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【徹底解説】旗竿地(はたざおち)とはどんな土地?メリットやデメリットについて解説

2022/01/31
【徹底解説】旗竿地(はたざおち)とはどんな土地?メリットやデメリットについて解説
  • 「旗竿地って、何?」
  • 「旗竿地は購入しても大丈夫?」

住宅や投資用物件の購入を考えている方の中で、「旗竿地(はたざおち)」という言葉を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。

旗竿地は、安価で買えるなどの利点があり、住宅や投資用物件の候補地として検討されることも少なくないでしょう。

旗竿地とは、形が旗に似ていて道路との隣接部が間口になっており、なおかつ奥に広い敷地がある土地のことです。

通常の土地と違って形が変わっているため、日当たりがよくないことが多く、相場より価値が低い不動産だと評されています。

しかし、先ほども述べた通り、旗竿地は安価で買えるなどの利点があるため、立地条件が揃えば住宅や投資用物件に適している場合があります。

このように、旗竿地には欠点もありますが、うまく活用すれは利点も少なくありません。

ただし、旗竿地の特徴を理解して立地の選定や設計をしなければ、空室のリスクが高くなるなどの欠点が利点を上回ってしまいます。

そのため、旗竿地の購入を検討するには、旗竿地の特徴を正確に理解することが非常に重要です。

そこで、この記事では、旗竿地特徴、不動産投資で活用する場合に、気をつけるポイントなどについて解説します。

旗竿地の購入を検討している方はこの記事を参考にしていただけると幸いです。

旗竿地とは

旗竿地とは、四角い土地と違って旗に似た形の土地になります。

道路の隣にある敷地の間口部分が狭く、奥にある敷地が広いことが特徴です。

主に家が密集する都市部によく見られ、通常の四角い土地よりも価値が安くなる傾向にあります。

ただし、同じ形でも道路との隣接面が広い土地は旗竿地とは呼ばないので注意が必要です。

下図に旗竿池のイメージ図を載せたので確認してみて下さい。

旗竿地ができる原因

旗竿地ができる原因は相続などによる分筆が原因です。

分筆とは、土地を分割して登記しなおすことで、元は1つの土地を相続者の数に分けて登記する際のことを指します。

例えば、上の図の土地を遺産相続で兄弟が相続した場合、分筆を行って区画①を兄が区画②を弟が相続することによって旗竿地が形成されるのです。

通常であれば、2つに割って分筆すればいいのですが、狭い都心部の土地では細長い土地になってしまうため価値が下がってしまいます。

そこで、上の図のように分けることでお互いの土地の価値を下げないようにするのです。

旗竿地のメリット

旗竿地は整形土地とは違い、不整形地なので他の土地と違うメリットを持っています。

それは以下の3つです。

  • 低価格で購入できる
  • プライバシーの確保ができる
  • 騒音が軽減できる

それぞれについて説明します。

低価格で購入できる

旗竿地は通常の土地と比べて低価格で買えることが魅力として挙げられます。

価格は相場の2〜3割程度の場合が多く、場合によっては5割ほど安いこともあるほどです。

購入金額が安くなる理由としては、建築できる建物が限られているなどの欠点があることが挙げられます。

他にも、不動産業者が旗竿地のような買い手がつきにくい土地を早く手放したいため低価格で売り出すことも安くなる要因のひとつです。

反面、住宅や不動産投資用の物件で活用する場合は、条件が合えばコストを抑えることが可能なため、予算が少ない方にはオススメの土地といえます。

プライバシーの確保ができる

旗竿地は、道路から距離がある場所に広い敷地があるため、通常の住宅よりもプライバシーの確保がしやすいという特徴があります。

例えば、道路の隣にある土地だと通行人から家の中や洗濯物が見えることがあり、プライバシーを守ることは困難です。

一方で、旗竿地は道路の隣に建物がないので、通行人からの目を気にする必要がありません。

また、周りを建物に囲まれているため、隣の家からは生活が見えやすい欠点は、柵や設計時の工夫で隣の家から見えづらくすることが可能です。

騒音が軽減できる

旗竿地は騒音を軽減できます。

なぜなら、道路と建物の距離があいているため、車やバイクなどの騒音が軽減されるからです。

特に、交通量の多い道路に面している場合は、旗竿地のほうが静かでいいと思う人も少なくありません。

旗竿地のデメリット

旗竿地のデメリットは以下の6つです。

  • 日当たりが悪くなる
  • 防犯面に不安がある
  • 再建築できない場合がある
  • 駐車場のスペースが限れる
  • 建築費や解体費が高くなる
  • 売却しづらい

それぞれについて説明します。

日当たりが悪くなる

旗竿地は周囲が住宅なため、日当たりがよくない場合が多いです。

特に、周りに高い建物が多い場合は日光が全く当たらない場合もあります。

そのような場合で住宅として利用する際は、リビングを2階にするといった工夫が必要です。

一方、アパートなどの投資用物件で活用するときも、日当たりのよい2階の家賃をあげて、1階の家賃を下げるなどの工夫が必要になります。

これらの工夫を行うことで、日当たりの悪い旗竿地でも快適に利用することが出来るためです。

ただし、旗竿地でも立地により日当たりが良い場合もあるので、購入前に日当たりを確認することが一番重要になります。

防犯面に不安がある

建物が敷地の奥にあるため、敷地内に侵入されると目撃されにくく、防犯面に不安があります。

そのため、防犯カメラを設置するなどして、防犯面を向上させることが重要です。

特に賃貸用の物件では、防犯面のよさが賃貸契約を決める要因にもなるので、防犯面は必ず向上させないといけません。

再建築できない場合がある

すでに住宅などの建築物が建っている旗竿地を購入した場合、今の建築基準で分筆されていないと建て直しができません。

今の建築基準では、土地に建築物を建設する条件として、道路と土地が2m以上接している必要があるためです。

しかし、以前はこの条件が1.8mであったため、古い物件の場合は2m未満の建物も少なからず存在します。

さらに、建て替えできない旗竿地は、売却出来ないこともあるため、注意が必要です。

建築費や解体費が高くなる

旗竿地は間口が狭い土地のため、資材の運搬や重機の搬入が難しく、建築費や解体費が高くなります。

特に重機が利用できない場合には、重機で行う作業を人手で行う必要があるため、人件費が上がり費用が高くなるのです。

また、新しく建築する場合には、水道などのインフラ関連の工事を新たに行う必要がある場合もあります。

そういった場合には、費用がより高くなるので、注意が必要です。

このように、旗竿地は建築費用が高くなりやすいため、旗竿地を購入する際は建築費にかかる概算を調べることをオススメします。

駐車場のスペースが限られる

旗竿地の場合、間口部分は道路として使用します。

そのため、間口部分に駐車するのは非常に困難です。

特に、幅が2m以下の場合には、車が通行する事すら難しくなります。

このように、駐車場所が限定されるため、間口の幅によっては駐車しにくいか駐車場を作れないという欠点があります。

売却しづらい

旗竿地は、これまで説明してきた理由により、条件によっては非常に売却しにくい物件です。

そのため、不動産業者から取り扱いを断られたり、雑な扱いを受ける場合もあります。

そして、そのことにより売却しにくい旗竿池を更に売却しにくくなっています。

ですから、旗竿地を購入する際は売却する際に困難になる事を計算に入れておくか、旗竿地でも高額で売却できる条件の土地を購入する必要があります。

不動産投資で旗竿地を検討するなら立地が重要

旗竿地で不動産投資用の物件での利用を考えるなら立地選びが重要です。

では、どういった立地を選んだらいいのでしょうか?

それは以下の3つです。

  • 都心で利便性がよい立地
  • 接道が私道でない土地
  • 再建築ができる土地

それぞれについて説明します。

都心で利便性がよい土地

立地選びで最も重要なのが、都心で利便性がよことです。

具体的には、最寄り駅から10分以内の場所にある土地を指します。

その理由は、利便性が良くなければ、空室が増えて売却もしづらいため投資用物件としてはオススメできないからです。

また、地方は人口が少ないため、売却しにくい旗竿地の取り扱いが難しいことも都心をオススメする理由の1つです。

一方で、利便性が高ければ、旗竿地は一般的な物件よりも2〜3割ほどの値段で買えて敷地も広いことが多いため、部屋数を増やせるなどのメリットがあります。

このように、旗竿地であることはメリットにもデメリットにもなるため、立地や条件を確認することは非常に重要です。

接道が私道でない土地

道路とつながっている接道が私道でない土地を選ぶことが重要になります。

その理由は、接道が私道である物件の場合、土地所有者と私道の所有者が別の場合が少なくないからです。

そして、そのような場合では、売却時に買い手を見つけることは非常に困難です。

そのため、物件を売却したいタイミングで売却しづらく、オススメできません。

再建築ができる土地

再建築が可能かどうかは必ず確認する必要があります。

先ほども述べましたが、道路の隣接部分の幅が2m以下なら大規模な改築や再建築ができないからです。

もし、そういった物件を購入してしまうと、建物が老朽化していても修繕や建て替えができないため、問題がある箇所を修繕できずに不具合が起きてしまいます。

そして、こういった事態になると、空室が増えるだけでなく、賃貸として利用できなくなるのです。

当然、売却もしづらいため、流動性も非常に悪くなります。

こういった事態を防ぐためにも、道路との隣接部分が2m以上あるかは必ず確認しなければいけません。

高く売れる旗竿地は?

旗竿地を高く売りたいなら、以下の2つのポイントに気をつけて購入するようにしてください。

  • 間口が別の用途に使える
  • 日当たりがよい 

それぞれについて説明します。

間口が別の用途に使える

間口の広さが一定以上あって通路以外の用途に使用できる物件は、売却額を高くすることが可能です。

特に、余裕をもって普通乗用車が駐車できる幅である3mを超えている旗竿地がオススメになります。

また、間口が広ければ広いほど、さまざまな用途として利用できるため、高く売れる可能性が高くなるのです。

日当たりがよい

旗竿地は周りを建物に囲まれているため、日当たりが悪いことが多いです。

そのため、より日当たりのよい物件であれば、旗竿地の中では条件の良い物件といえます。

ですから、日当たりがよい物件は売却もしやすく、高く売れる可能性も高くなるのです。

まとめ

旗竿地は立地条件のよい物件や土地を選べば、住宅だけでなく投資用不動産でも有効な土地です。

しかし、選び方を間違えたら、修繕が出来ず売ることも出来ない危険性もあります。

投資用物件に活用するには、旗竿地の特徴を正確に理解することが重要です。

これから旗竿地の購入を検討されている方は、ぜひこの記事を参考にして頂けたら幸いです。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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