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物件の購入方法

不動産投資における物件概要書の見方を解説

八木 チエ
2020/07/10

不動産投資は物件の選定・借主の募集、メンテナンス等様々なノウハウが必要です。

実際に購入するにあたって契約書なども締結する必要があり、購入したあとに不利にならないために契約書などの書類をチェックすることも大仕事の一つと言えます。

そこで今回は、購入しようとしている不動産がどのような不動産なのかを判断するための「物件概要書」を読み解く時のポイントをピックアップしました。

これから物件購入を検討されている方はぜひ最後までお読みください。

物件概要書とは?何が書いてある?

物件概要書にはどのようなことが書いてあるのでしょうか。

物件概要書に記載されていることを確認しておきましょう。

まず、意外に思われるかもしれませんが、物件概要書の作成には特に資格が必要なわけではありません。

不動産会社が作ることが大半ですが、宅地建物取引士等の不動産のプロとしての資格を保有していない人でも作成することが可能であるため、売主が自ら作成しているケースもあります。

また、記載内容や順番に決まりはありません。ただし、不動産取引の商慣習から、必要な事項が記載されていない不動産は売れないため、結果的に必要な事項は必ず記載されるようになっています。

物件概要書に必ずと言っていいほど記載されている主な記載事項は以下の通りです。

土地の面積

物件の土地が坪数または平米数で記載されています。

土地の権利

所有権・借地権等、土地についている権利が記載されています。

地目

宅地・田・畑など、土地の利用区分が記載されています。

不動産投資をする場合の土地はほとんどが「宅地」です。

接道状況

土地にどのような道路が付いているかが記載されています。

道路付けの状況によって建てられる建物が変わりますので重要な情報です。

用途地域

土地には高層ビルが立ち並ぶエリアもあれば、低層住居が立ち並ぶエリアもあります。

周辺の外観を害さないためにも不動産にはどのような建物を建ててもよいか細かく区分がわかれています。用途地域を確認することで、その土地にどのような建物を建てられるかが分かります。

建ぺい率

建ぺい率とは敷地面積に対して建築可能な建築面積の割合のことです。

例えば、建ぺい率が60%の場合100㎡の土地に対して60㎡の建物が建てられるということになります。

容積率

容積率とは敷地面積に対して建築可能な床面積の割合のことです。

100㎡に対して容積率が200%であれば、床面積200㎡の建物が建てられるということになります。

建物の種類

共同住宅・戸建等、建物の種類が記載されています。

構造

鉄筋コンクリート造・木造等、建物の構造が記載されています。

建築年

建物が何年に建築された建物かがわかります。

交通

最寄り駅の駅名や、徒歩何分程度で最寄り駅まで到着するかがわかります。

設備

電気・ガス・水道などのインフラ設備の状況が記載されています。

価格

物件の売却価格です。

税込で記載されている場合と税抜で記載されていることがあります。必ず税込・別も確認するようにしましょう。

利回り

賃料収入÷物件価格で算出した利回りが記載されています。

満室想定での利回りが記載されています。

以上が物件概要書に記載されている事項です。物件概要書を見ることであらゆる面からどのような物件であるかを確認できます。

次に物件概要書で特にチェックするべきポイントを確認していきましょう。

物件概要書でチェックするべきポイント

物件概要書には様々な情報が掲載されています。

その中でも特に見ておくべきポイントをご紹介します。

所在地や用途地域等、「土地」に関する情報

物件概要書には土地の所在地や用途地域等、土地に関する情報が掲載されています。

このような土地の情報は投資をするうえで欠かせない情報ですので、必ずチェックしましょう。一般的に駅に近い、ターミナル駅にアクセス良好等優れている点が多い場合、良好な不動産である場合が多くあります。

しかし、良い土地は相応に値段も高くなってしまうため、必ず不動産投資が上手くいくとは限りません。不動産とはその名の通り動かない財産です。

そのため、立派な建物が建っていてもその土地にニーズが無いものを建ててしまっては意味がありません。土地をチェックする際はその土地の特性を見る必要があります。

自分がどのような不動産に投資したいのかによって、その土地が適しているかどうかは大きく異なります。

例えば、リスクは大きいもののリターンが大きい飲食店等の店舗を入れた物件を建てたい場合には、周辺の人通りやライバル店舗の動向などを調査する必要があります。

一方、比較的安定した収益を産むことができる住宅用マンションに投資をする際は、通勤・通学の便利さや駅までの距離等が重要になります。

また、同じ住宅用でも単身者向けのワンルームマンションとファミリー向けのマンションでは求められる要素が異なります。自分が投資をしようとしているものに向いているかという観点で土地をチェックすることが重要です。

用途地域とあわせて必ず確認しておきたいのが、建ぺい率と容積率です。

これらを確認しておかないと思ったような建物が建てられないと言うこともあり得ますので、物件を購入する前に必ずチェックしておくべきポイントです。

築年数と建物等、「建物」に関する情報

土地の状況を把握できたら、次は建物の現状を把握する必要があります。

まずチェックしたいのは建物の築年数です。建物は古くなればなるほど金額は安く購入できるため、利回りは高くなる傾向があります。

しかし、利回りが高くても近い将来大規模な修繕を必要とする場合、結局経費が多くかかってしまいます。築年数とあわせて確認したいのが建物の構造です。

建物の構造を確認することで、どのように建物が建てられているかがわかります。

建物は構造別に法定耐用年数が決まっていますので、築年数と構造をあわせて確認することで、法定耐用年数があと何年かがわかります。

構造別の法定耐用年数は以下の通りです。

  • 鉄筋コンクリート造:47年
  • 重量鉄骨造:34年
  • 木造:22年



上記の通り、構造によって法定耐用年数は大きく異なります。例えば、築23年という物件であったとしても、木造であれば既に法定耐用年数を超えています。

一方で鉄筋コンクリート造であれば、20年以上法定耐用年数を残していると言うことになりますので、築年数と構造は必ずあわせて確認するようにしましょう。

価格と利回り

土地と建物の魅力度をふまえたうえで、価格と利回りを確認する必要があります。

ここで注意したいのは物件概要書に記載されている価格は売主の希望売却価格であると言う点です。買主が必ずしもこの金額で購入する必要があるわけではありません。場合によっては交渉して価格を下げてもらうことが可能です

土地と建物の魅力度がしっかり分析できているのであれば、「ここまで値段を下げてもらえば購入します。」という交渉をすることが可能です。

そのため、価格と利回りを見る前に土地と建物の概要を把握しておくことが重要となります。

価格と利回りは最初に目が行きがちですが、あくまで土地と建物の情報の方が重要です。価格と利回りは土地と建物の情報をしっかり頭に入れておかないとお得かどうかは判断できないといえるでしょう。

物件概要書ではわからないこと

物件概要書では様々な物件情報を読み解くことができます。

しかし、物件概要書ではわからないことも多々あります。物件概要書ではわからないことをチェックしておきましょう。

利回りは満室想定が書かれている

投資物件の物件概要書には、満室想定での利回りが記載されています。

そのため、現在空室でどれくらいの利回りが実際あるかは物件概要書ではわかりません。現状の利回りを知るためには「レントロール」を確認する必要があります。

レントロールとは物件の部屋別に入居状況・家賃・敷金・契約日等が一覧表になっている書類です。一覧表を見る事で実際の運用利回りや現況を知ることができるので、一棟マンションの購入を検討する際は必ず入手して確認しておきたい書類です。

物件概要書は、売主側の不動産仲介業者が作成することが多く不動産を売るための書類です。

都合の悪いことが物件概要書には表面化していない可能性もありますので、レントロール等の詳細が書かれている書類を確認しておくことが重要です。

現地の雰囲気

不動産投資をするうえで、書面ではわからないことは多くあります。

特に現地の雰囲気を知るために、物件概要書で不動産の概要がわかっていたとしても現地見学は必須と言えるでしょう。

また、現地の雰囲気は一度行っただけではなかなかわからないものです。平日や時間によって街の雰囲気が変わることもよくありますので、曜日や時間を変えて複数回見学することが重要です。

また、建物の状況も写真や書類だけではなかなかつかみにくいものです。実際にどの程度老朽化しているかは実際に現地を見学しなければわからないものです。

不動産は高額の買い物ですので、物件選定の手間を惜しまないようにしましょう。


まとめ

物件概要書について解説しました。

物件概要書は不動産をあらゆる側面から説明してくれる便利なものです。物件概要書を見る事で、土地の広さや権利関係、どのような建物が建っているかも一目瞭然です。

一方で、物件概要書だけではわからない点も多くあります。代表的なものが部屋ごとの契約状況等の細かい賃貸借情報です。

これらの情報は不動産投資をするうえで、欠かせない情報なので、必ずレントロール等の詳細資料を確認しておく必要があります。

また、物件概要書で物件の概要は把握できても、建物の老朽化具合や周辺の雰囲気など、現地に行ってみないとわからないことも多々あります。

物件概要書を過信せずに、様々な角度から物件を調査することも大切です。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ不動産プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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