不動産投資を検討している方の中には、万が一失敗して自己破産になったらと不安を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、不動産投資には失敗するリスクがあるため、ローンが返済できずに自己破産をする人もいます。
しかし、欲張った投資プランでなく、ご自身の属性に合った投資プランを行うことによって、自己破産をするようなリスクを最小限に抑えることができます。
そこで、この記事では、不動産投資で実際に自己破産した事例や、自己破産にならないように注意するポイントなどについて詳しく解説をしていきます。
最後まで読んで、不動産投資の参考にしていただけると幸いです。
不動産投資のローンが返済できずに、自己破産になることはあり得ます。
なぜなら、不動産投資は購入する不動産が高額で融資額も大きいため、空室のリスクなどにより収益性が悪化することで返済することができなくなるからです。
そのため、本業を持っている方でも、不動産投資に失敗して自己破産になることは珍しくありません。
ただし、不動産投資にはリスクがあることを理解したうえで、慎重に不動産選びをすれば失敗する可能性を極力減らすことが可能です。
不動産投資で自己破産になる事例の代表的な事例は以下の4つです。
それぞれについて紹介していきます。
投資不動産を購入するか、自宅を購入するかによって、利用できる融資の種類が異なります。投資不動産の場合は不動産投資ローンを利用し、自宅の場合はよく耳にする住宅ローンを利用します。
不動産投資ローンより住宅ローンの金利が低いため、中には住宅ローンをすすめてくる業者もあります。しかし、万が一住宅ローンを利用して投資不動産を購入したことが銀行にバレてしまった場合、契約違反ということで金融機関から一括返済を求められて、自己破産するケースは意外と少なくありません。
不動産の購入は誰しも経験されることではないため、住宅ローンを不動産投資に利用できないことを知らない方も少なくないでしょう。
知らずに契約違反のことをしまい自己破産に追い込まれた方も多いので、投資不動産は住宅ローンが利用できないことを覚えておきましょう。
不動産を相場の価格よりも高値で購入してしまい、想定よりも収入が入らず、ローンの返済が滞って自己破産する事例です。
相場より高値で購入しても、家賃も高く設定できるわけではないので、収益が悪化してしまいます。
物件を購入する時に、複数の会社の物件で比較したり、相場利回りを把握するなど、物件価格の妥当性に注意するようにしてください。
不動産投資には、空室のリスクや立地環境が変化するリスクなどがあります。
こういったリスクが高い不動産を購入してしまったために、自己破産するケースも珍しくありません。
特に、立地環境の変化によって需要が低下して、家賃を下げざるを得なくなり収益性が悪化するケースは非常に多いです。
このように、空室のリスクによって収益性が悪化して自己破産するケースもあります。
通勤・通学しやすい路線がある、最寄り駅から徒歩10分以内、スーパーなど生活しやすい環境であるなど、物件の立地についてくれぐれも事前調査を行うようにしましょう。
融資枠を返済能力と勘違いして、返済能力を上回る融資を受けると、返済ができず自己破産に至る可能性が高くなります。
不動産投資ローンの融資額は、大体ご年収の5〜10倍が一つの目安です。例えばご年収500万円の方であれば、2,500万円〜5,000万円が融資枠の幅と言えます。ただし、融資額が大きければ当然返済額も増えます。万が一空室になったとき、その分ご自身のポケットマネーから返済しなければいけないので、注意が必要です。
また、不動産会社の営業は売ってなんぼの世界なので、融資枠いっぱいまで提案されるケースも多くあります。しかし、借りることできるけど返せるかどうかはまた別のお話になりますので、きちんと返済シミュレーションをして返済可能な融資額を把握することが重要です。
自己破産になるまでの流れは下記となります。
それぞれについて説明していきます。
ローンの返済が滞ると督促状が届きます。
督促状を無視してローンの返済が3ヶ月以上されない場合、金融機関は不動産投資が失敗したと判断します。
そう判断させないためにも、投資家と金融機関で返済期間の延長や金利の引き下げなどについて話し合いを行うことがおすすめです。
金融機関も投資家が破産するよりも、確実にローンを回収したいので、話し合いに応じてくれる可能性があります。
上記で、ローンの返済ができないと判断された場合には、金融機関がサービサー(債権回収業者)に債権を売却します。
その後、サービサーが不動産を任意売却や競売をして、債権回収を行うのです。
金融機関がサービサーに債権を売却すると、投資家はサービサーとやりとりを行うことになります。
この際、債務金額を少額減らすことで解決できる場合には、交渉次第で任意売却を行わず返済を継続することを認めてくれる場合もあります。
不動産を売却しても多額の借金が残る場合には、自己破産を選択するといいでしょう。
自己破産は資産が一部を除いて処分される代わりに、債務の返済義務が全てなくなります。
そのため、数千万円の残債が残るようなら、再出発のためにも自己破産をすべきです。
ただし、数百万程度の残債の場合は、自己破産のデメリットの方が大きいこともあるので、安易に選択しないようにしてください。
不動産投資に失敗して自己破産をした場合には、どういった事態になるのでしょうか。
それは以下の5つです。
上記について説明します。
自己破産をする最大の利点は債務義務が全て免除されることです。
そのため、残債が非常に高額な場合は、メリットが大きいと言えます。
ただし、債務ではない費用については免責にならないので、注意して下さい。
例えば、税金や弁護士の相談料が債務ではない費用に当てはまります。
自己破産をすると、99万円以上の現金や一定以上の価値がある財産を処分しなければいけません。
例えば、車や自宅、貴金属などです。
しかし、最低限の財産は手元に残るので、最低限の生活は可能です。
そのため、そのまま放っておくと財産を全て失う時などは自己破産をおすすめします。
自己破産をすると、一部の資格が一定の間、失効します。
例えば、宅地建物取引士や弁護士、税理士などの資格です。
上記の資格が必要な職業に着いていた場合は、失業してしまうかもしれません。
ただし、会社によっては、部署を変えるなどして対応してくれることも稀ですがあります。
自己破産をすると、信用情報機関(ブラックリスト)に登録されます。
この信用情報機関(ブラックリスト)に登録されていると、クレジットカードや金融機関の融資審査に落ちるデメリットがあります。
登録解除の期間は、5〜10年です。
したがって、5〜10年の間、クレジットカードの作成が出来なくなります。
自己破産すると官報に名前が記載されます。
官報とは、法律や公告などが載っている新聞のようなものです。
休日を除いて毎日発行されており、インターネットで30日間は無料で見ることができます。
そのため、官報に記載されると、自己破産したことが周囲に知られる可能性が高くなってしまうのです。
自己破産は利点もありますが、欠点も非常に多いです。そのため、自己破産は最終手段になります。
では、自己破産する前に検討すべきことはあるのでしょうか。大きく以下の3つです。
上記について説明します。
まず、ローンの返済が難しくなった場合に、金融機関に相談して任意売却を検討してください。
ローンを返済せずに滞納した場合、金融機関やサービサーによって不動産が競売にかけられます。
競売にかけられると、不動産は相場の5〜8割程度の値段で売却されてしまうのです。
そのため、競売を防ぐために任意売却を検討する必要があります。
ただし、任意売却をしてもローンを返済できない場合には、自己破産も検討してください。
自己破産は選ぶ前に、任意整理で済む場合には、任意整理を選ぶようにしてください。
任意整理は、利息を減額するなど、借金を少なくする方法です。
自己破産と同じ債務整理の方法のひとつで、欠点が少ないのが特徴になります。
例えば、信用情報機関に登録される期間が5年と短いことや官報に載らないことなどが自己破産との違いです。
このように、債務整理の中でも欠点が少ないため、生活への影響が最小限にできます。
個人再生も債務整理の方法のひとつです。
特徴としては、借金が80〜90%程度の減額が可能なことが挙げられます。
自己破産と同様に、官報に載ることや信用情報機関の登録期間が長いなどの欠点があります。
しかし、借金を大幅に減額できるのと財産を処理しなくてもいいのは、大きな利点です。
任意整理でローンの返済ができない場合には、個人再生を検討してみてください。
不動産投資で自己破産に陥らないために、必要なポイントはどんなものでしょうか?
それは以下の3つです。
上記について説明します。
不動産投資には、リスクがあり、そのリスクについて正確に理解することが重要です。
リスクを正確に理解することで、対策をするなど収益の悪化を防げます。
例えば、空室のリスクの場合には、人口予測や立地を吟味することで低下させることが可能です。
このように、不動産投資はリスクがあると理解することが重要になります。
収支シミュレーションを徹底することも不動産投資で失敗しないために重要です。
徹底していないと、修繕費や改修費などの将来的に必要となる諸経費を貯めることができません。
そうなると、必要な修繕が出来ず空室リスクが高まる負のループに入ってしまいます。
このような事態を引き起こさないためにも、資金管理は重要です。
信頼できる担当者にサポートしてもらうことも不動産投資を成功させるうえで非常に重要です。
悪意がある担当者だと、住宅ローンで投資用物件を買わせようとするなど、リスクを考えない不動産投資を勧めてきます。
一方、信頼できる担当者の場合には、リスクを考慮した安定して稼げる物件を勧めてくれるのです。
そのため、信頼できる担当者にサポートしてもらうことで、安定した不動産投資をおこなうことができます。
不動産投資に失敗して自己破産することはあり得ます。
しかし、不動産投資のリスクを正確に理解することで、失敗のリスクを下げることは可能です。
そのため、不動産投資のリスクや自己破産について理解することは非常に重要です。
この記事があなたの不動産投資の参考にして頂けたら幸いです。