不動産投資において、立地の選択は非常に重要と言えます。東京の都心三区(千代田区・中央区・港区)は、好立地のエリアとされています。
好立地であるがゆえ、購入金額の高さのイメージが先行し、検討すらしない方もいるのではないでしょうか。本当に、都心三区での不動産投資は購入するのが難しいのでしょうか。
また、購入した上で利益をあげることはできるのでしょうか。
こちらの記事では、都心三区(千代田区・中央区・港区)における不動産投資事情について解説していきます。
東京都の千代田区・中央区・港区を「都心三区」といいます。この三区に加えて、渋谷区・新宿区・文京区を合わせた六区を「都心六区」と呼んだりもします。
都心三区には、政府や金融機関、大企業の本社が集中し、日本経済の中枢となっています。「利便性」という意味においては、日本中どこを探しても、このエリアより良いところはないのではないでしょうか。
また、多くの住居があり高級住宅地としても知られています。一般的に、このエリアに物件を持っているだけで、ステータスが上がるようなイメージです。
この都心三区(特に港区)には、大使館も数多く設置されており、海外のビジネスマンも多い街です。
立地というのは、何も駅からの近さだけを指すものではありません。住んでいるところから、スーパーや病院までの距離など、生活するために必要な場所までの距離も含まれます。
また、通勤までの時間が短いということも、立地という面では大きな要素です。都心三区内であれば、どこの場所でも徒歩10分圏内に鉄道や公共交通機関があるのも立地が良いといわれる大きな要因です。
どんな新築の物件でも、時間経過とともに劣化していきます。利便性が悪い物件であれば、築年数が経過していくと需要の低下は避けられません。しかし、利便性が良い「都心三区」にある物件であれば、古くなっても需要が下がってしまう可能性は低くなります。
国立社会保障・人口問題研究所による、2045年における対2015年比の人口増加率が発表されています。人口が増えるエリアはまだまだありますが、65才以上の老齢人口が増えることによって増加しているエリアがほとんどです。
そんな中、「都心三区」については、15才~64才の生産年齢人口がどの区も増加率が10%以上になっています。
※( )内は増加率
首都圏の中で、生産年齢人口の増加率が10%を超えているエリアは他にはありません。
※人口10万人に満たない自治体を除く
このため、都心三区では、長期的にニーズが継続し、効率の良い資産運用ができるといえるでしょう。
都心三区においては、家賃が少々高くても住みたいという人が多くいるため、家賃を高く設定できる可能性が高いです。
下表は、東京都23区の間取りが「1R~1K」の家賃相場です。(2020年8月24日作成)
エリア | 新築 | 築10年以内 | 築20年以内 |
---|---|---|---|
千代田区 | 13.29万円 | 13.09万円 | 11.48万円 |
中央区 | 15.22万円 | 13.30万円 | 11.59万円 |
港区 | 15.08万円 | 13.34万円 | 12.56万円 |
新宿区 | 11.08万円 | 10.76万円 | 10.23万円 |
文京区 | 11.33万円 | 10.51万円 | 9.50万円 |
台東区 | 10.62万円 | 10.21万円 | 9.95万円 |
墨田区 | 10.56万円 | 9.25万円 | 9.25万円 |
江東区 | 10.77万円 | 10.01万円 | 9.70万円 |
品川区 | 10.35万円 | 9.99万円 | 9.75万円 |
目黒区 | 12.00万円 | 11.36万円 | 10.68万円 |
大田区 | 9.30万円 | 8.54万円 | 8.28万円 |
世田谷区 | 10.03万円 | 9.33万円 | 8.96万円 |
渋谷区 | 13.75万円 | 12.30万円 | 11.85万円 |
中野区 | 8.37万円 | 8.35万円 | 8.23万円 |
杉並区 | 9.33万円 | 8.62万円 | 8.32万円 |
豊島区 | 11.02万円 | 9.61万円 | 9.10万円 |
北区 | 8.74万円 | 8.02万円 | 7.89万円 |
荒川区 | 7.55万円 | 7.56万円 | 7.64万円 |
板橋区 | 8.58万円 | 8.05万円 | 7.86万円 |
練馬区 | 8.05万円 | 7.57万円 | 7.39万円 |
足立区 | 7.03万円 | 6.75万円 | 6.76万円 |
葛飾区 | 7.47万円 | 6.74万円 | 6.69万円 |
江戸川区 | 7.49万円 | 7.06万円 | 6.97万円 |
参照:アットホーム
ご覧のように、都心三区は家賃が高いことが分かります。築年数が経過しても、家賃が見込めるため安定した不動産経営ができる可能性が高いと言えます。
不動産投資は、さまざまなリスクが存在します。
その中で、最もリスクが高いのは「空室リスク」といわれています。
入居者がつかない間は、家賃が全く入ってこないため、ローン返済は自身の預金から支払わなければならなくなります。入居者の入れ替わりのタイミングで、1ヶ月~2ヶ月ほど家賃が入ってこないだけなら、被害は最小限に抑えられますが、それ以上長引いてしまうと自身の生活に影響が出てしまうケースもあります。
しかし、都心三区であれば、賃貸ニーズが高いため空室リスクの可能性は他のエリアと比較すると低く、安定した運用が期待できるでしょう。
都心三区の物件は物件価格が高い、利回りが低いと思われている方が多く、最初から検討から外してしまう方も少なくないでしょう。
実は都心三区の物件でも物件によって手の届かない価格ではない物件もありますので、こちらの章では都心三区にある物件とそれ以外の区の物件で、不動産投資をした場合のシミュレーションを比較してみました。
ぜひ参考にしてみてください。
条件を合わせるために、以下の通りとします。
【物件の条件】
【融資の条件】
まずは都心三区にある港区の物件をみてみましょう。
①物件例
②シミュレーション結果
※家賃の上昇/下落、金利の上昇/下落は考慮しておりません。また、その他経費は含んでおりません。
続いて、北区の物件をみてみましょう。
① 物件例
②シミュレーション結果
※家賃の上昇/下落、金利の上昇/下落は考慮しておりません。また、その他経費は含んでおりません。
ここまでのシミュレーションで、都心三区での不動産投資のイメージがつかめたでしょうか。
都心三区は、物件価格がやや高いものの、賃料収入もしっかりと確保することができるので、ご予算が合う条件の前提で物件の選定をきちんと行えば、月々の収支は大きくプラスになります。
なお、こちらのシミュレーションには、固定資産税や所得税などの費用が含まれておりませんので、ご注意ください。
都心三区の物件を取り扱っている不動産投資会社5選です。
このエリアで、投資用不動産の購入を考えている方は、是非HPをご覧ください。
https://www.meiko-trading.co.jp/
https://gatestokyo.co.jp/#pcsc
都心三区の投資用不動産は、敷居が高く中々手が出せないというイメージがあるかと思いますが、こちらの記事を読んでみていかがでしたでしょうか。
築年数などの物件条件にもよりますが、都心三区は決して手が出せないエリアではないことがご理解いただけたのではないでしょうか。
都心三区は立地が良く、この先20年以上にわたって生産年齢人口も増えることから、市場は、将来的にも期待できます。
ぜひ都心三区も含め不動産投資、一度考えてみてはいかがでしょうか。