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新型コロナショックの影響大!?基準地価が下落!

2021/01/20
新型コロナショックの影響大!?基準地価が下落!

国土交通省が2020年9月に公表した、7月1日時点の基準地価の全国平均が2017年以来、3年ぶりに下落しました。

2020年に大流行した新型コロナウイルスで、インバウンドの減少や緊急事態宣言に伴う外出自粛の影響を受けた形になっています。基準地価の下落は、今後路線価などの指標にも影響が出てくる可能性もあります。こちらの記事では、基準地価の上昇地点や下落地点、今後の動向について解説していきます。

基準地価とは?

基準地価とは、毎年7月1日時点における全国20,000カ所以上の基準値の標準価格のことを指します。

1㎡あたりの価格を算出し、毎年9月下旬に公表されます。1974年に制定された「国土利用計画法」にもとづいて算出され、土地を取引する際の目安として活用されます。

基準地価と公示価格・路線価との関連は?

基準地価も公示価格も路線価も全て日本国内における土地の価格を指します

公示価格は、適正な価格設定のために国(国土交通省)が公表しているものです。調査の主体が国になっている一方で、基準地価の調査主体は、都道府県になっています。適正な価格設定のためにという点においては、同じ目的であるといえます。

路線価は、贈与税や相続税など、課税金額を算出するために国税庁が定めている土地の価格になっています。


基準地価公示地価路線価
調査の主体都道府県国(国土交通省)国税庁
評価する時期毎年7月1日毎年1月1日毎年1月1日
公表する時期毎年9月下旬毎年3月下旬毎年7月1日
調査の地点基準値1㎡あたりの価格標準値1㎡あたりの価格路線に面する土地の1㎡あたりの価格

基準地価が高いエリア(2020年)

基準地価が高い市区町村ランキング

基準地価が高いエリアを全国で高い順に並べてみました。これは、東京のランキングではありません。全国のランキングです。

東京23区以外でトップ20に食い込んでいるのは、東京都武蔵野市(吉祥寺駅があるところ)と、東京都立川市、そして日本第二の都市である大阪府大阪市だけです。

前年と比較した変動率も東京都立川市を除いて上昇しており、新型コロナウイルスの影響をあまり感じさせない結果となっています。

順位

都道府県

市区町村

基準地価平均

変動率

1

東京都

中央区

5,525,032円/㎡

+0.60%

2

東京都

千代田区

5,053,343円/㎡

+0.84%

3

東京都

港区

4,369,052円/㎡

+3.06%

4

東京都

渋谷区

4,030,535円/㎡

+2.46%

5

東京都

新宿区

3,684,268円/㎡

+1.65%

6

東京都

豊島区

1,737,045円/㎡

+2.29%

7

東京都

台東区

1,533,192円/㎡

+2.19%

8

東京都

文京区

1,313,111円/㎡

+2.42%

9

東京都

武蔵野市

1,263,533円/㎡

+1.31%

10

東京都

目黒区

1,186,250円/㎡

+1.54%

11

東京都

品川区

992,086/㎡

+1.02%

12

大阪府

大阪市

960,161/㎡

+1.40%

13

東京都

中野区

911,428/㎡

+2.06%

14

東京都

世田谷区

725,049/㎡

+1.51%

15

東京都

杉並区

710,179/㎡

+1.55%

16

東京都

北区

701,304/㎡

+2.43%

17

東京都

荒川区

686,214/㎡

+2.35%

18

東京都

立川市

662,952/㎡

-0.37%

19

東京都

江東区

633,111/㎡

+1.81%

20

東京都

墨田区

609,157/㎡

+1.69%

出典:土地代データ

基準地価が高い都道府県ランキング

続いて、基準地価が高い都道府県のランキングです。

トップは、ダントツで東京都です。

続いてトップ10には、大阪府(大阪市・堺市)、神奈川県(横浜市・川崎市・相模原市)、京都府(京都市)、愛知県(名古屋市)、兵庫県(神戸市)、埼玉県(さいたま市)、福岡県(福岡市・北九州市)、千葉県(千葉市)、広島県(広島市)など政令指定都市を抱える都道府県が続きます。

※(  )内は政令指定都市

順位

都道府県

基準地価平均

変動率

1

東京都

1,037,635円/㎡

+0.61%

2

大阪府

367,594円/㎡

+0.24%

3

神奈川県

276,866円/㎡

-0.53%

4

京都府

220,795円/㎡

-0.38%

5

愛知県

201,415円/㎡

-0.83%

6

兵庫県

148,769円/㎡

-0.88%

7

埼玉県

142,584円/㎡

-0.19%

8

福岡県

124,899円/㎡

+1.16%

9

千葉県

101,956円/㎡

+0.08%

10

広島県

100,155円/㎡

-0.33%

11

宮城県

96,731/㎡

+0.95%

12

沖縄県

94,177/㎡

+4.74%

13

静岡県

83,211/㎡

-1.64%

14

奈良県

71,909/㎡

-1.05%

15

石川県

65,133/㎡

-1.37%

16

滋賀県

55,967/㎡

-1.15%

17

熊本県

55,240/㎡

-0.11%

18

愛媛県

48,752/㎡

-1.57%

19

岡山県

46,413/㎡

-0.84%

20

和歌山県

45,771/㎡

-1.30%

出典:土地代データ

基準地価の上昇率が高いエリア(2020年)

基準地価の上昇率が高い市区町村ランキング

基準地価の上昇率が高いエリアです。

トップ10に入っているのは、全て北海道と沖縄県市町村になっています。

特に、トップ10のうち7つを占めている沖縄県は、温暖で過ごしやすい気候に加えて、日本全体が人口減少をしている中、人口増加を果たしている県でもあります。 

そのため、近年は不動産投資先としても注目を集めています。

順位

都道府県

市区町村

基準地価平均

変動率

1

北海道

倶知安町

59,416/㎡

+20.64%

2

沖縄県

宮古島市

30,582/㎡

+15.28%

3

沖縄県

西原町

83,171/㎡

+9.40%

4

沖縄県

読谷村

73,140/㎡

+8.53%

5

沖縄県

那覇市

309,815/㎡

+8.45%

6

沖縄県

宜野湾市

116,578/㎡

+8.41%

7

北海道

千歳市

38,746/㎡

+7.58%

8

北海道

ニセコ町

14,320/㎡

+7.53%

9

沖縄県

北谷町

124,014/㎡

+7.13%

10

沖縄県

糸満市

67,800/㎡

+6.80%

出典:土地代データ

基準地価の上昇率が高い都道府県ランキング

上昇率が高い都道府県ランキングではありますが、なんと7位以下は上昇ではなく下落になってしまっています。

この中で注目すべきは1位の沖縄県です。5%近い上昇率を叩きだしています。今後、さらに注目を集めていくことでしょう。

また、東京都はコロナ禍の中にあっても高水準で推移かつ上昇を果たしており、資産価値の高さを改めて証明した結果であるといえます。

順位

都道府県

基準地価平均

変動率

1

沖縄県

94,177/㎡

+4.74%

2

福岡県

124,899/㎡

+1.16%

3

宮城県

96,731/㎡

+0.95%

4

東京都

1,037,635/㎡

+0.61%

5

大阪府

367,594/㎡

+0.24%

6

千葉県

101,956/㎡

+0.08%

7

熊本県

55,240/㎡

-0.11%

8

埼玉県

142,584/㎡

-0.19%

9

大分県

32,749/㎡

-0.25%

10

広島県

100,155/㎡

-0.33%

出典:土地代データ


基準地価の調べ方とは?

国土交通省のHPから、標準地・基準地検索システムで基準地価を調べることができます。

今後、不動産投資を始めようと考えている方で、エリアの基準地価が気になる方は、こちらのサイトから検索してみてください。

出典:国土交通省

基準地価が今後の不動産投資に与える影響とは?

新型コロナウイルスの影響を受け、全国的に見れば下落した基準地価ですが、このコロナ禍にあっても、エリアによっては上昇しているケースも多くあります。

基準地価が上昇しているエリアは、今後も需要が継続する可能性が高いので、今後不動産投資をする上で一つの参考になるはずです。

2021年、どこが狙い目なのでしょうか。
まずは、東京23区内は鉄板といえるでしょう。

特に都心3区(中央区・千代田区・港区)の物件をはじめ、渋谷区や新宿区などは基準地価が高い上に、この状況下においても平均価格が上昇し続けています

不動産投資を始める上で、最初に検討すべきエリアといえるでしょう。

また、ランキングでもご紹介したように沖縄県の物件は強いと考えられます。沖縄県の物件は、東京都の物件価格と比べると安価で高利回りが狙いやすいといえます。

国立社会保障・人口問題研究所から公表された資料によると、2030年までに人口が増加する都道府県は、東京都と沖縄県のみとなっています。

2020年以降、東京都と沖縄県以外の人口は減少していく予測となっているので、こういったデータをいち早く把握している方を中心に不動産投資をスタートする方が増えているのです。

出典:国立社会保障・人口問題研究所 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今後の不動産投資にお役立ていただければ幸いです。興味を持った方は、不動産会社に相談してみることをオススメします。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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