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駐車場に充電ステーションは必要?かかるコストはどのくらい?設置するメリットとあわせて解説!

2021/07/08
駐車場に充電ステーションは必要?かかるコストはどのくらい?設置するメリットとあわせて解説!

ニュースなどで報道されている通り、近年電気自動車が普及してきています。

従来のガソリン車で定期的に給油が必要なのと同様に、電気自動車も定期的に充電が必要になります。駐車場に充電ステーションがあったら非常に便利である一方、コストもそれなりにかかるため設置に踏み切れない方も多いようです。

こちらの記事では、設置のメリット及びコストについて解説していきます。充電ステーションの設置で悩まれている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

本来、充電ステーションってどこに設置されている?

充電ステーションは、どこに設置されているのでしょうか。

電気自動車を販売しているディーラーをはじめとして、コンビニ商業施設道の駅高速道路のパーキングエリアなどに設置されています。

日本全国における充電ステーションの数は、2020年3月末時点で約18,270か所とされています。これは、全国のガソリンスタンド設置数の約60%に相当する数です。

充電器は、大きく2種類あります。高速道路のパーキングにあるような短時間で充電ができる「急速充電器」と、商業施設にあるような「普通充電器」があります。どちらであるかは、以下のような目印で分かります。 

下のグラフは、急速充電器の設置数の推移です。2011年時点では、1,000か所に満たなかったものが、徐々に上昇を続けて2014年には2,000か所を突破しました。2015年には、一気に5,000か所を突破し、2020年時点では約7,800か所となっています。

出典:一般社団法人 次世代自動車振興センター

なお、充電ステーションの設置されている場所は、以下のリンクから検索が可能です。
出典:GoGoEV

充電ステーションでの費用や走行距離は?

充電ステーションでかかる時間は?

以下は、充電にかかる時間の大まかな目安となっています。

 

普通充電器
ケーブル付き

普通充電器
コンセント型

急速充電器

80㎞走行するための
充電時間

約4時間

約8時間

約15分

160㎞走行するための
充電時間

約7時間

約14時間

約30分

出典:グーネットマガジン

普通充電器には、「ケーブル付き」と「コンセント型」の2種類があります。イニシャルコストが比較的低いため住宅などに配備されているタイプのものです。コンセント型は、100Vと200Vから選択ができますが、ケーブル付きのものは、200Vのみです。コンセント型の方は、ケーブル付きと比較して、充電時間が約2倍となります。

一方で、急速充電器は、非常に高い出力(50kW)で充電をしていくため、普通充電器と比較して短時間で充電することができます。イニシャルコストが数百万円と高額になるため、住宅に配備されているケースはほとんどありません。

フル充電した際の走行距離はどのくらい?

続いて、充電を満タンにした際の走行距離は、どのくらいになるのでしょうか。

例えば日産リーフ(電気自動車)がフル充電された際の航続距離は、一般的に約200㎞となっています。ちなみに、ガソリン車が給油を満タンにした際の航続距離は約600㎞だそうです。

充電にかかる費用はどのくらい?

充電にかかる費用は、どのくらいになるでしょうか。

電気代は、電力会社によって異なりますが、ここでは1kWhを27円として計算します。また、フル充電をするのに30kWhがかかると仮定します。

この時の電気代は、27×30=810円となります。810円で約200㎞走るわけですから、1㎞あたり走るのに必要な電気代は810÷200=4円となります。

一方でガソリン車はどのくらいになるでしょうか。1ℓで20㎞走る車だったとします。

ガソリン価格を1ℓ140円(レギュラー)とした場合に、1㎞走るのにかかるガソリン代は140÷20=7円となります。

この比較から、電気自動車が非常に経済的であるということがご理解いただけることと思います。

駐車場に充電ステーションを設置するメリットとは?

自宅に設置する場合

ご自身の自宅に充電ステーションを設置する最大のメリットは、充電料金が安く済むということです。ステーションで充電するとなると、その料金には電気代のほか、利用するための基本料金や設置にかかるコストや土地代、管理する方の人件費などが上乗せされてかかるため、割高となります。

一方、自宅で充電すればイニシャルコストで数万円かかりますが、その後は電気代しかかかりません。電気料金のプランにもよりますが、時間帯によって電気代の単価が異なることもあります。単価が低い夜間に充電することで、電気代を落とすことも可能になるのです。長い目で見たときには、お得になると言えるでしょう。

また、外で充電するとなると、どうしても充電するための待機時間があります。充電中にショッピングをするなど、時間を有効に活用している方もいらっしゃいますが、多くの方は待機しているのが現状です。

自宅の場合は、寝ている間に充電が完了していることになるので、時間のムダがないこともメリットといえるでしょう。

他人に貸している駐車場に設置する場合

不動産投資の一環として、駐車場経営をしている方にとってもメリットがあります。それは、他の競合(賃貸駐車場)との差別化です。

近年、電気自動車が普及してきていますが、忙しい方にとってはやはり充電する時間というものは惜しいものです。そのような状況に置かれている方にとって、駐車場に充電ステーションが設置されていることは、魅力的です。

相場よりも多少高くても、借りたいと思う方はいらっしゃるでしょう。 

充電ステーションを設置にかかるコストとは?

充電ステーション設置にかかるコストはどのくらいになるのでしょうか。大きく、「充電器本体費用」「工事費用」がかかってきます。

充電器本体

設置する充電器によって幅があります。

普通充電のものであれば本体は数千円~数万円となります。機能面を鑑みて選択すると良いでしょう。安いものだと、以下のような商品もあります。 

出典:楽天市場 

高速充電のものは、200万円~300万円かかります。イニシャルコストが大きすぎるため自宅への設置は現実的ではありません。貸駐車場への設置を検討している方は慎重に判断するようにしましょう。利用者にとっては、短時間で充電ができるという大きなメリットがありますが、オーナーにとっては、利用者があまり多くない状況では費用の回収が難しくなります。 

電気工事費用

普通充電器の設置には、充電器自体の購入のほか電気工事が必要となります。工事費用の相場は、約10万円~15万円程度です。この費用がもったいないからといって、自身でDIY・・・というのはいけません。

なぜならば、危険かつ違法だからです。したがって、設置工事は必ず、電気工事士などの有資格者にやってもらうようにしましょう。工事時間の目安は、おおよそ4時間~5時間を見ておくとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

駐車場への充電ステーション設置について解説してきました。設置するメリットやかかるコストについてご理解いただけたでしょうか。

欧州各国では、2030年までにガソリン車の廃止を目指した動きが進行しています。日本においても、菅内閣総理大臣が就任時に発表した「カーボンニュートラル」宣言によって、電気自動車への推進を図る動きが強くなっていくことになるでしょう。

現状では、まだまだ普及していない電気自動車ですが、今後加速度的に増加していく可能性があります。世界中が脱炭素化に向けて動きだしているため、この動きは早まることはあっても、後退することはありません。このような状況の中で、充電ステーションの設置は大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。ぜひ、興味を持った方は充電ステーションの設置を検討してみてはいかがでしょうか。

八木 チエ

株式会社エワルエージェント 代表取締役
みんかぶ(不動産投資)プロデューサー

宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランナーなどの経験を活かし、第3者の立場で不動産投資をしていくうえで役に立つ情報をお届けします。

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