土地を所有していると、固定資産税などの支払いもあるので、なんとか有効活用できないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、リスクが比較的低く、初心者でも始めやすい土地活用について紹介していきます。
まず土地を放置した場合(=空き地にしたまま)のリスクやデメリットから解説します。
住宅用地の特例によって、住宅が建築されている敷地は固定資産税が大幅に減額されます。
この「住宅」に該当するのは、自身が居住用として利用する戸建てだけではありません。
賃貸用の戸建て、アパート、マンションも対象となるのです。
軽減される割合は以下の通りです。
| 固定資産税の 課税標準額 | 都市計画税の 課税標準額 |
一戸あたり200㎡までの部分 ※小規模住宅用地 | 評価額×1/6 | 評価額×1/3 |
一戸あたり200㎡を超える部分 ※一般住宅用地 | 評価額×1/3 | 評価額×2/3 |
シミュレーションの条件は下記となります。
5,000万円×70%×(1.4%+0.3%)=595,000円
固定資産税+都市計画税=595,000円 となります。
2,000㎡の土地に戸建てを1棟建築した場合は、200㎡が「小規模住宅用地」となり固定資産税の課税標準額を算出する際の評価額が1/6に、残りの1,800㎡が「一般住宅用地」となり評価額が1/3となります。
■固定資産税
5,000万円×200/2000×1/6×1.4%+5,000万円×1800/2000×1/3×1.4%
=221,666円
■都市計画税
5,000万円×200/2000×1/3×0.3%+5,000万円×1800/2000×2/3×0.3%
=95,000円
固定資産税+都市計画税=311,666円
となり、空き地の場合と比べると「約280,000円」下がる計算になります。
2,000㎡の土地に、10戸のアパートを建築する場合は、200㎡×10戸=2,000㎡が「小規模住宅用地」としての扱いになります。
よって、このケースでは土地全体が、固定資産税の課税標準額を算出する際の評価額が1/6になります。
5,000万円×1/6×1.4%=116,666円
5,000万円×1/3×0.3%=50,000円
「固定資産税+都市計画税=166,666円」となり、空き地の場合と比べると約430,000円下がる計算になります。
「窓割れ理論」をご存知でしょうか。
窓割れ理論とは、建物の割れた窓を修理などせず、そのままにしておくと犯罪の確率が上がるというものです。
空き地になっている所に落書きがあったり、ゴミが捨ててあったりした場合には、犯罪が起こる確率が上がるというデータもあります。
犯罪が起こらなくても、ゴミなどが放置されたままになってしまうと付近の住民からの苦情は免れません。
まずは不動産投資の王道、アパート、マンションの賃貸経営です。
入居者を募集し、家賃収入でローンや固定資産税などを支払っていきます。
前述のように、空き地のままにしておくなら、アパート等を建築して、土地活用をすることをオススメします。
満室に近い経営を行うことによって、コストの早期回収ができ将来の安定した収入源になります。
所有している土地にコインランドリー用の建物を建築し、利用者からの売上で収益を確保する土地活用です。
利用した経験がある方はご存知だと思いますが、無人の所がほとんどです。
洗濯機や乾燥機など初期の設備費用はかかりますが、管理人などは常駐する必要がなく、ランニングの人件費はかかりません。
初心者の方でも比較的始めやすく、近年注目されている土地活用法です。
土地自体を貸し出す「事業用定期借地」や暫定利用として「コインパーキング」や「トランクルーム」なども不動産活用の選択肢として注目されています。
詳細は、後述しますので検討する際の参考にしてみてください。
所有している土地にアパートを建築して、賃貸経営を行う土地活用法です。
アパートの場合は、小規模から始められるため初心者の方でも参入しやすいです。
②デメリット
所有している土地にマンションを建築して、賃貸経営を行う土地活用法です。
アパートと比べると投資額が高くなりますが、建物自体はアパートと比較して長持ちしやすいため、長期的な視点で見ると有望な投資です。
所有している土地に戸建てを建築して、賃貸経営を行う土地活用法です。
アパートやマンションが立てられないような、狭小地や変形地を所有している方にとっては、有望な選択肢の1つになります。
不動産経営において、大きな問題は「空き家」です。
戸建てを所有している方で、空き家になってしまっている場合は、民泊は有望な選択肢となる可能性があります。
所有している土地に賃貸併用住宅を建築して、賃貸経営を行う土地活用法です。
文字通り、自身が住む部分と他人に賃貸する部分が併用されている住宅です。
自身の居住する部分が51%以上になると、金利が低い住宅ローンが適用されます。
少し前までは、布団や毛布など、大きすぎて家庭用の洗濯機で洗うことができないものをコインランドリーで洗っているというケースが一般的でした。
しかし、近年では機械の性能が進化したこともあり、一度に大量の洗濯物を綺麗に仕上げてくれるようになったため、自身では洗濯機を保有せずコインランドリーだけで済ませてしまう方が増えてきています。
メリットとして、大きく2つが挙げられます。
一方、デメリットとしては下記のような項目が挙げられます。
所有している土地にコインランドリーを設置して、利用者から金銭を受け取ることによって収益を確保していく運用パターンは、大きく2つあります。
1つ目は、自身でコインランドリーを運営するための機械等を購入する方法です。
機械一式を購入するリスクは負いますが、顧客確保することでより多くの収益が期待できます。
2つ目は、コインランドリーの専門業者に土地を一括で借りてもらう方法です。
こちらは、機械を購入するリスクがないものの、収益も前者と比較すると低めになります。
どちらを選んだら良いか悩む方は、土地活用業者へ相談してみましょう。
所有している土地にコインパーキングを設置して、利用者から金銭を受け取ることによって収益を確保していく土地活用法です。
コインパーキングの運用パターンは、大きく2つあります。
1つ目は、自身でコインパーキングを運営するための機械等を購入し、専門業者に管理を依頼する方法です。
機械一式を購入するリスクは負いますが、稼働率を高めることでより多くの収益が期待できます。
2つ目は、コインパーキングの専門業者に土地を一括で借りてもらう方法です。
こちらは、機械を購入するリスクがないものの、収益も前者と比較すると低めになります。
所有している土地にトランクルームを設置して、契約者の方から金銭を受け取ることによって収益を確保する土地活用法です。
運用パターンは、大きく2つあります。
1つ目は、自身でトランクルームを設置して管理を専門の業者に依頼する方法です。
こちらの場合は、トランクルームを購入する費用等がかかり、万が一稼働率が低いと赤字になってしまうリスクがありますが、稼働率が上がってくることで高収益が期待できます。
2つ目は、トランクルームの専門業者に所有している土地を一括で借りてもらう方法です。
こちらの場合は、トランクルームを購入するリスクを回避できる一方で、収益面では先ほどの自身で設置する場合と比べ劣るようです。
ローリスク、ローリターンを望む方には、こちらの方法がオススメです。
所有している土地がロードサイドなどにあり、居住用としては適さないような場所でも事業用としてニーズが見込める場合に有効な土地活用法です。
10年以上50年未満で契約期間を設定できて、契約期間の終了後は更地にして返してもらうことになります。
契約期間中でのオーナー側からの解約が基本的に困難であること、また固定資産税等の減額はないのがデメリットです。
一方、居住用と比べて賃料を高めに設定ができ、何よりも事業のリスクを負わずに地代収入を得ることが出来るのは非常に魅力的です。
いかがでしたでしょうか。
相続した土地があるけど活用できていない方、元々土地を持っているけど空き地になったままの方、有効な活用方法は見つかりましたでしょうか。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、事前に確認してもらい、ご自身に合った投資方法でスタートするようにしましょう。
ご自身で判断ができない場合は、ぜひ専門家に相談してみてください。