マンションは築年数が経過すると、一般的には価値が落ちていきます。
一方で、築10年以上経っても価値が下がるどころか上がっているマンションが存在するのも事実です。
資産価値を維持するためには、どのようなことが重要なのでしょうか。
この記事では、価値が下がりにくいマンションの選び方を解説していきます。
不動産投資においては、人口が増加しているエリアの物件を購入することが基本です。
しかし、ニュースなどでも取り上げられているように、日本全体では人口減少が続いています。
今後も、人口は減り続け2050年には1億人を、2100年には5000万人を割り込むのではないかという予測もあります。
出典:総務省
2020年10月20日に総務省統計局から公表された総人口は、2020年10月1日現在の概算値で、1億2588万人となっていて、前年の同月比較で約29万人減少しています。
また、2020年5月1日現在の確定値が以下の通りです。
年齢区分 | 人口 | 前年同月比較 |
---|---|---|
15才未満 | 1510万5千人 | ▲18万6千人(▲1.22%) |
15〜64才 | 7471万人 | ▲40万4千人(▲0.54%) |
65才以上 | 3607万9千人 | 30万4千人(+0.85%) |
総人口 | 1億2589万5千人 | ▲28万6千人(▲0.23%) |
出典:総務省統計局
人口が増加するエリアは、どのくらいあるのでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所から公表された資料において確認することができます。
日本全国の各区市町村の人口が2030年及び2045年の人口がどうなっていくかが記載されていますので、気になる方は確認してみてください。
ここでは、首都圏において、人口が増加していく主な区市町村をピックアップしておきます。
※( )内は増加率です。
●茨城県
●埼玉県
●千葉県
●東京都
●神奈川県
こういったエリアを中心に物件を選んでいただくと、価値が下がりにくいでしょう。
続いて、間取りについてです。
ここで注目すべきデータがあります。それは、「世帯数」に関する数字です。
日本において、人口が減少していくのは前章でも述べた通りです。世帯数も人口に比例して大きく減少していくと思われがちですが、実はそういうわけでもないのです。
下のデータをご覧ください。
総数は確かに減少していますが、単独世帯については2020年の19,342世帯に対して2040年は19,444世帯と減るどころか、わずかながら増加している予測になっているのです。
また、夫婦のみ世帯もほぼ横ばいで推移する予測です。
よって、投資用の不動産を購入する際には、3LDKや4LDKといった部屋数が多いファミリータイプではなく、ワンルームを中心にした部屋数が少ないタイプの方がオススメということになるのです。
部屋数が少ない物件の方が、需要が継続し価値が下がりにくいといえるでしょう。
物件の周辺環境を意識しておくことも重要です。
今後、「単独世帯」や「夫婦のみ世帯」の割合が増加していくことを鑑みると、駅近の物件やバス停が近くにある物件のニーズが高まることが予想できます。
特に年を召した夫婦世帯は病院やスーパーなどが近くにあることも重要な要素になるはずです。
また、物件を選定するにあたっては昼間と夜間の違いにも注意が必要です。
昼間は、閑静でとても過ごしやすいようなエリアであっても、夜間になると歓楽街などが近くにあって治安に不安があるようなエリアでは、需要が落ちてしまい、ひいては価値の下落に結びついてしまいます。
実際に、昼間に内見が行われることがほとんどなので、夜間の状況を把握せずに購入する方もいらっしゃいますが、投資用の不動産は決して安い買い物ではないので、多少面倒くさくても夜間の状況も見ておいた方がよいでしょう。
開発計画の有無も、そのエリアの投資用不動産に大きな影響をもたらします。
一つ事例を紹介しましょう。
今年の3月14日に「高輪ゲートウェイ駅」が開業しました。
この高輪ゲートウェイ駅の開業は、JR東日本による再開発プロジェクトである「品川開発プロジェクト」の一環です。
出典:JR東日本
この新駅誕生によって、不動産価格にどのような影響をもたらしたのでしょうか。
駅周辺の地価を「一般財団法人資産評価システム研究センター 全国地価マップ」で比較してみました。
上が2016年、下が2020年のものです。
出典:一般財団法人資産評価システム研究センター 全国地価マップ
もちろん、2020年に東京オリンピックが開催される予定だったなど、新駅以外の要素もゼロではありませんが、地価が大きく上昇しています。
このように、開発があったエリアについては、価値が下がりにくいどころか上昇が見込めるエリアも存在することを覚えておきましょう。
投資用不動産を購入するのに、事前に開発計画を知っている、知っていないでは、結果として大きな差をもたらすこともあります。
東京都内の開発計画は、東京都都市整備局のページから確認することができます。
是非参考にしてみてください。
出典:東京都都市整備局
物件の管理・メンテナンスが充実しているかも、資産価値を維持する上で重要な要素となります。
例えば、管理人が常駐しているのかどうか、物件の修繕計画があるかどうか、定期点検がきちんと行われているのかです。
また、実際に見に行った際には共有部分の状態もチェックするようにしましょう。
投資用不動産を購入するにあたって、管理費や修繕積立金が安い物件を中心に選ぶ方がいます。
もちろん、こういった費用が少ないほど、利回りは良くなります。
しかし、安いだけが必ずしも良いわけではありません。
例えば、もしあなたの大学生のお嬢さんがいたとして、1人暮らしをするとなった時に、管理人がいるマンションとそうでないマンションのどちらに住ませたいと思いますか?
恐らく、多くの方が前者と答えるでしょう。
管理人がいるマンションの方が、治安という面では安心のはずです。
この管理人の人件費は管理費から出されることが一般的です。
つまり、管理人がいれば必然的に管理費は高くなるのです。
管理やメンテナンスが行き届いていない物件は、必ずそうであるとは断言できませんが、そこに住んでいる方の属性も悪くなってしまう懸念があります。
住んでいる方の属性が悪くなることで、入居者の募集にも苦労してしまうことになりかねません。
管理・メンテナンスが充実している物件は、価値が下がりにくいといえるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
投資用不動産を購入するからには、資産価値が維持される物件を選びたいものです。
こちらの記事で紹介した選び方を参考にしていただき、是非不動産投資にお役立てください。