不動産投資とは

城南3区(世田谷区・目黒区・渋谷区)での不動産投資事情とは?

2020/10/13
城南3区(世田谷区・目黒区・渋谷区)での不動産投資事情とは?

不動産投資において、立地の選択は非常に重要です。

東京の城南3区(世田谷区・目黒区・渋谷区)は、好立地のエリアとされています。

表参道(渋谷区)や自由が丘(目黒区)下北沢(世田谷区)など、首都圏に住んでいなくとも知っている方が多い、ブランド力のあるエリアです。

商業施設や教育機関なども多くあり、サラリーマンやOL、学生などの入居者が多く見込めます

こちらの記事では、城南3区(世田谷区・目黒区・渋谷区)における不動産投資事情について解説していきます。

城南3区とは?

東京都の世田谷区・目黒区・渋谷区を「城南3区」といいます

この城南3区には、商業施設など教育機関が多く存在し、サラリーマンやOL、学生などが多く集まります。

世田谷区の代表的な駅として、「二子玉川」・「三軒茶屋」・「下北沢」といったものがあります。

同様に、目黒区には「自由が丘」・「中目黒」・「祐天寺」、渋谷区には、「代官山」・「表参道」・「原宿」・「恵比寿」があります。

「聞いたことがない」という人の方が少数派ではないでしょうか。

このように、城南3区のエリアは高い「ブランド力」を誇っています。それゆえ、駅付近にマンションがあってもすぐに入居者が決まってしまうほど人気があります。

例えば、「明大前駅」、「成城学園前駅」、「駒沢大学駅」は世田谷区に、「学芸大学駅」、「駒場東大前駅」、「都立大学駅」は目黒区にある駅です。

これだけでも、多くの学生がいることが分かります。

城南3区は、ブランド力もあり、人が多くいるわりには、都心3区(港区・千代田区・中央区)と比べると土地価格が安く不動産投資を行うには良いエリアといえるでしょう。

城南3区における不動産投資のメリット

空室リスクが低い

不動産投資にはさまざまなリスクが存在しますが、最もリスクが高いものの一つが「空室リスク」です。

入居者がいない間は、家賃収入が得られないため、ローンの返済を自身の預金等から行わなければなりません。

入居者が入れかわるタイミングで家賃収入が1ヶ月~2ヶ月得られないくらいであれば、マイナスは最小限に抑えられますが、それ以上空室期間が長引いてしまうと、オーナー自身の生活にも、影響が出てきてしまいます

しかし、城南3区は前述のようにサラリーマンやOLをはじめ学生が大勢いるエリアです。

また、山手線をはじめとして小田急線、東急線(東横線・田園都市線・大井町線・目黒線)や京王線など、多くの路線があり利便性は非常に高いです。

そのため、賃貸ニーズが高く、空室リスクが他エリアと比べて抑えることが可能です。

安定した不動産運営が期待できるでしょう。

東京23区の中で地震に強い

日本は、言わずと知れた地震大国です。

近年では、地震だけでなく集中豪雨による洪水や土砂災害による被害も目立つようになりました。

また、2011年の東日本大震災時のように、地震による家屋の倒壊のみならず火災や津波といった二次災害によって被害が拡大してしまうケースもあります。

不動産投資を行う際に、火災保険や地震保険に入っていれば、補償の対象となりますが、火災や地震が起こらないに越したことはありません。

東京都都市整備局から公表されている、「地震に関する地域危険度測定調査」というものがあります。

この調査では、「都内の市街化区域の5,177町丁目」において「建物倒壊危険度」や「火災危険度」を5段階で表しています。

ランク1の危険度が最も低く、ランクが上がるにつれて危険度が増していくというものです。

ランク3~5のエリアがある一方で、城南3区(世田谷区・目黒区・渋谷区)においては、ほとんどの「町丁目」で危険度が1または2となっています。

こういった災害に強い=入居者が安心して生活できるという点も、城南3区における大きなメリットといえるでしょう。

出典:東京都都市整備局 地震に関する地域危険度測定調査

城南3区で不動産投資する時のポイント

「城南3区」内であっても「立地」にはこだわる

どんな物件であっても年数が経過するとともに劣化をしていきます。

立地が良くない物件であれば、築年数が経っていくと、城南3区内であっても需要の低下は避けられないでしょう。

立地が良く利便性の高い物件であれば、古くなっても、需要が下がる可能性を抑えることができます

高家賃の設定が可能

城南3区においては、「家賃が少し高くても住みたい」という方が多くいるため、高家賃の設定が可能になります。

下表は、城南3区における間取りが「1R~1K」の家賃相場です。(2020年9月14日作成)

エリア新築築10年以内築20年以内
世田谷区10万円9.33万円9.04万円
目黒区12.32万円11.36万円10.69万円
渋谷区13.71万円12.46万円11.78万円

世田谷区・目黒区の家賃相場は、都心3区と呼ばれる港区・千代田区・中央区には及ばないものの他のエリアと比較すると高水準になっています。

特に渋谷区は、都心3区とも、家賃相場は良い勝負です。

家賃が高く設定できるということは、物件の購入価格を抑える(=月々のローン返済額を抑える)ことで、高利回りが期待できます

出典:アットホーム

城南3区とその他の区で不動産投資を行った場合のシミュレーション

城南3区の物件は、「価格が高く利回りが低い」と思われている方もいて、初めから検討せずに外してしまう方も少なくないです。

実は、城南3区内でも物件によっては決して手が届かない価格の物件がありますので、ここでは、城南3区とその他の区で不動産投資を行った場合のシミュレーションを行ってみたいと思います。

それぞれ1物件ずつ比較していきます。

条件を合わせるために、以下の通りとします。

【物件の条件】

  • 間取りは、「1R」
  • 駅徒歩10分以内

【融資の条件】

  • 自己資金200万円
  • 金利2.0%
  • 返済期間35年

城南3区(渋谷区)の不動産投資シミュレーション

①物件例

  • 価格:2,850万円
  • 築年数:16年4ヶ月
  • 専有面積:32.21㎡(ワンルーム)
  • 家賃収入:12万円
  • 最寄駅:徒歩6分
  • 管理費・修繕積立金:16,890円

②シミュレーション結果

  • 月々の返済額:87,784円
  • 表面利回り:5.1%
  • 月々の収支(家賃-ローン-管理費・修繕積立金):15,326円
  • 10年後の収支累計:1,839,120円

※家賃の上昇/下落、金利の上昇/下落は考慮しておりません。

また、その他経費は含んでおりません。

城南3区以外の区(板橋区)の不動産投資シミュレーション

①物件例

  • 価格:1,750万円
  • 築年数:13年8ヶ月
  • 専有面積 :4.30㎡(バルコニー含む)
  • 家賃収入:7.5万円
  • 最寄駅:徒歩7分
  • 管理費・修繕積立金:9,700円

②シミュレーション結果

  • 月々の返済額:51,345円
  • 表面利回り:5.14%
  • 月々の収支(家賃-ローン-管理費・修繕積立金):13,955円
  • 10年後の収支累計:1,674,600円

※家賃の上昇/下落、金利の上昇/下落は考慮しておりません。

ここまでのシミュレーションで、城南3区での不動産投資のイメージがつかめたでしょうか。

城南3区は、物件価格がやや高いものの、賃料収入もしっかりと確保することができるので、物件の選定をきちんと行えば、月々の収支は大きくプラスになります

また、将来的な需要を鑑みても出口戦略で有利に働く可能性もあります。

※こちらのシミュレーションには、固定資産税や所得税などの費用が含まれておりませんので、ご注意ください。

まとめ

城南3区の投資用不動産は、物件価格が高くて、中々手が出せないというイメージはこちらの記事を読んでみていかがでしたでしょうか。

シミュレーションの際にも紹介しましたが、物件価格が3,000万円を切る中古マンション物件も多くあります。

手を出すことが可能なエリアであることがご理解いただけたのではないでしょうか。

城南3区での不動産投資を考えてみてはいかがでしょうか。


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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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