融資・ローン

メガバンク・地銀・信用金庫の融資の特徴とは?選び方について徹底解説!

2020/12/24
メガバンク・地銀・信用金庫の融資の特徴とは?選び方について徹底解説!

金融機関には、メガバンク・地銀(地方銀行)信金(信用金庫)など多くの業態が存在します。

よく耳にするけれど、これらの違いについて明確に説明できる方は、意外と少ないかもしれません。

不動産投資において、これらの違いを理解して取り組むのとそうでないのとでは、成功する確率が大きく変わってくるのではないでしょうか。

こちらの記事では、最善の選択が出来るようにそれぞれの業態の融資の特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

メガバンクとは

巨大な資産や収益規模を有している銀行や銀行のグループを指します。

日本においては、三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループ

みずほ銀行3大メガバンクと呼ばれています。

この3大メガバンクの傘下にある三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行にりそな銀行を加えて4大銀行と呼ぶこともあります。

ただし、りそな銀行は自身のことをメガバンクとはしていません。

地銀とは

「一般社団法人 全国地方銀行協会」の会員になっている銀行を指します。

第一地方銀行と呼ばれるケースもあります。

なお、第一地方銀行は全部で63行あります。(2020年12月現在)

埼玉りそな銀行は、地方銀行ではなく、前述の4大銀行の括りである都市銀行とされています。

地方銀行一覧(50音順)

青森銀行

秋田銀行

足利銀行

阿波銀行

池田泉州銀行

伊予銀行

岩手銀行

大分銀行

大垣共立銀行

沖縄銀行

鹿児島銀行

関西みらい銀行

北九州銀行

紀陽銀行

京都銀行

きらぼし銀行

群馬銀行

佐賀銀行

山陰合同銀行

滋賀銀行

四国銀行

静岡銀行

七十七銀行

清水銀行

十八親和銀行

十六銀行

荘内銀行

常陽銀行

スルガ銀行

第四銀行

但馬銀行

筑邦銀行

千葉銀行

千葉興業銀行

中国銀行

筑波銀行

東邦銀行

東北銀行

鳥取銀行

富山銀行

南都銀行

西日本シティ銀行

八十二銀行

肥後銀行

百五銀行

百十四銀行

広島銀行

福井銀行

福岡銀行

北越銀行

北都銀行

北陸銀行

北海道銀行

北國銀行

三重銀行

みちのく銀行

宮崎銀行

武蔵野銀行

山形銀行

山口銀行

山梨中央銀行

横浜銀行

琉球銀行

 

出典:財務省

信用金庫とは

信用金庫法に基づいて設立された法人です。

営利を目的としない会員出資の地域金融機関を指します。信金(しんきん)と略称で呼ばれることもあります。

日本全国に260を超える信用金庫が存在します。

以下は、預金量が2兆円を超える「大手信金」と呼ばれる信用金庫です。

京都中央信用金庫
城南信用金庫
岡崎信用金庫
大阪信用金庫
多摩信用金庫
埼玉縣信用金庫
尼崎信用金庫
大阪シティ信用金庫
城北信用金庫
京都信用金庫
岐阜信用金庫
瀬戸信用金庫
碧海信用金庫

出典:ウィキペディア

金融機関の融資の特徴

以下にアパートローンの融資の特徴やメリット・デメリットを列挙していきます。

メガバンク

①特徴

  • 金利が1.0%台の超低金利
  • 全国各地で対応してもらえる
  • 20年以上の長期借入が可能
  • 審査は非常に厳しい

②メリット

  • 低金利のため高利回りが狙える

③デメリット

  • メガバンクゆえ、融資の判断が形式的になる
  • 大口ではない顧客に対しては、冷たい

④オススメの対象物件

  • 新築築年数が5年未満の物件
  • 大都市圏の物件
  • 路線価の高い物件
  • 規模が大きい物件

⑤総評

メガバンクは、低金利が魅力である一方で、審査がとても厳しいです。

年収が一定水準に達していなければ、物件の属性が良くても融資してもらうことができない可能性が高いです。

年収ベースで1,000万円超えでないと難しいと言われていますので、融資が下りたらラッキーくらいの気持ちでいると良いでしょう。

 地銀

①特徴

  • 地域密着型、地域への貢献度によって融資してくれる
  • 1.0%台~3.0%台の低金利
  • 20年以上の長期借入が可能(耐用年数制限あり)
  • 審査はメガバンクより比較的甘い

②メリット

  • メガバンクでNGだったものが地銀でOKになるケースもある
  • 信用金庫と比較して金利は低い上手くいけばメガバンクとさほど変わらない可能性がある

③デメリット

最新のサービス(ネットバンキングなど)は、メガバンクと比較して劣る部分がある

④オススメの対象物件

  • 地縁がある方の物件
  • 中古物件
  • 路線価の高い物件
  • 評価が出る物件

⑤総評

全国の都道府県に地方銀行は存在しています。

該当都道府県に居住している方への融資には比較的積極的の上、メガバンクほど融資の審査は厳しくありません。

年収ベースで500万円以上ある方は、審査に通る可能性は十分にあります。

 

また、地域密着型で地域を重要視する特徴があります。

ご家族やご親族に地銀の関係者がいる場合は、地銀に高額の預金などをしている方や地縁がある方は有利であるといえるでしょう。

信用金庫

①特徴

  • 地銀と同じく地域密着型の金融機関
  • 2.0%~3.0%程度の金利。メガバンクや地銀と比べると高め
  • 物件のエリアは限定される可能性が高い
  • 融資の審査は甘い
  • 小さな会社や個人の資金需要にも応えてくれる可能性が高い

②メリット

  • 小さな会社や個人の小規模な貸し付けにもきちんと対応してくれる

③デメリット

  • 小口を相手にすることが多いため、メガバンクや地銀と比べると金利が高めになる 

④オススメの対象物件

  • 信用金庫があるエリア内の物件
  • 地縁がある方の物件
  • 高利回りの物件

⑤総評

信用金庫から融資を受けるには、対象物件がエリア内であることが必要です。

金利は、メガバンクや地銀と比べるとやや高くなっていますが、審査には通りやすいといえます。

メガバンクが年収、勤務年数、雇用形態といった個人の属性を重要視するのに比べて、信用金庫では物件自体の価値や収益性を重要視する傾向があるといえます。

つまり、年収が多少低くても高利回りが狙える物件であれば、審査に通りやすいといえるのです。

損しない金融機関を選ぶポイントは?

不動産投資において金利は非常に重要

不動産投資において、金利は非常に重要です。

例えば、表面利回りが7.0%の物件を購入したとしましょう。金利が1.0%であれば実質利回りが6.0%、金利が2.0%であれば実質利回りは5.0%となっていきます。

金利次第で、利回りが大きく左右され、不動産投資の成否に大きな影響を与えるからです。

金融機関を選ぶ際には、なるべく低金利のアパートローンを選ぶようにしましょう。

一般的には不動産会社は自社が提携されている銀行を紹介してくれますが、その会社の業績によって、融資条件のいい銀行もあれば、悪い銀行もあります。したがって、営業マンから「○○銀行の融資ならすぐに受けられます」といった営業トークに飛びつくのは避けましょう。

「本当に自分にとって最善なのか」を精査することが大切です。

もちろん、ご自身の属性の兼ね合いで一番低い金利で融資してもらうことは出来なくとも、最善の選択ができるようにしたいものです。

こういったことが相談できる信頼できる専門家がいると安心と言えます。

将来的に融資を受ける可能性がある金融機関を選ぶ

メガバンクの融資審査では、個人の預貯金額はあまり影響しません。

しかし、地銀や信用金庫では預金額が信用になるといわれています。

金利の面だけでいうと、信用金庫はメガバンクに敵いませんが、小規模な融資でも丁寧な対応をしてくれます。

将来的に、何らかの形で融資を可能性がある方は、このタイミングで信用金庫を選択しておくと先々の融資で困らなくなるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

メガバンク・地銀(地方銀行)信金(信用金庫)の違いを解説してきました。

それぞれに特徴があり、メリット・デメリットが存在します。

各々事情が異なるため、一概にどの金融機関が良いというのは難しいです。

こちらの記事が最善の選択をするためのご参考になれば幸いです。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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