収益物件を購入するに際して、内見をすることが一般的です。
しかし、どこに留意しながら、物件を見ていけばよいのか分かっていない方も多いようです。
不動産投資を成功させるためには、購入前の入念なチェックは欠かせません。
こちらの記事では、収益物件を購入する際のチェックポイントを徹底解説していきます。
まずは、エントランスの清掃状況をチェックしましょう。
エントランスは、物件の「顔」といえる部分です。
この部分の清掃が疎かになっているようでは、管理していないのと同然です。
また、ポストの状況もチェックしましょう。
周辺のポスティングされたものが捨てられて散らかっているケースや、住民がしばらくポストの中をチェックしておらず、ポスティングされたチラシがポストから飛び出しているようなケースは、決して良い状態であるとはいえません。
エレベーターが設置されている場合は、異常がないか確認しておきましょう。
動いているときに揺れが激しいケースやスピードが遅すぎるケースでは注意が必要です。
購入後に入居者が事故などに巻き込まれてしまっては大変です。
素人だと、中々異常に気付きにくいと思いますが、エレベーターの中に点検日が記載された表示があるはずですので、最低限そこだけはチェックしておきましょう。
部屋の中を見る際には、水回りの状態を入念にチェックしましょう。
水圧や水漏れなどの可能性もありますので、実際に水を出してみてください。
目で見ただけでは、中々気づかないこともあるので、注意が必要です。
水回りは、修繕する際に高額になりやすい場所のひとつでもあります。
後になって、後悔しないためにも、内見時の確認を怠らないようにしましょう。
ゴミ捨て場の状態もきちんとチェックしておきましょう。
例えば、燃えるゴミの日なのにも関わらず、燃えないゴミやワレモノなどが出されているケースや、本来回収されないような粗大ごみなどが平気で出されているケースは、その物件に入っている方のモラルが低いと言わざるを得ません。
「割れ窓理論」をご存知でしょうか。
アメリカの学者が考案したものですが、建物や車の窓が割れているのを放置すると犯罪が起こる確率が高くなるというものです。
マンションにおいて、犯罪が起こるというのは大げさかもしれませんが、ゴミ捨て場のルールが守られていないと、入居者に対して「管理人が関心を払っていない」というサインになってしまいます。
そうやって徐々に入居者のモラルが低下していくのです。
マンションの資産価値を維持する上で、ゴミ捨て場の状態は非常に大きなチェックポイントとなります。
不動産投資を考えている物件にどのような方が住んでいるかどうかのチェックも行いましょう。
目的は、大きく2つあります。
1つは、入居者の家族構成や帰宅時間などを把握することです。
その物件のニーズを知ることができます。
不動産投資において、この部分を把握することは、ターゲットの絞りこみをする上で重要になります。
もう1点は、他の入居者が嫌がるような方が住んでいないかどうかです。
稀に、立地も家賃も決して悪くないのに、入居者がつきにくいケースや、ついたとしても早期に退去してしまうケースがあります。
怪しい雰囲気の強面の方が出入りしている場合や、夜間になると少々騒がしくなる場合は要注意です。
「ご自身だったら入居したいと思うかどうか」といった客観的な視点を持つことが大切です。
入居希望者が、その物件に入居するか、しないかを判断する大きな要素として「外壁」があります。
外壁がきれいな物件は、やはり人気があり、また資産価値も維持されます。
逆にそうでければ、どんどんニーズが低下していく可能性を秘めています。
また、ひび割れしている場合や塗装が剥がれているにも関わらず、そのままにされてしまっている物件を購入するには注意が必要です。
購入直後に、修繕が始まり思いもよらない出費があっては一たまりもありません。
どの物件にも共通していえることですが、修繕計画は必ず確認するようにしておきましょう。
不動産は管理から買いなさいという言葉があるように、建物の資産価値を高く維持していくには、管理体制が非常に重要です。
マンションに多いケースですが、周辺に樹木が植えられていることがあります。
樹木がきちんと手入れされていて整っているかどうか、雑草などが放置されていないかどうかも、管理状態を表す指標となります。
ぜひチェックしてみてください。
管理組合が機能していない物件は、入居者の質が落ちていき、ひいては資産価値の低下につながっていきます。
管理組合の機能を確認するには、掲示板の様子を見るとよいでしょう。
掲示物が剥がれていないかまたは破れていないかの確認や、また期日が過ぎた掲示物が貼られたままになっていないかどうかを確認することで、管理レベルを伺い知ることが出来るでしょう。
物件の近くに繁華街などがある場合、昼間と夜間で全く違う雰囲気の街になるケースもあります。
昼間に行った際、「閑静な住宅街で人が住むのに良いところだ」と感じ購入したけれども、夜になると「感じの悪い人がたくさんいて、歩くのが怖い」という可能性がないわけではありません。
内見をする方は、昼間に行くケースがほとんどですが、夜間も合わせてみておくと良いでしょう。
時間帯をずらして最寄り駅まで歩き、ご自身の目でチェックしてみてください。「百聞は一見にしかず」です。
近年、集中豪雨が多くなり大規模な水害が目立つようになりました。
甚大な被害をもたらすケースも多く、不動産を取引する際にも「水害」のリスクに関わる情報が重要となってきています。
国土交通省では、不動産取引時に重要事項説明の中で、「取引対象物件の所在地とそのハザードマップ」を説明することが義務付けられています。
出典:国土交通省
下記は、東京都中央区のハザードマップです。
色がついているのは、浸水の可能性があるエリアです。
購入を検討しているエリアについても、ぜひハザードマップをチェックしてみてください。
出典:東京都中央区
ほとんどのケースにおいて、「引っ越しによって遠くに行ってしまうため管理しづらくなった」、「年を取ったため、資産の整理をするために売却した」など、真っ当な理由です。
しかし、中には「マンションの住民にトラブルを頻繁に起こす人がいる」や「夜になるとマンションの周辺がうるさくなる」など、今後の不動産経営のリスクとなる事象を聞けるかもしれません。
中古物件の購入を考えている場合、「元の所有者がなぜ売却したのか」を確認しておくとよいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
収益物件の購入に際の内見についてチェックポイントや留意点を解説してきました。
不動産投資の成功のためには、物件選びから重要となります。
ぜひ、こちらの記事の内容を参考にしていただき、入念にチェックしていただくことをおすすめします。