年金や退職金が減少傾向で老後の資金はどうしたらよいのか・・・といった不安を抱えている方が増えてきています。
そのような方にとって問題解決が期待されているのが「リバースモーゲージ」です。老後の資金に不安を感じる方にとっては、検討すべき1つの商品といえるでしょう。
こちらの記事では、仕組みやメリット・デメリットを解説していきます。
ご自身の住宅を担保にして生活に必要な資金の借り入れを行います。借り入れを行った方は、ご自身の家に住み続けることができます。
そして、借り入れを行った方が亡くなったときに、担保となっている不動産(ご自身の家)を売却することで、借り入れ分を返済します。
これを「リバースモーゲージ」といいます。
一般的な住宅ローンでは、金融機関などから一括で融資された金額を月々返済していく形になっています。月々返済していった結果、最終的には借り入れの残高が0になります。
一方、「リバースモーゲージ」は、一括で融資された金額を最後にまとめて返済する仕組みになっています。
近年においては、「晩婚化によって住宅購入年齢の上昇」、また「住宅ローンを長期(35年以上)で組む方が増えている」などの理由で、定年退職後になっても住宅ローンが残っている方が増えているのです。
定年退職すると、一般的は現役時と比較して収入の水準は低下することになります。
そのような状況で、住宅ローンを返済しながら生活資金を確保するのに、不安を抱えている方が増えているのです。
そのような方々を中心に「住宅ローン」から「リバースモーゲージローン」への借り換えを検討する方が増加してきています。
リバースモーゲージのメリット・デメリット・留意点は主に以下のようなものがあります。
現役世代の時に頑張って購入したマイホーム。
購入後は、お子様の食費や学費などと並行して何とか家計をやりくりしてローンを返済してきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。定年を迎えて、ローンの支払いが厳しくなったという理由で、愛着のあるマイホームを手放さなければならなくなるのは何とも悲しいことです。
そんな方々にとって、ご自身の家に住み続けながら、老後の生活資金を調達できる「リバースモーゲージ」は、とても大きなメリットのある商品です。
住宅ローンでは、基本的には毎月「元金+利息」の返済があります。
しかし、リバースモーゲージは「最後に」一括返済する仕組みです。利息だけは、毎月支払っていかなければなりませんが、元金の返済がないことで、月々の資金繰りに余裕が生まれます。
有効活用することで、ゆとりを持った生活を送ることができるでしょう。
夫婦で一緒に住んでいて、契約者である夫が亡くなってしまった場合に妻はどうなってしまうのでしょうか。夫が亡くなった後に、担保となっていた住宅は売却などの処分をしなければならないのでしょうか。その心配はありません。
多くの金融機関が、そのような状況を想定して配偶者の方に契約を引き継げるようにしてあります。詳しくは、金融機関に問い合わせてみると良いでしょう。
元金の返済は必要ありませんが、利息の支払いは毎月行う必要があります。契約期間中に金利が上昇してしまった場合は、利息の支払い金額が上昇してしまいます。
そうなると、当初想定していた月々の生活費が減少することになり、家計が苦しくなってしまうといったリスクがあります。
一定期間毎に担保価値の見直しがなされます。万が一、評価額が下落してしまった際には、融資限度額が減額されてしまうリスクがあります。
融資限度額が減額されてしまった際に、その融資限度額を借り入れの残高より上回ってしまうと、差額を返済しなければならなくなるというリスクもあります。
これは、皮肉なリスクです。ご存知のように日本人の平均寿命は年々増加していて、世界でみてもトップクラスです。
今後も医療の進歩などによって少しずつ増加していくことになるでしょう。
長生きすることは、とても喜ばしいことですし、素晴らしいことですが、この長生きがリスクになってしまう可能性があるのです。なぜでしょうか。
前述のように融資限度額が設定されているのはご理解いただけていると思います。
つまり長生きすればするほど、この融資限度額に到達する可能性は上がります。
融資限度額に達すると一般的にはそれ以上の融資を得ることが出来ないことになります。融資が得られなくなると、生活に必要な資金に困ってしまうことになりかねないのです。
また、リバースモーゲージでは一般的に亡くなった後に売却等を行いローンなどの返済を行いますが、返済の最終期限が設定されているケースもあります。
もしも、亡くなっていなくとも最終期限を迎えると元金や利息を一括で返済しなければならないといったリスクも存在することを覚えておきましょう。
なお、こちらのリスクを読んでリバースモーゲージを恐ろしい商品だと感じた方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、こちらの記事は、あくまで、考えられるリスクを上げさせていただいています。当然、商品を設計する側もこういったリスクをしっかり考慮した上で、商品設計を行っています。
もし、問題のある商品であればとっくに社会問題となってニュースなどで大きく取り上げられていることでしょう。極端な金利上昇や、資産価値の下落が起こらない限りにおいて、大きな心配もないと言えるでしょう。
不動産評価額は「土地+建物」で算出されます。担保評価において「建物」よりも「土地」の方が重要視されています。
対象となるのは一戸建ての物件と考えていただいてよいでしょう。
もちろん、金融機関によってマンションでも対象になるケースもありますが、数が少ないうえに一戸建ての場合と比べて条件が厳しくなることもあります。
融資された資金の使い道を限定している金融機関もあります。そもそもが「老後の生活資金」の確保が目的だからです。
使い道を原則自由にしてある場合でも、投資や事業資金の利用は認めていないケースが多いので、事前に良く確認するようにしましょう。
借り入れをしていた方が亡くなった後に、金融機関は担保の不動産を売却します。
リバースモーゲージローンには、「リコース型」と「ノンリコース型」があります。
その代わり、「ノンリコース型」は金利が高めに設定されているのが一般的です。
前述のように、住宅ローンから借り換えをすることができます。
支出を抑えることができ、生活資金を確保することができます。
老後になって、ローン返済が苦しいから愛着の自宅を手放す・・・。
こんなに悲しいことにならないよう、自身の家に住んだまま生活資金を確保することができます。
お子様がいらっしゃらず、ご自身の家を残す必要がない方で、セカンドライフを夫婦で充実させたいという場合には最適です。
金融機関によって、使い道を限定されているので確認は必要になりますが、レジャーなどに利用できるケースもあります。
お子様が遠く離れた場所に住んでいるなどの理由で、自身の家で暮らすよりも老人ホームで暮らしたいと考えている方もいらっしゃるかと思います。
中には、老人ホームに入るための費用を捻出するために、自身の家を売却する方もいます。
しかし、お子様たちが帰省してくる際に利用したいなどの理由で、亡くなるまで自身の家は手放したくないと考えている方もいるようです。
自身の家を手放すことなく老人ホームの入居費用に充てることができます。
いかがでしたでしょうか。
リバースモーゲージの仕組みやメリット・デメリットをご理解いただけたことと思います。
自身の家を担保に老後の生活資金を借りることが出来るといった大きなメリットがある一方で、少なからずデメリットやリスクもありますので、慎重に検討されるとよいでしょう。
老後資金に不安を感じている方は一度、金融機関等に相談してみてはいかがでしょうか。