不動産投資とは

【徹底解説】オリンピック延期が不動産投資に与える影響とは?

2021/02/26
【徹底解説】オリンピック延期が不動産投資に与える影響とは?
  • 「オリンピックが延期されたことによって、不動産投資はどのような影響をうけた?」
  • 「さらにオリンピックが中止になったら、不動産投資はどのような影響を受ける?」

不動産投資を実施、検討している方なら、このような疑問や不安を持っているのではないでしょうか。

オリンピックが延期したことにより、不動産投資に多くの悪影響があったのではないかと考える方も少なくないでしょう。

 しかし、本当にオリンピックの延期によって、不動産投資に悪影響はあったのでしょうか?

実は、現状では不動産価格はあまり影響をうけておらず、悪影響はほとんどないです。

ただ、今後は不動産投資に対する融資の審査基準がより厳しくなるなど、不動産投資を行いにくい状況が予想されています。

ですから、これから不動産投資を始めようという方は、スピーディに動くことが重要になります。

そのため、現状の不動産投資についてよく理解することは必要不可欠です。

 そこで、この記事では、オリンピック延期前の状況からオリンピックの延期が決定した後の状況、オリンピックが中止した場合の状況について、詳しく解説をしてきます。

最後まで読んで、不動産投資の参考にしていただけると幸いです。

 オリンピック延期前の状況

2013年に東京オリンピックの開催が決定してから、2020年にコロナウイルスによって延期が決まるまで、不動産投資の状況はどのような状態だったのでしょうか?

まずはオリンピック延期前の状況について、詳しく説明します。

不動産価格は高値で動いていた

2020年2月にコロナショックが発生するまで、不動産価格は右肩あがりで上昇していました。

特に、都内のマンション価格は大きく上昇しています。

出典 : 国土交通省 住宅不動産価格指数(https://www.mlit.go.jp/common/001294602.pdf

このように、不動産価格が上昇している主な理由は以下の2つです。

  • インバウンド需要
  • 再開発

それぞれの理由について、説明していきます。

 ①インバウンド需要

不動産価格が上昇した理由の一つは、中国や台湾を中心とした外国人投資家の存在です。

オリンピックの開催が決定したことで、多くの外国人投資家が日本の不動産に将来性を感じて、不動産投資の人気が上がりました。

特に、東京のマンション価格は高値で取引されており、インバウンドの需要によって、大きく価格が上昇しています。

 ②再開発

不動産価格が上昇したもう一つの理由が、東京オリンピックの開催によって計画された再開発です。

例えば、オリンピックの開催に向けて新駅を始めとした大規模なインフラ整備が実施されています。

こうした再開発によって、企業誘致や住宅需要の増加が起きたことにより地価が上昇し、不動産価格が上昇しました。

特に、新設駅の「高輪ゲートウェイ駅」の周辺は、東京でも最大規模の再開発が計画されており、不動産価格が大きく上昇しています。

 オリンピック延期後の影響

ここまで、オリンピックが延期される前の状況について、説明してきました。

では、2020年3月に決定したオリンピックの延期によって、不動産投資はどのような影響を受けたのでしょうか?

新型コロナウイルスによって起きたコロナショックの影響も含めて、説明していきます。

 コロナショックが与えた影響

まず、オリンピックが延期する原因となったコロナショックの影響を解説していきます。

主な影響は以下の3つです。

  • 金融機関の融資の審査基準が厳しくなる
  • 低金利政策は維持
  • 商業施設やホテルなどには、大きな影響がある

それぞれについて、詳しく説明していきます。

 ①金融機関の融資の審査基準が厳しくなる

新型コロナウイルスの影響で、不動産投資への融資が少しずつ厳しくなっています。

特に、コロナショックにより、年収に影響が出た人はその可能性が高いです。

 ②低金利政策は維持

コロナショックにより、株価が大きく下落しました。

それを受けて、各国の中央銀行は景気対策として、大規模な金融緩和を実施しています。

同様に、日本でも日本銀行が大規模な金融緩和を行っており、日本銀行の黒田総裁は、「大規模な金融緩和は、長期化が予想される」という見通しを発表しています。

そのため、当分の間は低金利政策が維持されるといえるでしょう。

 ③商業施設やホテルなどには、大きな影響がある

緊急事態宣言から始まった外出自粛の影響やインバウンド需要の低下により、商業施設や飲食店は売り上げを落としています。

特に、旅行者の減少により、ホテルや旅館、民泊などは、多くの悪影響がある状況です。

 投資物件の価格は大きく下落はしていない

投資物件については、外国人の入国制限によって、インバウンド需要が少し落ち込んでいますが、マンションなどの住宅系の不動産はその影響をあまり受けていません。

特に、東京都内は人口が増加しており、住宅の需要があるため、影響は少ないです。

 また、オリンピックは中止ではなく、延期であるため、さまざまな需要が先延ばしになっただけで、需要がなくなったわけではありません。

住宅の需要が低下していないこと、先の見通しがある程度できることにより、物件価格は大きな下落はしていないのです。

インフラ整備は継続している

先ほど、説明したように、オリンピックは中止ではなく、延期です。

そのため、2021年の開催に向けたインフラ整備などの再開発は継続しています。

ですから、再開発によって期待されている人口増加や企業誘致の状況も変化していません。

このように、オリンピックが中止にならない限りは、影響は少ないと考えられるでしょう。

 これから不動産投資を検討されている方はスピード勝負になるかも?

オリンピックの延期が決定する前と、今の状況について理解できたと思います。

では、今、不動産投資を検討するなら、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか?

それは、不動産投資を始めるスピードです。

では、なぜスピードが大事なのかを詳しく説明していきます。

不動産投資を検討する方が増えている

不動産投資を検討する方が増えているため、優良な物件を購入できるチャンスが減っているのです。

反面、新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化した個人や会社が物件を手放すことが予想されています。

ですから、優良物件があれば素早く投資を行う必要があるのです。

 そもそも、なぜ不動産投資をする人が増えているのでしょうか?

それは以下の2つの理由によって、増えています。

 ①コロナを経験して資産形成の重要性に気づき、不動産投資を始める方が増えている

新型コロナウイルスの影響によって、倒産や減給、ボーナスカットなど収入が減少した人は珍しくありません。

また、減少していない人でも新型コロナウイルスなどの不測の事態によって、収入が減少する危険性を感じた人は多いです。

 こういった不測の事態による収入への影響を少しでも小さくするために、資産形成が重要であると多くの人が気づきました。

そのため、資産形成の重要性に注目され、不動産投資を検討する方が増えているのです。

 ②コロナの影響で株価の急落を受け、金融商品投資家からの不動産投資への方が増えている

コロナショックにより株などの金融商品は大きく下落をしました。

また、生活スタイルの変化などで、大きく売上が減少した業界もあり、株によって損をした人は多いです。

現在はある程度の水準まで株価が回復をしています。

 このように、株などの金融商品は景気などの影響を受けやすく、不測の事態が起きると、乱高下が激しい商品と言えるでしょう。

一方で、不動産投資は景気の影響は受けますが、株価などよりも影響は少なく、安定性があります。

こういった商品の特性から、金融商品投資家がリスク分散をするために、不動産投資も行うことが増えています。

融資の審査基準が厳しくなった

融資の審査基準がより厳しくなり、融資を受けにくい人が増えてきています。

特に、新型コロナウイルスの影響で勤務先の経営状況が悪化した人は、融資が受けにくい状態になっているのではないでしょうか。

 その理由は、勤務先の経営の状態が悪くなると、信用評価が低下するからです。

信用評価とは、「融資した資金を返済する能力があるか」を評価するものになります。

そのため、勤務先の業績が悪化すると、信用評価が低下してしまいます。

 特に、コロナウィルスの影響で減給された方は要注意です。

当然ですが、収入が減少すると金融機関は融資をしてくれない可能性が高くなります。

 こういった状況に陥らないためにも、勤務先が新型コロナウイルスで悪い影響を受けているのなら、迅速に不動産投資に取り組むことが重要です。

 オリンピックが中止の可能性もなくなったわけではない

オリンピックが延期されたことにより、不動産価格や不動産投資の状況がどう変化しているのかを理解できたと思います。

そこで、最後に確認したいのが、「オリンピックが中止した」場合の影響です。

詳しく説明していきます。

オリンピックが中止になる可能性

現状、オリンピックは延期され、2021年に開催する予定になっています。

しかし、オリンピックが中止になる可能性はなくなったわけではありません。

なぜなら、依然として日本や欧米、南米などで新型コロナウイルスは猛威をふるっており、世界的な終息がいつになるかわからないからです。

 また、オリンピックの選考会も延期されており、入国制限や移動制限がある中でどう準備をするのかなど、多くの課題もあります。

オリンピックを開催するためには、こういった課題を解決していく必要があるのです。

 オリンピックの中止が不動産投資に与える影響

では、もし、オリンピックが中止になった場合には、不動産投資においてどのような影響が考えられるのでしょうか?

オリンピックが中止になった場合には、不動産価格が下落することが考えられます。

特に、商業施設や観光施設は大きな影響を受けるでしょう。

こういった影響によって、未曾有の不景気になる可能性も大いにあります。

 しかし、オリンピック後も予定されている再開発は今後も続くと予想され、住宅需要も大きく減少するとは考えにくいです。

そのため、不動産投資においては、ある程度の悪い影響はあると考えられますが、他の投資商品よりは影響は少ないといえます。

 このように、オリンピックの開催について不透明な部分が多いことは事実です。

不動産投資を検討する際は、十分に注意しておいてください。

 まとめ

ここまで、オリンピックの延期が不動産投資に与える影響について詳細に説明してきました。ご理解頂けましたでしょうか。

 文中でも述べましたが、今後、不動産投資を検討する場合には、スピードが非常に重要になってきます。

特に勤務先が新型コロナウイルスの影響を大きく受けているのなら、すぐにでも動くことが必要です。

 ただし、迅速に動きながらも、不動産投資の状況を正確に把握することは忘れないでください。

オリンピックの延期や中止によって不動産投資にどのような影響があるのかについて気にされている方は、ぜひこの記事を参考にして頂けますと幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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