コロナ禍で、テレワークを導入する企業が増えました。
テレワークが定着してくると、どこにいても仕事が出来るようになるため、都内のような賃料が高い場所に住むことなく、地方移住が進むのではないかという声もあります。
果たして、コロナ禍で地方移住は進んでいくのでしょうか。
こちらの記事では、不動産投資に与える影響を徹底解説していきます。これから投資物件の購入を検討されている方はぜひ最後までお読みください。
東京商工会議所が公表した「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果によると、緊急事態宣言前(2020年3月)のテレワーク実施率が26.0%でした。
宣言中または直後(2020年5月~6月)のテレワーク実施率が67.3%と急激に増加しましたが、宣言解除後(2020年9月~10月)では53.1%と14.2ポイント減少したことが分かります。
出典:東京商工会議所
「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果
http://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1023299
また、一時期実施していたが現在は取りやめてしまった企業の割合も、業種によりややバラツキはあるものの20%~30%程度存在することがわかります。
出典:東京商工会議所
「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果
http://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1023299
また、テレワークを一時期実施していたが取りやめた企業のうち、今後実施する予定はないと答えた企業の割合が50.4%となっています。
もちろん、テレワーク導入に向けた、企業の努力が足りない部分がある可能性はあります。しかし、直接対面でないと難しい仕事が一定数存在することもまた事実です。
出典:東京商工会議所
「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果
http://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1023299
コロナ禍における地方移住への関心はどのように変化したのでしょうか。
内閣府が公表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、テレワークを経験していない方のうち、83.6%が「関心が変わらない」と回答しました。
「関心がやや低くなった」・「関心が低くなった」も含めると90%の方が地方移住に対して前向きではないことが分かります。
それでは、テレワーク経験者はどうでしょうか。
70.8%の方は、「関心が変わらない」と回答しています。
「関心がやや低くなった」・「関心が低くなった」も含めると75%の方が地方移住に対して前向きではないという結果になりました。
出典:内閣府
新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf
コロナ禍で地方移住は進んでいくことになるのでしょうか。
今後の将来を担う、まだ就職していない学生はどのように考えているのでしょか。
下の表は、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)出身者が、そのまま1都3県で就職したいか、地方移住して就職したいかを「コロナ禍前後での心境の変化」を調査したものです。
「変わらない」が65.7%であるのはさておき、驚くべきことは、地方または地方都市志向が4.5%なのに対し、1都3県志向が14.6%と大きく上回ったことです。
この数字が意味するのは何でしょうか。
学生(若い方)は、コロナ禍によって地方移住したいという希望する方は少数派で、首都圏にとどまり続けたいという意向を持っている方の方が多いということなのです。
出典:内閣府
新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf
赤色:地方での地方(都市部以外)での就職志向が高まった
橙色:地方都市での就職志向が高まった
灰色:変わらない
青色:1都3県での就職志向が高まった
緑色:わからない
これらのデータをどう見るかによりますが、地方移住への関心は、「世間で言われているほど高まっているわけではない」といえるのではないでしょうか。
地方は首都圏と比べて土地の価格が安いです。
そのため、住宅を安価で建てる、または借りることが可能になります。
これが地方移住の最大のメリットといえます。
前述のように土地の価格が安いので、家に大きな庭を構えることも難しくないでしょう。
ガーデニングや家庭菜園なども都市部だとなかなか難しいことであっても気軽に行うことができます。
畑や田んぼなどの自然の中で、のんびりとした生活を送ることができます。
地方での静かな環境は、日々の生活を穏やかなものにしてくれます。
地方では、電車やバスなどの公共交通機関やショッピングモールやスーパー、病院などの数が都市部と比較して少なくなります。
そのため、都市部から地方移住を始めたばかりの方にとっては、最初は戸惑うこともあるでしょう。
また、今まで必要のなかった自家用車も必要となる可能性が高く、維持費がかかることを念頭に入れておきましょう。
テレワークの普及でインターネットがある環境であれば、どこでも仕事が出来るようになってきました。
テレワークで仕事を行う方にとっては、問題ありませんが、地方移住してから仕事を探そうとするケースでは注意が必要です。
都市部と比較して、求人の数や募集職種が少ないため仕事を探すのに、苦労する可能性があります。
地方移住したけれど、なかなか仕事がない・・・などとならないように事前にきちんとリサーチすることが大切です。
テレワークの普及で、ワンルームマンションの需要は高まっていく可能性があります。
実は、家でテレワークがしづらいと感じている方は一定数います。
家族がいるため仕事のための部屋を自宅に用意できないケースがあります。
また、部屋を用意できたとしても小さい子供がいて、部屋に入ってきてしまうため仕事にならないという方や、家族の前で仕事をしている姿を見られたくないという方たちです。
例えば、オンライン会議で、部下に怒っている姿や上司に怒られている姿を見られなくないのは想像に難くないと思います。
このように「仕事をする場所」をワンルームに求める方の需要が高まっていくと予想できます。
また、テレワークが現在のように盛んになる前から、日本の今後の動向として単身世帯が増加していく、つまりワンルームマンションの需要が増加していくという予想や、都内においてはワンルームマンションの建築規制などで供給数が減少していく流れがあるなど、堅実な投資として期待できます。
もし、地方移住が進んだ場合は地方物件の需要が高まることになります。
地方物件の価格は、首都圏のものと比較して格段に安いです。
不動産投資を行う上で、「利回り」は非常に大切ですが、物件購入価格を抑えることができると、利回りは必然的に向上します。
コロナ禍において、「住宅」に対する世の中の価値観が徐々に変わってきたのは間違いありません。
現在は安い地方物件でも、徐々に需要が高まっていくと値上がりしていく可能性があります。
先々を見据えて先行投資をしておくのも良いかもしれません。
地方物件の選定にあたっては、その地域に特化した不動産会社に相談するとよいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
コロナ禍による地方移住進行の可能性について解説してきました。
さまざまな、データを見ると必ずしも地方移住が進んでいくとは言い切れない部分があることがお分かりいただけたと思います。
地方移住を見据えた不動産投資を検討された方は、ニーズをきちんと把握してから進めていただくことをおすすめします。