不動産クラウドファンディング

【徹底解説】不動産投資型クラウドファンディングとは?選び方のポイント3つ

2020/09/29
【徹底解説】不動産投資型クラウドファンディングとは?選び方のポイント3つ
  • 「簡単に始められる不動産投資商品はない?」
  • 「不動産投資を始めたいけど、お金がない!」

このような疑問や不満を持ったことはありませんか?
一般的に不動産投資は、ハードルが高い投資だと認識されているので、上記のような疑問や不満を持つ人も多いはずです。何故ハードルが高いのか?

それは、一般的な不動産投資は、投資物件を購入して運用するため、多額の資金が必要になるからです。また、多くの手続きがある事や、内容が複雑な事もハードルを上げている一因とも言えます。

では、手軽にできる不動産投資はないのでしょうか?結論から言うと、存在します。それが、不動産投資クラウドファンディングです

不動産投資クラウドファンディングは、小額で投資ができて、手続きも事業者が行ってくれるため、比較的簡単に始められます。

とは言え、まだ案件数はそれほど多くなく、ノウハウが蓄積されていないことによって、一般的な不動産投資よりもリスクが高くなる可能性があるとも言えます。そのため、正確な知識を持つ事が何よりも重要です。

そこで、この記事では、不動産投資クラウドファンディングのメリットやデメリット、案件を選ぶときのポイントについて、詳細に解説していきます。

最後まで読んで、参考にしていただけると幸いです。

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、インターネットを利用して、不特定多数の人から資金を調達する仕組みのことです。

小額から個人が投資できるため、他の資金調達よりも、資金を手軽に集める事ができます。様々なパターンがあり、資金を支援してくれた人に、資金や物品、サービスを還元するパターンが一般的です。

では、クラウドファンディングは、いつから始まったのでしょうか?その始まりは2000年代のアメリカで、初めてのクラウドファンディングが行われました。

一方、日本では、2011年にクラウドファンディングサービスが始まり、2020年に発生した新型コロナウィルスの影響で、急速に浸透しています。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは、支援を行ってくれた人へのリターンによって、種類を分類することができます。

その種類は以下の4つです。

  • 購入型
  • 寄付型
  • 融資型
  • 投資型

それぞれの内容ついて、説明していきます。

購入型

購入型とは、プロジェクトを支援した人に、商品やサービスをリターンとして設定し、資金を集める方法です。支援をした人は、商品やサービスを買う感覚で支援できるのが特徴になります。

例えば、開発する商品をリターンに設定して、開発費用を集めるクラウドファンディングが該当します。クラウドファンディングの中で、最も多いのがこの購入型です。

寄付型

寄付型は、資金を寄付するため支援した人へのリターンはありません。社会貢献的な要素が強い案件が多く、支援する人も社会貢献を目的にしていることが多いです。

具体例としては、被災地への支援や子供達への支援などが該当します。

融資型

融資型は、クラウドファンディングの事業者を介して、複数の人から資金を集めて企業に融資する方法です。

集めた資金を企業に融資するため、支援した人は利息を受け取ることができます。

ただし、融資した企業が倒産するリスクがあるので、慎重に融資するか決めることが重要です。

投資型

投資型は、資金が必要な企業が株式や現金を見返りに、資金を調達する方法です。

非上場株式を発行して資金調達するものが多く、株式を発行するものは、株式投資型のクラウドファンディングとも呼ばれています。

この非上場株式は、流通取引ができないため、換金性が低いというリスクがあります。しかし、優良なベンチャーに出資し、将来的に上場すると、大きな利益を得ることが可能です。

このように、ハイリスクハイリターンなのが投資型になります。

不動産投資型クラウドファンディングとは

不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産を購入するための資金を調達するために、実施するクラウドファンディングのことです。

購入した不動産を運用し、その賃料収入や売却金から、支援者にリターン分を分配します。

金銭的なリターンがあるため、投資型クラウドファンディングの一種といえます。

不動産投資信託(REINT)との違い

不動産投資信託は、事業者が投資家から集めた資金で、多数の不動産に投資を行い、投資した不動産の収益から投資した人に、配当が配られる投資方法です。

では、投資型クラウドファンディングと不動産投資信託は何が違うのでしょうか?

その違いは、投資先を選択できることです。不動産投資信託は、事業者が投資先を決めるため、物件を選ぶことはできません。また、複数の物件に投資しているため、自動的に投資に必要なリスク分散がされています。

一方、クラウドファンディングは案件ごとに、物件が設定されているため、投資先を選択することが可能です。

案件ごとに投資先を決めるため、リスク分散を行うには、自分で投資先を複数にするなどの工夫が必要になります。

現物不動産投資との違い

現物不動産投資とは、不動産を購入した後に、管理会社に委託して運用することで家賃収入などを得る投資方法です。

不動産投資型クラウドファンディングとの違いは、自分で不動産を購入するため、多額の資金が必要な点です。そのため、分散投資がしにくいという特徴もあります。

一方で、不動産投資クラウドファンディングは、不特定多数が投資するため、小額で投資できるので分散投資が簡単に行えます。

不動産投資型クラウドファンディングのメリット

不動産投資クラウドファンディングのメリットは以下の3つです。

  • 小額で始められる
  • 優先劣後方式
  • 手続きが少ない

それぞれについて、説明します。

小額で始められる

不特定多数で投資するため、小額での投資が可能です。最低投資価格は、1万円に設定されていることが多く、小額なので気軽に投資を始めることができます。

このように、資金がなくても投資ができるので、小額で投資をしたい方におすすめです。

優先劣後方式

クラウドファンディングでの優先劣後方式とは、出資金を投資家と事業者に分けて、投資家の出資金から優先して返済する方法です。そうすることで、投資家のリスクが小さくなるメリットがあります。

具体的に言えば、以下のような場合が優先劣後にあたります。

投資家が3500万円、事業者が500万円の出資をし、合わせて4000万の出資を行った際、利益は3600万しか出ていない場合です。

このような場合には、投資家の3500万円を先に返済して、残りを事業者の返済にあてる形になります。

手続きが少ない

不動産投資クラウドファンディングは、事業者を介して投資を行うため、手間のかかる手続きを事業者が代行してくれます。

また、物件の選定や情報収集も事業者が行ってくれるため、通常の不動産投資よりも手間が圧倒的に少ないのが特徴です。

不動産投資クラウドファンディングのデメリット

一方で、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

それは以下の4つです。

  • 元本割れのリスク
  • 流動性のリスク
  • 融資の利用ができない
  • 投資資金を回収できないリスク

それぞれについて、説明していきます。

元本割れのリスク

不動産相場が大きく変動することによって、投資した時よりも不動産価値が低下し、元本割れしてしまうリスクがあります。

そのため、元本が割れる可能性を考えて、慎重に投資しなければなりません。

不動産投資クラウドファンディングでは、小額で投資できるというメリットを活用して、分散投資を行うことで、元本割れのリスクを回避することができます。

流動性のリスク

不動産投資クラウドファンディングは投資期間が事前に決められています。

そのため、運用期間を満了しないと、売却できない場合が多いです。

このように、売りたい時に売れないために、流動性のリスクが発生します。

流動性のリスクを防ぐためには、資金不足にならないように、余剰分の資金で運用するのがおすすめです。

融資の利用ができない

クラウドファンディングを投資するために、金融機関での融資が利用できません。

そのため、融資をうけることによって、資金にレバレッジをかけて、大きく収益を得るようなことはできないです。

融資を活用してレバレッジを最大限に活かしたい場合は、実物不動産投資を検討するといいでしょう。

投資資金を回収できないリスク

不動産投資クラウドファンディングの投資先は、ファンドや上場していない企業が多いため、倒産などにより投資資金を回収できない可能性があります。

通常の不動産投資と違って、間に事業者を挟むがために発生するリスクになります。

このように、不動産投資クラウドファンディングはリスクが高めなので、慎重に投資案件を選別することが重要です。

不動産投資クラウドファンディングを選ぶ3つのポイント

不動産投資クラウドファンディングは、多くの案件があり、慎重に選ばないといけません。

では、どこに気をつけて、選べばいいのでしょうか?気をつけるべきポイントを3点ご紹介いたします。

投資対象不動産の確認

投資する不動産の確認は、とても重要になります。

中には、通常の不動産投資で投資できる物件だけでなく、特殊な物件もあるからです。ここでは、投資先の物件それぞれの特徴について、説明していきます。

①マンション

マンションの特徴は、他の物件に比べて、安定していることです。都市部のマンションなどは、空室になるリスクも低く、家賃が低下することもあまりありません。
また、住居であるため、需要があるかぎりは景気などの影響を受けにくいことも特徴の一つです。一方で、募集金額が少ないため、人気の案件ではすぐに、上限になってしまうここともあります。
このように、安定しており、人気の案件も多いため、初心者でもおすすめの投資先です。

②ホテル

ホテルの特徴は、利回りが高いことです。特に、観光地案件は、利回りが高く設定されています。
しかし、観光客次第で、収益がかわるデメリットもあります。実際に、2020年の新型コロナウィルスでは、収益が悪化し、倒産してしまったホテルも少なくありません。
このように、収益が流動的であるため、高い配当と高いリスクのある投資先です。 

③オフィス・テナントビル

オフィスやテナントビルの特徴は、ホテルと同じく、収益性に変動があることです。特に、商店などの商業施設が入居している場合には、売上によって収益が変動するため、配当も合わせて変動する可能性があります。景気の影響を大きく受ける案件のため、景気を常に気にしておくことが重要です。
このように、不確かな部分も多い案件であるので、慎重に投資するか検討することが重要です。

運営元の確認

2つ目のポイントは、不動産投資クラウドファンディングを運営している会社の確認です。

確認するときのポイントは、案件数と利回りです。

①案件数

多数の投資案件数があれば、選択できる案件が多くなり、多数の投資を行えるので、リスクを分散することが可能です。
一方で、投資案件数が少ない運営元なら、選択肢も狭くなり、人気の案件は競争になってしまいます。特に、利益を多く得たい人は、案件の多い運営会社に登録することをオススメします。

②利回り

不動産クラウドファンディングの一般的な利回りは、3%〜6%と言われています。
そのため、好条件のクラウドファンディングが多数を占めている運営会社には、注意が必要です。
好条件ばかりの案件がある場合は、運営会社が案件のチェックが甘い可能性が高く、詐欺などの案件がある可能性があります。
このような詐欺にあうのを防ぐためにも、必ず運営元の確認をするようにしてください。

情報開示

投資先の情報を詳しく開示しているかを確認することが重要です。

なぜなら、不動産投資クラウドファンディングは、物件ごとに投資するため、投資先の情報を詳しく開示されている必要があります。

開示されている情報が少ない場合には、何か問題があるのかもしれません。

このように、開示されている情報の量は、その案件の信頼度に比例します。そのため、他の案件の情報量と比較しながら、確認するようにしてください。

まとめ

不動産投資クラウドファンディングは、小額で始められて、手続きも少ないため、手軽でできる人気の投資方法です。

一方で、正確な知識がないと、貸し倒れや元本割れ、詐欺などのリスクもあります。

このようなことを防ぐためには、どのような投資先があるのか、案件を選ぶ時の注意点などを把握することが重要になります。

この記事を参考にして頂き、クラウドファンディング投資を進めて頂けますと幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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