新築の家を取得しようと検討している方は、上記のようなZEHについての疑問を持っているのではないでしょうか?
ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、太陽発電などを利用して消費するエネルギーを限りなくゼロにした住宅のことです。
現在政府はこのZEHの普及と拡大を推進しており、補助金制度を設けています。補助金制度があるうえに、電気代なども節約できるため、家を新築する際はZEHがおすすめです。
この記事ではZEHの基礎知識と補助金を利用するためのポイントについて、詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで頂き、ZEH補助金を利用するときの参考にして頂けると幸いです。
前述のとおりZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、太陽光エネルギーなどを利用して1年間で消費するエネルギ−の量を概ねゼロにした住宅のことです。
政府は「2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指す」という目標を設定しており、普及に向けた取り組みを行っています。
経済産業省が2015年に策定した「ZEHロードマップ」に記載されているZEHは次の3種類で定義されています。
なお、定義するうえの基本的事項は次の3つです。
ZEHの定義について説明します。
ZEHは次の4つの条件に満たした住宅のことです。
このように定義されています。なお、UA値の計算方法や該当地域については以下のURLを参照してください。ZEHは次の4つの条件に満たした住宅のことです。
「Nearly ZEH」とは、日当たりが良くない地域で、ZEHに届かない住宅のために定められた基準です。
次の4つの条件を満した住宅が「Nearly ZEH」になります。
このように定義されています。
「ZEH Oriented」とは、都市部の狭小地などの住宅で屋根に日射が当たらずエネルギーが得られないことを考慮して定義されたものです。
次の3つの条件を満たした住宅が「ZEH Oriented」になります。
このように定義されています。
ZEHの補助金制度には、新築住宅を建築または購入する個人や既存住宅を改築する個人が対象の補助金と、新築住宅を開発する事業者などが対象の補助金があります。
個人が対象の補助金は以下の4つの種類です。
今回は個人が対象の補助金である上記の4つについて解説していきます。なお、より詳しい内容を確認したい方は以下のURLを参考にしてください。
参照:一般財団法人環境共創イニシアチブ資料のZEH補助金について
ZEH支援事業の詳細は以下の表になります。
対象住宅 | ZEH |
Nearly ZEH | |
ZEH Oriented | |
交付要件 | ZEHロードマップにおける「ZEH」の定義を満たしていること |
一般財団法人環境共創イニシアチブに登録されているZHEビルダーやプランナーが関与する住宅であること | |
補助額 | 60万円/戸 |
蓄電システムを導入する場合は、2万円/kWh、補助対象経費の3分の1または20万円のいずれか低い額を加算 | |
公募方法 | 先着方式 |
上記の要件を満たした住宅を新築する方や新築した戸建住宅を購入する方、所有する戸建て住宅をZEHに改修する方が申請できます。
ZEH+実証事業の詳細は以下の表になります。
対象住宅 | ZEH |
Nearly ZEH | |
交付要件 | ZEHロードマップにおける「ZEH」の定義を満たしていること |
省エネ基準から25%以上の一次エネルギー消費量を削減している | |
再生可能エネルギーの自家消費拡大措置のうち2つ以上を導入すること | |
一般財団法人環境共創イニシアチブに登録されているZHEビルダーやプランナーが関与する住宅であること | |
次世代ZEH+の要件 | ZEH+の要件を満たしたうえで以下の3つの設備のうち1つ以上を導入していること |
ZEH+補助額 | ZEH+ 105万円/戸 |
次世代ZEH+補助額 | ・次世代ZEH+ 105万円 |
公募方法 | 事前枠付与方式 |
このようにZEHをさらに省エネ化したうえで、再生可能エネルギーなどで自家消費拡大につながる設備を導入した住宅のことを指します、
ZEH+R強化事業の詳細は以下の表になります。
対象住宅 | ZEH+ |
Nearly ZEH+ | |
交付要件 | ZEH+の要件を満たしていること |
停電時に以下のいずれかにより、主たる居室で電源を確保できること | |
以下の3つの設備のうち1以上を導入していること | |
補助額 | 115万円/戸 |
・次世代ZEH+ 105万円 | |
公募方法 | 先着方式 |
このようにZEH+Rは、ZEH+に停電時用の設備を加えた住宅のことです。
先進的再エネ熱等導入支援事業の詳細以下の表になります。
対象住宅 | ZEH支援事業 |
ZEH+実証事業 | |
補助対象 | 以下のいずれかの建材や設備があること |
補助額 | ①90万円/戸 |
公募方法 | 先着方式 |
この支援事業は、ZEH支援事業とZEH+実証事業で併願が可能です。
ZEHの補助金制度に申し込むための手順と現在の公募状況について解説していきます。
ZEHの補助金制度は、2020年5月7日〜2020年6月19日の期間で最初の公募が行われており、2020年度は全4回の公募が行われています。
最後の公募である四次公募は2021年1月8日で終了しており、次の公募はまだ発表されていない状況です。
2021年度も公募が続けられることが予想されるので、気になる方は一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページを確認するようにしてください。
環境省は2021年度のZEH化支援事業に対して、65億の予算要求をしています。政府目標であるZEHロードマップの2030年度に新築住宅の平均でZEH実現を達成するために、2021年度もZEH支援事業とZEH+実証事業は継続予定です。
菅首相も昨年10月にあった「2050年カーボンニュートラル」の所信表明で、ZEH住宅の普及は政府課題と発言しており、ZEHの普及と拡大が見込まれています。
主な申請スケジュールは以下の表になります。
出典:一般財団法人環境共創イニシアチブ資料のスケジュールより抜粋
内容 | |
4月 | ZEHビルダーやプランナーがいるZEHを建築できる工事会社を探し工事会社を決定 |
5月 | 建築士やハウスメーカーと設計などを行い、工事会社にZEH補助金の申請書を作成してもらい補助金の申請を行う |
6月〜7月 | 補助金の審査期間 |
8月 | 補助金の交付決定後に着工 |
12月 | 竣工後、支払いを終えて事業完了後、補助金の実績報告書を提出 |
3〜5月 | 竣工後、3〜5ヶ月程度で補助金が支給 |
補助金の申請から入金まで1年以上かかるケースもあるため、注意するようにしてください。
補助金申請の手順は以下の4つです。
固定式クリアファイルは、表紙が無色透明でクリアポケットが20ページ以上あるものが指定されています。また、背表紙には「○○邸【R○年度 ZEH】申請書類」との明記が必要です。
申請に必要な書類は以下の表になります。
書類名 | 入手手順 |
交付申請書 | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
誓約書 | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
実施計画書 | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
補助金額算出表 | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
配置図 | 建築士やハウスメーカなどから入手 |
平面図 | 建築士やハウスメーカなどから入手 |
立面図 | 建築士やハウスメーカなどから入手 |
登記事項証明書 | 法務局から入手 |
地積測量図 | 法務局から入手 |
都市計画図 | 市町村の役所 |
敷地写真 | 自分で入手 |
蓄電システムのリース契約書(案) | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
蓄電システムのリース料金計算書 | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
本人確認書類の写し | 免許証など |
提出書類内容チェックリスト | 一般財団法人環境共創イニシアチブのホームページからダウンロード |
登記事項証明書や地積測量図、都市計画図、敷地写真に関しては、狭小住宅に該当する住宅で申請する場合に必要になります。
また、蓄電システムリース契約書に関しても、リースの場合のみ必要です。
新築の家や自宅を改修する場合は、補助金があるためZEHにするのがおすすめです。ZEH住宅は今後も拡大していきますし、省エネ住宅のため電気代の節約につながります。
ただし、ZEHの補助金を申請するためには多くの申請書類が必要になるため、提出書類などの注意点を理解しておくことが必要です。
ZEHの補助金を検討している方は、ぜひこちらの記事で紹介したポイントを参考にして頂けますと幸いです。