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【徹底解説】不動産投資は借金をしたほうがいい?その理由と不動産投資のリスク

2021/04/06
【徹底解説】不動産投資は借金をしたほうがいい?その理由と不動産投資のリスク
  • 「不動産投資をはじめたいけど、借金に抵抗がある」
  • 「借金をすることでメリットはあるの?」

不動産投資を始める際、上記のように借金について悩む人は少なくありません。

一般的に借金は良くないというイメージが大きいですが、実際はどうなのでしょうか? 

結論から言うと、不動産投資における借金はメリットが大きいため、出来るなら借金をした方がおすすめです。

この記事では不動産投資において借金をしたほうがいい理由と不動産投資のリスクについて、詳しく解説していきます。

ぜひ最後まで読んで頂き、不動産投資を検討する際の参考にして頂けると幸いです。

不動産投資で借金をするのは悪いことではない 

借金はしてはいけないものだと考える方は、決して少なくありません。

返済が苦しくて自己破産したなどの話を思い浮かべてしまう方が少なくないためです。

しかし、不動産投資においては、借金を出来るならした方がいいケースが多くあります。

その理由を詳しく解説していきます。

不動産融資や住宅ローンは借金である

まず重要なポイントは、不動産融資や住宅ローンも借金であるということです。

「当然だろ」と思う人もいると思いますが、ローンを借金と認識していない人は意外と多くいます。

借金と聞くと闇金やサラ金という悪いイメージを思い浮かべる人も多いですが、ローンと聞くと悪いイメージを持たない人もいます。

実際に「借金が嫌いだ」という人の中には、住宅ローンを借りている人も少なくありません。 

不動産融資や住宅ローンも借金であることを認識することで、家や投資用不動産を購入するための借金は悪いことではないと理解出来るでしょう。

実物不動産投資をする際に多くの人は不動産融資を利用している

実物不動産投資は数千万円から億を超える物件もあり、非常に高額です。実際にその金額を自己資金から出せる方は一握りで、実物不動産投資を行っている投資家の多くは借金をしています。

一方で、購入資金を持っている投資家でも、借金をして不動産を購入しているケースはよくあります。

その理由は、不動産融資を利用するとレバレッジ効果が期待出来るなどのメリットがあるからです。

このことからも分かるように、実物不動産投資において借金をすることは、決して悪いことではありません。 

不動産融資を利用するメリット・デメリット

不動産融資を利用することはメリットがありますが、デメリットもあります。

また、融資を受ける方の属性によるところもあり、ここでは不動産融資を利用する際のメリット・デメリットについて解説していきます。

不動産融資を利用するメリット

不動産融資を利用するメリットは以下の3つです。

  1. レバレッジ効果が期待出来る
  2. 手元に資金を残しておける
  3. 団体信用保険に加入出来る 

それぞれについて説明していきます。

①レバレッジ効果が期待出来る

不動産融資を利用すると、高いレバレッジ効果が期待出来ます。

レバレッジ効果とは不動産融資などの他人の資本を利用して、少ない自己資本で大きな利益を得ることです。

レバレッジ効果を実感してもらうためには、以下の具体例を紹介します。

自己資金3,000万円で、3,000万円の不動産を買ったケースと、不動産融資で3,000万円を借り入れして6,000万円の物件を購入したケースの1年目の収益の比較です。

■前提条件

  • 利回り6%
  • 金利2%、20年ローン(元利均等返済)
  • 修繕費などの経費は除く

3,000万円の不動産のケースは以下の計算です。

3,000万円(不動産価格)×6%(利回り)=180万円(年間の家賃収入)

6,000万円の不動産のケースは以下の計算になります。

6,000万円(不動産価格)×6%(利回り)=360万円(年間の家賃収入)

3,000万円の融資の利息分が588,739円(12ヶ月)

360万円−588,739円=3,011,261円

自己資金で3,000万円の不動産を購入したときの年間収入は180万円になります。

一方で、3,000万円の自己資金と不動産融資で3,000万円借り入れして、6,000万円の不動産を購入したケースの収益は約300万円です。

このように、同じく3,000万円の自己資金を出しても、融資と合せて高い不動産を購入した方が、自己資金のみのケースよりも120万円も収入が多いことがわかります。

②手元に資金を残しておける

不動産融資を利用することで、自己資金をあまり使用せずに不動産を購入することが出来ます。

自己資金と不動産融資の割合を調整すれば、手元にまとまった金額を残して置くことも可能です。

不動産投資において、設備の修繕費が必要になるなどの不測の事態は付き物です。

こういった事態にも対応出来るように、資金を出来るかぎり手元に残しておくことは重要です。

③団体信用生命保険に加入出来る

不動産融資を受けている方の中には、団体信用生命保険に加入することができます。

団体信用生命保険とは、契約者が不測の事態により重度の障害になった場合や死亡したときに、保険会社がローンの残高を支払ってくれる保険のことです。

この団体信用生命保険には、3大疾病や8大疾病の特約が付いている種類もあり、非常に内容が豊富と言えます。

長期間に渡る返済の中で、自身に不測の事態が起きた場合のリスクヘッジとして、団体信用生命保険に加入することは非常に重要です。

団体信用生命保険は融資を利用しないと加入できないので、融資をするメリットのひとつと言えます。

不動産融資を利用するデメリット

不動産融資のデメリットは以下の3つです。

  1. 金利がかかる
  2. 購入した不動産に抵当権が設定される
  3. 審査が厳しい 

それぞれについて説明します。

①金利がかかる

不動産融資は1〜3%程度の金利が一つの目安になります。

一方で、住宅ローンの金利は0.40〜1%程度です。

このように不動産融資の金利は、住宅ローンの金利と比較すると、高く設定されている傾向にあります。それは家賃収入の収益から返済をしていくため、給与から返済する住宅ローンと違ってリスクが高いためです。

②購入した不動産に抵当権が設定される

不動産融資を利用して投資用不動産を購入した場合は、購入した不動産に抵当権が必ず付きます。

抵当権とは融資した金融機関が融資の担保として、購入した不動産に設定するものです。

そのため、不動産融資の返済を長期間滞納した場合は、抵当権を根拠にして不動産が差し押さえられて、競売にかけられてしまいます。

また、売却する際もローンを完済して抵当権を外してもらわないと、売却できません。

③審査が厳しい

不動産融資の審査は住宅ローンと比較すると厳しいです。

その理由は、融資額が高額であることと、家賃収入による返済のためリスクが高いからです。

そのため、住宅ローンの審査が通る人でも、不動産融資の審査は通らない可能性があります。

ただし、借りられないだけなので、デメリットとは少し違うかもしれません。

ちなみに、利回りや不動産の価値があり、返済の可能性が見込める場合は審査に通る可能性が高いです。

不動産投資を借金して失敗した事例

メリットが多い不動産融資を利用しても、不動産投資自体が失敗しては意味がありません。

それどころか、失敗してしまうと不動産融資を利用したことが大きな負担になってしまいます。

このため不動産投資を失敗させないためにも、不動産投資が失敗した事例を知っておくことが重要です。

事例を知ることで不動産投資のリスクを把握してください。

ここでは、以下の3つの事例を紹介していきます。

  1. キャッシュフローが悪い投資物件を購入した事例
  2. 相場よりも高く不動産を購入した事例
  3. 空室のリスクが高い物件を買ってしまった事例

それぞれについて詳しく説明していきます。

キャッシュフローが悪い投資物件を購入した事例

キャッシュフローが悪い投資物件を購入してしまったケースがあります。

よくあるのが投資用のワンルームマンションを購入した際に、キャッシュフローがマイナスになっているケースです。

例えば、毎月の収入が10万円ある不動産で不動産融資の返済が9万円、サブリース契約などのコストが2万円で、手出しが1万円出ているケースです。

このようなケースでは、不動産会社からは月々1万円で生命保険を得られるというような営業トークをしますが、投資なので、手出しをした時点で実は投資として成り立っていないことになります。

月1万円でも年間だと12万円になります。これから家賃が下がれば、その差額が更に大きくなっていきます。そのため、投資用不動産を購入する際には、しっかりとキャッシュフローのシミュレーションをして、キャッシュフローの良し悪しを確認するようにしてください。 

相場よりも高く不動産を購入した事例

相場よりも高い不動産を購入したことで、失敗したケースもよくあります。

投資用不動産は高額なため、数百万の違いがたいしたことではないと感じて高値掴みをする方が多いです。 

相場よりも高い不動産を購入してしまうと、利回りの確保が難しくなり、利回りを確保するために家賃を高く設定してしまいます。

そうすると、空室のリスクが高くなるという悪循環に陥ってしまうのです。

また、利回りがよくない不動産は売りにくいため、売却するためには価格を購入時よりも下げる必要があります。

このように、相場よりも高い価格で不動産を購入した時点で、失敗する可能性は高くなります。

失敗しないためにも、購入を検討している不動産の相場を調べて、把握するようにしてください。

空室のリスクが高い物件を買ってしまった事例

立地や築年数が古い不動産は価格が安いため、利回りが良い傾向にありますが、空室リスクが高くなります。

入居者が見つからないと、想定していた家賃収入を得ることが出来ないため、最悪のケースでは不動産融資の返済が出来ない状態になりかねません。 

このように、空室リスクが高い物件を購入してしまうと、失敗してしまう可能性が高いので、注意が必要です。

失敗しないためにも、立地や築年数などの不動産の状態をしっかりと把握するようにしてください。

まとめ

不動産投資を始める場合、借金をすることは決して悪いことではないですが、失敗しないため注意するポイントもあります。

借金で苦しむことを避けるためには、不動産投資のリスクを熟知して、失敗するような投資を避けることが重要です。不動産投資でいい借金にするため、ぜひこちらの記事で紹介したポイントを参考にして頂けますと幸いです。

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八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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