近年、老後資金に不安を感じる方が少なくないようです。背景には、平均給与額の減少や年金支給額の減少などがあるといえます。
世の中には、さまざまな資産形成の方法がありますが、不動産投資が効果的だとする声が多くあります。
なぜ、不動産投資が資産形成に有効なのでしょうか。
こちらの記事では、その理由を徹底解説していきます。これから資産形成を検討されている方はぜひ最後までお付き合いください。
国税庁から公表されている民間給与実態統計調査結果によると、最新のデータである2019年(令和元年)の平均給与は「約436万円」となっています。
2008年(平成20年)のリーマンショックを境に、それまで平均430万円台で推移していた給与が一気に400万円台前半まで落ち込みました。
1989年(平成元年)~2018年(平成30年)までの平均年収推移は以下の通りです。
※単位:万円
1989年 | 1990年 | 1991年 | 1992年 | 1993年 |
402万円 | 425万円 | 447万円 | 455万円 | 452万円 |
1994年 | 1995年 | 1996年 | 1997年 | 1998年 |
456万円 | 457万円 | 461万円 | 467万円 | 465万円 |
1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 |
461万円 | 461万円 | 454万円 | 448万円 | 444万円 |
2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 |
439万円 | 437万円 | 435万円 | 437万円 | 430万円 |
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
406万円 | 412万円 | 409万円 | 408万円 | 414万円 |
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
415万円 | 420万円 | 422万円 | 432万円 | 441万円 |
※千の位以下は四捨五入
出典:国税庁
安部政権が打ち出したアベノミクスなどの国策もあり、2017年にようやくリーマンショック前の水準に戻ってきました。
戻ってきたとはいえ、この30年で最も平均年収が高かった1997年を含む1990年代後半の水準と比較すると、まだ低い状況であることがご理解いただけると思います。
まだ2020年(令和2年)の平均給与が公表されていませんが、皆さんご存知のように、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で起こり、日本経済も大きな影響を受けました。
平均年収が大きく下がることは、間違いないでしょう。
結果が出てみないと、なんとも言えませんが、リーマンショック時の下落幅を上回ってしまう可能性もあります。
物価の上昇や消費税の増税がされている一方で、平均給与は中々上がらず、下手をすると30年前の水準を下回る・・・これでは、国民の生活が楽になっているとは言えません。
平均給与は、平成9年に467万円をピークに徐々に下がりはじめ、平成24年には408万円まで落ちました。
そこから再度上昇傾向にありますが、現在の平均給与は、実は平成3年~15年に満たない水準となっています。
平成の時代を通してみると、平均給与はほとんど変わっていないといえますが、消費増税や物価の上昇を鑑みると、日本国民の生活が楽になっているとは決していえない状況です。
平均給与が中々上がっていかない中で、年金の支給額はどのようになっているのでしょうか。
下記のデータは、厚生労働省から公表されている、男子の老齢年金受給権者状況の推移となっています。
出典:厚生労働省
65歳以上の平均年金月額に注目してみてください。
平成27年度に178,928円だったものが、年々徐々に減少し、令和元年度は171,305円となっています。
わずか5年で7,500円以上減少しているのです。
この先、少子高齢化で若い世代の働き手が減り、年金を受給するお年寄りが増えていく世の中において、受給額が上がること可能性は、限りなく低いといえます。
給与も減り、年金も減り、生活が大変・・・。だからこそ、現役世代からの資産形成が重要になってくるのです。
老後の生活にはどのくらいのお金が必要になるのでしょうか。
公益財団法人生命保険文化センターが公表した資料によると、夫婦2人が老後の生活をしていくためには、最低でも月々221,000円必要だとされています。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
ゆとりがある老後生活を送るためには、上記の月々221,000円に加えて、毎月140,000円が必要であるとされています。
つまり、多少のゆとりがある生活をするためには、総額で毎月「221,000円+140,000円=361,000円」が必要となります。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
以上のことから、窮屈すぎずかつゆとりもそれほどないというレベルは、月々28万円~30万円となるでしょう。
年金の平均額は約17万円であることから、収入を年金だけに頼った場合は月々10~12万円の赤字になるという試算になります。
85歳まで生きるとして、65歳からの20年間を月々12万円の赤字で生活していく場合は、自己資金として12万円×12ヶ月×20年間=2,880万円ものお金が必要になるのです。
給与だけの貯金ではなかなか厳しい金額と言えます。
資産寿命とは、令和元年6月に金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」において示され、多くの方が関心を持つようになりました。
この報告書内で資産寿命は、「生命寿命」や「健康寿命」と関連して、老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間であると説明されています。
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
金融庁より公表された資料によると、二人以上の世帯で、かつ世帯主の年齢が65才以上である世帯の金融資産の貯蓄残高は、以下の表のようになっています。
※貯蓄残高:銀行などへの預貯金、株式・債券などの有価証券、生命保険などの掛金の合計額
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ 厚生労働省提出資料
貯蓄残高が500万円以上の方の割合が2002年に83.5%だったのが、2017年には79.9%となっており、3.6ポイントも下げてしまっています。
一方で、貯蓄残高が500万円未満の方は増加しており、全体の20%以上を占めています。
昨今の状況を鑑みると、この数値が減少していく保証はどこにもありません。むしろ増えていく可能性の方が高いと思います。
さて、もう1つのデータをみてみましょう。
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ 厚生労働省提出資料
こちらの資料では、夫65才以上、妻60才以上の夫婦のみの無職世帯の収支状況が示されています。
実収入が209,198円に対して、実支出が263,718円となっており、実に54,520円の赤字となっています。
もし、貯蓄残高が100万円であれば約1年半、500万円でも約7年半しかもたない計算です。
不動産投資が資産形成に効果的であるといわれる理由はなんでしょうか。
いくつか理由はありますが、もっとも大きいのは老後資金の確保といえます。
不動産投資は、家賃収入を得ることが出来てもローン返済があります。
ローン返済がある限りにおいては、購入後しばらくの間大きな収益を得ることは難しいのが現状です。
しかし、ローン返済が終わってしまえば、その後は家賃収入が丸々オーナーの手元に入ってくる形になります。
家賃収入8万円が得られる物件を3つ所有しているだけで、ローン完済後は月々24万円もの収入があります。
税金や管理費を除いても15万円以上は手元に残すことが出来るでしょう。
前述のように、老後資金は多くの方が懸念をいただいている部分です。
若いうちから投資をスタートし、現役世代のうちにローンを完了する。このような運用が出来れば、老後資金の不安も軽減されることと言えます。
20代、30代の会社員の方は、積極的に取り組んでいただくメリットが大きいです。
いかがでしたでしょうか。
老後資金に不安を抱える方が多くなっている中、不動産投資が資産形成に有効な投資であることがご理解いただけたでしょうか。
今後の日本においては、資産形成が非常に重要です。
不動産投資もその選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。