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副業している方でも持続化給付金が受け取れる?受給条件と申請時の留意点を徹底解説!

2021/01/20
副業している方でも持続化給付金が受け取れる?受給条件と申請時の留意点を徹底解説!

普段はサラリーマンとして企業に勤めて給与を受け取っている方でも、副業をしている方が増えてきています。

新型コロナの影響で本業のみならず副業にも影響が出て、収入が減ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ご自身が持続化給付金の受給対象なのか、そうでないのかよく分からないという方もいらっしゃいます。申請をしていれば受け取れたのにしなかった・・・ということは避けなければなりません。

この記事では、副業をしている方が持続化給付金を受給できる条件申請時の留意点について解説していきます。

副業をしている方が持続化給付金を受け取ることができる条件とは

まずは持続化給付金を受け取れる条件についてみてみましょう。

副業収入があり2019年以前から事業を始めている方

持続化給付金を受給するためには、副業収入がある方かつ2019年以前からその事業を始めている方が対象となります。

※2020年3月末までに開業した方も対象となります。

副業収入を事業収入として確定申告していること

副業で得た収入を確定申告の際に「事業収入」として申告している方が対象です。

確定申告していない方は対象外です。

2020年度のある月の収入が前年度比で50%を切った月があること

2020年度のある月の売上が前年同月と比較して半分以上減ってしまった月がある場合は、受給対象になる可能性があります。

副業収入を給与所得または雑所得として申告していたケースでも、受給対象となる可能性もあります。

ただし、サラリーマンとしての給与所得が副業収入よりも多いケースは対象外となります。

業務委託契約などに基づく事業活動がメインの収入にも関わらず、それを事業所得としてではなく、雑所得として確定申告した方が対象ということですが、これに該当する方は極めて少数になると考えられます。

副業収入を得て、確定申告しているサラリーマンの方は大勢いますが、多くの方が対象外になるのではないでしょうか。

持続化給付金のいくら受給できるのか計算方法を解説

サラリーマンで副業をしている方が持続化給付金の申請をした際に、いくら受給することができるのでしょうか。例として、2019年と2020年の各月の売上が以下の表のような場合について具体的にシミュレーションをしてみます。

なお、給付限度額は、「中小企業が200万円」、「個人事業主が100万円」となっています。

2019年売上2020年売上前年比
1月\200,000\200,000100%
2月\200,000\150,00075%
3月\200,000\90,00045%
4月\200,000\80,00040%
5月\200,000\70,00035%
6月\200,000\150,00075%
7月\200,000\150,00075%
8月\200,000\150,00075%
9月\200,000\150,00075%
10月\200,000\200,000100%
11月\200,000\200,000100%
12月\200,000\200,000100%

上記の表で、前年比の数字が赤文字になっている月(3月・4月・5月)については、50%以下になるため「対象月」となります。

この例のように対象月が複数あるケースでは、申請を行う方(中小企業または個人事業主)自身が申請する対象月を選択することができます

対象月の選択にあたっては、最も前年比が落ち込んだ月を選択するのが一般的です。こちらのケースでは、5月が最も前年比での割合が小さいため、5月を対象月として良いでしょう。続いて計算方法になります。

受給額は、以下の計算式で算出されます。

「2019年の総売上」-「2019年同月比較で50%以上の売上減少があった月(対象月)の売上」×12

この式に代入するために諸条件を整理します。

  • 対象月(5月)の売上・・・70,000円
  • 前年同月(5月)の売上・・・200,000円
  • 2019年度の総売上・・・2,400,000円
  • 対象月売上の12倍・・・840,000円(70,000円×12)
  • 計算式に代入・・・2,400,000円-840,000円=1,560,000円

この申請を行ったのが中小企業の場合は、上限2,000,000円以下なので、計算結果通りの支給額となります

・給付額(中小企業のケース)・・・1,560,000円

個人事業主場合では、給付上限が1,000,000円なので、超える部分は切り捨てとなります。

・給付額(個人事業主のケース)・・・1,000,000円

このような形で、給付額が決定されることになります。

持続化給付金の申請方法とは

こちらの章では、申請方法を解説していきます。

申請は、基本的にWeb上で行うこととなっています。申請のためのWebのURLは下記の通りです。

https://jizokuka-kyufu.go.jp/procedure_flow/index.html#tab-kojin

Web申請の〆切は2021年1月15日24時までとなっています。期限が迫っていますので、受給の対象になっている方は申請をお急ぎください。なお、Web申請を行うことが困難な方については、「申請サポート会場」で申請を行うことができます。

申請にあたって必要な書類は以下の通りとなります。

確定申告書

確定申告書はスキャンまたは撮影した画像で提出が必要です。収受日付印がきちんと押印されているか確認しましょう。

対象月の売上台帳等

スキャンまたは撮影した画像または、エクセルや経理ソフトなどから抽出したデータでの提出が必要です。

通帳のコピー

通帳の表面+開いた1、2ページ目をスキャンまたは撮影した画像での提出が必要です。

本人確認書類

運転免許証写真付き住民基本台帳カード個人番号カードなどが必要となります。申請書類について不明な点がある場合は、詳しくは中小企業庁のHPをご確認ください。
出典:中小企業庁

申請書類に不備がなければ、申請後2週間ほどで登録した口座に入金されます。給付が確定した方には「給付決定通知」が送られてきて完了となります。

なお、申請にあたっての注意事項として、不正受給時には厳しい措置が取られます。悪質なケースでは、刑事告発までされてしまう可能性もありますので、不正受給を目的とした申請は絶対に行わないようにしてください。

持続化給付金を申請する際の留意点とは

必要書類の不備に注意

必要書類の不備があると受給するまでに時間がかかってしまうケースがあります。

そもそも必要書類が揃っていないケースや、揃っていたとしても撮影した画像がぼけてしまっている、または一部が切れてしまっているなどで手続きが中断してしまいます。

申請を提出する前に、不備がないかきちんと確認するようにしましょう。

不動産投資や株式投資は受給対象外

副業であっても、所得の種類によっては受給対象外となるケースがあります。

例えば、不動産投資における家賃収入は、「不動産所得」にあたります。また、株式投資をおこない売却の際に得られた所得は「譲渡所得」となります。

この「不動産所得」や「譲渡所得」は、前述した持続化給付金の支給要件である「事業収入」に該当しないため、給付の対象外となることに注意しましょう。

持続化給付金は非課税ではない

所得税法において非課税所得になっておりません。つまり、給付後は「事業所得」として、きちんと課税対象となります。コロナ禍の影響などによって、損金の方が多いケースでは、課税対象になる所得が生じないこともあります。

この場合は、結果として所得税は課されないことになります。

将来的な税務調査に備える

本来、持続化給付金は新型コロナウイルスの影響を受けて、窮地に陥っている個人事業主や中小企業を救済するための制度です。

本業で給与所得があり、生活が困窮していない方の副業は雑所得として考えられます。そのような方であっても副業で得られた収入を「事業所得」として申告していれば、持続化給付金の申請や受給はできます。

ただし、将来的に税務調査が入る可能性があることは否定できません。

ちなみに、事業所得として申告するためには、

  • 継続的かつ反復的に事業を行っている
  • 相当程度の精神的または肉体的な労力をかけている
  • 継続して安定的な収入を得ることが出来る

など副業を本業として事業を行ったとしても、安定的な収入を得られることが要件になります。

しかし安定的な収入を得られるということは、給与所得に該当するのではないかというのが税務署の考え方になります。

持続化給付金の本来の目的にそぐわないとして、修正申告を求められる可能性があります。税務署から目の敵にされないように留意しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

サラリーマンで、副業している方向けに持続化給付金受給条件と申請方法及び申請時の留意点について解説してきました。こちらの記事をお読みいただき、ご自身が受給対象なのかどうかお分かりいただけたでしょうか。

受給対象だけれども申請方法が分からない方は専門家に相談してみてください。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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