRと東西線の間にショッピング施設も計画されています。
そもそも飯田橋は、東京方面へも新宿方面へも行きやすい好立地なエリアなので、この再開発によってますます賃貸需要は大きくなるでしょう。
参考:https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/keikan01_002153.html
次に紹介する東京再開発エリアは、渋谷駅周辺の再開発エリアです。
渋谷駅周辺は、すでに渋谷ヒカリエや渋谷ソラスタを中心に再開発が進んでいます。
しかし、ほかにも以下のような再開発計画があります。
渋谷駅桜ケ丘口地区の再開発は、オフィスと商業施設が併設されたビルの建築です。
しかし、単にビルを建築するのではなく、国道246号線を横断するデッキやJR線とつながるデッキも作られる予定。この開発によって、渋谷の街をより安全に歩きやすくなります。
渋谷二丁目17地区の開発は、渋谷ヒカリエに隣接する複合施設。この施設には、商業施設だけでなく屋外の広場が併設されるので、緑が楽しめるスポットになります。
渋谷は表参道や青山方面にもアクセスが良いので、渋谷駅周辺の賃貸需要はますます上がることが予想されます。
参考:https://www.tokyu.co.jp/shibuya-redevelopment/index.html
東京駅前の八重洲エリアは国家戦略特区に指定されているエリアです。
実際に、国際都市東京の「陸の玄関口」として「八重洲一丁目東地区」と「八重洲二丁目北地区」を中心にオフィスや店舗、バスターミナル、医療施設、ホテルなど様々な建物の建設や開発が2018年1月から行われています。
さらに、新たな商業複合施設やオフィスビルなどの高層ビルの建設が現在も進められており、今後も開発が進む予定です。
そんな八重洲エリアの再開発計画は主に以下があります。
2027年竣工予定の「トーチタワー(Torch Tower)」の建設
2030年竣工予定の高さ約235メートル・地上45階建てのオフィス主体の高層ビルの建設
日本橋川沿いのゲート広場の建設
2025年竣工予定の高さ約250メートル・地上54階建てのオフィスや医療施設などが入る高層ビルの建設
2022年8月竣工予定の高さ240メートル・地上45階建てで、ビルの中に小学校が入居する「東京ミッドタウン八重洲」の建設
2029年に竣工予定の高さ約226メートルの大規模複合ビルの建設
八重洲2二丁目皆地区のアフターパラリンピックの障害者スポーツ振興拠点の整備
2024年竣工予定の地上28階・高さ約173メートルの戸田建設本社ビル「(仮称)新TODAビル」の建設
上記のように非常に多くの大規模高層ビルの建設が予定されています。
中でも、トーチタワーの建設を含む東京駅前常盤橋プロジェクトは、2棟の大規模高層ビルの建設が予定されており、国際ホテルやオフィスなど、八重洲エリアの再開発でも最大級のプロジェクトです。
このように、八重洲エリアは2030年まで再開発が続いていくため、地価の上昇や就業人口の増加に伴う不動産需要や賃貸需要の増加などが期待出来ます。
東東京エリアの再開発には以下の計画があります。
葛飾区金町エリアの再開発
江戸川区小岩駅の再開発
詳しく解説します。
はじめに紹介する東東京再開発エリアは、葛飾区金町エリアの再開発エリアです。
金町駅エリアは、すでに2009年~2010年辺りに一度開発されています。その開発により駅前にマンションや商業ビルが立ち並んでいるため、葛飾区内では比較的有名なエリアです。
さらに、2018年より東金町一丁目西地区に複合施設の開発が進められており、2021年夏に竣工する予定になっています。
また同エリアは2024年・2027年・2029年ともう3段階の再開発が予定されている点も魅力でしょう。
そもそも葛飾区などの東東京エリアは、「東京駅に近く交通利便性が良い割には安価」という特徴があります。
そして、今回の再開発が進むことで賃料水準がさらに上がる可能性があるので、要注目エリアといえるでしょう。
参考:http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000060/1003609/1003628/index.html
次に紹介する東京再開発エリアは、江戸川区小岩駅の再開発です。
小岩駅は北側・南側の両方で以下のような再開発計画があります。
このように、北側は住みやすくなり南側は複合施設ができるので利便性が上がります。
また、江戸川区も葛飾区と同じ東東京エリアなので、元々東京駅に近いという大きなメリットがありました。それに加えて上記のような再開発計画があるので、要注目エリアといえるでしょう。
その他注目の再開発には以下の計画があります。
新駅「高輪ゲートウェイ」の再開発
晴海などの湾岸エリアの再開発
品川駅周辺の再開発
詳しく解説します。
はじめに紹介する「その他東京再開発エリア」は、新駅「高輪ゲートウェイ」の再開発です。
高輪ゲートウェイ駅は品川車両基地の見直しによって計画されたプロジェクトのひとつで、以下のような理由から計画されたプロジェクトになります。
京浜東北線の混雑の緩和
羽田空港や将来リニアのターミナル駅になる品川駅の隣であるため新駅が出来ると利便性が向上する
車両基地の有効活用
上記の理由から新駅を建設して再開発を行っています。
高輪ゲートウェイ駅が創設されることによって計画された再開発計画は以下です。
敷地面積が約72,000平方メートルで、述べ床面積は約851,000平方メートルになる土地に地上30階~45階の5棟の大規模高層ビルを建設予定
高輪ゲートウェイ駅内の商業施設の建設
特に、港南二丁目の再開発は上記で述べた高層ビルの建設を含む品川駅~高輪ゲートウェイ駅~田町駅までをつなぐ、大規模な再開発になります。
具体的には、第一街区から第4街区に分けて4つのビルなどの建物が建設され、それぞれの建物をデッキで結ぶというものです。
各街区の内容は以下になります。
第1街区:地上45階で高さ約173メートルの全体で860戸にもなる住宅が入ったビルが建設される
第2街区:1,000席(最大収容人数2,000人)のホールをはじめとした文化創造施設が入った建物が建設される
第3街区:広場を介して泉岳寺駅と接続したオフィス
や生活支援施設、商業施設が入った地上31階・高さ約167メートルのビルが建設される
第4街区:高輪ゲートウェイ駅や将来的に新設される(品川新駅(仮称))と接続しており、ホテルやカンファレンス、商業施設が入った地上・30階建て164メートルの高層ビルが建設される
つまり、高輪ゲートウェイ駅の新設では高輪ゲートウェイ駅だけでなく、品川駅・田町駅付近も賃貸需要の上昇が期待できます。
なお、上記の計画は第1期の再開発とされており、第1期の再開発が終了すると第2期の再開発が始まる予定です。
参考:https://www.jreast.co.jp/press/2018/20180923.pdf
次に紹介する「その他東京再開発エリア」は、晴海などの湾岸エリアの再開発エリアです。
オリンピックの開催に伴い選手村として利用された「春海フラッグ」を含む再開発で、
晴海エリアをはじめとする湾岸エリアは、すでに再開発されている場所もあります。
例えば、15階建てで全472戸のマンションである「プラウドシティ東雲キャナルマーク」や、国家戦略認定事業である「シティタワーズ東京ベイ」の1,539戸ある3棟のタワーマンションは建設を終えています。
なお、将来的には以下の再開発が計画されています。
環状二号線の延長工事(新橋~豊洲)
バスを基盤としたBRTの整備
2021年に竣工予定の33階建て全300戸ある「Brillia Tower 有明 MID CROSS」の建設
2022年竣工の48階建て高さ180メートルあり1,152戸ある「ブランズタワー豊洲」の建設
選手村として利用された建物を活用する2024年開業予定の「春海フラッグ」
2024年竣工予定の58階建てと45階建てのタワーマンション2棟が建設される予定の「パークタワー勝どき」
上記のように多くのタワーマンションが建設予定です。
中でも、春海フラッグは湾岸エリア最大級のプロジェクトといえます。
春海フラッグは中央区の13万平方メートルを超える敷地に、24棟、総戸数5,632戸(分譲4,145戸、賃貸1,487戸)のマンションの建設を予定している、湾岸エリアの中でも最大級のプロジェクトです。
住居だけでなく、小学校や保育施設、商業施設も建設される予定になっているため、注目を集めています。
オリンピックの延期などで、人気が落ちたことによって「負の遺産」とまで言われたプロジェクトでしたが、オリンピックの開催によって「春海フラッグ」を利用した選手がSNSを通して、眺望などを写真で公開したことにより、再注目されているのです。
このように、一時期は失敗と思われていた「春海フラッグ」ですが、オリンピック後も注目を集めており、安定した賃貸需要を見込める可能性があります。
春海フラッグについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてお読みください。
品川駅周辺は2027年に開業を予定している、東京名古屋間を結ぶリニア中央新幹線に関連して再開発が行われています。
リニア新幹線の始発駅は品川駅港南口の地下に建設が予定されているためです。
しかし、それだけではありません。前述した高輪ゲートウェイ駅も品川周辺の再開発プロジェクトのひとつで、高輪ゲートウェイ駅から続く大規模な複合商業施設も建設予定です。
そのため、周辺のエリアも交通利便性の向上や、複合商業施設の開業によって買い物利便性が高まることが予測されています。
品川駅周辺も、不動産投資においておすすめのエリアのひとつと言えるでしょう。
最後に、再開発エリアで投資する際に注意すべき以下について解説します。
すでに相場が上がっていないか?
再開発はあくまで「計画」である
それぞれについて説明していきます。
まずは、すでに相場が上がっていないか?という点です。
今回紹介した再開発案件は、全て公にされています。つまり、調べれば誰でも分かる情報ということです。
そのため、すでに不動産需要が上がっていることで、不動産価格も上がっている可能性があります。そうなると、今そのエリアで不動産を購入しても、投資物件としては収益性が低い可能性があるのです。
まずは、以下の手段で相場を調べてから物件を購入するか判断しましょう。
不動産のポータルサイトで調べる
不動産会社へのヒアリング
それぞれについて説明していきます。
ネットで調べるとは、具体的に以下2つのサイトで成約事例を調べることです。
REINS Market Information
土地総合情報システム
上記2つのサイトで成約事例を調べることで、過去と現在の相場が分かってきます。その差を見極めることで、すでに価格が上がっているかどうかが分かるでしょう。
参考:
・http://www.contract.reins.or.jp
・http://www.land.mlit.go.jp/webland/
また、サイト以外に不動産会社へのヒアリングも重要です。というのも、不動産会社は前項のサイトではリーチできない情報を持っているからです。
そのため、不動産会社が主催するセミナーへ参加したり、資料請求をしたりして不動産会社とのつながりを持っておきましょう。
その情報と自分が調べた情報、そして上記のような再開発に関する情報を網羅した上で、投資物件を購入するエリアを見極めるという流れです。
今回紹介した再開発案件は、全て事業者や行政が出典している公式な情報を基にしています。
しかし、あくまで「計画」なので、途中でストップする可能性がある点には注意が必要です。たとえば、今回のコロナショックによって、リニア新幹線の開発計画は大幅に遅れる可能性が出てきています。
もし計画に大きな遅れが出れば、リニア新幹線が通ることを見越して取得した物件は、収益性の低い物件になるリスクがあります
つまり、再開発計画を見越した上で投資物件を購入するときは、「計画はあくまで計画である」という認識を持つ必要があるということです。
仮に、5年前から着想があるものの着工すらしていなければ、いつ計画が実行されるか分かりません。
このように、再開発はあくまで「計画」であることを認識して、実際に計画通り実行されないリスクも加味した上で投資する必要があるでしょう。
東京都・23区で不動産投資をお考えの方は下記でも解説していますので参照してみてください。
今回は、東京の再開発エリアを9つに絞って解説しました。
再開発エリアは賃貸需要が大きく上昇する可能性があるものの、すでに不動産価格が上昇している可能性があります。
また、計画がストップする可能性もあるので、その点には注意が必要です。いずれにしろ、再開発エリアにも注目しつつ、広いエリアで物件を探した方が良いでしょう。
そうすることで、自分の理想とする物件を見つけやすいです。