不動産投資とは

区分所有のメリット・デメリットとは?今後の不動産投資で区分所有がオススメの理由を徹底解説!

2021/05/21
区分所有のメリット・デメリットとは?今後の不動産投資で区分所有がオススメの理由を徹底解説!

近年、会社員の方をはじめとして不動産投資を始める方が増えてきています。不動産投資には、区分所有や一棟所有などをはじめとしてさまざまな方法があります。

初心者の方にオススメしたいのが、区分所有です。こちらの記事では、区分所有のメリット・デメリットや、オススメする理由をお伝えしていきます。これから区分マンション投資を検討されている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

区分所有とは?

不動産投資において投資用物件の所有の仕方には、大きく2つのパターンがあります。

1つ目は、「一棟所有」といって、マンションやアパート一棟丸ごと所有する方法です。

2つ目は、「区分所有」といって、複数部屋のあるマンションにおいて「一部屋単位」で所有する方法です。

どちらのパターンも、購入資金を金融機関から借入れ、入居者からの家賃収入で返済していきます。さらにそこから、管理費や修繕費、固定資産税などの税金を引いたものがオーナーの利益となる点ではどちらも同じです。 

異なる点としては、区分所有は一部屋単位での所有となるため、購入金額が一棟所有と比較して安価となります。

築年数や立地により幅がありますが、相場としては都内のワンルームで、新築物件が3,000万円~4,000万円、中古物件が1,500万円~2,500万円程度となっています。

また、区分所有のオーナーは、家賃回収や物件の管理、新規入居者の募集などを管理会社へ任せている方が多くいらっしゃいます。

そのため、手間がかからずできることが特徴なので、会社員(サラリーマンやOL)の方が手軽に始めることができる投資となっています。

区分所有のメリットとは?

比較的安価で、始めやすい

第1章でも少し触れましたが、区分所有は比較的安価で始めることが可能です。

特に始めて不動産投資をする方にとっては、投資用不動産の購入に際して借入を行うこと自体に多少なりとも心理的な抵抗があると思います。そんな方にとっては、スタートしやすい価格帯であるといえます。 

また、一度購入した後は、入居者の募集や家賃回収、物件の管理などを管理会社へ任せることが一般的です。本業が忙しくても、ほとんど手間かからずに運用することができます。 

出口戦略において有利

不動産投資において、購入時に売却時のことも想定することが大切です。

例えば、一棟アパートの場合は木造であるケースが多く、築年数が経過するにつれて老朽化が進み、資産価値の維持が難しくなります。

一方で、区分マンションは、管理がきちんとしていれば、築年数が経過していても、非常にきれいで見栄えが維持されます。

エリアの開発状況や、人口動態、賃貸ニーズなどに左右されますが、購入時よりも高く売却することがなかなか難しく、将来的な売却を考えると、一棟アパートと比べて区分マンションの方が有利であるのは間違いないといえるでしょう。

区分所有のデメリットとは?

一棟所有と比べると利回りがやや劣る

2021年5月6日に不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)が公表した2021年4月度の「収益物件・市場動向のマンスリーレポート」によると、区分マンションの利回りは7.46%、一棟アパートの利回りは8.61%となっています。直近1年を見ても、区分マンションは7%台の中盤、一棟アパートは8%台の中盤で推移しており、1%近くの開きがあることがご理解いただけると思います。

出典:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)  

この約1%の差を大きいとみるか、小さいとみるかは、投資家の考え方次第となりますが、
先ほどメリットの部分で解説した、「安価で手軽」・「出口戦略で有利」を鑑みると、決して大きな差ではないように思います。

家賃収入が不安定、空室のリスクがある

不動産投資をしている以上、区分所有も一棟所有もどちらも空室のリスクはあります。そして、入居者の入れ替えの時期における空室は、仕方のないものとして割り切る姿勢も大切となります。 

6部屋ある一棟アパートの場合、もし1部屋が空室になってしまったとしましょう。1部屋分の家賃は入ってきませんが、オーナーには残り5部屋分の家賃収入があります。この場合、家賃収入が0になることはありません。

一方で、1部屋のみの区分所有の場合、空室になってしまうと家賃収入がなくなります。1ヶ月~2ヶ月程度であれば、大きなダメージとなりませんが、半年~1年近く空室になってしまうような事態になるとキャッシュフローに多大な影響を及ぼすことになってしまいます。

このように、空室になってしまった際に負うダメージに違いがあるのです。 

リスクヘッジとして、賃貸需要が継続するようなエリア選定をする、入居者募集に力を入れてくれる管理会社と付き合う、区分マンションを複数持ちリスクを分散するなどが考えられます。 

今後の不動産投資で区分所有がオススメの理由とは?

ワンルームマンション規制

ワンルームのマンション規制をご存知でしょうか。東京都の23区において、実はどの区にもこの規制は存在しています。「一戸あたりの最低専有面積の基準」、「総戸数に占める専有面積が一定以上の割合の基準」などが自治体ごとに定められているのです。

例えば、東京都千代田区の例でいくと、「階数が4以上」、「30㎡以下の部屋が10戸以上」のマンションが規制の対象となっています。
出典:東京都千代田区 

例えば、「1部屋あたりの最低面積が25㎡以上であること」、「ゴミ置場は、屋根または壁で囲うこと」、「管理人を必ず置くこと」その他様々な条件が義務付けられています。誤解や勘違いのないようにお伝えすると、このエリアにマンションを建ててはいけないということではありません。

しかし、建てるに際してさまざまな規制がかかるため、以前と比較すると建てにくくなっているということです。

ワンルームのマンション規制について詳しく知りたい方は、下記の記事を参照にしてみてください。

参照:東京23区のワンルームマンション規制!この条例規制によって、ワンルームマンションは今後どうなる?

今後の日本における世帯数の変化

国立社会保障・人口問題研究所から公表された資料によると、今後の日本においては「単独世帯」が2020年(19,342,000世帯)よりも2040年(19,944,000世帯)の方が高い水準になるとの予測になっています。つまり、今後しばらくの間は、ワンルームタイプをはじめとした区分マンションの需要が継続することが考えられます。

また、先ほど述べた通り、ワンルームタイプのマンションは規制がかかることによって、建設しにくくなるため、供給数に不安が残ります。需要が増え(または維持され)、供給数が減少するとなれば、資産価値の向上が期待できます。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

区分所有をオススメしたい方

普段は忙しいけれど、不動産投資を行いたい方

普段は、会社員などの本業があって忙しい方でも、区分所有という形であれば両立することが十分に可能です。第1章でも簡単に触れましたが、物件管理や家賃回収などは、不動産会社にやってもらえるため、ほとんど手間がかからず行うことができます。 

少ない自己資金で不動産投資に取り組みたい方

不動産投資をやりたいけれど、金額が大きすぎる・・・という方に区分所有はオススメです。

アパート一棟投資では、6,000万円~7,000万円程度が最低限必要となります。一方で、区分所有であれば、その半額以下2,000万円~3,000万円程度の投資で始めることができます。

また、株式投資では、3,000万円の投資をしたければ3,000万円の自己資金を準備する必要があります。一方、不動産投資においては、自己資金500万円で金融機関から2,500万円を借入れることによって、3,000万円分の投資をすることが可能になるのです。

このように少ない自己資金で不動産投資に取り組みたい方にとって、区分所有はオススメであるといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。区分所有のメリット・デメリット、およびオススメする理由について解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。

単身世帯の増加・ワンルームマンション規制などは、区分所有のオーナーにとっては追い風となる可能性が高いといえます。今後、不動産投資を始めようと考えている方は、区分所有を軸に検討してみてはいかがでしょうか。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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