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クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディングの違いとは?共通点や特徴などを徹底解説!

2020/12/31
クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディングの違いとは?共通点や特徴などを徹底解説!

クラウドファンディング(不動産投資型)が近年注目を集めています。

ソーシャルレンディング(融資型)と似通った性質を持っているため、どちらに投資したらよいか迷っている方も多いのではないでしょうか。

実際に投資を始める前に、両者の共通点や相違点をきちんと理解しておく必要があります。

こちらの記事では、クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)の共通点や異なる点、特徴などを解説していきます。

クラウドファンディング(不動産投資型)とは?

クラウドファンディング(不動産投資型)とは、インターネットを通じて複数の投資家から出資を募り、集まった資金を基に運営元の企業が不動産を購入して運用するというものです。

その物件を運用が成功して、得られた利益は出資額に応じて投資家に分配されます。

安いもので10,000円程度からの投資が可能になっています。

ソーシャルレンディング(融資型)とは?

ソーシャルレンディング(融資型)とは、インターネットを通じてお金を借りたい人とお金を貸したい人をマッチングするサービスのことを指します。

お金を借りたい人をボロワー(=borrower)、お金を貸したい人をレンダー(lender)と言います。

利回りは、8%から10%程度とされ、現代において非常に魅力的な投資であるといえます。

なぜ、お金を借りたい人がソーシャルレンディングを利用するのかというと、創業年数の浅さや取引実績の少なさから銀行や信用金庫などの金融岐南から融資が十分に受けられないケースがあるからです。

しかし、誰にでも貸すわけではなく銀行と同様、審査を経ての融資となります

クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)の違い

法律の違い

まず、クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)とでは、法律が異なります。

クラウドファンディング(不動産投資型)は、不特法(不動産特定共同事業法)に則って、運営されることになります。

不動産特定共同事業は、高額な不動産を小口化し、複数の投資家から出資を受けて不動産の運営を行い、その運用で得られた利益を出資者に分配する事業です。

出資してもらったお金は、他社に貸し付けを行うことなく、不動産を運営する会社のみでの運用になります。

一方で、ソーシャルレンディング(融資型)は、金融商品取引法という法律に則って、運営されることになります。

第一種または第二種金融商品取引業という免許を取得しかつ、お金を貸すために賃金業登録も必要となります。

このように、クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)とでは必要な許認可が異なります。

投資対象が明確か否か

投資対象が明確か否かもクラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)とで異なります。

クラウドファンディング(不動産投資型)では、投資家自身が直接投資対象の物件を把握することができます。

物件の住所や概要はもちろんのこと事前に投資先として妥当性を検証することが可能です。

特に、少子高齢化が進んでいく日本においては、賃貸ニーズの把握は欠かせません。

これから投資しようと考えている不動産があるのは、「どんなエリアで、どのくらい賃貸需要が見込めるのか」など調査するようにしましょう。

このように、クラウドファンディング(不動産投資型)では、ある程度の情報がオープンになっているのが特徴です。

一方で、ソーシャルレンディング(融資型)は賃金業法という法律に則って運営されており、融資を受けた方の匿名性が確保されることになっています。

徐々に開示するケースが出てきているとはいえ、まだまだ匿名の案件も残っており、この場合、投資家は自身が出資したお金がどこに投資されたのかを知ることは出来ません。

そのため、出資したお金を運用するソーシャルレンディング事業者の選定が重要であるといえます。

クラウドファンディング(不動産投資型)のメリット・デメリット

メリット

前述のように、投資対象が明確になっているため自身で判断することができます。

また、少額投資が可能で10,000円程度からの投資することができます。

クラウドファンディング(不動産投資型)の運用で利益が出た際の分配金は雑所得に分類されます。

雑所得は総合課税となり損益を通算することが可能となっています。

現物の不動産と同じようなメリットを享受できるのは大きな魅力といえます。

利回りが5%程度のものが多く、年利が0.01%に満たない定期預金などと比較すると堅実に安定的に収益を上げることができます。

銀行などの金融機関に預けておくよりも、このような商品に投資しておいた方が先々有利になるといえるでしょう。

デメリット

クラウドファンディング(不動産投資型)には、少なからずデメリットも存在します。

あくまで「投資」です。必ず儲かるわけではないことに留意が必要です。

当然、失敗すれば元本や利回りの保証はないといえます。

また、途中でキャンセルがききづらく、すぐに現金化したい場合には株式投資などと比べると流動性は少々低いといえるでしょう。

また、主要な業者が募集している案件においては、募集開始直後で満額に到達してしまうケースが多くあります。

それだけ人気があるということなのですが、早く申し込まないと投資できない・・・という心理が強く働くと、きちんと検討せずに投資をしてしまうリスクもあるので、注意するようにしましょう。

ソーシャルレンディング(融資型)のメリット・デメリット

メリット

ソーシャルレンディング(融資型)の利回りは、クラウドファンディング(不動産投資型)と比べて、やや高めの8%程度とされています。

中には10%を超えるものまであり、非常に魅力的です。

高利回りの理由は、融資の際の金利が高めに設定できるからです。

お金を借りたいレンダーは、財務的に健全であっても、創業年数や取引実績の絡みで金融機関から融資が受けられずに、多少金利が高くともこちらでの融資を求めるためです。

そして、少額からの投資が可能になっており、自身の経済状況に合わせての出資が可能です。

また、出資するのは自身ですが、運用自体はプロが行うので初心者の方でも、心配することなく始められるのも大きなメリットといえます。

デメリット

投資したお金が運用されている間は、原則途中でキャンセルことは出来ません。

万が一、急にお金が必要になった場合でもすぐに現金化できない点に留意が必要となります。

また、貸し倒れのリスクがあります。

ボロワーの業績不振などが理由で融資を受けたお金の返済が不可能になる可能性もあることを覚えておきましょう。

もちろん、そういったリスクに備えて担保や保証を設定し対策をしている事業者が多いのですが、投資する前には必ず担保や保証内容を確認するようにしておきましょう。

最後に事業者の倒産リスクもあります。

まだ新興市場のため、資金繰りが万全でない事業者が存在することも事実です。

ソーシャルレンディング(融資型)を行う際には、事業者を1つではなく複数にするなど、

リスクの分散をしておくことが大切です。

自分に合った投資商品の選び方

クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)のどちらにもメリットがあり、一概にどちらが良いと断定することは難しいです。

左も右もあまり良くわかっていない初心者の方にとっては、このように運用をプロに任せることが出来る商品は魅力的であるといえます。

リスクを回避しつつ、知識をつけ経験値を上げたい方にはオススメの投資方法です。

まとめ

いかがでしょうかでしょうか。

クラウドファンディング(不動産投資型)とソーシャルレンディング(融資型)について解説してきました。

どちらも、きちんと選べば投資の中においては成功しやすい部類であるといえます。

興味を持って始めるにあたっては、不安な方は専門家に相談してみるのも一考です。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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