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コロナの影響で借り換えローンの審査が通らない人が増えている?通りにくくなった理由を解説

2021/03/22
コロナの影響で借り換えローンの審査が通らない人が増えている?通りにくくなった理由を解説
  • 「借り換えローンを検討しているけど、コロナによって審査が通らない人が増えているって本当?」
  • 「借り換えローンの審査に通りやすくなる方法は?」

借り換えローンを検討している方の中には、上記のような疑問を持たれている方も少なくありません。

この記事ではコロナウィルスの影響で、借り換えローンの審査に通らない人が増えているかどうか、またその原因について詳しく解説していきます。

最後まで読んで頂き、借り換えローンを検討する際の参考にして頂けると幸いです。

コロナによってローンの借り換えを希望する人が増えている 

2020年に蔓延した新型コロナウイルスの影響は、ライフスタイルや経済活動など様々なところに出ています。

そのため、生活の変化や財政的な理由からローンの借り換えを希望する人が増加傾向にあります。

では、どういったことが原因なのでしょうか?

ローンの借り換えを希望する人が増えている主な原因は、次の2つが考えられます。

  • 収入の減少や雇用不安により返済額を減らしたい人が増えている
  • 健康への不安から疾病保障があるローンに変えたい人が増えている

それぞれについて詳しく説明していきます。

収入の減少や雇用不安により返済額を減らしたい人が増えている

新型コロナウイルスの影響で、収入が減少した人は少なくありません。

総務省の「家計調査2020年平均」を確認すると、世帯主の収入は431,902円と前年から1.5%減少しています。

なお、賞与に関しても79,823円と4.1%減少している状況です。

参考URL:「家計調査報告」(総務省)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html#nen)を加工して作成

また完全失業率は2.9%と11年ぶりに上昇しており、有効求人倍率は1.18倍と45年ぶりの下げ幅を記録しています。

 

このように、雇用や収入面の不安を多くの人が抱えている状況です。

そのため、ローンの返済額が負担になっている人や、負担になる可能性ある人が借り換えを希望しています。

健康への不安から疾病保障があるローンに変えたい

コロナウイルスなどの要因から、健康への不安を感じる人が増えています。

特に一定以上の年齢の方にとっては、病気は非常に大きなリスクです。

そのため働けなくなったときのために、団体信用生命保険を疾病保障にあるものに変更したいと、ローンの借り換えを希望する人が増えています。

コロナの影響によって借り換えローンの審査に通らない人が増えている

借り換えローンの希望者が増加している一方で、審査に落ちる人も増えています

その原因は、新型コロナウイルスの影響によるものです。

ここでは借り換えローンの審査でチェックされるポイントと、審査が通らない人が増えている理由について解説していきます。

ローンの借り換えの審査でチェックされるポイント

ローンの借り換え審査でチェックされるポイントは以下の7つです。

  • 過去にローンの返済実績
  • 他社からの借り入れ状況の確認
  • 返済負担率
  • 勤続年数の長さ
  • 勤務先企業の信頼性
  • 雇用形態
  • 完済時の年齢

それぞれについて説明していきます。

①過去にローンの返済実績

借り換えローンの審査は、「過去の返済実績」を重視する点で通常のローン審査と大きく異なります

今のローンから新しいローンに借り換えるため、直近のローンが滞納や遅延をせずに返済されていたかが重要視されます

その際、滞納や遅延をしていた場合は、ローンの返済が正しくされないリスクがあると判断されるので、審査に落ちる可能性が高いです。

ちなみに、借り入れ中のローンの返済予定表やローンの返済がわかる通帳の提出を求められるため、返済実績を隠すことはできません。

そのため、過去に遅延や滞納がある場合は、借り換えができない可能性も考慮するようにしてください。

他社からの借り入れ状況の確認

他社の借り入れ状況や返済履歴も審査の際に確認されます。

全国銀行個人信用情報センターを利用して、個人の信用情報を照会するため、他のローン状況やクレジットカードの取引状況も判断材料です。

そのため、他社の借り入れ金額が高額な場合や、滞納している場合は審査に落ちる可能性があります。

返済負担率

返済負担率とは、手取り収入のうち返済に回す金額のことです。

計算式は次のとおりになります。

「返済負担率=1年間のローンの返済金額÷年収の手取り金額」

例えば、月の返済額が6万円で、年収の手取り金額が500万円の場合は、計算は以下のとおりです。

  • 6万円×12=72万円
  • 72万円÷500万円=0.144
  • 0.144×100=14.4%

返済負担率は14.4%になります。

新規のローンでは、返済負担率が35%以下であることが基準といわれていますが、借り換えの場合は審査が厳しいため、30%以下が基準といわれています。

そのため、コロナで収入が減っている場合は、返済負担率を計算することが重要です。

勤続年数の長さ

安定して返済できるかを確認するために、勤続年数の長さは重視されています。

特に借り換えローンは、新規のローン時から年数が経過しているため、勤続年数は長くなっているのが一般的です。

そのため、新規のローンよりも重要視されていると言われています。

転職した直後など勤続年数が長くない場合は、審査に落ちる可能性があることを頭に入れておいてください。

勤務先企業の信頼性

勤務先企業の信頼性も審査のポイントです。

中小企業よりも大企業のほうが、収入が安定していることが多いため、大企業のほうが審査に落ちる可能性は低くなります。

またコロナによって悪い影響を受けた業界の会社の場合、安定していない勤務先と見なされて審査に落ちる可能性があるので注意が必要です。

雇用形態

正社員や契約社員、派遣社員などの雇用形態でも個人の信用評価を図ります。

他の雇用形態よりも正社員のほうが、安定した収入があると見られるため評価が高いです。

一方で契約社員や派遣社員は評価が低くなりがちなため、他の審査基準に問題があれば審査で落ちる可能性があります。

完済時の年齢

完済時の年齢は非常に重要なポイントになります。

例えば、40歳で35年ローンを組むと完済するときの年齢は75歳です。

こういった場合は本当に返済できるかが怪しいため、審査に通りにくくなります。

そのため完済できる年齢が規定以内であるか、確認することが重要です。

ローンの借り換え審査に通らない人が増えている理由

新型コロナウイルスによって借り換えローンの審査に通らない人が増えている理由は、以下の3つが考えられます。

  • コロナ不況の影響によって収入が減少している
  • リモートワークなどによって残業代が減少している
  • コロナによる生活苦から金融機関からの融資を受けてしまっている

それぞれについて詳しく説明していきます。

コロナ不況の影響によって収入が減少している

借り換えの審査に通らない最も大きな原因は、コロナ不況によって所属している会社の経営状況が悪化して、収入が減少していることです。

特に観光業や飲食業、運輸業などの収入の減少は、著しいと言われています。

ただし他の業種であっても、ボーナスの削減などによって2020年の年収は大幅に減少している方も珍しくありません。

リモートワークなどによって残業代が減少

リモートワークなどで勤務時間が短縮されて残業代が減少し、収入が落ちている方も多いです。

総務省によると、2020年平均で「もっと働きたい」と思っている労働者の数は228万人と前年比25%増加しています。

このことは、2019年よりも多くの人の働く時間が減っていると推測されます。

残業が減ることで収入が減少し、借り換えローンの審査に通らない人が増えているのです。

コロナによる生活苦から金融機関からの融資を受けてしまっている

コロナによって収入が苦しくなり、日本政策金融国庫や銀行などで資金を借りている場合は、借り換えローンの審査は通りにくくなります。

生活苦から金融機関の融資を受けているということは、そもそも収入が安定していないことが考えられます。

また、すでに他の融資を受けていることで、返済負担率が高くなることも審査に通らない要因だと言われています。

ローンの借り換えの審査に通りやすくする方法 

ローンの借り換えの審査に通りやすくなる方法は以下の3つです。

  • 繰り上げ返済で元本の残債を減らす
  • 期間を空けながら違う銀行に借り換えを申し込む
  • 他のローンや借金の残債を減らす

それぞれについて説明していきます。

繰り上げ返済で元本の残債を減らす

借り換えを考えているローンの元本を繰り上げ返済することで、ローンの残債が減少します。

そのため返済負担率が下がり、完済年齢を下げることも可能です。

ある程度資金に余裕がある方で、返済負担率が高い場合や完済年齢が高齢の場合は、元本を減らしてから借り換えの審査を受けるようにするといいでしょう。

期間を空けながら違う銀行に借り換えを申し込む

期間をあけて定期的に違う銀行に借り換えを申し込むのも、審査に通りやすくするためのポイントです。

その理由として以下の2つが挙げられます。

  • 不動産価格が上昇しているタイミングなら借り換えができる可能性がある
  • 銀行が融資実績をほしいタイミングなら借り換えができる可能性がある

タイミングによっては、過去に審査に落ちていたとしても審査に通るケースもあります。

ただし短期間に色々な銀行に審査を出してしまうと、申し込みブラックと呼ばれる状況になりかねません。

そのため、期間を空けながら違う銀行に申し込むことが重要です。

他のローンや借金の残債を減らす

借り換えを検討している借金の他にローンがある場合は、それが原因で審査に落ちる可能性があります。

他社からの借り入れ状況は、審査の際に重要なポイントのためです。

借り入れ額が高額の場合は、返済負担率が上がるため、金融機関も返済できる可能性が低いと考えます。

このことを逆にとらえると、他社から借りた借金の残債を減らすことで、返済負担率も下がり、審査に通る可能性が高くなるのです。

そのため、他社から借金をしている場合は、借金の残債を減らしてから借り換えローンに申し込むようにしてください。

まとめ

新型コロナウイルスの影響で、借り換えローンの審査に落ちる方が増えています。

こちらの記事にご紹介した借り換えローンの審査に通りやすくする方法を、借り換えローンを申し込む際の参考にして頂けると幸いです。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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