タワーマンション(以下タワマン)への不動産投資を検討している方の中には、上記のような様々な疑問を持たれている方もいらっしゃるでしょう。
まず結論から述べておくと、タワマンはコロナ禍でも価格が下落していません。ただし、エリアや間取りによっては人気がない物件も存在するため、タワマンを選ぶときのポイントについてしっかりと理解しておくことが必要になります。
この記事では新型コロナウイルスが不動産市場に与えた影響やタワマンへの投資のメリット、投資するときに注意するべきポイントについて解説していきます。
これからタワマン投資を検討されている方は、ぜひこの記事を参考にして頂けると幸いです。
2020年2月に発生した新型コロナウイルスは、生活様式や経済活動に大きな影響を与えました。
その影響は、不動産市場にも及んでいます。
では、不動産市場はどういった影響を受けたのでしょうか?
コロナ発生前の不動産市場の状況とコロナ禍の状況を説明していきます。
ここでは、新型コロナウイルス発生前の不動産市場の状況を説明していきます。
新型コロナウイルス発生前は、2013年から不動産価格は上昇を続けていました。
具体的には、2013年から2019年の6年間で約1.5倍に上昇しています。
不動産価格はずっと伸長し続けていたため、不動産投資を検討する方も少なくありませんでした。
参考URL:国土交通省 住宅不動産価格指数
不動産価格が上昇していた理由はインバウンド需要や再開発需要が挙げられます。
理由のひとつである不動産投資のインバウンド需要とは、オリンピックの決定を契機にして、主に中国や台湾などの海外投資家による投資物件の購入が増えたことです。特に東京のマンションは需要が高く、外国人投資家の投資マネーが集中しました。
次に、オリンピック開催に向けた大規模な再開発も不動産価格上昇の大きな要因です。例えば、「高輪ゲートウェイ駅」といった新駅の開設を含む大規模なインフラ整備が挙げられます。
これらの再開発に伴って企業誘致や住宅需要が増加して、不動産価格が上昇していました。
不動産価格が上昇したもう一つの理由が日銀によるマイナス金利政策です。
この政策により、住宅ローンや不動産投資ローンの金利水準は下がり、銀行からの借入れがしやすい状況になりました。そのため、個人需要や投資家需要が増加したことにより、マンション価格を中心とした不動産価格が上昇しています。
ここでは、新型コロナウイルス発生後であるコロナ禍の不動産市場の状況について説明していきます。
不動産投資をするうえで、とても重要なポイントになるので、確認するようにしてください。
マンション価格は2020年7月に一度下落しましたが、同年9月には元の水準に戻っています。
つまり、新型コロナウイルスの影響は非常に短期的な影響はあったものの、大きな影響は受けていないといえるでしょう。
ただし、今後、新型コロナウイルスの影響によって飲食業や運輸業などの企業の業績不振に陥り、収入が減少すると不動産の需要が低下し、不動産価格が下落する可能性はゼロではありません。
参考URL:公益財団法人東日本不動産流通機構
マンション価格を含む不動産価格が大きく下落していない要因のひとつとして、不動産投資をする人が増えていることが挙げられます。
不動産投資をする人が増えた理由はふたつです。
ひとつは、新型コロナウイルスの影響によって株式や為替が大きく下落したことにより、株式や為替投資への不安からリスク分散を行う人が増えたことが要因になります。
もうひとつは、不動産投資などの現物投資は不況に強いと言われているためです。
いずれの理由にしろ、コロナ禍で他の投資先に不安を持ったがために、リスク分散として選ばれていることは共通しています。
タワーマンションやマンションといった居住系の不動産への投資は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けていません。
一方で、店舗やオフィスといった商業用不動産の価格は、コロナによって大きく下落しています。
参考URL:国土交通省 住宅不動産価格指数
その理由は、リモートワークの増加により家賃の高い都心ではなく、郊外に移転したり、規模を縮小したりする会社が増えているからです。
コロナ禍によってライフスタイルが変化したことにより、求められるオフィス機能が変化しているのです。このように、オフィス需要が減少しているため、今後も不動産価格が下落するリスクは高いといえます。
コロナ禍でも、マンション価格と同じようにタワマンの価格は下落していません。
その理由は以下の4つです。
それぞれについて、説明していきます。
コロナ禍により経済的に苦しくなったことが理由で人気エリアのタワマンを手放している人が増加しています。それにより不動産投資が活発になり、価格の下落を防いでいると言えます。
コロナ前までは、人気エリアのタワマンが出回ることはごく稀でした。しかし、現在はコロナ禍により不動産評価の高いタワマンが売却されることで市場に出回っています。
これを良い物件を狙った投資家が購入しているため、不動産投資市場が活発になっていると言えるでしょう。
外国人投資が東京への投資を続けていることも、タワマンの価格が下落していない理由のひとつです。
日本のコロナ対策はヨーロッパやアメリカなどと比べて成功しており、状況が他の地域より悪化していないため、外国人投資家はリスクが低いと感じて投資を続けています。
2020年1月〜9月の不動産投資額ランキングでは、実は東京は世界首位になりました。コロナによる影響が少ないことや、他の国と比較して東京の不動産価格は低い上に、賃料が高く取れるというのも一つ大きな理由として挙げられます。
一時期低下していたインバウンド需要も盛り返してきているため、東京のマンション価格は安定しているのです。
リモートワークの普及により、タワマンが人気を集めています。通勤時間が短い都心で、間取りが広く書斎にできる部屋があるマンションはあまりないからです。
このように、Withコロナの需要にマッチしているタワマンの価格は、今のところ下落していません。
コロナ禍の影響でリモートワークを導入する企業が増え、コロナ後もリモートワークを継続すると発表している会社は少なくありません。
そのため、通勤時間がかかったとしても生活環境の良いエリアに住みたい人が増えています。例えば、神奈川や千葉、埼玉といった東京郊外の地域にあるタワマンもそのひとつです。
都内の高額なタワマンだけでなく、郊外のタワマンの需要も増加しているため、価格は下落していません。
コロナ禍でもタワマンの価格にはあまり影響が出ていません。
それどころか、現所有者の経済状況の悪化により優良なタワマンが売りに出される可能性も高いため、いい物件に出会えるチャンスが増えていると言えます。
では、コロナ禍を考慮したうえで、どういったタワマンに投資をすればいいのでしょうか?
選ぶときのポイントは以下の4つです。
上記のポイントについて説明していきます。
山手線内などの利便性の高いエリアのタワマンを選ぶことをおすすめします。
会社への通勤時間が短いというメリットがあるためです。
リモートワークを継続する会社も多い中、解除する会社も出てきています。そういった会社に勤める方から、駅から近いタワマンは人気が高いです。
一方で、駅から距離があるといった利便性があまりよくないタワマンはリスクが高くなります。
在宅勤務の増加により、書斎などリモートワークに適した部屋がある間取りのタワマンが好まれやすいです。
リビングに家族がいる状況でリモートワークをすることに抵抗がある人は少なくありません。
したがって、書斎などの個人部屋を求める人が増えています。
また、エレベーターが密になることを避けるために乗員人数を制限していることによるエレベータの待ち時間を懸念している人も多いです。
そのため、エレベーターを待つ状況が少ない低層階や専用エレベーターのある高層階が好まれやすい傾向にあります。このように、コロナ禍で変化したライフスタイルに適しているタワマンを選ぶことが重要です。
ジムやプールといった共用施設の充実は、タワマンに投資するうえで重要なポイントです。
コロナによって外のジムには行きにくい状況が続いているため、共用施設のジムやプールには需要があります。
ただし、換気ができていることや清掃が行き届いているかなどの確認は必要です。
オリンピックの動向は不動産投資をするうえで、必ず確認する必要があります。
不動産価格は上昇してきたことの大きな要因は、オリンピックが決定したことにあるからです。
そのため、オリンピックが中止になった場合には、東京の湾岸エリアなどの不動産は大きな影響を受けるリスクがあります。
一方で、中止ではなく延期の場合には、オリンピックの開催が決まっているため影響は少ないといえるでしょう。2021年に開催する方向で進んでいるオリンピックの動向は、不動産市場に影響を与えるため、必ず確認するようにしてください。
タワマンはコロナ禍においても価格が下落していません。
それどころか、コロナ禍が原因で良い条件の物件が売りに出される可能性もあり、不動産投資を考えている人にはチャンスとも言えます。
ただし、オリンピックの動向やエリアなどリスクが高いものが存在するため、注意すべきポイントを理解しておくことが重要です。これから購入を検討されている方は、こちらの記事を参考にして頂けると幸いです。