施主支給という言葉を聞いたことがありますか?
住宅を建てる際に、ハウスメーカーや工務店が取り扱う設備や商品の中から選ぶことが一般的です。
しかし、施主支給では業者が取り扱うものの中からではなく、「施主」自らが別で購入するのです。
近年では、通信販売が普及し簡単に設備の比較や購入が出来るようになってきており、施主支給するケースも増えてきています。
普通に考えれば、施工会社にとっては、あまり良い思いをしないと考えられますが、施主支給は簡単に認めてもらえるのでしょうか。また、留意すべきことには、どのような内容があるのでしょうか。
こちらの記事では、施主支給する際のメリット・デメリット・留意点を徹底解説していきます。
住宅を建てる際に、ハウスメーカーや工務店が取り扱う設備や商品の中から選ぶのではなく、自らが見つけてきて取り付けてもらうことを指します。
ご自身が好みのものを注文できます。またその価格が安ければ、施主にとっては一石二鳥となります。
しかし、上記のようなメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在します。
施主支給を実際に行うかどうかは、理解を深めた上で検討していくことが大切です。
まず、最大のメリットは、自分の好きな商品を選ぶことが出来るということです。
ご自身が住む家であれば、しかも念願のマイホームということであれば、なおさら内装や設備にこだわりたいのは当然のことです。
施主支給であれば、海外からの輸入品やご自身での手作りも選択肢に入れることができます。
次に、費用面が抑えられる可能性があることです。
ハウスメーカーなどが取り扱う製品は、割高となります。
設備は、ハウスメーカーや工務店自身が作るわけではありませんので、設備を販売している会社から安く購入しています。そこに、人件費や利益を乗せて住宅購入者からお金を受け取るのです。
つまり、間に会社や人が入れば入るほど、商品の価格は高くなります。
これは、住宅の設備に限らず、どの商品にも同じことがいえます。
自身が見つけてきた商品であれば、金額を安くできるカラクリはすぐにご理解いただけることと思います。
「照明は一般的なものではなく、オシャレなものが良い」という希望があり、ご自身で照明器具の支給をしたとしましょう。
すんなりと設置できて、照明がつけば何の問題もありません。
しかし、そうでない場合が問題です。
例えば、付属品が足りず設置がきちんとできないケースがあります。
その日に設置するはずだったのに、部品がなかったためスケジュールが遅れてしまった・・・というケースも少なくありません。
これでは、施工会社に対して大きな迷惑をかけることになります。
また、照明は初期不良が起こるケースがあります。
実際に入居した後1週間程度で照明がつかなくなってしまったとしましょう。
ハウスメーカーや工務店からの商品であれば保証等で対応してもらえるでしょう。
しかし、施主支給の場合は、ご自身でその費用を負担することになる可能性が高いことに留意が必要です。
ハウスメーカーや工務店などの商品を利用する場合は、住宅価格に組み込まれるため、住宅ローンの利用が可能になります。
ただ、施主支給の場合は、施工会社経由での決済ができないケースがほとんどのため、住宅ローンに組み込むことが難しいことになります。
よって、自身で購入する分の設備は、自己資金で賄うことになります。
照明器具やカーテンなどであれば、そこまで自己資金の負担が大きくありません。
しかし、玄関のドアや水回りに関係する部分やフローリングなど、高額になりやすい部分まで施主支給するときは、ある程度自己資金が必要となることに留意しましょう。
施主支給する際に最も留意すべきこととして、スケジュールに影響が出ないようにするということです。
それは例え自身の住宅であっても決してあってはなりません。
前述のように、規格が合わない、部品が足らない、寸法が合わないなどのトラブルで、予定していた日程で設置できないとなると、施工業者に多大な迷惑がかかります。
工程がずれ込むことによる業者へのしわ寄せは、きちんと考慮しなければなりません。
本来かからない人件費が発生してしまう可能性もありますので、事前に打ち合わせをしっかりすることが大切です。
などのトラブルがあるようです。
万が一、届いた商品のサイズが合っていないことで、必要が足らないなどで設置が出来ないケースも存在します。
ハウスメーカーなどの商品を利用するのであれば、それは発注をかけた業者の責任です。
住宅の買主にその責任が及ぶことはありません。
しかし、施主支給のためにご自身で発注をかけた場合は、すべてご自身の責任になりますので、業者には、全く責任がありません。
不足している分を追加購入するのであれば、その分の費用にプラス送料で済みますが、しかし、商品自体を買い直さなければならない事態となってしまっては、せっかく安く済ませることができる可能性があったにも関わらず、かえって高額になってしまうことになります。
発注をかける際には、慎重に行うことが大切です。
施工完了後に、商品を見たら傷がついていた・・・
といったトラブルもあるようです。
もし、ハウスメーカーの商品を利用していたのであれば、その責任は、メーカーか配送業者か施工業者になるはずです。少なくとも住宅購入者の責任範囲ではありません。
しかし、ご自身で購入した商品の場合は、異なります。
万が一、傷などがついていた場合に、その責任範囲があなた自身にも及ぶ可能性があるのです。
納品時に検品をしっかり行っておけば、その時点であなた自身は免責となる可能性が大きいです。
それまでに関わっている、メーカーや配送業者に責任を追及することができます。
ここで、検品を怠ってしまい、後になって気がついてもあなた自身がつけた傷ではないという証明はできません。
よって、交換ができないまたは、交換が出来てもご自身で負担をせざるを得なくなってしまうのです。
このようにならないためにも、納品時の検品作業は必ず行うことが必要です。
今回は施主支給について書きましたが、参考になりましたでしょうか。
施主支給はご自身の好みに合わせて商品を選択でき、かつ金額も安価で済む可能性があることから、うまく活用することが出来れば非常に有効な手段です。
しかし、スケジュールの厳守など施工会社に対して、失礼のないように段取る必要があるのも事実です。
また、住宅ローンに組み込めないことや、商品の保証も効かない可能性があるなど、デメリットもそれなりに存在しています。
施主支給のメリット・デメリット両面を鑑み、もし希望があれば早めに相談することをオススメします。